ブーアストラムが高志グループに占拠された。
Youkaiの口ぶりや、実際にブーアストラムへの空港が封鎖されていることから、そこまでの驚きではなかった。
そこでリン、リンドヴェルヌに加え、黒枝の裁決官フィオニーを加えた一行は何とかしてブーアストラムへ潜入することにする。
「いや、もう一人協力者がいる」
プロメイアがそんなことを言い出した。
「え? 協力者?」
「ああ、すでにブーアストラムへ向かっているはずだ……シンギュラ・リークを通じて」
「それって、ま……まさか」
「あの戦いの後、協力を取り付けた。快諾してくれたよ」
しかし、ロスカリファを守りたいのは彼女達だけではない。
知り合いに手を出されたせいで怒り狂っている上にTOPS相手なら何してもいいと薄っすら舐め腐っているあのエーテリアスも、義によって助太刀してくる。
Now Loading......
ブーアストラムでは、空巡局の隊員と高志の傭兵がぶつかり合っていた。
片や守るべきものを背に、片や金のために。どちらが正しいかと言えば、人によって様々。完璧な答えは出ないだろう。
だが、ことここに至っては、正しいのは空巡局側であることは明白だ。
「空巡局をブチ殺せェ」
「今年のボーナスはいただきだあっ」
野蛮な高志の兵士達が突撃する。
正直なところ、質に関しては空巡局の方が上である。しかし、数に物を言わせるその戦術と、やたら質の良い装備が彼らを大いに苦しめていた。
だが、まずはその数という優位性が無くなれば?
パ リ ッ
「えっ」
高志の兵士の前に、シンギュラ・リークの裂け目が現れた。
突然の出来事に高志の兵士はロクな対応をできない。
「う あ あ あ あ」
ヌーッ、と裂け目から伸びる手に掴まれ、兵士は引きずり込まれた。
「えっ」
「なにっ」
「やめろっやめてくれ手っやめろっ」
次々に高志の兵士が消え、やがて空巡局の荒い息づかいだけが残る。
「一体何が起こってる!?」
空巡局の隊員達が警戒態勢に入り、陣形を組んだ。
その早さは、常日頃の訓練の成果がうかがえる。だがこの一連の出来事は、高い練度を誇る彼らでさえ、薄ら寒いものを感じる現象であった。
「あへあへあへ……」
その時、裂け目から高志の兵士が転がるように出てきた。
彼の真新しかった装備は無惨にも砕け散り、ホロウレイダーもかくやというボロボロの様相である。
「お、おい……」
敵であった空巡局ですら心配する有様だった。
そして、次々に同じような兵士達が、裂け目から転がり落ちる。
彼らは、一様にしてこのように言っていた。
「ま、マネキン・モブ……うあああやめろーっやめてくれーっ」
刷り込まれた恐怖……
Now Loading......
シンギュラ・リーク内では、マネモブが蹂躙を行なっていた。
『幸司』『思い出すんだ』
「あ あ あ あ」
ヘルメットが砕け散る。しかし、中身は無事。
それは拳によってなされたことである。
『幸司』『思い出すんだ』
「い や あ あ あ あ」
弾ける頭部、腹部、手足。しかし、身体は無事。
幻魔拳……灘神影流の秘技が、情け容赦なく兵士達の心を砕いた。
『幸司』『思い出すんだ』
「う あ あ あ あ」
マネモブがこうまで高志の心を折るのには理由がある。
ハイドショアの研究所での戦いで、邪兎屋が捕まり、あまつさえアンビーが実験台とされた件。
それに対する怒りは収まることなく、高志、ひいてはTOPS全体に矛先が向かおうとしていた。
その怒りを水際で食い止めているのが、皮肉にも高志グループである。
彼らのロスカリファを支配する(要訳)という作戦が、マネモブの怒りを自分達へ引き付けていたのだ。
『“恐怖”を刷り込むのは俺の専売特許だ』
誰がその実験に関与したか分からないので、高志に与する者は取りあえず恐怖を刷り込む。
これこそ、マネモブの現在の目標であった。プロメイアから高志を見つけたらしばきあげてOKというお墨付きをいただいたのも、その暴走を後押ししていた。
『幸司』『思い出すんだ』
幸司=高志
その名を聞く度に恐怖と苦痛を思い出せ。
マネモブは、かくあれかしと幻魔を打ち込んだ。
『なにっ』
粗方、幻魔を植え付けた時だった。
算枢局の領空総管塔に、多数のシンギュラ・リークが発生した。
『クククク待ってろよ』『すぐに殺してやるから』
誰が開いたのかは知らないが好都合。
今マネモブがいる場所も、元はと言えばギルタブルルが作ったシンギュラ・リークである。
自分に有利なフィールドを作り出そうとする者は、同時に強大な敵を引き寄せることもある。
マネモブは総管塔へ向かう。
友の敵討ちのために。
Now Loading......
「それで総管塔まで来たの?」
『そうですけど何か?』
総管塔内で、リンと話すマネモブ。
その足元には、苦悶に呻く高志の傭兵達。
「この人達も可哀想だね、真面目に職務を遂行しようって時にマネモブに襲われるなんて」
『己の悪因悪果を呪え』
「もしかしてめちゃくちゃキレてる?」
『イエス!』『イエス!!』『イエースッ』『…で』『誰なんだ』
自認悪果なマネモブは、リンの後ろにいる人物を指した。
リンドヴェルヌは一応知り合いの範疇だが、うすほそ少女とイケメンシリオンは初対面である。
「新エリー都治安局、都市秩序部。セヴェリアン・ローウェル上級監査官だ。お会いできて光栄だな、灘・真・神影流の宗主」
「クランプスの黒枝の裁決官、フィオニー・レファエラだよ、よろしく……ね?」
『俺“サディストのエス丸”ってんだ』
「流れるような偽名……私でなきゃ見逃しちゃうね」
「サ、サ、サ……“サディスト”の“エス丸”!? ふ、フヒヒ……!!」
「どうした急に」
マネモブの持つ語録にマネモブなどというものは存在しないので、基本的に本名を名乗ることは不可能なのだ。
言語を解するタイプのエーテリアスの中でもひと際フットワークの軽く実力の高いマネモブだが、こういう時はめちゃくちゃ融通が利かないのであった。
が、そのせいでドMのフィオニーは少し気味の悪い笑みを浮かべていた。
しかしマネモブはそれをスルー。ないものとして扱い、リンドヴェルヌの方を向いた。
「また会ったわねマネモブ。それと、ありがとう。ドラキナに治療を施してくれて」
『《こいつ》はね』『俺達と同類なの』『あんたさんは鬼龍と同じ匂いがするんでやすよ』
「……そこまで分かってるってワケね」
マネモブはドラキナやリンドヴェルヌが結使……エーテリアスであることを見抜いていた。
その理由は、ギルタブルル戦の後でドラキナの治療に携わったため、エーテリアスじゃねえかよえーっとなったからである。
しかし、マネモブにとってエーテリアスであることは敵対の条件ではない。リンやレミエールがドラキナを守ろうとしていたことから、彼女達が善性の存在であることは明白だからだ。
「でも鬼龍って誰よ?」
「郊外の英雄だよ……多分。あとエーテリアスかも」
「ううん、どういうことよ」
リンは鬼龍について詳しく知らないので、実際に体験していることを口にしただけだ。
「まあ詳しい話は後にしよ。マネモブ、私達はこの総管塔のてっぺんを目指してるの。一緒に来ない?」
『お――っ』『それは
こうしてリンの一行に、マネモブという異物が加わった。
目指すは総管塔の頂上、待ち受けているものは何か……
そしてパツキンマンことカリネスは絶命はしなかったが休眠状態になった。
高志(こうし)を高志(たかし)で入力している…それが僕です
プリケツのコンキスタドールを操作できることに感動しております(メカ好き書き文字)
没ネタ(没理由:あまりにも真面目じゃなかったため)
「待ちなさーい! あのムクロアリ金庫を持ってく気だよ!」
『殺すだけでは済まさない』
総管塔の階段を駆け上がるリンとマネモブ。
没ネタ2(没理由:あまりにも使いどころがないため)
Ⓑ:結使
死体
スッチャキッチャキッ
結使の業核×1
ターゲット報酬
結使の業核 結使の業核