ビッグゲテスターに転生したので、科学の力で宇宙一を目指したいと思います   作:ちいさな魔女

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今年の初投稿です。

では、第七宇宙のもう一人の転生者を出したいと思います。キャロは歩けなくなり、フィーリアとトゥインクルナインは人間では無くなった。では彼女はタイトル通りでございます。


番外編4:サイヤ人の王女は言葉を失う

惑星ベジータの王は代々サイヤ人の王家として、サイヤ人達を統治してきた。そしてベジータ王の一族はその中で最も強く、そして戦闘の才能に長けていた。

 

コルド大王によって力でねじ伏せられ、星を制圧して高く売る事業も乗っ取られてしまい、プライドを刺激されたベジータ王。

 

しかし、そんなベジータ王にも子への愛は確かにあった。

 

何故その話をしたのかと言うと、話は簡単だ。

 

私はサイヤ人に転生したのだ。ベジータ王の娘。つまり、推しのベジータの妹として。

 

ベジータ王『おおっ!もうこんなに大きくなったのか!流石はワシの自慢の息子と娘だ!お前達の潜在能力は天才的だ!』

 

私は顔を上げて、声のした方向を向いて目を開ける。

 

モロコ『ひぇっ!?もう目を開けている!?』

 

シトウ『馬鹿な!?いくら保育カプセルに入ってしばらく経っていたとしても、あまりにも早すぎます!』

 

ニオン『この僅かな期間で早くも自我を……流石は王女様です!』

 

王女様。つまり、私は王族の血を引いているという事だ。

 

ベジータ王『おおっそうか!もう目を開いて周りを認識しているとは!流石は我が娘だ!それに母にそっくりな髪型だなぁ!』

 

目を開けていても痛くない。呼吸はマスクから送られる新鮮な空気のお陰で平然と出来る。排泄も不要なので問題はない。この技術は育児の手間いらずの最先端の育児方法だ。いずれ地球の育児にも、この技術が取り入れられるのだろうか。

 

ベジータ王『我が息子に並ぶその潜在能力!やはりエリートサイヤ人の中でも特に特別なカプセルにお前達を入れて正解だった!宇宙の王になるのは、あんなフリーザやクウラ等という化け物共ではない!王子であるお前だ!成長を楽しみにしているぞ!』

 

そして、ベジータ王は赤ん坊のベジータのカプセルのガラスを撫でて、『お前が次のベジータとなるのだ』と自慢げに褒め称える。

 

そして、私の元へ来てガラスに触れる。親バカなのが分かる程に笑っている。

 

ベジータ王『そしてお前には……そうだな………『べジュー』と名を与えよう。惑星ベジータの王女であるお前に相応しいだろう?お前の成長も楽しみにしているぞ』

 

そして、ベジータ王はマントを翻しながらその場を去った。

 

口調とか、色々改める必要はあるかな?

 

その後、カプセル越しに父が部下達と揉めているかのように叫び始めた。

 

ベジータ王『コイツは誰だ?何故特別カプセルに入っている!?』

 

モロコ『は、はい!この子はブロリー!パラガス大佐のお子さんです!』

 

ベジータ王『なんだと?この育児室はサイヤ人のエリートになるべき優秀な赤ん坊の為のものだ!』

 

ニオン『しかし、ブロリーは計測時に王子様と王女様の数値を超えられる事が、時折確認されております』

 

ベジータ王『何……!?そんな事はあり得ない!王子の数値でさえ過去最高なんだ!王女もそれに匹敵する数値を何度も叩き出している!それを、こともあろうにパラガスの子供が上回るだと!?有り得んだろう!』

 

その後の事を簡単に説明すると、その赤子はカプセルから出された後、赤子用の戦闘服を着せられてどこかへ運ばれて行った。

 

名前は『ブロリー』。どうやらベジータ王……いえ、お父様はブロリーがこのまま成長すれば正常で居られなくなって宇宙を滅ぼすとの事で、別の星に飛ばされたらしい。

 

お父様はそう言っていたが、本心は私達の戦闘力を超えたブロリーが気に入らないだけだろう。でもお父様に愛されるのは悪く思えないし、追求しない事にした。

 

しかし、カプセルから出た途端に、私に対して大きな現実が早くも叩き付けられた。

 

ベジータ「おぎゃあー!!おぎゃあー!!」

 

べジュー「……………ッ!!ッ!!」

 

声が出ない。泣いているのに、声が出てこない。

 

ベジータ王「お、おい!?べジューは何故泣き声を上げん!?」

 

シトウ「は、はい!産まれた時に観測された事なのですが、べジュー王女様は………声帯に生まれ付き損傷が確認されており、今の医学でも治せないのです。もしかしたら………王女様は一生話せないかもしれません………声すらも出せないでしょう」

 

ベジータ王「そんなバカな………言葉を話せぬ王女等、マトモにコミュニケーションも取れん!どうすれば良いのだ……!」

 

そう。

 

私は、言葉を、声を失った。

 

ベジータの双子の妹として産まれ、ベジータと同格の才能と強い身体を得た代償に、話す力を失ったのである。

 

―――――――――――――――――――――――

 

べジュー「……っ!!」

 

ベジータ「でやああっ!!」

 

あれから4年の時が経過した。エイジ734。私は戦闘訓練を受けて、近い内にベジータ兄様と一緒に星の制圧に向かう予定だ。

 

現在、ベジータ兄様と模擬戦をしている。私は気の力を使うにあたって、もしかしたらと思って試したかった技を試してみた。

 

私は両手の指にガントレットを展開した。勿論ただのガントレットではない。気をガントレットの形にして具現化したエネルギーガントレットだ。

 

ベジータ「ふっ!面白い!かかってこいべジュー!」

 

ベジータ兄様が私に迫る。しかし、私は狙っていた。

 

べジュー「…ッ!」

 

私はベジータ兄様に向かって走る。ベジータ兄様は私が握り締めて振り下ろす拳を、拳でぶつけて相殺した。

 

私の近接戦闘技『サルファガントレット』だ。気で模ったガントレットを腕に纏う技だ。元ネタは『魔法少女にあこがれて』のマジアサルファだ。

 

お互いに拳の連打を放ち、防ぎ、避けて、また拳をぶつけ合う。それを繰り返していく。

 

しかし、ベジータ兄様が戦闘の天才であると改めて思い知らされる。

 

ベジータ「フッ!」

 

ベジータ兄様は私の足を蹴って転ばせて、私は地面に背中から倒れた。

 

しかし、私は目から赤い光線を二つ放つ。

 

ベジータ「そんな見え見えの罠が俺に通用すると思っていたのか」

 

ベジータ兄様は私の光線を避けて、お腹に一発拳を叩き込んだ。

 

べジュー「………ッ!!!」

 

私はその場で蹲り、口から王女としてはあり得ない嘔吐物を床に吐き出した。

 

ベジータ「まあ戦略は悪くなかったな。俺の方が強かったがな!」

 

べジュー「ッ」

 

私は嘔吐物を吐き終えると、ベジータ兄様の元を向いて両手で言葉を表現する。

 

べジュー「(お腹が空きましたわ!昼食にしますわよ!)」

 

ベジータ「言われなくても向かうつもりだ。今回はお前が奢れよ」

 

べジュー「(お小遣いを破産させられた恨みですの?随分卑しい仕返しです事)」

 

ベジータ「ふん!貴様が食いすぎるからだ!お陰で親父にこっぴどく叱られたんだぞ!貴様が甘やかされているせいで親父の怒りがコッチに飛んでくるんだ!」

 

べジュー「(日頃の行いですわ)」

 

ベジータ「ふん。テメェが言うか?」

 

私は手話で会話している。教育係は沢山居るので、その人達から手話を教えてもらった。地球でたまに見る手話のように繊細かつ独特な表現ではなく、その場で何がしたいかとか、自分の状況や状態を示したりする直接的な表現を多くする手話だ。しかし、そのお陰でお父様や兄様と話す事が出来た。お父様は最初こそ話せない私に失望していたが、手話を通して会話をする事でコミュニケーションを取れると知った時、お父様は前にも増して私を甘やかすようになった。

 

しかし、私は兄様と毎度手合わせしているが、戦績は五分五分だ。

 

それに、どちらかが勝つと、お互いに嫌味を言い合うのだ。

 

嫌味を言い合うが、私達の仲はどちらかと言えば良い方だ。

 

そういえば、ターブルと話したのは、去年に別の星へ彼が送られて以来だ。彼は今どうしてるのだろうか。原作だと幸せに暮らしてるそうだが、今はどうしてるだろう。

 

私達は食堂へ赴くと、お父様が誰かに頭を踏み付けられているのを見てしまった。私と兄様は物陰から見ていた。

 

ベジータ「な、なんだ彼奴は!?」

 

べジュー(お父様………!)

 

それは、紫色の肌をした猫のような姿をした男だった。足蹴にされているのを、私達は見ているしか出来なかった。

 

その猫人間みたいな存在を、私は知っていた。

 

ビルス「生意気だね。こんな美味くも不味くも無い飯を出すなんて」

 

ベジータ王「ぐううっ!」

 

ビルス「………そこの君達、隠れてないで出て来なよ」

 

私の全身に、悪寒が走る。兄様の顔も青ざめている。

 

本能で分かるのだ。私達を呼んだ猫人間は危険だと。私はその猫人間が誰か知っていたにも関わらず、怖くて足が踏み出せなかった。

 

ウィス「お二人共、怖がる気持ちはお察しします。しかし、早めに出て来た方が宜しいですよ。ビルス様のご機嫌を損ねてしまうかもしれませんから」

 

ビルス様の傍に居る長身の男性、天使のウイスさんに言われて、私達は物陰から出て来た。

 

べジュー「(は、始めまして………惑星ベジータの王女、べジューですわ)」

 

ベジータ「…………ベジータ王子。こいつ、べジューの兄だ」

 

ビルス「へぇ。この女の子、べジューだっけ?サイヤ人にしては礼儀正しいね。兄の方は生意気そうだけどね。まあ良いや。僕はビルス。この宇宙の破壊神だよ」

 

べジュー「(どうも。宜しくお願い致しますわ)」

 

私は手話をした後に、お辞儀を一回行う。

 

ビルス「まあ君の礼儀正しさに免じて、今回は見逃すよ。ケチな父親と違って謙虚で良かったよ。にしても……君は…………ふーん………それで話せないんだな」

 

ビルス様が私を見つめる。まさか、私の正体を知ってる?或いは見抜いてる?どちらにせよ、何処から話すべきか迷っていた。

 

ビルス「君と2人で話がしたい。コッチへ来なさい。ベジータ王子、ベジータ王。君達は此処で待て。ウイス」

 

ウィス「はい。ビルス様」

 

私はビルス様に従い、彼の目の前までやって来た。

 

そして、ウイスさんが杖を翳すと、私とビルス様はドーム状の結界に包まれる。これは、外に話し声が絶対に漏れないようにしてるのか。

 

ビルス「さて、君は何者だ?正直に話してもらおうか」

 

べジュー「(そうですわね。私がこの世界のサイヤ人、もとい人間ではない事は見抜いておられるようで)」

 

ビルス「そうだよ」

 

べジュー「(実は私は、元はこの世界とは別の世界、別のマルチバースの世界からこの世界へ転生した、つまり転生者ですわ………)」

 

べジュー(でも、この後の事はどう説明しよう……)

 

其処で私は、ビルス様に手話のみでどう説明するか迷っていた。しかし、その心配は無用だと気付く。

 

ビルス「いや、君の頭の中を覗かせてもらう」

 

そして、ビルス様は私の額に手で触れた。少しビルス様の体が輝いたかと思えば、すぐに手を離した。

 

ビルス「なるほど。確かに君はこの宇宙、そして全王様の管轄する世界の人間じゃないみたいだね。僕等や全王様が作品の登場キャラになってる世界か。気に食わないけど、まあ世界が違うならそうもなるか。そして君は、代償として声を失ったのか。まあ強い力を持つには代償が必要なのは、納得出来る事だけどね」

 

ビルス様はそう言うと、私にある事を尋ねてきた。

 

ビルス「君は、僕を憎むかい?」

 

それはつまり、ビルス様がこの後、フリーザに惑星ベジータを破壊させる事に対して、どう思うか。確かにお父様を失うのはキツい。しかし、それを変える力は今の私には無い。それに、あの出来事は第七宇宙に生きる悪のサイヤ人達の当然の報いと言えるだろう。

 

私は首を横に振った。

 

べジュー「(当然の報いと受け止めますわ)」

 

ビルス「そっか。じゃ、君はその知識で好き勝手するつもりはあるかい?」

 

べジュー「(やってみたい事はやるつもりですわ。しかし、好き勝手の基準はお分かりかねますが、宇宙を滅ぼす為に使うつもりは無いと、断言させて頂きますわよ)」

 

ビルス「そうか。なら良い。その知識、悪用し過ぎるんじゃないよ」

 

そして、話し合いを終えたタイミングで、ウイスさんが結界を解除した。

 

ビルス「じゃ、また会おうね」 

 

そして、ビルスという破壊神はウィスの背中に手を付けて、ウィスが杖を床で一回叩いた瞬間、二人は光に包まれた。そして、光に包まれた後に上空へ飛び去って行った。

 

ベジータ王「………くそったれが」

 

ベジータ「………」

 

ベジータ王は床を拳で叩く。兄様はそんな父親を冷めた目で見ていた。

 

べジュー「(お父様………)」

 

ベジータ王「………ワシがこんなザマで笑えるか?」

 

べジュー「(笑いませんわ。お父様はお父様ですの。私の、世界一のお父様ですわ)」

 

ベジータ王「……全く、お前は誰に似たのだろうな」

 

お父様は私の頭を撫でた。ビルスに心まではへし折られてなかったようだ。やはりサイヤ人の王なのだろう。表向きは平伏するフリをしているが、その目はビルス様を睨んでいた。

 

私はお父様を、何時までも愛してる。

 

惑星ベジータが滅ぼされる日に、フリーザに殺される。今の私にはどうする事も出来ない。運命として、報いとして、私は受け入れる。

 

そして、私にサイヤ人として初の出撃の日がやって来た。それは、ビルス様が現れてから1年後の事だった。

 

―――――――――――――――――――――――

 

ビルスはウィスの背に手を添えている内に、ある事を思い付いた。

 

ビルス「ウィス。フリーザの所へ行け」

 

ウィス「フリーザの元へですか?」

 

ビルス「やはりサイヤ人はろくでなしな連中だ。特にベジータ王はケチだったしね。ただ………」

 

ウィス「あの女サイヤ人ですね?」

 

ビルス「ああっ。彼女はこの世界についてよく知っていた。転生者、噂には聞いていたが、どうやらあの星にはもう一人居るみたいだね」

 

ウイス「しかし、もう一人は下半身不随。べジュー王女は声を出せないようです」

 

ビルス「そうだね。もう一人は戦えそうにないのは残念だ。やっぱりフリーザには惑星ベジータを破壊してもらう。僕がやっても良かったけど、これから長い眠りに入るからね。彼女達が強くなる所は見たかったけど、サイヤ人達は放っておけない」

 

ビルスは名残惜しい気分を抱く。しかし、惑星ベジータを何時までも放置する訳には行かない。

 

自ら手を下しても良いが、これから長い間眠りに入るのだ。その代わりを、フリーザに担ってもらう事にした。

 

ビルス「それにフリーザもサイヤ人が気に入らないらしいしね。利害の一致っていう奴だよ」

 

ウィス「なるほど。では、フリーザの元へ参りましょう」

 

ウィスは杖を振り、行き先を変更した。そしてその後に、とある機械惑星へ赴く事になるとは、この時は思いもしなかった。

 

―――――――――――――――――――――――

 

べジュー「(本日からお世話になるべジューですわ。宜しくお願い致しますの)」

 

ベジータ「俺がベジータだ。いずれベジータ王になる男だ」

 

ナッパ「俺がベジータ王から直々に、お前等の教育係を任されたナッパだ。王族と言っても、戦場に出れば死ぬ事になるぜぇ。まあ精々頑張る事だな」

 

私は兄様と共に、ナッパの所属する部隊に配属された。

 

ナッパ「早速だがお前等は俺と一緒に、惑星ポルシェを制圧してもらうぜ。初っ端から星の先住民同士での戦乱が絶えない星からだ。死ぬかもしれねぇな」

 

そして、私達は宇宙船に乗り、その星へ向かった。宇宙船は一人用のポッドではなく、それぞれの部隊専用の小型の宇宙船だ。

 

寝床や風呂も完備されており、食糧もサイヤ人基準で1ヶ月分も備えている。正に宇宙を旅する家だ。

 

目標の星の上空へ到達した。大気圏へ突入し、上空1万メートルに到達する。扉が開いたと同時に、私の鼻に肉や家が燃え盛る匂いが刺さる。

 

ベジータ「ふん。同じ星の住人同士で争いか。くだらん」

 

べジュー「(………愚かですわ)」

 

下を見下ろすと、大勢の人々が槍や剣、斧を手にして殺し合っていた。弓から放たれた矢には火が灯されており、放たれた矢は家や人、家や建物に突き刺さって燃え始めた。

 

べジュー「(……滅びるに値するとはこの事ですわ)」

 

ナッパ「ん?ああっ、確か話せねぇんだったな。べジューの言う通り、馬鹿馬鹿しいもんだぜ」

 

不思議な事に、私には何の感情の変化は無い。馬鹿馬鹿しいとは思っているが、恐ろしさは微塵も感じない。

 

ナッパも手話をある程度理解しているらしい。単細胞ではあるが、理解力はあるようだ。

 

ベジータ「くだらん。すぐに終わらせてやる!」

 

ベジータは先攻した。

 

ナッパ「お前はどうする?」

 

べジュー「(ナッパ。一つ聞いて宜しいですの?)」

 

ナッパ「なんだ?」

 

べジュー「(何人かは生け捕りにして宜しくて?全滅では使えそうな人材も確保出来なくなりますわ。例えば農夫を捕まえれば開墾も期待出来ますし、食糧の確保もより良くなりますわ。科学者を捕まえれば技術向上、医者を捕らえれば医療面も向上が期待できますわ)」

 

手話で出来る限り表現した。

 

ナッパ「なる程な。だが全員は乗せられねぇぞ。この船は最低6人が限界だ。最低でも3人に絞れ」

 

べジュー「(分かりましたわ。さあ、虐殺の時間ですわよ)」

 

私は宇宙船の扉から飛び降りた。

 

私は両手の指の付け根から、4本の刃を生やした。勿論普通の刃ではなく、気で構成した刃だ。両手に4本ずつ生やすと、私は空を飛びながら争う人々に迫る。軈て彼等の間に到達すると、その刃で争い合う人達を斬った。『ウルヴァリン・ナイフ』と私は名付けている。元ネタは勿論、ウルヴァリンの爪だ。

 

人々がバラバラに斬り裂かれ、人だった肉片が周辺に飛び散った。

 

べジュー(………不思議ですわね。殺したのになんにも感じませんわね。これもサイヤ人の性でしょうか?)

 

私は背後から迫って来る気配を察知し、4本の刃で切り裂く。柔らかい豆腐のように切断した。

 

原住民「な、なんだ!?」

 

原住民「サイヤ人だ!!」

 

原住民「討ち取って名を上げろ!」

 

原住民達が襲い掛かる。

 

私は今、楽しんでいた。初めての戦場なのに、初めての殺し合いなのに、気分は上昇していく。

 

べジュー(オーッホッホッホッホッホッ!!皆殺しにして差し上げますわ!!)

 

多数の敵を殺し続ける。なんと楽しい事だろう。向かってくる敵の攻撃を避け、時々現れる強い敵と戦う。なんと楽しい事か。

 

これが、サイヤ人!戦う事を喜びとする種族の本能!

 

そして、敵の本部へ乗り込んだ時、兵士達が弓で攻撃してくるが、私は全ての矢を避けた。そして、弓兵達も切り裂き、司令官らしき人物も殺した。

 

その時に丁度、牢獄に閉じ込められている三人の少年少女を見つける。少年二人に少女一人、それぞれ肌の色は異なっていた。一番身長のある少年は黄色、2番目に大きい少年は青色、そして一番低い少女はピンク色であった。

 

長男『助けが来た?』

 

次男『サイヤ人だよ……助かるわけないよ!』

 

長女『また怖い目に遭うの?』

 

言葉は分からないが、怯えてるのは確かだ。恐らく戦争中に捕まった奴隷達なのだろう。

 

私は檻に近付き、彼等の視線に合わせてしゃがむ。

 

べジュー「(手話、分かりますの?私はサイヤ人の王女ですわ)」

 

長女『えっ?手振りじゃ分かんない……』

 

次男『俺もだ。兄ちゃん……分かる?』

 

長男「………手話だろ?独特だけど、かなり直接的だ。悪い、俺達は宇宙船でこの星に来たんだ。でも戦争が起きてるなんて知らずに来たから、宇宙船を壊されて、両親も殺された。逃げる途中に捕まって、此処で乱暴されたよ」

 

なるほど、戦争孤児か。こんな彼等を殺した所で何も面白く無い。

 

べジュー「(では皆さん。助けてあげましょう。勘違いしないでくださいまし。貴方方は今日から私の奴隷ですわ。私の言う通りにしっかりと働いてくださいまし。この通り私は話せないので、手話も覚えて頂きますわ)」 

 

長男「………此処から連れ出してくれるなら、良いぜ」

 

背の高い少年は、他の二人に説明した。

 

長男『べジュー様が助けてくれる代わりに、自分の奴隷になれってさ』

 

次男『正気かよ!?って言いたいけど……どうせこの星に残っても、殺されるか飢え死にするかだろうしさ』

 

長女『…………何処にも行く宛無いから、良いよ』

 

長男「………皆行くってさ」

 

私は檻を右手のウルヴァリン・ナイフで切り裂き、三人兄弟を出した。三人はまだ名前が無いらしいので、後で付ける事にした。

 

私は三人を連れて宇宙船に戻る。空を飛んで三人を運んでいると、宇宙船で待機していたナッパが奴隷三人を見た。

 

ナッパ「おっ。早速連れてきたか」

 

べジュー「(ええっ。今日から私の奴隷ですわ。戦闘員としてではなく雑用の奴隷として迎えますので、宇宙船で待機させてくださいまし。私は兄様と共に仕事を終わらせますわ)」

 

ナッパ「おう。ガキどもは見ててやる」

 

その後、兄様と共に星を制圧した。二人だけで充分制圧出来たので、映像記録に残して私達は星を後にした。

 

―――――――――――――――――――――――

 

それから数ヶ月が経った。エイジ745の頃だ。私と兄様は順調に仕事を進めていき、フリーザ直々に謝礼を受け取る程にまでなった。

 

お父様からも奴隷三人を従える許可を貰い、正式に三人は私の奴隷となった。奴隷と言っても、召使いのような扱いだ。鞭打つ真似は流石にしない。その時はかなり痩せて力も衰えていた為に、食事を与えて身体も直々に鍛えて動けるようにした。そうでないと奴隷として働く価値すら無くなるからだ。

 

漫画やアニメでよく見るが、奴隷の扱いは見る限り碌な食事も与えず劣悪な環境にしか置かれてない。奴隷である事を示す為なのだろうが、あのやり方では奴隷としての労働力すらも期待出来ない。なので私は、先ずは健康な食事を与えて肥やした後に、身体を鍛えて無難に働ける位になるようにした。字も覚えてもらい、手話も分かるように教育した。

 

そして、奴隷三人には、それぞれ名前を付けた。サイヤ人は野菜系の名前なので、私は3人に肉系の名前を与えた。

 

長男はビルカ。次男にはロス。そして末っ子の長女にはロインと名前を与えた。カルビ、ロース、サーロインからそれぞれ名前を付けている。ドラゴンボールらしい名前でしょう?

 

それと、ナッパ達の部隊に新しくラディッツという子が配属された。バーダックの長男で、カカロットやキャロという双子の兄妹を持つ兄らしい。

 

カカロット………孫悟空の兄か。でも、悟空に双子の姉?そんなの居るはずが無いが、何者だろう?もしや、私と同じ存在だろうか。

 

ビルカ「王女様、船の掃除は任せてよ」

 

べジュー「(ええっ。お願いしますわ。私達が戻るまでに綺麗にしてくださいまし)」

 

ロス&ロイン「「はーい!」」

 

三兄妹を宇宙船に待機させて、私達は星の制圧に入る。今回制圧する星も、私達に掛かれば大した事は無かった。

 

途中でフリーザ軍からサイヤ人は至急惑星ベジータに集まれと命令が来たが、今回は仕事中なので集合命令に背く形になった。

 

大人のサイヤ人達、即ちナッパ含めた三名の大人サイヤ人達は時折援護するだけで、私達に経験を積ませる。死ねば性別も年齢も関係なく自己責任。それがサイヤ人なのだ。

 

ラディッツ「ふう………それなりに強いっすねぇべジュー王女」

 

べジュー「(口を開く暇がお有りで?ならもっと身体を動かしてくださいまし!)」

 

ラディッツ「お、おう。すまねぇ」

 

べジュー「ッ?(まあ、分かれば宜しくてよ)?」

 

ラディッツ。原作ではナッパやベジータから弱虫ラディッツと呼ばれてたが、そこそこ強い相手とも闘っている。なんでですの?なんか私の知るラディッツの設定とは大きく異なってるようですわ。

 

べジュー「(……ラディッツ。貴男はまだ弱いので、私が直々に鍛えて差し上げますわ。私や兄様からすれば、貴男はまだ弱いんですのよ)」

 

私はラディッツの肩を指で突くと、手話で内容を伝えた。

 

ラディッツ「お、お手柔らかに頼むぜ………」

 

やはり何かおかしい。私の発言にビビってはいるものの、満更でもないといった感じだ。

 

ベジータ「そいつは良いな!おいラディッツ!べジュー王女様が直々に相手をしてくださるそうだ!弱虫も治るかもな!ハハハハハッ!!」

 

ラディッツ「泣けるぜ……」

 

そして、周辺を制圧した私達はその場で戦闘服に付いた埃を払っていると、大人達が騒ぎ始めた。

 

サイヤ人「………なんだ?ああっ、俺だ。今星を制圧中だ。なに…………………なっ!?なんだって!?」

 

ナッパ「どうした?」

 

ナッパが同僚のサイヤ人に話し掛ける。

 

サイヤ人「フリーザ軍から連絡が!!惑星ベジータに隕石が衝突して……しょ、消滅したと!!」

 

ナッパ「なっ!?何だと!?」

 

サイヤ人2「殆どのサイヤ人が全滅したのか!?なんで隕石の接近が分からなかったんだよ!?」

 

サイヤ人「それは………今、調査中との事らしいぜ」

 

………惑星ベジータはもう無いのか。そっか、今日がその日だったのか。フリーザに滅ぼされた。まあ、当然の報いなんだろう。

 

ラディッツ「………ラッキーだったな、俺達フリーザの集合命令を無視して」

 

ベジータ「ちっ。ベジータ王になり損なったか。お前も残念だったな。サイヤ人の女王になれなくて」

 

べジュー「(あら?王になれなかったから私に八つ当たりですの?そもそも女王になるつもりなどありませんわ。兄様もベジータ王を継げず、残念ですわね)」

 

ベジータ「嫌味か貴様ァ!お前も女王になれず残念だったなぁ!」

 

べジュー「(リピートしてどうするんですの?安い挑発は、頭の長髪だけにしてくださいまし)」

 

ベジータが顔を真っ赤にして、額に血管を浮かばせる。

 

ベジータ「いいだろう!貴様後でボコボコにしてやる!」

 

べジュー「(返り討ちにして差し上げますわ!)」

 

ラディッツ「…………隕石の接近が分からなかった?そんな隕石が来る事が分からなかったなんて………観測手は何やって……………いや…………………」

 

べジュー「ッ?」

 

ベジータ「ラディッツ。今は事後報告が先だ」

 

ラディッツ「………お、おう」

 

ラディッツが惑星ベジータの消滅を疑ってる?

 

ナッパ「ベジータ!べジュー!お前等、弟が居たよな?」

 

べジュー「(ターブルなら今別の星へ送られましたわ。まあ今頃は平穏に暮らしてる筈ですわよ)」

 

ナッパ「そ、そうか」

 

ベジータ「そうか。まあ、興味も無いがな」

 

べジュー「(あら?実の弟になんて失礼な)。ッ?」

 

私はある事を思い出した。ラディッツにも弟が居た。孫悟空の事だ。しかし、私は気になったので訊いた。

 

べジュー「(ラディッツ。貴男、弟と妹の双子が居た筈ですわね?)」

 

ラディッツ「………キャロは戦闘員に向かないからな。育児カプセルから早く出ても戦闘員になれないっすよ。でも頭が良かったし、一人用のポッドを沢山使って巨大ロボット造れる奴っすよ。マジの天才だったぜ」

 

なんだそれは?もしや私と同じ転生者だろうか?

 

ラディッツ「オマケにカカロットはまだ家庭用育児カプセルの中。隕石の衝突で死んでる筈だ。でも………そのロボットなら母さん達も乗れる位デカかったよな…………………おっと」

 

ラディッツはスカウターを外す。そういえばスカウターは通信も可能だった。何気ない会話も聞かれてるんだった。

 

ラディッツ「さっき、親父から連絡が来たんだ。母さんと共にロボットに乗ったって……………親父なら隕石位壊せるよな……親父が壊せない隕石なんて………フリーザ軍から連絡…………いや…………だが…………まさかな…」

 

この時私は、ある予感が頭を過ぎる。もしかしたら将来、孫悟空の姉?妹?と出会う事になるかもしれないと。

 

そして、ラディッツのおかしな様子に、私も疑問を抱く。

 

疑念、予感、様々な思考を抱えながら、私は兄様達と共に星の制圧を続けた。

 

これが、ベジータの双子の妹として転生した、私ことべジューの物語。カカロットと旅立った彼の双子の姉と出会い、ライバルとなる、私の始まりの物語。




キャロやべジュー側は、YouTubeで見たスパーキングゼロのifストーリーを参考にしてます。ダイジェスト形式なので、短い部分を飛ばしたり、時間を更に早く飛ばしたりします。

べジューの名前は、野菜と呼ぶには不都合な名前ではありますが、『ベジタブルジュース』の略です。私が野菜の種類をあまり知らないのもありますし、ベジタブルの名前を捩らせる事すら出来なかったのもあります。ようは私の力不足です。

べジューの主な見た目です↓

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