高濃度猿侵蝕体“マネキン・モブ”   作:アースゴース

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ストーリーが無いってことは、オリジナル回を作ってもいいってことやん


邪兎屋と灘・真・神影流の交流

 「で、ビジネスのために来たのがあたし達! 清廉潔白で品行方正を地で行く何でも屋の邪兎屋よ」

 『欺瞞だ』『すべてが欺瞞に満ちている』

 

 タフ・ホロウに存在する霊峰、朧山。

 そこに建てられた灘・真・神影流道場に、邪兎屋が訪れていた。

 

 「まあそれは半分冗談よ。マネモブのおかげで儲けられたから、そのお返しを持ってきたのよ」

 『ふうん』『そういうことか』『おいっ。ジャワティー買ってきてくれ』

 『ただいまお持ちするっス』

 

 邪兎屋は、ビジネスの協力へのお礼として菓子折りを持ってきたようだ。

 それを知ったマネモブは、門弟であるモンキー・ボンプに飲み物を持ってくるように頼んだ。

 しばらくすると、モンキー・ボンプが飲み物を持ってきた。もちろんジャワティーである。

 

 『お待ちどうっス』

 「おっ、ありがとよ! ……なぁ親分、ここに来たら毎回ジャワティー出されてる気がするんだが、俺の気のせいか?」

 「そうかしら? まあタダで茶葉までくれるからバランスは取れてるんだけどね」

 「おかげで事務所が茶葉だらけだぞ」

 

 マネモブは、邪兎屋が来るたびに茶葉を渡している。その数……500億。

 邪兎屋も何とか転売しているものの、供給が多すぎて事務所には茶葉の置き場所がなくなりつつあった。

 

 「そういえば、あの子達はどうなってるのかしら?」

 『これらの写真と賞状を見なさい』

 「案内してくれるの?」

 「ちょうど壁に写真と賞状があるから紛らわしいな……」

 

 あの子達、というのはアンビーの姉妹達。

 最近はタイミングが悪くすれ違ったりして会えなかったが、道場の方からは彼女達の声が聞こえたので、ニコはそのことが気になっていた。

 

 マネモブに案内された屋外道場では、クローン・シスターズの他にホロウレイダー崩れ、反乱軍崩れの荒くれ者達が必死にトレーニングをしていた。

 すると、特戦強襲爆撃手の装備、もはやグレイ・ライノではなくゴールド・ライノを装備しながら走り込みをしていた男が彼らの方へやってきた。

 

 「マネモブ殿、どうした?」

 『いやっ聞いて欲しいんだ』

 

 彼は、かつてバレエツインズのホロウにて、マネモブ、ライカン、エレンを手玉に取ったノー・ヘアー・モンキーを殺した反乱軍のメンバーである。

 行き場を無くした彼は、こうして灘・真・神影流に身を寄せ、軍隊格闘技の食客および教官として訓練にいそしんでいるのである。

 

 「うわっ、あんな金ピカの装備なんて見たことないぞ」

 「特戦強襲爆撃手の装備ね。通常のグレイ・ライノよりかなり高価だけど性能は保証されている。あんなものをどこで……」

 

 彼は反乱軍を抜ける際にこの装備を強奪、生物兵器として飼育されていたNHMを皆殺しにして逃走する。

 それを見たマネモブは『終わらせてやった方がいい命もある』と思った。

 

 「ボンプもいるのね」

 「カクトウボンプとオスモウボンプが多いが、ガブットボンプとかもいるな」

 

 門弟の中にはもちろんボンプもおり、主に近接格闘型のボンプが修行をしている。

 

 「で、姉妹達は~っと」

 「あそこだ」

 「へぇ、どんな修行して……なにっ」

 

 猫又が指をさした方向を見る。

 そこには姉妹達がいたのだが……

 

 「しゃあっ、毒蛭!」

 「やめろっやめてくれ姉妹、やめろっ」

 「しゃあっ、観音開き!」

 「あ あ あ あ」

 

 ベキベキと肋骨をへし折られながら、文字通り観音開きになる姉妹。

 中に見えるのは内臓ではなく、金属製の人工内臓であるのが幸いしているのか死ぬことはない。

 邪兎屋はドン引きしていた。

 

 「あれいいの?」

 『まあええやろ』

 

 マネモブはクローン達に甘かった。

 物を壊そうが姉妹同士で人体を破壊しようが『まあええやろ』の一言で済ます。

 そのせいで財政担当のゴールドボンプからは『クソボケがーっ』と言われている。

 

 ちなみに毒蛭・観音開きされた姉妹は急いで普通の医療チームに運ばれていった。

 『やっちまった』みたいな顔をしている姉妹達だったが、聞こえてきた声によって恐怖へと変わる。

 

 「コラ~! あなた達! またやったわね!」

 「ウアアア姉貴ダーッ助ケテクレーッ」

 「やめろ、やめてくれ姉貴やめろッ」

 「うえー、こ……怖いよーっ」

 

 姉妹達を叱りつけるのはツイッギーである。

 調子に乗る姉妹を止められるのは、現状彼女しかいない。

 

 「って、あら? 隊長とニコさん達じゃない。久しぶりね」

 「ツイッギー、久しぶり。見ない間にすっかり逞しくなって……私も鼻が高い」

 「そ、そうかしら?」

 

 ツイッギーはエプロンである。

 漂ってくる匂いからすると、料理を作っていたようだ。

 

 「取りあえずこの子達は後でお説教として……ご飯ができたから呼びに来たのよ」

 『お昼行く人集合だー!』『そろそろ(ステーキ)が喰いたいですね』『…生肉(レア)でね』

 「言っとくけど生(レア)のステーキではないわよ」

 『あれっ玉子は?』

 「あるけど生ではないわよ」

 『胚芽パンで作ったブロッコリーと鶏のササミの特性サンドイッチや』

 「そんな簡素なメニューではないけど」

 『しかも今日は一家団欒の象徴スキヤキや』

 「違うわ」

 『ラーメンは麻薬ですね』

 「ラーメンでもないわよ」

 『ハチミツをたっぷり入れたスビテンは体の芯まで熱くなる』 

 「プロテインならあるけど。イチゴ味の」

 『う あ あ あ あ』

 

 マネモブは好きなメニューじゃなかったことに絶望する。

 それを見ていたガルシアは『そんなこともあるだろう』と思った。

 

 「そこのバカはほっといて、どう? あなた達も一緒に食べない?」

 『僕たちK大スキー部』『一緒にすべらない!?』

 「いいの!? タダ飯にありつけるなんて運がいいわ! これも日頃の行いね!」

 「俺の分もあるのか?」

 「機械人もいるみたいだし大丈夫だと思う」

 「魚もあるかな~?」

 

 その後、邪兎屋と灘・真・神影流一門はともに食事を楽しんだという。

 ちなみにちゃっかりマネモブも同席していた。

 

 

 

 




 【タフ・ホロウ】
 ・朧山を起点にして発生した特殊なホロウ。
 すぐ出られる上に内部構造が全く変わらず、表層は低級エーテリアスでさえ活動できないほどエーテル濃度が低い。
 そのため、ホロウであるにもかかわらず人が住むことができ、エーテル適正の無い人でも過ごすことができる異常なホロウ。

 【モンキー・ボンプ】
 ・猿のような外見に、道着を着たボンプ。
 ボンプ語ではなく共通語を話すが、語録に汚染されている。
 ホロウで出会ったマネモブの技に魅了され、灘・真・神影流の道を歩むことになる。マネモブが道場を開いたのも彼がきっかけ。

 【ゴヒャクオク】
 ・かつてマネモブに助けられたことがあるゴールドボンプ。
 灘・真・神影流道場の全ての財政を握っている超危険人物。
 ニコとは別ベクトルでケチではあるものの、何だかんだで人情がある。

 【ゴキゲンナコック】
 ・ボンプのシェフ。
 門弟の中には料理をできる者がほとんどおらず、料理ができるマネモブも栄養満点だがえげつなくマズい飯とも言えない何かを作ることくらいしかしないので、かなり苦労をしている。
 ツイッギーが手伝ってくれているのでめちゃくちゃ助かっている。

 【反乱軍の人】
 ・NHMに家族を皆殺しにされた哀しき過去を持っており、それが原因でNHMを生物兵器として利用する防衛軍を脱退し反乱軍になった経緯を持つ。しかし、反乱軍もNHMを利用していた。
 反乱軍を抜けると灘・真・神影流道場に食客として迎え入れられる。地味にヴィクトリア家政とも交流がある。

 【ツイッギー】
 ・姉妹達をどうにか統率するオカン。
 最近マネモブのコネで高性能な義肢を作ってもらってゴキゲン。
 御目ン子も健在。

 【A】
 ・ツイッギーの補佐。
 最近はRandom_Playで借りた映画ばかり見ている。
 たまにビデオ屋の宣伝も手伝っている。

 【姉妹達】
 ・大体の姉妹は内臓を抜き取られているものの、特に気にしていないし悲壮感とは全く無縁のお気楽な性格。
 障子に穴をあけたり、畳をひっくり返したりすることはあるが、マネモブは彼女達に甘いのでツイッギーに怒られている。

 【ガルシア28号】
 ・突然変異の心臓を持つクローン兵士。
 ツイッギー達とラボで過ごした時点で情緒がちょっと育っていたので、灘・真・神影流の門弟との交流を楽しんでいる。
 最近の悩みは敵として出会う連中がそろいもそろって心臓を狙ってくること。

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