キヴォトス D.U.近郊 シラトリ区立図書館へようこそ! 作:ぱる@鏡崎琴春夜
あらあら、お次はなんだかあったかそうな服を着ている子ですね。緑髪の少女はこちらへ近寄ってきた。
「こんにちは、とっても素敵な図書館ですね」
「はい、ありがとうございます。私もこの図書館が大好きなんですよ(雇用してくれた恩もあって)」
「それで私、自分たちの学園以外の『図書館』をあまり知らなくて、そういうのが知れる本ってないですか? 『建築』のところを見ても無くて」
「はい、ではご案内いたしますね」
同じ司書として、意外と気づかない落とし穴にはまってしまった後輩を助けるのも一つの仕事だろう。
さて、図書館には分類というものがあるのです。
さっきから言っていた三桁の数字と小数点、それが分類です。古い図書館だと三桁だけのところもあるかもしれませんね。
話を戻して、三桁の数字はそれぞれ本がどんな内容なのかを示しています。三桁をそれぞれABCとしましょうか。
Aが第一次区分、類目表とも言います。ここで主なジャンルが決まります。0が総記、2が歴史、6が産業で7が芸術やスポーツになります。馴染み深いのは9の文学でしょうかね?
Bが第二次区分、綱目表とも言います。ここでさらに細かくジャンル分けされるわけですね。11だと哲学各論、29なら地理や紀行みたいな感じですね。また全般的に網羅するなら70や30みたいにやることもありますね。
Cが第三次区分、細目表とも言います。ここでさらに細かくなります。ただし、ものによるから必ず分類があるわけじゃないです。
最後に小数点以下の数。これは一般補助表と固有補助表があって、分かりやすく言うなら三桁までで分類しきれなかった情報を載せるためのものになるわけです。
分かりやすいのは地理とかかな。地図とか特定の県だけのものには三桁の後に北海道なら.11ってつくし、関東なら13みたいな感じでつきますね。
図書館はその分類に沿って棚により分けてるんですけど、特集などで別の場所に出してあったり、内容によっては思ってる番号と変わったりするんですよね。漫画は726なんですけど、内容が歴史漫画なら歴史の方に置かれるかもしれません。
今回もその例ですね。
「こちらなんかどうでしょう?」
「わっ、すごい綺麗です!」
当館では建築の520ではなく、010.2の図書館情報学についての書架にある一冊。
gestalten 編 『世界の図書館を巡る:進化する叡智の神殿』です。キヴォトスの図書館はランクインできませんでしたが、キヴォトスの外の図書館の中から選ばれた53の図書館について書かれた図書です。
「図書館によっては思っても見ない所にあることもありますし、こんなところにあったんだって思うことたまにありますよね」
「あ、それわかります! この綺麗な図書、大事に読ませてもらいますね」
ぜひぜひと私は彼女の元を離れてカウンターに戻りました。
さて、では解説にしましょうか。
建築のところと言われたように、この本は建築関係の内容を含んでいます。世界最古の図書館から最新の図書館やマインクラフトのデジタル図書館まで様々な図書館を網羅しています。どこか見覚えのある名前の学校もありますね。トリニティカレッジ……嘘だと思います? 疑うならぜひ買ってお調べください。信じるならそんなものもあるんだと買って読んでみてください。
ともかく、色々な図書館について、その歴史や機能美、どういった図書館なのかを解説した文章と綺麗な写真で、気分だけでもその図書館を訪れた気分になりますよ。新アレクサンドリア図書館とかカタール国立図書館やオーストリア国立図書館なんかはとても美しい場所だと思いましたね。
動画で見られるオーストリア国立はぜひ見るべきですよ。リアですよ? ラリアじゃありません。ら抜き言葉ですから勘違いされないでくださいね。