一度ヤった後の物語   作:すっごい性癖

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くゆりと主人公の内面の変化を出すための文化祭だったので、正直文化祭スキップしていきなり修学旅行にしようかとも思いましたけど、終わりが近いので振り切ってこんな話

蛇足です

それと、次の話で登場させるキャラクターで登場人物は出しきることとなるので、私と思考回路が似ている方はそれで結末が予想できるかもしれません


文化祭終幕

 

ブブブブ……。

 

耳元に届く振動音。いつもなら耳元に感じるそれだが、今日は少し遠くに聞える。

 

 

「……んぁ」

 

ぐいぃ、とベッドに寝転がったまま身体を動かし、固まった筋肉をほぐす。

 

筋肉を動かし、血流を加速させ、脳に酸素を送り込み、1、2、3……。

 

少しずつ晴れ渡っていく思考の雲と靄。神経は次第に研ぎ澄まされ、フワフワと浮遊しているような感覚から、現実の重力に引き寄せられている感覚へ。

 

次第に昨晩の疲れも感じ出す。

 

 

ブブブブ……。

 

 

「あいあい……、いまいくよ~……」

 

 

呂律の回っていない口でそう呟きながらベッドを出る。

 

 

「うひっ、さっむぅ……」

 

 

その瞬間感じる、空気の刺すような冷たさ。

 

気温は秋から冬へと移ろいつつある今日この頃。朝の気温は一桁台へと落ち込んでいる。

 

 

そんな気温の中、服も着ず、素っ裸でうろつくというのはいくら室内であっても厳しいモノ。しかも、汗やらなんやらとが身体について乾燥した箇所は効率よく私の体を冷やし責め立ててくるものだから、たまりやしない。

 

 

さっさとベッドに戻ろう、と、ペタペタと音を立てながら急ぎ足で部屋の中央に置いてある机に近寄り、「ん……」、と音の発信源、スマホのアラームを消す。

 

 

画面に浮かんでいる時刻は午前七時。正確な時刻は分からないが、おそらく寝たのが3時ごろだったと思うので、睡眠時間は4時間ほど。正直、寝足りない。ので、二度寝しようと思う。

 

 

「んー、昨日は、……って今朝か。今朝はすっごい元気だったなあ……」

 

 

思い起こすは数時間前のこと。

 

 

全身、特に腰のあたりから感じる痛みがその激しさを物語っている。

 

 

「すっごい興奮してたもんなぁ……、アレ」

 

ちらり、と視線を横に向ければ、そこにあるのは真っ黒な何か。何を隠そう、昨日の文化祭では大活躍した私の衣装そのものだ。劇中、ピシッと私を飾り立て、まさに物語の王子のように引き立てたソレ。

 

 

しかし今は無残にも脱ぎ捨てられ、くたくたと折れ曲がっている。そして、他者を受け付けないかのような漆黒の布地も、何やら汚れ、くすんでいる。

 

 

 

王子様という存在に興奮したのか、それとも皆に持て囃される私を好きに出来ることに喜びを感じたのか。

 

 

 

あの衣装はまさに、敗国の王子の末路の様。

 

 

民衆の慰めものとして、犯しに犯され、打ち捨てられたその最後。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とん、とベッドの横に座る。

 

 

昨晩、この先一週間分ほどの精力を一夜に込めた彼女は未だぐっすり夢の中。その表情はだらけ切っており幸せそうで。今朝の猛りは嘘のよう。

 

ちらり、と顔から体に視線を動かせば、そこにあるのは確かに男性の肉体だ。

 

 

彼女はこちらのことを度々、見る度に脳みそがバグる、と言ってきていたが、彼女もたいがいだと私は思う。

 

 

こうして丸々見てみれば、顔は正しく女の子のそれで、細い髪も、可愛らしく整った顔も、そして漏れ出る寝言の声だって疑いようもないほどだ。

 

でも、少し視線をずらせば喉元には小さいけれども喉仏が発達しているし、胸元だってそう。

 

腰つきなんかはモロに骨格の影響が出ているし、さらに下を覗けば、もう疑いようもないほどに男性だ。

 

それは、私が誰よりも知っている。

 

 

 

彼女にとって、この身体は呪いだったという。

 

 

男の子が好きなのに、どうやったって上手くいかない、いけない呪いの身体。なまじある程度の関係までは余裕でたどり着けるほど女性に似通ったこの身体は、彼女を多く傷つけてきたという。

 

それこそ最初期は拗らせに拗らせ、女体への復讐心なんて生み出し、自身で穢すことを最上としていたくらいに。

 

 

 

だけど最近はそれも無くなった。

 

 

 

彼女の好みにこの身体を組み換えさせ、そして男性としての猛りと女性としての渇望、その両方を満たしてきた結果だ。

 

 

彼女は思いのほかイカツイファッションの男性が好みの様でピアスを開けた後、舌先も裂いた。ファッションだって大きく変わって、チョーカーやタトゥーシールなんで初めて使うこととなったし。

 

 

それに、彼女のぶつけ先のない両性の性欲も受け止めてきた。男性として女体を犯したいという性欲と、女性として男体に犯されたいという性欲。その両方が兼ね備えられていた彼女のため、慣れないことだって多々行ってきた。

 

 

 

その結果、彼女の心は満ち足り、余裕を生じさせ、今のようにゆったり夢の中を謳歌できているという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツマラナイ。

 

 

 

 

 

 

最初の頃、自身の欲望を持て余した彼女はとても可愛らしく、そして、オモシロかった。

 

 

女の身体なんて嫌っていたはずなのに、嫌なはずなのに。

 

 

――それでも身体は反応して、私と交わった

 

 

本当は男の子なのに、違うはずなのに。

 

 

 

――それでも彼女は犯された。

 

 

 

その、自身の感覚と身体が感じる感情との乖離に戸惑い続けていた彼女は本当に興味深かった。

 

 

だけど……。

 

 

 

「……」

 

 

 

思い起こすのは昨晩の彼女。

 

 

自身の意志で、性欲に従うまま動く彼女は正にオス。

 

自身の求めるまま、その先を懇願するのは正にメス。

 

 

そこに葛藤は存在せず、ただ、それが普通かのように、自身の性欲、性からあふれ出る衝動に突き動かされていた。

 

 

 

――それは、もう、そこらにいる人間と変わりはなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そろそろ潮時かな」

 

 

 

来週には修学旅行。何かいいこと、あるとイイな。




これでもかというタイトル詐欺

そういえばこの2人ってあれ以降ヤってるの?の答えを出してなかったな、と思って

そしてアウトを食らわないために描写をぼかしにぼかしたらメチャクチャ短く成りました
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