ビッグゲテスターに転生したので、科学の力で宇宙一を目指したいと思います 作:ちいさな魔女
ビッグゲテスターをご存知だろうか。劇場版ドラゴンボールに登場した機械惑星で、元々は小さなコンピューターチップだったが、宇宙の墓場に存在する人工衛星や宇宙船を取り込み続けた事で自分でオーバーテクノロジーを編み出すまでに成長し、星をも取り込む巨大な機械惑星となった。軈て惑星に寄生し、その惑星のエネルギーを吸収するようになる。悟空に倒されたクウラの脳と融合した事でクウラに支配された事で、あの悪夢のメタルクウラ軍団を作り出した。
………と言ったものの、私はクウラがビッグゲテスターを乗っ取ったとは思えない。まあネットの考察から来てるので何とも言えないが、本当にクウラの意思が反映されてるのなら軍団による物量作戦なんてクウラのやる事とは思えない。もしそうなら、メタルクウラ軍団で悟空やベジータを抹殺する筈だ。力を吸収するなんて、クウラのやることでは無い。
だからあれは、クウラの脳を取り込んで彼の人格を取り込んだビッグゲテスターと考えるのが妥当かもしれない。
つまり何が言いたいのか。
私は、そのビッグゲテスターに転生したのだ。クウラに取り込まれる前の、純粋な機械惑星として。
ビッグゲテスター『ビッグゲテスター……まさか私がこんな機械惑星になるなんてね』
これだけ巨大な惑星を維持するには、星のエネルギーを寄生して取り込まなくてはならない。メタルクウラには疲労が無いのは、Dr.ゲロと同じく永久式エネルギー炉に似た何かを搭載してるからだろう。とはいえ、本体の惑星を維持するのに星のエネルギーをイチイチ取り込むのは、かなり燃費が悪すぎる。何故ビッグゲテスターが星のエネルギーを取り込むのかは不明だが、それはあまりにも非効率的だ。
ビッグゲテスター『………いや待って?これだけ材料があるんだから、造れば良いんだ!惑星を取り込まなくても活動出来るエネルギー源を!』
何故今まで気付かなかったのだろうか。地球のDr.ゲロだって永久エネルギー炉というチートエネルギー源を作れたのだ。地球よりも機械的資源が揃ってるこのビッグゲテスターなら、同じ物を作り出せる筈なのだ。
ビッグゲテスター『だとすれば、他の作品で見た兵器とかも再現出来るじゃん!希望が見えてきた!よし、エネルギー源を確保したらやってみるか!』
私は早速研究に取り掛かった。いきなり永久機関を作るのは難しいので、先ずはアークリアクターのようなエネルギー機関を作る事に決めた。
アークリアクターとは何か。マーベル・コミックのヒーローであるアイアンマンが着用するパワードスーツの動力源となる装置だ。プラズマ技術を用いた半永久発電機関で、小型版1号機の発電能力は毎秒3GJという破格のエネルギー源。原材料のパラジウムを使って発電し、エネルギーを作り出すのだ。パラジウムの触媒作用により水素は消えないため、理論上は半永久的にプラズマを発生させることができるが、実際にはエネルギーを消費するたびにパラジウムが破壊されてしまうため永久機関ではない。また膿に似たプラズマ性廃液も精製される。なおトニーを蹴落とそうとした会社の重役オバディア・ステインが同様に小型化しようとエンジニアたちに指示するが、『存在しない技術』と匙を投げられたあたり、トニーの天才っぷりが窺える。
あのアークリアクターなら、このビッグゲテスターをしばらくは賄える筈だ。アークリアクターの上位互換たる永久エネルギー炉が手に入るまでは、定期的にアークリアクターを量産するとしよう。
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転生してから一年が経過した。
私は遂に、アークリアクターの開発に成功した。
ビッグゲテスター『よし、これで一年は持つかな』
アークリアクターは小型化は出来なかったので、ハワード・スタークのように大型の装置になった。
ビッグゲテスター『パラジウムの豊富な星からエネルギーを採る事になったけど、あの星が文明の星じゃなくて良かったよ』
ドラゴンボールの世界には生命体の居る星は数多くあるが、それだけでなく生命体の存在しない惑星も存在する。木星のようにガスの星や、先程も言ったようなパラジウムが豊富にある星も存在する。また、ダイヤモンドが大量に採れるが、ガラスの雨が降り注ぐ危険な星も存在する。ただ、そんな星だからこそ材料が豊富な上に、フリーザ軍も手付かずなので、材料が取り放題なのだ。それに、星のエネルギーも楽に手に入る。
因みに、私の今の姿は↓のような感じだ。
どう?可愛さとセクシーの両方備えてるでしょ?ビッグゲテスターの資源を使って、できる限り人の姿を再現したのだ。
ビッグゲテスター『人の感覚も私が知ってて良かったよ。お陰で人の五感も上手く再現出来たね』
舌だって、甘味、塩味、酸味、苦味、 うま味。見事に再現出来た。やっぱりこの機械の身体でも食事はしたい。本体は機械惑星では無くなり、機械惑星は私の居住スペースとなった。
ビッグゲテスター『アークリアクターの量産と改造をしばらくは目処にして、これからは戦力と何か大きなプロジェクトを考えないとね』
かのメタルクウラは、ボディが損傷・欠損しても、そのダメージデータをメインコンピューターへと転送し、即座に解析・修復・補強される。これにより欠損部分が再生するだけでなく、ボディの強度と戦闘力までもが増強する。
ただし、この一連の流れの途中で追加攻撃を受けてしまうと修復が追い付かなくなる弱点を抱えており、作中では悟空とベジータの連続攻撃を受けた事で、修復速度とダメージの許容量を超えてしまい破壊されてしまった。それは別に良いのだ。
ただ、人海戦術となると人型でやる必要が感じられなくなる。以前に何処かの二次創作で、メタルクウラの数の暴力を正面から相手して、徐々に押されたけど作戦勝ちでメタルクウラを倒す描写があった。あれを見て思ったが、何故人型な上に別働隊が居る事も考慮しないのか悩んだ。
他にも色んな作品では、大型兵器に大型兵器をぶつけるのが、数多くある。ロマンはあるけど、戦術としてはあまり優れてるとは言えない。
其処で私は、前世の知識からある生物兵器の存在を思い出した。
それは、ゲームセンターの顔とも言えるシリーズで、特に4は私も大人になってからもよく遊んでいた。
タイムクライシスシリーズ。ガンアクションゲームで、制限時間付きであるものの、敵を銃で撃ちながら倒していく爽快感は気持ち良かった。
そしてタイムクライシス4には、建物の細い隙間や排気口、人間では入れない隙間から入り込める生物兵器が登場している。
コードネーム『テラーバイト』。アメリカ軍が遺伝子改造をして生み出した昆虫型の生物兵器だ。
個体の暴走による相次ぐ実験中の事故、実験室から脱走した個体による環境破壊によって島を一つ消し去るといった事故から、開発は中止されていた。
『テラーバイト』は生物兵器そのものの通称で、スカラベ型、ハチ型、ダニ型、カマキリ型の4種類が確認されている。カマキリ型以外は全て小型で、わずかな隙間からも建造物に侵入することができる。
使用する際は2本のアンテナが付いた専用のバックパック型無線機を使用し、本体から右手付近まで伸びるジョイスティック型の操作器具で動作を制御する、この際にノイズのような独特の制御音が聞こえる。
W.O.L.F.は首または衣服に下げるタイプの音楽プレイヤーの様な識別装置を使用しており、作中ではこれを装着せずに不用意にスカラベ型を開放した結果、自身らが餌食となったメンバーもいる。
超音波パルス兵器UPDを使えば、周囲のテラーバイトを一掃出来る。アーケードモードではボスキャラの体力ゲージを0にしたり、テラーバイト制御兵を倒すことで全滅させることが出来る場面がある。
テラーバイトは私が見る限り、人型による人海戦術よりも効果的だ。私は今、ビッグゲテスターの技術総てを兼ね備えている。ならば、エネルギー問題解決の為にアークリアクターを量産しつつビッグゲテスターを使ってテラーバイトを量産しよう。生物兵器としてではなく、機械の昆虫兵器として。そうすれば、制御面の問題も解決出来る筈だ。
テラーバイトの数の暴力と、ビッグゲテスターの修復&強化能力。組み合わせたらかなり強いと思うな。
私は早速、資源を使ってテラーバイトの量産を開始した。
他にも色々な兵器を量産したいから、文明の無い星を狙って資源を確保しつつ、テラーバイトの量産を最優先で続けた。
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ビッグゲテスター『あれからどれくらい経ったかな』
コンピューターの計算によると、私が転生してから6年の時が経過してるらしい。
ビッグゲテスター『あれからアークリアクターの小型化には成功したし、テラーバイトもかなり生み出したね。中性子星を中心に取り込んだ事で、星用の永久式エネルギー炉の完成も間近になってきたね。となると、今度は人型の人造人間でも造るかな』
長い事、兵器の量産と製造、そしてエネルギー問題の解決や星の資源回収に力を入れてきた。中性子星を取り込んで作り出した新型アークリアクターの量産によって、ビッグゲテスターは2万年分もエネルギーを確保出来た。大型の永久式エネルギー炉も完成間近。Dr.ゲロが居なくても完成した以上、地球に行く理由は、もう飯食いに行くしか無いだろう。
ビッグゲテスター『やっぱり一人で此処に居ると、なんか虚しいな。そろそろ人型の量産に取り掛かろう』
いくら科学の力で兵器を量産して、どれだけ発展させたとしても、私は一人だ。そりゃウルトロンのように別の身体に意識を共有させて人のように動かす事は出来る。集合精神というものだ。簡単に言えば、複数の個体が一つの意識を共有する事だ。例えこの身体を壊されたとしても、別の身体を生み出して意識を転送すれば良い。
しかし、それはあくまで意識を共有した分身体であって他人ではない。友人でも家族でもない。
ならば、家族を造れば良い。人の倫理に反した考えかもしれないが、今の私に出来るのはそれだけだ。それに、反論する人もここには居ない。
なら、実行しよう。好きにやらせてもらうだけだ。
とはいえ、何をやらせようかな。人型にしたとしても、何をさせれば良いのだろう。
ふと、私は考えた。
この宇宙の住人は、フリーザ軍の攻撃や悪人の暗躍により、希望を見失いかけている。いくら悟空達が強かったとしても、手の届かない者総てを助けられる訳では無い。
ならば、私が居るではないか。
そして、生み出す方法も目の前にあるではないか。
昔見た、宇宙を股に掛けるアイドルグループが敵の攻撃に遭いつつも、芸能禁止を指定された星に歌で希望を届けたアニメのように。確か、『AKB0048(エーケービーゼロゼロフォーティーエイト)』だっただろう。
そしてそれを代わりに出来る者達を、私は知っている。
画面上でぬるぬる動き、歌を歌ったり、ゲーム実況をしたり、そして時にはライブを開いて盛大に歌ったり踊ったりする、最先端のアイドルグループが居た。
彼女達は『ホロライブ』。YouTubeにおいても有名なバーチャルユーチューバーアイドルで、Vチューバーの世界で最も有名と言っても過言ではない。
ビッグゲテスター『この技術があれば、ホロメン達を自分の手で生み出せる!そしてこの第七宇宙に、歌を届けられる!よし、早速やってみよう!』
私は早速、ホロライブの面々の量産に取り掛かる。先ずは勿論、ホロライブ0期生からだ。
人の身体を造るのは、実は簡単だ。意識を共有させれば、自在に操れる。
しかし、人格や個性を与えるとなると、かなり時間を掛けて調整しなくてはならない。
勿論兵器やテラーバイトの制御装置も付けようじゃないか。
ビッグゲテスター『頑張るぞー!おー!』
私は好きだったキャラの掛け声と共に、ホロメン製造計画に取り掛かるのだった。
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ビッグゲテスターが準備を始めて、50年の時が経過した。
その頃、ある惑星から光の柱が飛び去っていく。それはフリーザ一族の本拠地である惑星フリーザから飛び去っていた。
それは、この第七宇宙の頂点に立つ破壊神『ビルス』と、彼と共に宇宙を渡る付き人の天使『ウイス』であった。
ビルス「ウイス。フリーザには惑星ベジータを破壊するよう頼んどいたから、破壊するかどうか見張っててくれ」
ウイス「はい、ビルス様」
ウイスの背に手を添えたビルスは、光の柱によって宇宙を渡り、帰路に付いていた。
ウイス「そういえばビルス様は、最近この第七宇宙に起きている事をご存知ですか?」
ビルス「ん?なんだ?僕の知らない内に何か起きてるのか?」
ウイス「はい。それは、機械で構成された惑星が、次々と星を取り込んでいるそうです」
ビルス「機械の惑星が?まさか僕を真似て?」
ウイス「いいえ。どうも取り込んでいるのは文明の無い星です。例えば、『HD189733b』はケイ酸塩粒子で構成された、つまり硝子の雨が吹き荒れる星ですが、其処が機械惑星に取り込まれたそうです」
ビルスは指を顎に当てて、考え始める。
ビルス「あんな硝子の雨が降る星なんて、欲しがる奴が居るの?」
ウイス「硝子は資源でもありますからね。他にも、衛星で構成された30個の輪を持つ1億2000万キロの直径を誇る 『J1407b』、光を99%以上を吸収する『TrES-2b』。他にも、恒星や惑星の重力に囚われず独自に宇宙を移動し続ける浮遊惑星の一つ『SIMP J01365663+0933473』までも、機械惑星は取り込んだそうです。星のエネルギーもろとも資源や星も取り込んだそうですが、いずれも人の住める星も、文明のある星でもありません」
ビルス「フリーザやサイヤ人の地上げ屋とは違うのか?」
文明のある惑星を襲撃し、星を制圧して高く売る。元々はサイヤ人の生業であったが、コルド大王が力でねじ伏せて乗っ取っており、今ではフリーザがサイヤ人と共に取り仕切っている。
そして話を聞く限り、その機械惑星は意図して文明のある惑星を狙ってないようにも思える。文明の無い星をターゲットにして、自身に取り込んでいる。まるで生きているようだが、何故文明の無い星を狙うのか。機械にしては計画的であっても、これはかなり感情的だ。
ビルス「興味があるな……なあウイス。その機械惑星は何処にある?」
ウイス「かの星は宇宙を彷徨う浮遊惑星となっておりますから、居場所の特定には時間が掛かるでしょう。どれ……」
ウイスは杖の先端にある球体を覗き込み、宇宙全体を見通した。
ウイス「見つけましたよ。現在は西の銀河に存在する中性子星を吸収しておられるそうです」
ビルス「中性子星を?成る程……中性子星なら並の惑星より質量はあるからね」
ビルスは興味が湧いた。
ビルス「ウイス。西の銀河に居る機械惑星へ進路を変更しろ。僕のお眼鏡に適うかな」
ウイス「おや、まだお昼寝に入らないのですか?」
ビルス「寝る前に確かめておきたいのさ。予言魚にも後で確認したいしね」
ウイス「ビルス様に強敵が現れるとは考えにくいのですが……分かりました。進路を変更しましょう」
ウイスが杖を別の方向へ向けた瞬間、光の柱は急に曲がり、西の銀河へ進み始めた。
破壊神に目を付けられた事を、ビッグゲテスターはまだ知らない。
ED『Non-Fiction(森カリオペ、がうる・ぐら、小鳥遊(たかなし)キアラ、ワトソン・アメリア、一伊那尓栖(にのまえ いなにす))』