高濃度猿侵蝕体“マネキン・モブ”   作:アースゴース

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波の花たちが遅れてきた~っ戦闘開始だ――GO――っ 3

 輝磁の破片――オブスキュラの出所を探るため、柚葉、真斗、リンは泅瓏囲(しゅうろうい)に向かうことになった。

 しかし、泅瓏囲へ向かうエレベーターは封鎖されており、回り道となる山道も凄い数のセキュリティ・メカが徘徊しているのだ。

 だが、パエトーンには頼れる超高性能AI、Fairyがいる。そのハッキング能力によって、全ての警備ロボの監視記録を削除することに成功したのだ。

 

 これで後は警備ロボを機能停止に追い込みつつ進むだけ……というところで、一行はある問題に直面していた。

 

 「何か数多くない?」

 

 見た限り、過剰なまでの数の警備ロボットが徘徊していた。

 比喩でなくネズミ一匹、アリ一匹通さないと言わんばかりの威容であり、恐れ知らずの犯罪者だろうが即座に撤退を強いられるだろう。

 

 「この数は一体……!?」

 『マスター。恐らく、セキュリティメカを発注した担当者が数を間違えたのだと思われます』

 「ふうん、そういうことか」

 

 何を血迷ったのか、ポーセルメックスはこの大量のロボットを全て配備させたらしい。

 Fairyの助力は監視システムを誤魔化すまで。それ以降は電気代が荼毘に付してしまう。

 なので、この数のロボットを生身で相手取る必要がある。

 

 「んでも私と真斗だけで全部の警備ロボを止められるかは謎のままだね~」

 「大丈夫だろ。俺達にはリンちゃんもついてるし、助っ人もいるだろ」

 

 真斗は、遅れてやってきた人影を指す。

 それはガルシアだった。ちなみに光の司祭はお留守番だ。

 

 「ガルシアさん、その荷物は?」

 「……」

 「あ、空っぽみたいだね」

 

 ガルシアは空の大きなリュックを背負っていた。

 非常に頑丈な作りの、恐らくは軍用にも使われるモデルのリュックサックである。

 

 「へぇ、光の司祭ちゃんから持たされたんだ」

 

 光の司祭は『私が待ってる間にお宝をいっぱい詰め込んできてください!!!』と道場でくつろぎながら、ガルシアにリュックを渡したのだ。

 

 「ともあれ、これでそろったな」

 「私、真斗、ガルシアがこの戦いを支える……ある意味最強だね」

 

 一行は、山道へと向かった。

 トンネルを抜けた先には、警備ロボがひしめいている。

 彼らは監視記録が抹消されていることなどつゆ知らず、侵入者を見つけてわらわらと集まってきた。

 

 「すごい数のロボットが集まってきている」

 「腕が鳴るぜ……って、ガルシアさん?」

 

 ガルシアは、戦闘態勢に入る彼らを手で制した。

 そして、落ち着いた様子で警備ロボットの群れへと歩みを進める。

 

 「一体何を……なにっ」

 「な……なんだあっ」

 

 すると、驚愕すべき事態が発生した。

 

 『ガガ……ピピ……』

 『ピガーッ』

 『ビィ―――ッ』

 

 警備ロボが、手も触れずに次々と機能停止に追いやられている。

 ガルシアの視界に入った途端、全ての電源を失ったかのように停止しているのだ。

 

 「……」

 「が、ガルシアさん何したの?」

 

 やがて、全てのロボットが停止する。

 リンはその不可解かつ不可視の力に対し疑問を投げかけるが、ガルシアは沈黙している。

 教える気がないのではない。彼自身も説明が難しいのだ。

 

 『マスター、ガルシアシリーズに関する記録を入手。セキュリティメカを停止させた能力は“ガルシア・アイ”によるものだと考えられます』

 「ガルシア・アイ!?」

 

 ガルシア・アイとは、超能力のようなものである。

 見るだけで精密機械を破壊し、ロボットをも停止させてしまうという。

 また、見えないものすら視認できると言われている。

 

 ――ちなみに、以前彼と闘ったトダーには、ガルシア・アイに対する耐性が存在する。

 これは、過去にガルシアシリーズに関する記録を閲覧したゴア博士が、ガルシア・アイへの対抗策として改造を施したためである。

 ただ、あまりにもガルシア・アイに関する記録が少なかったため、今のところは量産には不向きな技術である。ゴア博士はこの技術を研究し、量産させるつもりなのだ。

 

 「わぉ、ガルシアって超能力者? マジでいたんだ」

 「とにかくこれで進みやすくなったが、まだいるみてぇだな」

 

 ぞろぞろと集まってくるロボット。

 ガルシア・アイの発動にはそれなりの集中力を必要とするため、万能な力とは言い難い。

 しかしその真価は、ガルシア自身の超人的な身体能力と組み合わせることや、頼れる仲間と行動を共にすることによって発揮されるのだ。

 

 「確かに頭数では劣勢だが、質はキレてるぜ」

 『多勢に無勢だいっけぇ(音声プログラム)』

 

 

 

 Now Loading......

 

 

 

 真斗の大剣が、警備ロボットを停止させる。

 確かにセキュリティメカは犯罪の取り締まりや、警備のためにそれなりの性能を有する。囲んで叩けば軍隊にだって負けはしないだろう。

 しかし、それでも全壊させずに停止されられてしまったのは、真斗達が強かったこと。指揮官が真っ先にやられたこと、一瞬で数を減らされてしまったことにある。

 

 「よしっ、最後の一体をやってやったぜ。これで先に進める」

 「……待って、こっち来て」

 

 ロボットが止まったことを確認した真斗が、先へ進もうと皆に声をかけたが、それに待ったをかけたのが柚葉である。

 彼らは、柚葉の指示通りに車の陰へと隠れる。

 

 「何突っ立ってんの真斗! しゃがんでしゃがんで!」

 「お、おう」

 

 真斗の身長は盾にした車の全高よりも高かったため、少しだけ頭がはみ出ていた。

 ちなみにガルシアは最初からしゃがんでいた。

 

 「どうしたよ柚葉。急に隠れたりなんかして」

 「私達、出発してからずっと誰かにつけられてる気がするんだけど」

 

 柚葉は、誰かに尾行されているという気配を察知した。

 

 「Fairy、何か分かる?」

 『すみません。山道区間では利用可能な映像記録デバイスが不足しています』

 「ガルシアさんは?」

 「……」

 

 ガルシアも尾行には気づいていた……というよりもだ。

 そもそも相手の尾行が素人丸出し、あるいは全く慣れていないせいで尾行であると気づいておらず、柚葉達が呼んだ人物だと思っていたほどだ。

 流石にそれは大失態だと思ったガルシアは、ケジメをつけるために一人で行動を起こそうとした。

 

 「待って、ほら見て」

 「……?」

 

 尾行という割には堂々とトンネルを抜けてきたその人物を見て、ガルシアは疑問に思った。

 なぜタイムフィールド家のお嬢様であるアリスがこんな場所にいるのだろうかと。

 

 「ガルシア、驚かせちゃって」

 「? ……」

 

 コクリと頷いたガルシアは、機会を待つ。

 アリスが車の方へと近づき、彼女がよそ見をしたタイミングを見計らって――気配を殺し、ヌ~ッと彼女の前に現れた。

 ほんの一瞬目を離した隙に現れた大男に対する反応は……

 

 「……」

 「……」

 「い や あ あ あ あ」

 

 流れるようにレイピアを構え、刺突の体勢に入るアリス。

 距離が近いので防ぐことは容易だが、それにしてもやりすぎたかと思ったガルシアだった。

 

 「待って! 落ち着いて! 私達だよ!」

 「び、ビビりすぎぃ~!」

 

 アリスが抜刀したことでめちゃくちゃ焦ったリンと柚葉。

 彼女達のおかげもあってか、どうにかアリスは落ち着いたようだった。

 

 「で、どうして柚葉達をこっそり尾行(つけ)てたの?」

 「浮波さん、狛野さん。私にも“オブスキュラ”の調査を手伝わせて欲しいのだわ」

 

 アリスは自らの信念によって、ポーセルメックスの調査監督チームの立場が危ぶまれることになったとしても、オブスキュラの調査を開始する。

 それを見たガルシアは『このお嬢様もタフだな』と思うようになった。

 

 そして彼らは泅瓏囲へ到着した。

 

 

 




今やってるイベントのアリスの“迎斬”楽しすぎぃ~~~っ

えっこのイベント以外じゃ迎斬使えないんですか?
まっ(通常攻撃ブンブンしてるだけで敵の攻撃全部弾けるのは強すぎるから)なるわな
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