キヴォトス D.U.近郊 シラトリ区立図書館へようこそ!   作:ぱる@鏡崎琴春夜

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私は、最寄りの図書館であることは知っていましたが、時間を間違えて、行った時には狩りつくされていました。


二十三冊目 定期刊行物とお得な話

 こんにちは、司書のヒジリです。

 最近は眠るときに、動画を流しながら寝るようになってしまいました。なんだかんだ、少し音があった方が寝やすいというか・・・・・・環境音よりは、会話のようなものの方が寝付きがいいんですよね。

 

 変なことを書き込んだりしないように、基本的にはアーカイブだったり、ラジオだったりを聞いています。

 定期的な放送があると丁度いいですよね。

 

 と、ちょっと無理矢理な枕をしましたが、今回はそんな定期的なコンテンツのお話です。

 

 

 


 

 

 

「こんなにいっぱいの雑誌が・・・・・・読み放題ッ」

 

 抑えてはいますが、少し大きめの声が聞こえてきました。

 そう、図書館は雑誌や新聞も取り扱っています。そのラインナップは図書館によって変わりますが、少なくとも新聞に関しては地元のものが必ずあると思います。

 それと、漫画雑誌はちょっと見たことないですね。収集しているところはあるとは思いますが、あまり一般的ではないかと。

 

 そうですね、当館でしたら、科学情報雑誌───ネイチャーとかニュートンとかですね───や、ファッション誌を数種類。

 

 ミリタリー雑誌はファッション誌と並んで根強い人気があります。さすが、キヴォトス!

 

 他は業界紙がいくらか・・・・・・あとは、クロノススクールの出している定期刊行物やゲヘナ学園の週刊万魔殿というような各校が出している情報誌といった感じです。

 

 新聞もD.U.ローカルを中心に様々取りそろえています。

 

「・・・・・・あの、申し訳ありませんが、雑誌の持ち運びは、お一人様一冊となっていまして───」

 

 チョコミントカラーの髪の毛をした生徒さんと白髪の生徒さんに私は声をかけます。

 ミントカラーに黒い帽子、大きなバッグを背負った生徒さんの抱えている雑誌の数は五冊。さすがに見過ごせる数ではありません。

 

「えぇっ、そうなんですか!?」

 

 驚いた声と同時に、抱きしめた雑誌を、さらにぎゅっと抱きしめました。

 

「うぅ、ここなら自由に雑誌が読めると聞いたのに、もうおしまいです!」

「ヒヨリ、ちゃんと読めるぞ」

 

 横にいた白い髪の毛の生徒さん。こっちの制服は、トリニティっぽいですね。

 でも、肩にある装飾は・・・・・・この学校どこでしたっけ。

 

 おおっと、ともかくとして、雑誌の類いは複数持ち歩きを制限しています。冊数は館によって変わると思います。

 

 制限している理由は、快適な利用のためですね。

 

 雑誌などを定期刊行物、文字通り定期的に発行される物と呼ぶのですが、そういう物は誰しも最新号が読みたいですよね?

 つまり需要が高まっている物なのです。しかし、同じ雑誌を何冊も買うわけにはいきませんし、供給は少ない。そのため、誰か一人が複数冊持ち歩くと、読みたいのに無い! ということが発生します。

 

 そういったことができるだけ起きないようにするためのルールですね。

 

 似たような物なら、辞書の貸出禁止というものもありますね。国語辞典や英語辞典、古語辞典・・・・・・辞典には様々ありますが、大抵貸出禁止になっています。理由は、同じように快適に利用するためですね。

 

 さて、よくよく見ると、抱きかかえられているのはファッション系のものがほとんど・・・・・・うーん、これでしたら───

 

「その、最新号は複数持ち出しできないのですが、バックナンバーでしたら、大丈夫ですよ」

「バックナンバーですか?」

「なんだ、それは?」

 

 はい、と私は頷きます。横の白髪の生徒さんは首を横に捻っていますね。

 

「バックナンバーとは、以前刊行された───簡単に言えば、先月、先々月号のような、昔の号です。こちらでしたら、複数冊の持ち歩きも可能です」

 

 私は、マガジンラックの方へ歩み寄ります。マガジンラックはまるでマンションのように区分けされた棚になっています。

 一角ごとに表紙が見えるよう、立てかけて雑誌が置かれていますが、立てかけてあるラックを手前に引っ張ると蓋として機能していたラックがパタンと開き、奥にバックナンバーが積んであります。

 図書館によってどういう置き方をしているのかは違いますが、当館はそういう仕組みです。

 

「わぁ! こんなにいっぱいあったんですね! これが無料・・・・・・!」

「無料・・・・・・えぇ、まぁ───無料です」

 

 ちょっと出版社には申し訳ない気持ちもありますが・・・・・・無料なのは事実です。

 

「む、これは───」

 

 白髪の生徒さんは隣に張り出してあるポスターを見つけました。

 目ざといですね。

 

「雑誌の付録の配布イベントですね」

 

 ファッション系の雑誌には付録としてポーチやお財布なんかがついてくることがあります。

 それと、銃器関係の雑誌なんかで可愛らしいストラップとか……お手入れ道具とか……まぁ、何であれ、図書館に置いとくようなものではない物らを、一年に一度、配布するイベントを行っています。

 

 去年の分を配るので流行は過ぎているのですが、それでも欲しいという方は割といらっしゃいますし、知らない人は知らないですが意外と人は集まるイベントです。

 

「……こんな、きっと無料じゃないんですよね? そうですよね、だってこんなの一円の得にもならないですしぃ……」

「そっ、そんなことないですよ。決まりがあるので、無料です!」

 

 えへへ、と下から窺うような感じに見てくるミント色の生徒さん。

 まぁ、確かに無料で配ると思えないのはわかるんですが……。

 

「来月開催いたしますので、良かったら、ぜひどうぞ!」

 

「───うへへ……絶対来ます!」

「ヒヨリ、個数制限があるぞ」

「じゃあ、姫ちゃんやミサキさんも連れてきます!」

 

 微笑ましい光景ですね。

 でも、狩人の目をしているような気がします。

 あれは、まるで上空を旋回するような鳶の目です。隙を見せると持っていかれる……!

 

 

 


 

 

 

 ちなみに、雑誌付録の取り扱いは各館によって分かれており、絶対に配布しているというわけではありません。

 

 業者に返還したり、廃棄したり、逆にもったいないから保管したまま……などなどエトセトラ。イベントとして景品にしたり、配布したり、もしくはボランティアスタッフに渡したりなど、本当に千差万別という感じですね。

 

 あと、雑誌に取り付けるタイプの付録もあるんですよ。

 例えばファッション誌についてくる型紙は、雑誌と一緒にすることがあります。

 

 逆にCDやDVD系の付録の場合、著作権などの兼ね合いで保管と廃棄のみ……というようなことだってあります。

 

 本当に千差万別ですよ!

 

 どうなっているのかな? とか気になったら調べてみてもいいかもしれませんね。

 




 市民の税金なので、市民しか参加できないなどの条件もあったりするので、行ってダメだったけど???
 みたいなことがあったりしますので、きちんとお調べくださいね?
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