高濃度猿侵蝕体“マネキン・モブ”   作:アースゴース

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猿 治 安 注 意
オリジナルロボットにも注意


お青青見せて2

 「さて、トダーさん。あなたには私達と一緒に街のパトロールをしてもらいます」

 『アイデース』

 「これ大丈夫なんでしょうかね先輩?」

 「まあよいだろう」

 

 気の抜けた返事を返すトダーに、朱鳶は早くも不安になっていた。この片言の戦闘ロボットが、どう治安官の仕事をこなすのだろうか。

 そうしていると、

 

 『何カ倒レテルボンプガイルヤンケ。助ケルヤンケ』

 「ボンプですか?」

 

 トダーの無機質なカメラ・アイの先には、ボンプが倒れていた。

 何故か道着を着ており、どこかしらの流派の門弟であることがうかがえる。

 

 『大丈夫ヤンケ? ドコカ壊レテナイヤンケ?』

 『お心遣い痛み入るっス、でも自分は大丈夫っス。今日の修業が終わったんで寝てただけっスよ』

 『コンナ場所デ寝ルナヤンケ。死ンデタト思ッタヤンケ』

 『それはどうもすみませんでしたっス。これからは気を付けるっスよ』

 『何カアッタライツデモ連絡スルヤンケ。コレガトダーノ連絡先ヤンケ』

 『あざーす』

 

 ガシッと握手を交わした2人。

 そこそこまともに業務をこなしているのを見て、朱鳶はかなり安心した。

 

 「善き哉。まるで人間のようだ」

 「確かにやたらと人間臭いですね……」

 

 中に人間が入ってると言われても驚かないが、ゴア博士がそんな狡いマネをするわけもない。

 とてとてとボンプが去って行ったのを見ると、またパトロールを開始した。

 

 「ん? 何やら騒がしいな」

 「揉め事でしょうか」

 『現場ニ急行スルヤンケ』

 

 ワーッ

      ワーッ

 

 治安官トリオが駆け付けたその先では、やはり揉め事が起こっていた。

 2人の大男がにらみ合っていた。一触即発の雰囲気だ。

 

 「テメェ、もっぺん言ってみろや」

 「嘘にしか聞こえねーよ」

 「俺も昔は悪だったけど今は更正したんだ」

 「嘘にしか聞こえねーよ」

 「一体何の騒ぎですか!?」

 

 今聞こえた会話からは、何一つとして状況がつかめない。なので、まずはベテランである朱鳶が割って入った。

 

 「ああ? 治安官か。聞いてくれよ、コイツによぉ、俺も昔は悪だったけど今は更正したんだって言っても」

 「嘘にしか聞こえねーよ」

 「この一点張りなんだ」

 「子供の喧嘩ですか???」

 「大人だよ」

 「嘘にしか聞こえねーよ」

 「んだと……」

 「嘘にしか聞こえねーよ」

 「テメェ!!!」

 「嘘にしか聞こえねーよ」

 「お、お前変な薬でもやってるのか……」

 「ちょっと怪しいですね……少しご同行を――」

 

 無機質な言葉の繰り返しに、段々と恐怖を感じてきた大男。

 朱鳶も流石におかしいと思い、男に触れようとした時だった。

 

 「嘘にしか聞こえねーよ」

 「ッ!?」

 

 男の手には、ナイフ。

 凶刃が朱鳶の首へ迫る――

 

 『危ナイヤンケ朱鳶』

 

 横からトダーの腕が伸び、男の顔面を殴り飛ばした。

 男の首は180度回転し、錐もみしながら飛んで行った。

 

 「ありがとうございますトダー――ではなく! なぜ殺したのですか!?」

 『? 何言ッテルヤンケ』

 「ですから、あなたの能力があれば殺す必要は……」

 『アイツ死ンデナイヤンケ。ロボットヤンケ』

 「――は?」

 

 首が折れたはずの男が、むくりと立ち上がる。

 その首からはスパークが発生し、人間ではないことを嫌でも理解させる。

 

 『嘘にしか聞こえねーよ』

 「何ですかあれは!?」

 『アレハゴア博士ニ敵対スル企業ガ作ッタ殺人ロボットヤンケ。人間ニ紛レテターゲットヲ殺スヤンケ。外見カラハ気ヅケナイヤンケ、見分ケラレナイヤンケ。ソコデ口論ニナッテタオッサンハ実質MVPヤンケ』

 「お、俺ぇ?」

 

 そうしている間にも、殺人ロボットはナイフを高速で振り回す。

 いくら治安官といえど、近づけるものではない。普通ならば。

 

 『トダーニソンナチンケナナイフハ効カンヤンケ』

 『嘘にしか聞こえねーよ』

 『嘘カドウカハスデニ明白ヤンケシバクヤンケ』

 

 殺人ロボットは、トダーのノー・モーション音速パンチによって四肢を破壊され、機能を停止した。

 

 『う……嘘ににに、し、し、しか聞聞聞聞、こえこえこえこえね……ねーよよよよよよ』

 『破壊完了ヤンケ。ゴア博士ニ連絡シトクヤンケ』

 

 かくして、恐るべき殺人ロボット騒動は、さらに恐るべき超ロボットによって幕を下ろした。

 

 「一件落着だな」

 「どう見ても厄介ごとが増えた……いえ、顕在化したようにしか思えないのですが」

 「見えないものが見えるようになる。それは良いことではないか?」

 「時と場合によるでしょうが……今回は良いことでしょうね」

 

 一息ついた朱鳶。

 だが、ルミナスクエアでの騒動は終わらない。

 

 『暴走車ヤンケ。歩道走ッテルヤンケ』

 「ファッ!? 行きますよ!!!」

 「うむ」

 『朱鳶ハ忙シイヤンケ。アッ、女ノ子ガ轢カレソウヤンケ急グヤンケ』

 

 トダーの治安官としての仕事は、まだ始まったばかりだ。

 

 

 




チンピラと殺人ロボットの2人は掲示板の捏造語録を参考にしています

 適当なトダーの能力↓

 S『トダー』物理・強攻
 ・通常攻撃:音速パンチ
 ・強化特殊スキル:連続音速パンチ
 ・終結スキル:超連続音速パンチ

 コアパッシブ:シンギュラリティ
 追加能力:量産型

 心像映画
 1:自己修復
 2:アップグレード
 3:三角締め
 4:ゴア博士の改良
 5:天国への挑戦
 6:平和利用への道

 音動機:ミニGKドラゴン


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