キヴォトス D.U.近郊 シラトリ区立図書館へようこそ!   作:ぱる@鏡崎琴春夜

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十四・五冊目 万象の始まりから最新型の情報までを

 図書館とはどんな場所か、昔そんな話をしていたと思います。今回はもう少し踏み込んでいきましょう。

 

「図書館? そんなもの要らないだろう。そんなもの」

「教えはマダムから受けている。本を読まなくても必要な知識は身についている」

「あれは贅沢者のためのものだ、私たちにはいらない」

 

 少し悲しいですが、図書館に良くない感情を持つ人もいます。今回はそんなお話になります。

 

 

 

 錠前サオリがこの図書館に良く足を運んでいるという情報を掴み、私は件の図書館に足を運んでみた。軽く歩き回ってみたが奴は見当たらず、いつ来るかも分からないだろう。なるほど遮蔽物も多く、空調も丁度良い。確かに潜伏には向いているのかもしれないな。

 

「───なにか、お探しですか?」

「あ? 何も探し……いや、人を探している」

 

 うろついていると職員が話しかけてきた。こんな風に普通話しかけてものなのか? まぁ、都合がいい。探してもらうか。

 

「人ですか?」

「あぁ、ここに最近はよく来ていると聞いた。白いコートにへそ出しインナーの変な格好をした女だ。館内放送でも何でもいい、呼び出してくれ」

「白のコートにへそ出しインナー……えっと、流石に館内放送で呼びかけなどは……見かけたらお声がけぐらいはしておきましょうか?」

 

 ふん、使えないな。だがまぁ、来ていない者を呼び出せというのも無理な話か。奴を待ち伏せする為に、よく行きそうなところを聞いてみるか。聞くところによると奴は職員と懇意らしいしな。

 

「お前、知っているだろう。錠前サオリという女だ。奴はどこの棚によく行くんだ?」

「……そう言ったことはお答えできません。図書館には様々な情報がありますが、提供できない物もあります」

「チッ、本当に使えないな。”様々な”だって? じゃあ、殺し合いの方法は? 荒野で生きる方法は? そんなもの、提供できないだろう」

「自分で戦う時の術としてなら789の武術があります。組織的なものであれば391の戦略・戦術か、396の陸軍や399の古代兵法や軍学があります。 荒野での生活は786の戸外レクリエーションや369.3の災害・災害救助があります。そちらは提供できますが、ご案内しましょうか?」

 

 反抗的な目だ。気に食わない。なるほど、広い分色んなものがあるようだ。だが、それがどうしたというのだ。読んだだけでは身につかない。実践をしなくては意味が無いだろうに。

 

「要らん。こんなものに興味なん───」

「やめなさい。貴女にとってはつまらないものでも、面白いと感じる人もいるのよ」

 

 本棚の中身をばら蒔いてやろうと手近な棚に手を伸ばそうとした瞬間、私の手を誰かが掴む。黒い革手袋の小さい手。だが、その力は強くピクリとも動かせない。

 

「貴様はゲヘナのッ!」

「……あぁ、貴女見覚えがあるわ。確か調印式であったわね?」

 

 白の長髪と軍服チックな制服。ゲヘナの風紀委員長がこんなところにいるだなんて聞いてないぞ!

 

「すみませんが、ここで揉め事はご遠慮願います」

 

 だ、そうだけど。という目でゲヘナの風紀委員長がこちらを見上げる。

 

「~ッ! もういい、時間の無駄だ!」

 

 力の抜かれた手を振り払い、出口に向かう。外まで追ってくるかと思ったが、そう言うことは無かった。

 風紀委員長がいるなんて想定外だった。二度と来るかこんなところ。




 図書館はプライバシーに気を付けています。昔は貸出カードに名前が書いてあったこともあるそうですが……映画でも見かけたことがある人はあるでしょうね。私の頃にはもうなくなってしまって、今では利用者カードで処理してもらえます。便利な時代ですよね。

 図書館嫌いの人がテーマではあったんですけど、上手く表現することはできませんでした。ごめんなさい。
 やっぱり、私は図書館と本が大好きなので、嫌ってる人があんまり想像できないんですよね。まぁ、無いときは無いので、自分が必要な本は全然ない! とか、パソコン関係の本が古すぎて、まだまだ現役ですけど? みたいな顔してXPの本とかがあったりすることもあるので、最新のが少ない! ってぐらいなら理解できるんですけど……。

 私個人の思想としては、事前に調べた先人の経験と理論を摂取してから始めれば効率もいいのに……と言った感じです。簡単な失敗が回避できるなら回避した方が楽ですからね。

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