時系列はめちゃくちゃなんだ
1.ウリディンム
場所はパパゴホロウ。
リンはピュロイスと救出したイアスを連れ、お宝を探し回っていた。
オーモンド基地を復興させるためのボンプを働かせるために大量のギアコインが必要なのである。
「全く見つからないね」
『ンナナ(そうだね……)』
とは言っても、そんなに簡単に“貴重品”が見つかるわけでもない。
手に入るのは資源ばかり……それらも大量に必要なので集めてはいるが、だんだんとバッグがパンパンになってしまう。
「うーん、今日は収穫ナシかもね。あそこで終わりにしよう」
電子ロックがかけられた箱。
往々にしてこのような箱には貴重品が入っているものだ。
リンにかかればこのようなロックは朝飯前。さっさと解除してしまう。
「あ! いいものみーっけ」
箱から見つかったのは、『スターライトナイト・コレクターズ版』である。
いくつかの特別映像が記録された超豪華な特別版で、ファンなら喉から手が出るほど欲しいものだ。
ビリーに見せればギアコインからディニーに化けるかもしれないと考えつつ、再び箱を漁る。
「この漫画は一体……?」
分厚い漫画雑誌だった。いくつもの連載漫画が収録されている。
「でも、明らかに時代がバラバラだなぁ……」
劣化したようなページもあれば、新しいページもある。
絵柄が大昔とも言えるものもあれば、洗練されているものも。
しかし、原作者が違うものがあるものの、その作画は全て同一人物のものだった。
「作画の人は、さ――」
『あなたが“ガルシアの心臓”を持つ龍星さんですね』
「なにっ」
その場に何者かが現れた。
屈強な肉体、死人のように生気のないマネキン・フェイス。
紛れもなくマネモブであった。
だが、今日のマネモブは明らかに殺気立っている。
とてもではないがリンと向き合う態度ではなかった。
ピュロイスが静かに剣を構える。
「ど、どうしたのマネモブ? そんなオラついた感じで……」
『ある日こんなメールが届いたんです』
「メール?」
マネモブがスマホを見せる。
そこに映っていたものは――
私はキャプテン・ウリディンム
このメールを見ている君は選ばれし者
5000万ギアコインを掴むチャンスを与えられた強き者
単刀直入に言おう
パパゴホロウにいるあるプロキシをぶちのめして欲しい
名はリン
パエトーンという伝説のプロキシの一人でエーテル・強攻のキャラ“ピュロイス”の主だ
もちろんめちゃくちゃ弱い
しかもこの闘いには絶対守らなければならない条件はない
リンを倒すには徒手空拳でなくてはならないなんてこともない
銃や刃物などの武器は使用OK
なぜなら万が一にも“貴重品”を奪い損ねてはならないからだ
何よりも“貴重品”が大事なんだ
ぶっちゃけこのガキというにはちょっと歳食ってる奴の命なんてどうでもいいんだ
“貴重品”さえ無事ならばなぁ
さぁ腕に自信のある者は今すぐパパゴホロウへ行け
リンを失神KOさせろ
急げっ乗り遅れるな
5000万ギアコインを掴むんだ
“サン・ゴーズ・ダウン”だ
「ワンチャン人違いとかじゃない???」
『おどれやないケ―――っ』
「おどれは5000万ギアコインに踊らされてるやないケ―――っ」
ものの見事に踊らされるマネモブと、迷惑しか被っていないリン。
しかし、そこに空気の読めない乱入者が現れる。それはまるで、剣を携えた猟犬だった。
『犬…?』
「ゲーッ、ウリディンム」
乱入者とはウリディンム。
この猟犬もまた、リンの貴重品を奪いに来たのだ。
『どけハウエル』『俺が最初にいただく』
「あーもう敵同士で潰し合っちゃってください! いいですね!」
リンは激突するマネモブとウリディンムを背に逃亡する。
マネモブに撃退されたことに腹を立てたウリディンムは、ホロウレイダーを殺害し金品を奪って逃走する。
その現場を見たノエルはそれ以来『救わなくてとも良い命がある』と考えを持つようになる。
2.執事バトル
タイムフィールド邸の一室にて、二人の老人が睨み合っていた。
一人はタイムフィールド家の執事、アーノルドである。彼は主人であるアリスとの訓練にも使うレイピアを構えている。
もう一人は、元タイムフィールド家の執事のパヴェル。今はヴィクトリア家政の一員である彼は、トレンチナイフを構えている。
「よもやお前がヴィクトリア家政にいるとはな。腕は鈍っていないだろうな? パヴェル」
「それはこちらのセリフだよ。お嬢様の訓練相手に相応しいか見定めてやる」
この二人は昔からライバル同士だった。
掃除、洗濯、料理に戦闘……何をするにも競い合い、執事長の座を争っていたのだ。
それを見ていたライオネル・タイムフィールドは笑っていたが。
ともあれ、偶然にも出会った二人がこうして闘うことになったのは、自然なことであった。
普段の優雅さを欠片も崩さず、しかし睨み合いながら同時に口にした。
「サリュー」
「サリュー」
こめられた意味は“さよならだ”
『こんな不毛な勝負は(俺の勝ちだったことにして)さっさと終わりにしよう』の意である。
「相変わらず
動いたのは同時だったが、リーチの関係でアーノルドが先制攻撃を行う。
刃はついていないが、レイピアによる突きの一撃。当たれば老体には堪えるだろう。
しかし、パヴェルは老人とは思えない身軽さで、しなる剣を避け続ける。
「ライオネル様から授かった品なんだ。使わないのは執事としてのプライドに反する」
小柄な分、スピードに優れるパヴェルのナイフが弧を描く。
レイピアを弾きつつ、機を伺う。だが、お互いに手の内を知り尽くした仲であり、状況は膠着していた。
ナイフでの防御を抜き、レイピアの突きを弾く……いくらかそんなやり取りが繰り返される。そんな中、ふとアアーノルドが口を開いた。
「……ライオネル様のご遺体が見つかったそうだな」
「ああ……だが、ご遺体と言うにはあまりにも……」
指名手配犯、機械人マゴット・U・ジムシーの赤錆から検出されたわずかな血液が、アーノルド・タイムフィールドのそれと完全に一致した。
それらは即座にタイムフィールド家に返還されたものの、彼らは主人のその悍ましい最期をアリスにどう説明して良いのか分からなかった。
だからこそ直接会って話すことにしたのだが……こうして争いに発展したのである。
「私達は……お嬢様に何と言えばいい? “運命”だったとでも言えばいいのか!?」
「いいや、“運命”などでは断じてない。だが、“奇跡”ではあったんだ」
「なにっ」
剣戟が激しさを増す。
それはまるで感情と呼応しているようでもある。
「“奇跡”ってあるんだよ。ライオネル様が亡くなり、愚かしくもタイムフィールド家を後にした私が、ライオネル様によって生きながらえているのは紛れもなく“奇跡”だ」
「何を言っているんだ!?」
あの日、マゴット・U・ジムシーの最後の不意打ちからパヴェルを守ったのは、ライオネルの死を超えた“奇跡”と言っても過言ではない。少なくともパヴェルはそう認識していた。
「ならばライオネル様の死も奇跡と言う気か!?」
「それは――」
アーノルドはまだ事の顛末を知らない。
だからこそ、今のパヴェルが奇跡に脳を焼かれた狂人になってしまったのではないかと疑っていた。
レイピアを握る手に力がこもる。いざとなれば、ここで差し違える覚悟をして――
しかしだった。その手は唐突に止められた。
「そこまでなのだわ」
「お嬢様……!」
「そ、その箱は……!?」
二人を止めたのはアリス・タイムフィールド。
その手には骨箱……中はライオネルのわずかな生体組織だ。
「お、お嬢様、どうか聞いていただきたいのです。ライオネル様は、ライオネル様は――」
「――ええ、お父様は“奇跡”を起こしてパヴェルを救ったと聞いているわ……」
アリスは耐えている。
当主として、娘として。父を失った哀しみに耐え、しかし父が最後に残した奇跡を嬉しく思っているのだ。
「これは私の問題なのだわ。乗り越えるべき、なのだわ……」
涙をぬぐい、アリスはパヴェルを見つめた。
そのオッドアイには強い意志が込められている。
「さ、詳しい話をお聞かせ願うのだわ」
「何なりと……余すところなくお話いたします」
こうしてパヴェルは、ライオネルの“奇跡”について語った――
「ところでパヴェル、この大量の“パヴェ”はどうするのかしら?」
「後でまとめて廃棄すルと申します」
「今のでまた増えたのだわ……」
見れば見るほどD・エータが激エロすぎるんスけど
もしかしてワシは機械フェチなんじゃないスか?(青衣、ビリー、ビッグ・シード、アリア(本体)その他機械好き)
もしかしてワシは異形フェチなんじゃないスか?(エーテリアス全般が好き)