「わたしが先攻を貰うよ!わたしのターン!ドロー!……はできないんだったね。それじゃあ」
先行1ターン目はドローすることができない。いちごは1枚のカードを場に出した。
「わたしはこのカードを召喚!《神秘の代行者 アース》!」
《神秘の代行者 アース》
攻撃力 1000 守備力 800
「"代行天使"……穏やかじゃないわね」
"代行天使"、"代行者"と名のついたカード群をデッキに多く入れ、光属性・天使族のサポートカードを多く積んだデッキだ。過去に猛威を振るったが今はキーカードの規制等により強さは落ち着いている。
「アースの効果、自分のデッキからアース以外の代行者を手札に加えるよ。わたしは《奇跡の代行者 ジュピター》を手札に」
デッキからジュピターを手札に加え、ぎこちない手つきでデッキをシャッフル。その後あおいにデッキを渡しシャッフルして貰う。
「先攻は攻撃できないんだよね……それじゃあ、わたしは手札から魔法カード《天空の宝札》を発動!手札の《大天使 クリスティア》をゲームから除外して2ドロー!」
「いちご本当に初デュエル?」
「そうだよ?」
《天空の宝札》を発動するターン、発動者はモンスターの特殊召喚、攻撃を行えなくなる。しかし先攻1ターン目は攻撃することができないため、デメリットは軽減される。
「カードを2枚伏せて、ターンエンド!あおいのターンだよ」
いちごの初ターンは穏やかに終わった。
「わたしのターン、ドロー!……よし!」
ドローカードを見て笑みを漏らすあおい。
「わたしは手札から魔法カード《テラ・フォーミング》を発動!デッキからフィールド魔法カードを1枚手札に加える。わたしは《伝説の都 アトランティス》を選択して手札に加える。そして今加えたアトランティスを発動」
「フィールド魔法ってそこに置くんだ〜」
「そう、互いのプレイヤーが1枚ずつ発動できるの。もし別のフィールド魔法を使いたくなったら古い魔法を墓地に送って新しい魔法を発動、張り替えるの」
「成る程〜」
「続けるよ、わたしは手札から《ギガ・ガガギゴ》を召喚!」
《ギガ・ガガギゴ》
攻撃力 2450 守備力1500
「あおい、そのモンスターレベル5だよ。リリースが無いと召喚できないんじゃ……」
「それがですな、《伝説の都 アトランティス》の効果でお互いの手札・フィールドの水属性モンスターのレベルは1下がるのです!」
「ということは……」
「今このカードのレベルは4。だからリリース無しで召喚できたって訳。アトランティスの効果で水属性モンスターの攻撃力、守備力は200ポイントアップするわ」
《ギガ・ガガギゴ》
攻撃力 2450→2650
守備力 1500→1700
「それじゃあバトルよ!《ギガ・ガガギゴ》、《神秘の代行者 アース》に攻撃!」
《ギガ・ガガギゴ》
攻撃力 2650 守備力 1700
VS
《神秘の代行者 アース》
攻撃力 1000 守備力 800
「攻撃力2650!?」
「元々はレベル5モンスターだからね。さあいちご、どうする〜?」
「わたしは罠カード、《ハーフ・アンブレイク》を発動!このターン選択したモンスターは戦闘では破壊されず、戦闘ダメージは半分になる!わたしはアースを選択、アースは破壊されない!」
「でも戦闘ダメージは受けて貰うわよ」
【星宮いちご LP 8000→7175】
いちごの場にアースは残るが、ライフポイントを825削られる。
「カードを1枚伏せて、わたしはターンエンド」
お互いに場にはモンスター1枚と伏せカード1枚。しかしモンスターの質はあおいの方が上だ。
「わたしのターン、ドロー!」
デッキから勢いよくカードを引くいちご。
「わたしは《創造の代行者 ヴィーナス》を召喚、そしてヴィーナスの効果発動!自分のライフを500払ってデッキから《神聖なる球体》を特殊召喚できる。わたしは1500のライフを払う!」
「1500も!?」
【星宮いちご LP 7175→5675】
「《神聖なる球体》を3体特殊召喚!」
《神聖なる球体》
攻撃力 500 守備力 500
《創造の代行者 ヴィーナス》
攻撃力 1600 守備力 0
いちごの場にはアース、ヴィーナス、3体の球体の計5体のモンスターが並んだ。
「そしてわたしは今召喚したモンスター3体とアースでシンクロ召喚するよ。レベルは……2が4体だから8だね。レベル2の《神聖なる球体》3体に同じくレベル2の《神秘の代行者 アース》をチューニング!シンクロ召喚!《スターダスト・ドラゴン》!」
《スターダスト・ドラゴン》
攻撃力 2500 守備力 2000
「攻撃力2500……でもそれじゃあアトランティスの効果で強化されているギガ・ガガギゴは破壊出来ない」
「それはどうかな?わたしは《創造の代行者 ヴィーナス》で《ギガ・ガガギゴ》を攻撃!」
何か策があるのだろうか、いちごはニヤリ、と笑い《スターダスト・ドラゴン》よりも更に攻撃力の低いヴィーナスで攻撃を宣言した。
《創造の代行者 ヴィーナス》
攻撃力 1600 守備力 0
VS
《ギガ・ガガギゴ》
攻撃力 2650 守備力 1700
(ヴィーナスで攻撃してきたってことは……)
いちごの意図を読み取ったあおい。
「わたしは手札から《オネスト》の効果を発動!墓地に送ることによって"光属性モンスター"の攻撃力は戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!ヴィーナスの攻撃力は2650アップして4250!」
(やっぱりオネスト……!)
《オネスト》。自身を手札から墓地に送ることによって光属性モンスターを強化することのできるモンスター。そのため光属性のモンスターが相手の場に存在する時には常に警戒するべきカードである。
《創造の代行者 ヴィーナス》
攻撃力 1600→4250
【霧矢あおい LP 8000→6400】
「くっ……でもこれ以上のダメージは喰らわない!罠発動!《激流蘇生》!戦闘及び効果で破壊された水属性モンスターを全て蘇生し、蘇生したモンスターの数の500倍のダメージを受けて貰うわ」
墓地より蘇る《ギガ・ガガギゴ》。更にいちごのライフを削る。
【星宮いちご LP 5675→5175】
「《ギガ・ガガギゴ》の攻撃力は2650だからスターダストじゃ倒せないね。わたしはカードを1枚伏せてターンエンドするよ」
手札を伏せターンエンド。今のいちごの場には伏せカードが2枚にモンスターが2体。そして手札が2枚である。
「わたしのターン、ドロー」
「わたしは手札からフィールド魔法カード《忘却の都 レミューリア》発動。そして《ハンマー・シャーク》を召喚」
フィールド魔法を張り替えるあおい。《忘却の都 レミューリア》にも水属性モンスターを強化する効果があるため《ギガ・ガガギゴ》の攻撃力はそのままだ。
《ハンマー・シャーク》
攻撃力 1700→1900
守備力 1500→1700
「《ハンマー・シャーク》はレベルを1つ下げることで手札から水属性レベル3モンスターを特殊召喚できる効果がある。わたしは《ハンマー・シャーク》のレベルを1つ下げ、手札よりハリマンボウを召喚」
《ハリマンボウ》
攻撃力 1500→1700
守備力 100→300
「レベル3のモンスターが2体……来るか」
デッキ調整は終わったのか、2人のデュエルを観戦していた蘭がそう呟く。
「まだよ!わたしはレミューリアの効果発動!自分フィールド上の水属性モンスターのレベルを自分フィールド上の水属性モンスターの数だけ上げる!わたしのフィールドには水属性モンスターが3体。よって《ハンマー・シャーク》と《ハリマンボウ》のレベルは3上がって6となる!わたしは《ハンマー・シャーク》と《ハリマンボウ》でオーバーレイ!」
レベル6となった《ハンマー・シャーク》と《ハリマンボウ》を重ねるあおい。そしてその上にエクストラデッキから1枚のカードを重ねた。
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!古今東西、総てのアイドルのレアショットをレンズに収めよ!《No.25
《No.25
攻撃力 2800 守備力 2400
「あおいノリノリだな……」
苦笑いしながらそう言う蘭。
「フォーカス・フォースの効果発動!エクシーズ素材を1つ取り除き、レベル5以上の相手モンスター1体の効果を無効にする。スターダストの効果を無効にし、更に今取り除かれた《ハリマンボウ》の効果!相手モンスターの攻撃力を500下げる。わたしはスターダストの攻撃力を下げるわ」
《スターダスト・ドラゴン》
攻撃力 2500→2000
「スターダストが!」
「バトル!フォーカス・フォース、《スターダスト・ドラゴン》を攻撃!」
このまま戦闘が行われればスターダストは破壊、更にヴィーナスも《ギガ・ガガギゴ》に破壊されいちごの場は焼け野原となってしまう。いちごはすかさず伏せカードを発動した。
「させない!罠カード《魔法の筒》発動!フォーカス・フォースの攻撃をあおいに跳ね返す!」
先日のおとめとさくらのデュエルでも使われたカード、《魔法の筒》。その効果によりフォーカス・フォースの攻撃は無効となり、その攻撃力2800のダメージがあおいへと跳ね返る。
【霧矢あおい LP 6400→3600】
「やるわね……でもまだ《ギガ・ガガギゴ》の攻撃が残っている!《ギガ・ガガギゴ》でスターダストを攻撃!」
《ギガ・ガガギゴ》
攻撃力 2650 守備力 1700
VS
《スターダスト・ドラゴン》
攻撃力 2500 守備力 2000
【星宮いちご LP 5175→5025】
「ライフ逆転されちゃったかー。わたしはこれでターン終了」
「わたしのターン、ドロー!……よし!」
「わたしは墓地の《神秘の代行者 アース》を除外。いくよ、わたしのエース!《マスター・ヒュペリオン》召喚!」
《マスター・ヒュペリオン》
攻撃力 2700 守備力 2100
「ヒュペリオンには墓地の光属性・天使族のモンスターを除外することで相手のカードを破壊する効果がある。わたしは墓地の《神聖なる球体》を除外して効果を発動!」
いちごが《神聖なる球体》を除外した瞬間、あおいが対抗した。
「それは通さない!フォーカス・フォースの効果でヒュペリオンの効果を無効にするわ!」
「えー?その効果わたしのターンにも使えるの?」
「ええ、カードに書いてあるから。ほらここ」
フォーカス・フォースのテキストを見せるあおい。
「ホントだ!じゃあ効果が無効になったから《神聖なる球体》は墓地に戻るの?」
「《神聖なる球体》を除外したのは《マスター・ヒュペリオン》の効果のコストだから無効にされても元には戻らない。《神聖なる球体》は除外されたままね」
むー、と口を尖らせるいちご。
コストと効果の違いは、初心者の乗り越えるべき壁の1つである。
「……仕方ないからわたしはあおいの《ギガ・ガガギゴ》を攻撃!」
《マスター・ヒュペリオン》 攻撃力 2700 守備力 2100
VS
《ギガ・ガガギゴ》
攻撃力 2650 守備力 1700
【霧矢あおい LP 3600→3550】
「更に罠カード、《奇跡の光臨》を発動!除外されている天使族モンスター、《大天使クリスティア》を特殊召喚」
《大天使 クリスティア》
攻撃力 2800 守備力 2300
「効果によって《奇跡の代行者 ジュピター》を手札に加える。クリスティア、《No.25
《大天使 クリスティア》
攻撃力 2800 守備力 2300
VS
《No.25
攻撃力 2800 守備力 2400
「相打ち……少しまずいわね」
「クリスティアは破壊されても墓地には行かずデッキの上に置かれるからデッキの上に置くね。わたしはこれでターンエンド」
いちごのフィールドには《マスター・ヒュペリオン》が存在している。このターンに出したモンスターを破壊され、ダイレクトアタックを決められるのはあおいとしては避けたいところだ。
「このターンでヒュペリオンをどうにかしないとマズイわね……ドロー」
「わたしは《深海のディーヴァ》を召喚。効果でデッキよりもう1枚ディーヴァを召喚する」
《深海のディーヴァ》
攻撃力 200 守備力 400
フィールドには2体のディーバ。
「レミューリアの効果でレベルを2つあげ、ディーヴァのレベルは4に。そしてこの2体でオーバーレイ!召喚、《ガガガガンマン》!」
《ガガガガンマン》
攻撃力 1500 守備力 2400
「《ガガガガンマン》、いちごの《マスター・ヒュペリオン》に攻撃!」
《ガガガガンマン》
攻撃力 1500 守備力 2400
VS
《マスター・ヒュペリオン》
攻撃力 2700 守備力 2100
「攻撃力の低いモンスターで攻撃?」
動揺するいちご。あおいがそんな初歩的なミスをするはずがない。しかし《ガガガガンマン》は地属性。いちごの天使達の様に《オネスト》は使えない。
「《ガガガガンマン》の効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手モンスターの攻撃力を500下げ、自分の攻撃力を1000上げる!これで《マスター・ヒュペリオン》の攻撃力は2200となり、2500となった《ガガガガンマン》で破壊できる!」
《ガガガガンマン》
攻撃力 1500→2500
《マスター・ヒュペリオン》
攻撃力 2700→2200
「《マスター・ヒュペリオン》撃破!」
【星宮いちご LP 5025→4725】
《ガガガガンマン》
攻撃力 2500→1500
バトルが終了し、《ガガガガンマン》の攻撃力は元に戻る。
「わたしはこれでターンエンド!」
「わたしのターン、ドロー!」
ドローしたカードは先程デッキに戻った《大天使クリスティア》。墓地に天使族モンスターが4体存在すれば手札から特殊召喚できるが、現在のいちごの墓地の天使は《神聖なる球体》と《マスター・ヒュペリオン》の2体。よって《大天使クリスティア》はお荷物となっている。
「《奇跡の代行者 ジュピター》を召喚。《大天使クリスティア》を手札から捨て、《神秘の代行者 アース》を特殊召喚。わたしはジュピターとアースでシンクロ召喚。《獣神 ヴァルカン》。効果でヴァルカンと《ガガガガンマン》を手札に戻すね」
これでクリスティアは墓地へと送られた。墓地からの特殊召喚に対しては制限が無いため、蘇生カードさえあればいつでも攻撃力2800の大型モンスターを呼ぶことができる。
「そして《貪欲な壺》を発動。墓地の《マスター・ヒュペリオン》《神秘の代行者 アース》《奇跡の代行者 ジュピター》《スターダスト・ドラゴン》《オネスト》をデッキに戻して2ドロー!……わたしはカードを伏せてターンエンド」
「わたしのターン、ドロー。わたしも困ったから《貪欲な壺》を発動」
"困ったときの《貪欲な壺》"である。
「《No.25
《セイバー・シャーク》
攻撃力 1600 守備力 1200
《シャーク・サッカー》
攻撃力 200 守備力 1000
「《セイバー・シャーク》の効果により《シャーク・サッカー》のレベルを1つ上げる。これでレベル4のモンスターが2体。わたしはこの2体でオーバーレイするわ。《No.101
《No.101
攻撃力 2100 守備力 1000
ランク4エクシーズモンスターの中でも最高レベルの強さを誇るモンスターが登場した。
「バトルよ。《No.101
「伏せカードは使わずにライフで受けるよ」
【星宮いちご LP 4725→2600】
「わたしはこれでターンエンド。アークナイトには素材を取り除くことで破壊を免れる効果があるから、3回倒さないとわたしの場は開かないわ」
「わたしのターン、ドロー。《天空の宝札》を発動。手札の《マスター・ヒュペリオン》を除外して2ドロー。そしてカードを1枚伏せてターンエンド!」
(手札事故……?いや、そんなことはないはず。一体何を狙って……)
長年いちごと共にいたからわかる。彼女はこんな場面で手札事故を起こす人間じゃない。きっといちごには勝利への道が見えているはずだ。
「ドロー。バトルフェイズ、アークナイト、いちごにダイレクトアタック!」
【星宮いちご LP 2600→500】
(ここでも使わない?ならあのカードは全てブラフ……?)
「更に手札から《
《CNo.101
攻撃力 2800 守備力 1500
「《CNo.101
「《奇跡の光臨》!除外されている《マスター・ヒュペリオン》を特殊召喚する!」
フィールドに舞い戻る《マスター・ヒュペリオン》。しかしその攻撃力は
「《マスター・ヒュペリオン》の攻撃力は2700、ダークナイトの攻撃力には勝てないわ!攻撃は続行よ!」
《CNo.101
攻撃力2800 守備力 1500
VS
《マスター・ヒュペリオン》 攻撃力 2700 守備力 2100
「それはどうかな?」
「えっ?」
自信満々に言い放ついちご。
(この場面で使える逆転のカードは《オネスト》ぐらい……まさか)
「わたしは手札から《オネスト》の効果発動!ヒュペリオンの攻撃力を2800アップする!」
《マスター・ヒュペリオン》 攻撃力 2700→5500
(それでもわたしのライフは750残る……更にダークナイトの効果でわたしのライフは2800回復。そのまま次のターン《マスター・ヒュペリオン》を吸収しいちごにダイレクトアタックすれば……)
「更に!《オネスト》の効果を発動!」
「2枚目!?」
既に1枚《オネスト》は使われててデッキに残っていたのは1枚の筈……そこまで考えたあおいは先程のターンを思い出す。
『《貪欲な壺》を発動。墓地の《マスター・ヒュペリオン》《神秘の代行者 アース》《奇跡の代行者 ジュピター》《スターダスト・ドラゴン》《オネスト》をデッキに戻して2ドロー!』
(あのときに……)
《マスター・ヒュペリオン》 攻撃力 5500→8300
「これで《マスター・ヒュペリオン》の攻撃力は8300!」
(負けちゃったかー)
手札は0。伏せカードも無し。万事休すだ。
「《マスター・ヒュペリオン》!攻撃!」
【霧矢あおい LP 3550→0】
【WINNER 星宮いちご 】