再びの沼地エリアに来た俺たちだが今回はサイザが沼地の効果を無視する魔法を覚えたので楽々進めるようになった。
ちなみに大量に買ったピッケルは運搬サービスがあるらしいのでそれで次の街の宿屋に送ってある。受け取り拒否とかされないよね?
「忍者にジョブチェンジしたんでついでに装備とかも買い換えたんだがどう思う?」
「(見た目が)お侍様!!」
俺の装備は袴の上に軽めの甲冑をつけているプレイヤーメイドの浪士シリーズ。つまりあからさまに侍だった。
ちなみに装備が変わったのは俺だけじゃない。昨日の鍛冶屋のおっさんに作って貰ったおニューの武器を全員が持っている。
その名も銀湖シリーズ。沼棺の化石と銀色鉄鉱を素材として作れる武器の事だ。
これらの武器の特徴としては、沼棺の化石のランダム効果が2つ付き、銀色鉄鉱の魔力強靱の効果、つまり武器の魔力耐性もしっかりと付いている。それに加え素の耐久力や火力もかなり高く、未強化でも中盤まで使える隙のない武器・・・らしい(ソースwiki)。
これによって全員片手剣という状況から、俺は刀、セロは双剣、サイザは片手剣となった。
結局全員剣じゃねえか。
それはさておき、見た目は侍ジョブは忍者戦う姿は俺も知らん(ジョブチェン後未戦闘)な俺にセロはツッコんだ。
「忍者なの?侍なの?はっきりさせろ」
その言葉に俺は自信満々で答えた。
「ニンザムライってことで」
「ダッッッッッッッッッッッサ!!!!」
「B級映画にありそうだな」
「映画【ニンザムライ~ブシドウ・イズ・ブレイド~】全国の映画館で上映中!」
「公開期日三日もねえだろ」
そんな存在しない映画を紹介してると早速沼地のモンスター、マッドフロッグと接敵した。
「あっ、お前をボコボコにしたカエルじゃん」
「黙れロリコーン」
「は?」
マッドフロッグ。大型犬ぐらいの大きさをした可愛らしいカエルではあるが、実態は沼地で動けない敵を数の暴力で殺しに来る卑劣で陰湿極まりないモンスターだ(偏見)。そして器も小さく石を十数個投げつけられただけで敵対してくる(当たり前)。
昨日はこの害悪モンスター(逆恨み)の卑劣な戦略によって敗北してしまった・・・しかし今回は違う。
「今の俺は忍者だ!」
「ああうんそうだな」
「私は
「誰も聞いてねぇよ」
忍者がカエル如きに負ける訳がない。古事記にもそう書かれている気がしなくもない。
「見せてやる俺のハガクレ・ジツを!」
「さっきから何かテンションおかしくない?」
ここで先に忍者というジョブについて触れさせて貰おう。
忍者とは、盗賊系のジョブと
この部分だけ聞けば魔法剣士の盗賊バージョンかな?と思う人も居るかもしれないが、魔法剣士固有の魔法が在るように忍者にも忍者固有の(文字通り)ユニークな魔法が存在する。
それが刃隠心得・・・つまりニンポだ。
「刃隠心得・・・」
刃隠心得系列の魔法は詠唱をしない代わりに手印を結ぶ必要がある。つまり術の名前などをわざわざ言う必要はない。でも言った方がかっこいいから言う。
手印は結び終わり、後は技を放つ。ただそれだけだ。
「【
その瞬間気の抜けた音と共に俺の周りから5発の火玉がサイザ目がけて放たれた!
これこそがハガクレ・ジツ、【
「は!?なんで!?」
「あいにく俺はブッダじゃないのでね!2度目で堪忍袋が爆発四散なんだよ!!」
サイザに放たれた別々の軌道で迫る火球、ただの初心者なら全弾避けきることはまず不可能だろう。
だが目の前のプレイヤーはただの初心者じゃない。
「ふざっけんっ・・・な!」
1発目、魔法で相殺。2~3発目、武器でパリィ。4発目、その場でしゃがみ回避。5発目、後方に飛び跳ね回避。
まさに業前。俺の火球をサイザは全て凌ぎきった。サイザにとってこの程度の弾幕を避けるのは赤子の手をひねるより簡単なことだ。
そう、サイザにとってそれは容易いこと・・・それを知らない俺じゃない。
「だからお前に放った瞬間に別の手印を結ぶ必要があったんですよね。刃隠心得【
サイザが飛び跳ね着地したそのとき、俺は背後からサイザの肩を叩き、瞬間サイザの全身に鎖のようなエフェクトが現れサイザを拘束した。
「いつのまに!?」
「こちとら忍者だぞ?バレずに背後に移動するなんて余裕のよっつぁんなんだよ!」
「よっつぁんって誰だよ」
セロのツッコミを無視し、もはや万事休すと感じたサイザは命乞いを始めた。
「あのさぁ?本当に面白くないよ?やめてくれない?こういうことするの」
「奇遇だな、俺もお前に出番邪魔されて全くといって良いほど面白くなかったよ?死んでくれない?あんなことするなら」
だけどそれを聞いて許すほど俺の心はブッダじゃない。
俺は再び手印を結びサイザにとどめを刺す。
「文句はリスポーンしてからよろしく!刃隠心得【
しかし魔法は発動せず代わりにとあるウィンドウが表示された。
【MPが不足しています】
「「・・・・・・・」」
しばしの沈黙が続く。
そうして俺は何事もなかったように刀に手をかけサイザに叩き付けた。
「鞘付きチェストォォォォォオオオオ!!!」
「ぐぉおああ!!!」
「なんなのこの茶番」
ちなみにこの喧嘩は大きな音を聞きつけた大量のモンスターが襲ってくるまで続いた。
おのれサイザ。
~~~~~~
LEVELUPの音が沼地に鳴り響く。戦闘が終了した合図だ。
俺たちの周りには多くのドロップアイテムが飛散しており、そのことからもここで起きた戦いの激しさが安易に予想できる。
「おいお前ら正座しろ」
「だが断る」
「拒否します!」
俺とサイザのとばっちりを受けたセロがキレて俺たちに説教を行おうとしているがそんな物に従う俺じゃない。
「大体サイザが俺の邪魔をしたのが悪いのでは?」
「エビがキレたのが悪い」
「小学生かお前らは」
いつまでも心が若々しい・・・ってこと!?
「まあ過ぎたことを言ってもしかないでしょ」
「次横からかっさらったらマジでぶっころだからな?」
「やっぱりまともなのは俺だけか」
「流石にそれはない」
「まともって意味知らなそう」
「死ね」
どうして俺はこんなに責められなければならぬの兵糧丸マズ!?素材とか変えたらおいしくなるかな?いっそ料理人目指すか・・・
そんなことを考えてるとセロから説教を受けているサイザがいけしゃあしゃあと喋り出した。
「ねえそろそろボス討伐いかない?」
「お前死ぬ?」
マジでこいつノンデリというか空気を読めないというか・・・すごいな、逆に。
「まあセロさんや・・・こいつは人の心がわからないサイコパスロリコーンなんだからいくら言っても無駄なんよ」
「ロリコンじゃないが」
「まあそうか・・・確かにロリコンに何を言っても仕方ないもんな」
「ロリコンじゃないし関係性ないだろ」
ということでサイザの要望通り俺たちはエリアボス討伐に挑むことにした。
~~~~~~
「何か狭くね?」
今目の前にある谷こそが、四駆八駆の沼荒野から第三の街サードレマに行くための唯一の道であり、エリアボスと戦う場所決戦のバトルフィールドだ。
いや横幅狭すぎるだろ。貪食の大蛇を見習えマジで。
「とんでもないクソモンスの予感」
「お前ほどじゃないと思うぞ」
「おっ?もう一回ボコボコにしてやろうか?ロリっ子ロリコーン」
「いい加減にしろクソプレイヤー共」
再び身内同士でのPVPが起きかけたそのとき、沼地のそこから巨大な何かが現れようとしているかのように地面が激しく震動した。
「やっぱりクソモンスじゃないか・・・でも登場の仕方は貪食の大蛇以上だな60点」
「うおでっか・・・大型モンスは結構好き75点」
「横幅が狭いのに巨大な敵というのがゴミクソ過ぎる45点」
サメのような頭、鯨のようなひげ、異様に発達した四肢を持つ土竜のような胴体。別々の生物の特徴を合わせ持つ歪な
サードレマの門番、
その瞬間。
「ギシャァァ「【ファイヤーバレット】」「刃隠心得【
二つの火球が
「登場シーン特有の無敵時間とかないんだやっぱり65点」
「見た目が結構キモい70点」
「これ見ると俺も遠距離攻撃手段欲しくなってきたな・・・なんとなく50点」
開拓者を遙かに凌駕する巨体を持つ
このゲームを始めて2度目のエリアボス戦が、今始まった。
銀湖の太刀
沼棺の化石と銀色鉄鉱を素材として作られた太刀。
一定回数攻撃を当てると一定時間火力が上がる。
この武器を介してスキルを使用すると一定時間火力が上がる。
特殊効果:魔力強靱
魔力を使用する攻撃に対して高い耐性を得る。
あとがき
なんでこいつら味方同士で争ってるんだ・・・?
ということで忍者ジョブお披露目回でした。
本当は今回で
それと今回地の文を少し多めに書きました。今までは会話が結構多かったので、これからは少しずつ地の文を増やして行こうと思っています。
評価10・・・?赤バー2マス・・・?総合日間ランキング21位・・・?UA6000・・・?お気に入り56・・・?
何かもう色々と本当にありがとうございます。めちゃくちゃうれしいんですけど、ありがたすぎて逆に怖いです。夜道に気をつけます。
あと感想ありがとうございます!!!!感想が来るだけでこの小説を投稿し始めて良かったと心から感じることが出来ます!!!!今後もいっぱい感想ください!!!!(承認欲求モンスター)
それでは失踪の更に向こうでお会いしましょう。