生徒会防衛室長不知火カヤは元ミリオタ公務員 作:MIHI
「どうしてこうなった⁉︎」
「それは運が悪かったとしか・・・・・・」
「それはそうなんだけども・・・・・・ひとまず戦闘は回避しよう、ヘルファイアじゃ有効打にならない可能性がある。高度をあげて進路を変更します。高度1000(ft)まで上昇、進路を変更170へ」
「了解しました。高度1000まで上昇、進路変更170」
エンジン出力とブレードピッチをあげ、ラダーを蹴り高度を上げながら進路を変える。
ヘリとはいえアパッチロングボウの最高速度は276km/h。流石について来れるわけがないだろう。
「カヤさん!先程のビナーに気づかれたようです!!」
「ど う し て 」
その時、ビナーからミサイルが発射された。その数は計12発。
「ミサイル警報!」
「フレア射出、回避機動ののち反撃を実施する!イサ、飛行場へ連絡して支援攻撃を要請して下さい」
フレアが機体両側から射出され、機体性能ギリギリでの全力旋回を始める。
ミサイルが機体のギリギリを掠める。
「ブレイトンコントロール、此方KAY001!」
『KAY001、ブレイトンコントロールです。どうぞ』
「ビナーに攻撃を受けている、支援攻撃を要請する。現在地は“N185、E169”地点ADC978、航空爆撃支援を要請!」
『KAY001、了解した。攻撃隊をすぐに上げる。到着予想時刻は5分』
「到着予想時刻5分後了解した、KAY001」
「カヤさん、聞きました?後5分です!」
「分かっています!」
全てのミサイルをフレアを撒きながら回避し、そしてそのままラダーを蹴り操縦桿を右へ傾け、正面を一気にビナーへ向けた。
ビームを打たれるが胴体ギリギリを掠める。
少しでもズレていたら機体外板が溶けていたかもしれないとゾッとする。
「目標捉えました」
「こうなるのならロングボウヘルファイアを吊り下げておけばよかった。ひとまず兵装照準のため操縦をイサに渡しますよ。You have control」
「I have control。ヘルファイア発射準備よし」
「オールウェポンズフリー、全ての武装でもって5分の間耐え抜きましょうか」
「ヘルファイヤ発射」
アパッチのスタブウィングに両翼4発ずつ懸架されたAGM-114R ヘルファイア II が薄く白い煙の尾を引き、続け様に発射された。
ミサイルを発射さえしてしまえばミサイルが着弾するまでミサイルの誘導レーザーを当て続けなければならない。
なんともこの時間が恐ろしく長く感じる。
「着弾まで25秒」
「イサ、ミサイルが発射されました!誘導を続けながら回避行動を取ってください!」
「了解しました!」
「フレア射出!」
アパッチの機体両側面から、眩く輝くシャワーが降る。
機体を左に滑らせながらレーザー照射が外れない範囲にてラダーを蹴り、回避機動をとった。
ビナーから発射されたミサイルくんはフレアと回避機動によってギリギリのところを交わされる事となりそして、発射していたヘルファイアが着弾する。
「ヘルファイア着弾、目標怯んでいるようです!」
「ここで一気に畳みかけよう」
「わっかりましたぁあ!ヘルファイア残弾全て発射ぁ!ロケット全弾斉射ァァァァ!!!!」
「」
とりあえず全火力撃っとけと言わんばかりに懸架武装を全て発射したイサに思わず絶句してしまう。
復路分の武装なくなってしまったんだが!?
最低限ハイドラ70ロケット弾は残しておこうかと考えていたがまぁ良いか。アビドスについた後にヘルファイアと一緒に空輸してもらうかと考え直し、目の前のビナーに集中しようか。
ビナーにハイドラ70ロケットが着弾し、さらの追撃のようにヘルファイアが着弾。
やはり怯む位で有効打にはなってないようだ。
「怯んではいそうだけど、有効打にはならないか」
「ちぇっ、奴硬すぎですよ!」
すると、突如無線から交信が入った。
支援爆撃戦闘機隊だ。
『こちらイーグル1、目標補足中。飛行場高度21000ftにて爆撃侵入コースに入りました。
お嬢様方お待たせしまたよー!』
ブレイトン基地の方角上空を見上げると、上空に二つの飛行機雲が伸びている。
「来ましたか。思ったより早かったですね」
『イーグル1、無線で余計なこと喋るな。混線するだろ』
『はーい、分かりましたよイーグル2』
颯爽と現れたのは単座型のFA-18Eスーパーホーネット2機だった。
彼女たちが駆るホーネットは当初予定として実弾を使用した爆撃演習を予定していたが、カヤたちの支援爆撃要請により演習が中止。
代わりにビナー爆撃任務が演習代わりとなったのだ。
目標はすでにカヤ達の乗るアパッチロングボウから目標情報をリンクで受け取っていた為にすぐにレーザーで照準。
翼に2000lbf誘導爆弾LJDAMを懸架した2機の蜂が最適なタイミングで投下された。
レーザー誘導爆弾は動き始めたビナーを正確に追い続ける。
その爆弾の着弾の爆発音は5kmと遠く離れたアパッチにも聞こえるほどだった。それも当然だろう。ブレイトン工業学園が保有する誘導爆弾の中で威力は3番目に大きいものであるため破壊力も一塩なのだ。
『いっっやっふぅぅぅぅ!!!!!!JDAMサイコー!!!!』
『ちょっと久しぶりの爆撃だからって羽目外しすぎだイーグル1。KAY001、目標撃破判定の確認を願います」
「イサ、どう?」
「ビナー微動だにせず、部位が散乱している模様。少なくとも無力化を確認。撃破判定は地上部隊を投入しないと正確な判定は出来かねないと思います。
『了解しました。最低限無力化できていれば良いと考えます。イーグル隊、基地へ帰投します』
「皆様ありがとうございました」
『へっへっへー、カヤ理事長に褒められたぞー!今日はパーティーだぁ!』
『イーグル1、浮かれない』
『はぁーい』
「ふふっ・・・・・・イサ、アビドスに向かいましょう」
「了解しましたぁ」
アパッチは眼下には何もない砂漠が広がっている空に緩やかな弧を描き旋回。彼女たちは盛大な道草を食う羽目になったもののアビドス高校へ進路を変えたのだった。
彼女たちはまだ知らない。流石の巨大兵器といえども2000lbf誘導爆弾であれば撃破は確実だろうとは思っていたが。
結局それは一時的な無力化にすぎなかった事を。
「もしもし。あぁ不知火です。アビドス高等学校にハイドラ70を32発、ロングボウヘルファイアを8発、7.62×51mm弾を1000発、5.56×45mm弾を1000発、12ゲージバックショットを250発配送願います」
彼女がヘッドセットを使い会話していた相手はスリーダイヤモンド重工業の営業課課長だった。
時たま弾薬が入り用になった時によく連絡する相手だ。
なお課長は電話で自社グループのトップ層である理事長からいきなり電話をかけてくるので毎回白目を剥いていて、部下に面白がられて写真を撮られている。
『わ、分かりました。納品は明日でもよろしいでしょうか?』
「構いません。代金の支払いは納品書を添付して小切手で」
「わ、分かりましたぁ」
「では、よろしくお願いしますね」
「は、はい・・・・・・」
電話の通話を切る。
外を見ると元市街地の上空だ。
「カヤさん、間も無くアビドス高校です」
「了解」
外を見回すと校舎のような建物が確認できた。
アビドス高等学校の校舎である。
「アビドス高等学校校舎を視認しました」
「いつも通りグラウンドへ着陸しましょうか」
「了解」
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「うへ──今日は良い天気だなぁ──────」
自信をおじさんと自称する飄々しい彼女は、小鳥遊ホシノさんじゅうななさい。
なんとも思わず眠くなってしまうような心地良い陽気に小さい身体を伸ばして、窓のそばで日向が当たる場所に丸くなりゆっくりと寝転ぶ。
まさにお日様日和、しかもお昼の中頃と最も最適な眠くなるお時間だった。
「しかしカヤちゃん全く来ないなー。カヤちゃん朝には来るって言ってたのにな──────・・・・・・・・・・・くぁ──ーっ・・・・・・・・・スヤァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
まるで我は飼い慣らされた犬とか猫であるぞのようにスヤァと寝てしまった。気持ちよさそうに可愛い寝息を立てて寝ているように見える、
彼女のヘイローは点いたままだ。
それから暫く小一時間が経った頃、ヘリコプターのローター音のような音がどこからともなく聞こえ始めた。
惰眠を貪っていた姿から一転、身体を跳ね起こし、窓から音が聞こえる方角に身を乗り出し接近するヘリが何かを確認する。
シングルロータータイプで直線状に並べられた直列タンデム型の操縦席と前方に設置された日に反射するセンサー類と機体から生えているスタブウィングがそのヘリは戦闘ヘリであることを示していた。そして、ローターの上部分に乗っかった鏡餅の1段目のような特徴的なレーダーレドームを有する機種はこのキヴォトスでは2種しかない。
「アパッチだったっけ。どうして此処に?
そういえば。カヤちゃんが前にアパッチを持ってると言っていたような気がするけど。まさかね?」
万が一を考えて銃を手にして校舎の入り口に行くと既に後輩が念のために武装を手に持って先に集まってきていた。
「あ、ノノミちゃん。現在の状況分かる?」
「先輩、私も今来たばかりで。それよりこれは一体何なんでしょうか?スリーダイヤモンド製のアパッチロングボウなのはわかるんですけど」
「ん、撃墜してみれば分かる」
「あ、おじさん心当たりあるよ。もしかしたら、今日来るって言ってたカヤちゃんなのかも」
「カヤさんが?けどカヤさんはいつもブラックホークで来てましたよね?」
アパッチがグラウンド上空でホバリングし着陸のために下降してきている。
誰かがスタブウィングに座っている。連邦生徒会の特徴的な白を基調とした制服を着ていて胸の起伏がないスラァッとした体型、そしてアパッチ。航空パイロット用のヘルメットを被っている為に顔は分からないが、もしかしたら。
そんなこんなでグラウンドにアパッチがゆっくりと着陸し、エンジンシャットダウンによりエンジンのつんざくような音が聞こえなくなり、ローターの回転がゆっくり収まっていく。
スタブウィングに乗っていた少女がヘルメットを取りスタブウィングから降りる。
「ホシノ、遅れて申し訳ありません」
「良いよ良いよ〜。ところでこれは?」
後ろにあるアパッチを指し示す。ノノミが先ほど言っていたようにいつもはブラックホークで来ていたとは思うのだが、今日に限ってアパッチできていた理由を聞く。
「今日はブラックホークがエンジン分解整備してたから、アパッチで来ただけなんですよ」
「それとスタブウィングは本来人を載せないというのは分かると思いますが、なぜ私がスタブウィングに乗っていた理由についてお教えいたします」
コックピットが開くと、前席にはブレイトン工業学園に在籍しており航空戦術研究部に所属している者に指定される、薄いグレーを基調とした制服を着用しているイサの姿があった。イサも良くカヤと一緒にブラックホークのコパイロット席に座って来る顔馴染みであった。
そして後席には、一人の男性の大人が座っていた。こちらの方は馴染みがないと言うか全く見たこともない大人であった。
「昨日出発したはずのシャーレの先生を偶然拾ったからです・・・・・・」
”カヤ、このシートベルトってどうやって外せば良いの?“
「はぁ・・・・・・いま外しに行きますよ先生」
そういった彼女は、頭が痛いと言うかの如く目の間を揉みながら、アパッチのコックピット席へ向かった。
とある日、暖かい陽気のあるとある日の昼前のころだった。
Tips1:ブレイトン工業学園
キヴォトスにおいて有数の工学を主題とする比較的新興の学園である。軽工業のみならず重工業の研究まで行っているため、規模は相当に大きいものとなっている。
以前は比較的常識的であったが、ミリオタの2名(現生徒会理事長不知火カヤ&生徒会長霧雲マチ)のおかげで全員が火力バカになりどこに使うか不明なバ火力兵器を開発する学園となった。
なおミレニアムサイエンススクールとは競合しているものの、最先端研究開発と工業製品研究開発とで棲み分けをしている。ときたまミレニアムの開発部と共謀しとんでもないものを共同で作る奴が出てきて、なまじ大量生産にも長けている為、共謀するととんでもない奴が大量生産され始めることもある為、ミレニアムの生徒会長は胃を押さえ、いつもは頼れる大人のような性格をしているブレイトン学園トップ層ミリオタ2名は精神年齢に似合わないほど大はしゃぎする。そしてどこかが今日も吹き飛ぶ(BGM:unwelcom school)
広大な自治区の郊外には滑走路2本を有するブレイトン飛行場を有しており、飛行場では個人の保有する航空機の普段の維持整備を行うサービスも行っている。
Tips2:吉田 イサ
ブレイトン工業学園の生徒であり、航空戦術研究部に所属しているヘリパイロット兼アパッチガンナー手。主にアパッチガーディアン、アパッチロングボウ、ブラックホーク、チヌークの操縦ライセンスを保有している。
実は中学生の際にシールズ時代のカヤに1回、防衛室次長時代のカヤに2回助けられていてこんがり脳が焼かれている。
Tips3:スタブウィングに人を載せる
イギリス陸軍のアパッチロングボウのライセンス生産品WAH64(AH.1)が捜索救難の際に武装装備用のスタブウィングにイギリス陸軍兵を載せてそのまま飛行するという荒業を行った実績が実際に存在する。