キヴォトス D.U.近郊 シラトリ区立図書館へようこそ!   作:ぱる@鏡崎琴春夜

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九冊目 アリスは小説家勇者です!

 はい、おはようございます。昨日はそんなにお仕事のなかったヒジリです。

 いえ、レファレンス以外の仕事もきちんとやってるので、暇だったわけではないのですが……ともあれ、今日はレファレンスのお仕事もありそうです。

 

 そんな風に考えてると、図書館の入口から小さな女の子がやってきました。青髪の長髪───この図書館長髪の人しか来てないんじゃ? いえ、ただの偶然ただの偶然……

 気を取り直してやっていきましょう。

 

「おはようございます! アリスはアリスです!」

「おはようございます。元気なのはいいんですけど、図書館ではお静かにお願いしますね」

 

 わかりました。とお返事をいただき、本題に入ります。

 

「アリスは勇者ですが、小説家にもなりたいです。だから図書館の賢者に聞いてみることにしました!」

「勇者? 賢者? ……えっと、まぁ、分かりました。『小説の書き方がわかる本』を探して欲しいわけですね?」

「はい、アリスは小説家勇者になりたいです」

 

 身の丈に合わない大きな銃?を背負った少女は目を輝かせて私を見ています。ゲームが大好きな子なのかな? 私も嗜みますよ。勇者が出てくるのはそこまでですが。

 

 さて、小説の書き方というのは様々な方法があります。まぁ、どういう風に出来事を綴るかなんて、どのような側面から描くかで変わるものですから。また、媒体によっても変わります。歌劇は台本のようにも見えますからね。『ファウスト』とか見てみると分かりやすいかもですね。

 

 では、ここで問題です。小説の書き方は第一次区分で言うと、言語の8と文学の9 どちらだと思います?

 答えは、両方です。 ズルい? どちらだと思いますかと聞いただけで、答えが片方だけとは言ってませんよ。

 8の方は文法や作文の書き方など言葉の使い方を中心に、9の方は文学の理論や作法など文章の型を中心にという感じですかね。

 今回は9の方にしましょうか。

 

「では、ご案内いたします」

「賢者 が パーティー に 加入 しました !」

 

 文学の書架に向かう途中で、帽子を目深に被った少女とすれ違う。また今日も勉強を頑張っていらっしゃるようですね。最近は図書館関係の資料コーナーで見かけましたし、ちょっと興味が湧いてきたのかもしれませんね。

 

「どうしましたか?」

「あぁ、いえ───何でもないですよ、あの子は仲の良い子でして、さぁ、こちらです」

 

 辿り着いた書架、幸運なことに背が届く位置に目的の図書はありました。一応学生が多いことも考えて高い書架は無いんですが、それでも図書を入れることを考えると、やっぱり多少は高さが欲しくて……なので当館では、ある程度は諦めて、司書に取ってもらうか、踏み台の貸出を行っています。

 

「これで、アリスは小説家になれますか?」

「……えーっと、そうですね。本を読むだけでなく、ちゃんと書いて行かないといけませんよ」

 

 司書、というかレファレンスとして答えられない質問があります。それは、宿題の答えだったり、本が絡まない身の上話だったり、株価などの予想などから、美術品の鑑定や人権やプライバシーの侵害になるようなのもできません。

 つまりは、責任を負うことが出来ない質問は答えられないんですよね。

 なんですけれど、この質問に答えられませんでは、良心が無いです。

 

「わかりました。モモイが書けない分、アリスが頑張って書きます!」

「……ゴーストライター?」

 

 なんだか複雑な事情がありそうですね?




というわけで、アリスのお話しでした。

ちなみに、原作を知っているのであれば『黒魔女さんの小説教室』はおススメですよ。
原作からして文章を書きなれないような年ごろがメイン層だったので、初歩的な疑問点や始めたばかりで迷うようなことを教えてくれる良い本です。

評価とか貰うと小躍りします。
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