デュエカツ!—デュエルカツドウ!—   作:PowaPuRi

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8話

一番乗りで店のドアを開けたいちご。そして中に入ると同時に、

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

声をかけられた。

その方向に視線を向けると、そこには弟の姿が。

 

「らいち!」

 

いちごは彼の名を呼びながら歩み寄っていく。店内にいる他の客は「星宮いちご……!?」「すげえ!サイン貰いたい……!」とざわめく。

 

「いちご、どうしたの?ってらいち、久しぶり!」

「おお、らいちじゃないか」

「あおい姐さん!それに蘭さんも!お久しぶりです!」

 

「霧矢あおいだ……!」「紫吹蘭さんもいるぞ……本物だよな……?」

 

更に入ってきた2人の姿を見、ざわめきが大きくなる。

 

「お姉ちゃんどうしたの?もしかして今度のオーディション?」

 

「うん!わたしデュエルモンスターズやったことないから、ここに行けば色々あるってあおいが」

「そうなんだ〜」

 

楽しげに会話する2人に、1人の男の子が近づく。

 

「あのっ、星宮いちごちゃん……ですよね?」

「うん。あ、もしかしてサイン?」

「は、はい!」

 

そう言って色紙を出す男の子。彼に触発されたのか、次々と彼女達の周りに集まってきた。

 

「俺にも!いちごちゃんのサインを!」「俺はあおいちゃんのサインが欲しいなぁ」「俺はやっぱり紫吹蘭さん!」

 

集まってきた人々にサインを書きながら、あおいは呟く。

 

「この展開、穏やかじゃない」

「ああ……」

 

 

「お前等、彼女達が困ってんだろ。落ち着け」

 

人々の波に彼女達が飲まれそうになったその時、店の入り口側から一人の声が聞こえた。

 

「あ、クロウ。お帰り」

「お帰りじゃねえよ龍亞。働かずに何してんだ?早く仕事しろ仕事。」

 

クロウと呼ばれた男は人混みを解散させ、荷物を店のテーブルに置くといちご達に声をかける。

 

「ウチの客が迷惑かけたな。すまねぇ」

 

箒の様に尖った茶色の髪の毛を掻きながら彼は謝罪した。

 

「いえいえ、気にしないでください。あたし達こそお騒がせしてすいません」

「あんたらが謝ることじゃねえよ。俺はクロウ・ホーガン。この店の店長をやってる」

「俺は龍亞。あ、後でサイン頂戴!」

「お前は仕事しろ!」

 

カウンターから顔を出した緑髪の少年―龍亞目掛けてクロウはカードを投げた。

勢い良く回転するそれは龍亞の顔に当たる。

 

「〜〜〜〜〜〜!」

 

声にならない声をあげながら床を転がる龍亞を尻目に、クロウは言った。

 

「今日はどんな用なんだ?もしかして、スターライト学園のアイドルさんか?」

「はい。わたし達、次のオーディションに合格するためにデッキを組みに来たんです」

「あたしとあおいは一応デュエルモンスターズの経験はあるけど―」

「いちごは全くの初心者なので、とりあえずカードショップに行こうとネットでオススメのお店を探したんです」

「成る程……それでウチに来てくれたと」

 

頷く3人。

クロウはあおいの言葉に歓喜していた。

 

「いや〜嬉しいぜ!この間も初心者の女の子3人が来てスターターデッキを買って行ってくれて、今度はオススメの店に選ばれてたなんて……!よし!それならこの"鉄砲玉のクロウ"様がデュエルモンスターズを教えてやるぜ!」

 

「ありがとうございます!」

 

頭を下げ、感謝を伝えるいちご達。

クロウは店のエプロンを着け、大きなモニターを引っ張り出しながら言った。

 

「いいってことよ!それじゃ奥のデュエルスペースで説明するぜ!」

 

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