キヴォトス D.U.近郊 シラトリ区立図書館へようこそ! 作:ぱる@鏡崎琴春夜
「司書にどうやってなったんですか?」
橙色の髪をミント色のリボンでツインテールにした少女が私にそう訊ねてきました。今日は骨が折れそうだと思ってしまうヒジリです。
「私は大学に進学して、司書課程を修めて卒業しましたね。そう言った資料までご案内しましょうか?」
「それも嬉しいのですが、出来れば進学してどうだったのかが知りたいんです」
ちょっと困りましたね、私の大学時代なんて人に紹介できるような話ではないのですが……でも、後進が知りたいというのなら……
「そうですね、休憩時間にしようかと思っていたので、少しお話しましょうか」
私は彼女を誘って少し休憩することにしました。
「司書になりたいと思った理由は……たぶん貴女と同じ理由だと思います。それと、そんなに厳しい道でもありませんよ」
数冊の厚い本を差し出します。『図書館活用術』『情報サービス論』『情報資源組織演習』これは私が使っていた教科書であり、同じものが図書館の蔵書にあったので持ってきたのです。よく私が言っている分類について学ぶのは『情報資源組織演習』です。この組織というのは団体という意味の組織ではなく、組み立てること。組み立てられたものといった意味の組織です。つまり情報資源を整理して分類することですね。
『情報サービス論』はレファレンスなどの図書館でのお仕事を中心に学ぶものです。この間お話したコピー───複写サービスの話もこの中に入りますね。図書館の利用者に提供するサービス全般を学ぶのがこちらだと言えます。
『図書館活用術』こちらは私が初めて受けた授業の時の教科書ですね。タイトル通り図書館の活用の仕方が分かりやすく書かれています。図書館の入門書ですね。図書館がどんな場所かということから、情報検索や書誌情報の読み方・書き方まで色々なことが書かれています。
勿論これら以外にも多くの授業がありました。図書館の経営や運営についての授業を受けたこともありますし、児童サービスについてや、図書館の歴史について習ったこともあります。
「やっぱり、色々なことを学ぶんですね」
シミコという名前だと伺ったお嬢さんは、私の持ってきた本をパラパラとめくって目を輝かせています。
「確かに色々なことをやったなぁとは思いますけど……でも一つ一つは簡単なことですし、今こうやって頑張ってるシミコさんなら、もっと簡単だと思いますよ?」
「そうなんですか?」
「はい、今のシミコさんの仕事内容は私たちの仕事と変わりませんし、実戦経験豊富ってやつです」
聞くところによると、トリニティの図書館ではきちんと季節やイベントごとに合わせて企画をしたり特集を組んだりしているようですし、分類も覚えていらっしゃいます。図書館の司書として十分やっていると私は思いますけどね。
「あぁ、それと学校図書館で勤めるならば、ちょっと注意するところもありますよ」
「注意ですか?」
「えぇ、学校図書館は学校図書館で修めるべき授業の数が増えますよ。それに学校司書はいいですけど、司書教諭になると教員免許も必要です」
司書教諭というのは教員免許を持った司書で、学校の授業をしながら図書館の司書もします。一方学校司書は学校図書館に勤める司書で教員免許はありません。私はそちらの方面をあまり修めなかったので分かりやすい違いがこのぐらいしか述べられませんが、学校で司書をしたければ、どちらを選ぶべきかという選択もあると思います。教員課程と司書課程のある大学なら一度で取れるかもしれませんが、そうでなければ入りなおしと言うこともありますしね。
「……やっぱり、考えることがいっぱいありますね」
「ふふ、なにか行き詰まったら聞きに来てください。宿題の答えを教えることはできませんけど、答えを考える手助けはできますよ」
というわけで、シミコのお話でした。
どういう展開をすればいいのか分からないので、司書のお話をしてみました。これで良かったのかまだわかりませんが、もしも学んでみたいと思った方がいるなら頑張ってください。実生活でも結構役立つ知識ですよ。
感想と高評価お待ちしておりますわ