キヴォトス D.U.近郊 シラトリ区立図書館へようこそ!   作:ぱる@鏡崎琴春夜

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十五冊目 配達人の冒険譚

シラトリク配達生徒

 

はい、おはようございます。最初に話すネタすら尽きてきてどうしようかと思っているヒジリです。メタい? 何を今更。

 最近ちょっと重たかったので、口直しに普通の紹介やっていきましょうか。

 

「ねぇ、ちょっといい?」

「はい、なんでしょうか?」

 

 いらっしゃったのは大柄な生徒さんです。服装は学生と言うよりは、車掌? な感じなので、ハイランダーの生徒さんかもしれません。

 

「アタシね、普段は車掌やってんだけど、今度から貨物の方に異動でさ、割と待ち時間できちゃって暇なんだよね」

「なるほど、ではハードカバーで長めの物をご用意しましょうか?」

「あ~、いや持ち歩きたいし、デカいのはちょっと・・・・・・」

「そうですか、では文庫本の方にしましょうか。何かご要望はありますか? それともご自身で探されますか?」

「・・・・・・そうね、探してもらえると助かるわ」

「何かご希望の内容などはありますか?」

「そうだねぇ・・・・・・あぁ、じゃあ荷物を運んだりするのが良いな。ただし、貨物列車じゃないやつ。仕事に近いのはいいけど、近すぎるのもね?」

「わかりました」

 

 今回向かうのは久しぶりのYAです。覚えてますか? ヤングアダルトの書架です。ヤングアダルトでえっちなものだと思った人は、1スレ目の二冊目を見てきてください。ヤングアダルトとAudioVisualの略称AVは図書館の二大えっちに聞こえるワードだとは思いますが、どっちも健全ですからね。

 

 さぁ、そんな閑話休題は置いといて、私たちはYA書架にたどり着きます。私はたくさん並ぶライトノベルの背表紙から、緑の一冊を引き抜きました。あ、緑背表紙だからと言ってMF文庫じゃないですよ。今回は電撃文庫です。

「こちらなどいかがでしょうか? 荷物を運ぶお仕事ですが、貨物列車では無く、バイクですね」

「『オリンポスの郵便ポスト』?」

「はい、世界最高峰のオリンポス山の頂上にある郵便ポストまである荷物を届けに8635kmの道のりを行くというお話です」

「へー、オリンポス・・・・・・あれ? 世界最高峰ってエレベストじゃなかった?」

「えぇ、地球ではそうですね。オリンポスは太陽系最高峰の山なんですよ」

 

 へぇ、といった顔でハイランダーの生徒さんは本を受け取りました。最初のカラーページを眺め、ニコリとしました。どうやら面白そうだと思っていただいたみたいですね。

 

 さて、では皆様の為のあらすじと参りましょう。

 話の大筋は先ほど言ったとおりですが、詳しく話しましょう。

 舞台は火星、人類が入植を始めて早二百年。いつ頃からか、オリンポスの頂上には郵便ポストがあり、そこに投下された手紙は神様が天国だろうが届けてくれるらしいとの噂が立ったのです。誰もが夢物語だろうと分かっていながらも信じてしまうお話ですが、そこへ連れて行って欲しいという依頼人が郵政会社を訪れ、主人公がその役目を請け負い、向かうことになるのです。

 途中で依頼人の昔話を聞いたり、彼が地球から持ってきたテープをかけて歌を歌ったり、時には喧嘩したり・・・・・・冒険譚と形容するのが正しいですかね? 旅行記という風味も感じます。

 昔、電撃小説大賞で選考委員奨励賞を取った作品です。同期は『86』と『君は月夜に光り輝く』、それに『賭博師は祈らない』などですかね。知っている人は知っていると思います。

 

「あっ、そうだ。司書さん。ついでに聞きたいけどさ」

「はい、何でしょうか?」

「友達が私らに似合う良い作品だよって教えてくれたんだけどさ、『バッカーノ』って作品どこにある?」

「ご案内いたしますね」

 

 『バッカーノ』にハイランダー要素? と一瞬考えましたが、なるほど、確かにありますね。鉄道要素も車掌の要素も・・・・・・。

 ハイランダーの生徒さんはそのままそれらを借りて帰って行きました。

 

 

 

 




今回のハイランダーの口調は私の性癖に合わせただけです他に他意はありません!
 今回は完全に趣味回です。『オリンポスの郵便ポスト』と『バッカーノ』はいいぞ。
『オリンポスの郵便ポスト』はポストアポカリプスものが好きな人にも刺さる一品だと思います。
『バッカーノ』は言わずとしれた作家、成田良悟先生の作品ですね。先生の得意な群像劇をこれでもかとふんだんに使ったものですね。絡み合っていく人生というものが良く表現されていると思います。ハイランダー要素は1931年のお話ですね。
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