パーパルディア皇国 皇都エストシラント 皇帝の間
「ちくしょうめ!!」ルディアスが激怒して机にあった本をなぎ倒す
「なんなだ!この魔写は!?」皇帝の間に届けられた1枚の写真を見て言う
そこにあったのは日本の自衛隊員と写真に映ったデュロ市民だった。両者とも笑顔だ。
「も、申し訳ございませんっ!!」
ほんの数十分前、列強の首都エストシラント上空に航空自衛隊の機が大量の写真を投下。挑発の意味も込めて、デュロ市民と友好的な1枚を撮影。デュロは日本の手の中、列強の一部が他国に占領されたとエストラント市民に衝撃を与えた。
「監査軍はまだ到着しないのか!?」
「ただいま進行中ですのでもうそろそろかと…。」
「ええい!こうなったら陸からも攻め落としてやるわ!今すぐ奪還部隊を編成しろ!ニホンの奴らにパーパルディア皇国という恐怖を植え付けてやるのだ!」
「はっ!」
「はぁ、全く。これだから蛮族は…。レミールの言う通りだったな。」
先日、デュロ陥落時、レミールと私的に会った際レミールに解決案を聞いていたルディアス。
彼女は、
(蛮族に対話は不要です。徹底的に潰して逆侵攻するべきです!)
「蛮族どもに慈悲など要らなかったのだな…。」
椅子に座り直すルディアス
「今にも見てろよ、ニホン軍め!!」
神聖ミリシアル帝国の新聞社の新聞記事
『国家が丸ごと転移か?新たなる脅威出現』
先日、ムー国報道官からの説明で第3文明圏外に位置する極東の新興国家ニホン国と会談を行ったと発表した。報道官の発表によると、ニホン国はつい最近にこの世界に国ごと転移したと説明。ニホン国の要請を受け、ムー国は限定的な食糧支援物資を提供することを決定した。又、ニホン国は今現在第3文明圏唯一の列強パーパルディア皇国との接触でニホンの軍用機が撃墜されたことを受け、皇国の工業都市デュロの一部を報復攻撃、自治区として占領したことが判明した。このことについて、パーパルディア皇国は未だに公にしていない模様と見られる。今後の第3文明圏の情勢はかなり激しく変化しそうだと考えられる。
「へぇ、新興国家ニホンか〜。最近少し話題だよな。」不気味な仮面をつけたミリシアル市民がコーヒーを口にしながら問う
「あぁ、確かパ皇と紛争中だったっけ?すげえもんだよな、新興国家が列強相手に都市を占領しちまうなんてな。」
「ほんとそうだよな。ま、我々ミリシアル市民には関係ないことだがな。」
「だな。」
今日も神聖ミリシアル帝国は平和である。
ロデニウス大陸 クワ・トイネ公国 公都クワ・トイネ
日本でムーとの会談でクワ・トイネ公国の存在が確認された2時間後の話。
「西部都市ギムが陥落!守備隊は全滅、モイジ騎士団長は討死!」
「北海域を哨戒中のワイバーン部隊と通信途絶!接敵した可能性あり!」
「ロウリア王国から4400隻の大艦隊が出港した模様!」
カナタ首相に次々と報告される戦況。数時間前、ロウリア王国は東部諸侯団2万と王国軍1万で構成された計3万の東方征伐軍先遣隊が国境線に展開。ロウリア王国とクワ・トイネ、クイラ王国の戦いの火蓋が切られたが、戦力差は歴然。ロウリア王国軍64万に対し、トイネ・クイラ連合軍は10万弱だった。
「い、一体どうすれば…。」国家滅亡の危機に落胆するカナタ首相
(ギムが落ちたら、次はエジェイ。そこが落ちたら公国は終わりだ…。)
考えを練るに練るカナタ。すると突然、
「カナタ首相!マイハークを警備していたワイバーン部隊から魔信です!東部沿岸に巨大軍艦が出現、臨検したところ所属国家はニホン国!即時会談を望んでいるとのこと!」
「な!ロウリア軍の援軍か!?」
「いえ、そのような情報は入ってきていません。とてもフレンドリーだったそうです。」
「むむむ、巨大な軍艦を持つ国に助けを求めることができれば、公国は助かるかもしれない…。よし!すぐに会談を行うと伝えろ!」
「わかりました!」
この日、ロウリア軍は新勢力日本国の出現により進軍をギムまでで停止。クワ・トイネとクイラは日本国との会談は実現した。ロウリア王国軍からの侵略を阻止する代わりに日本へ大量の食糧の輸出と、黒い水と言われた石油を始めとする天然資源も輸出を行うことが決定した。ただし、一度に数千万トンの食糧や資源を運搬する技術がなかったクワ・トイネ公国とクイラ王国は、日本から無償でインフラが輸入されることも決まった。これにより2国は日本との貿易で経済は鰻上りに。日本も経済状況は転移前までに回復した。
パーパルディア皇国 第3監査軍 旗艦トルマシオン 旧工業都市デュロまで80キロ 海上
総勢30隻を率いる第3監査軍は、日本が統治を宣言したデュロに懲罰のため順調に進んでいた。
「デュロはまだか?」ポクトアールが問う
「は!あと2時間ほどで到着する予定です!」艦長室にいた水兵が言う
「そうか、それじゃ君に聞くが、今回のこの事件、君はどう思う?」
「はっ、小官はニホンは極めて外道な行為を行ったと思います!ニホンは直ちに皇国に謝罪をし、属国となるべきです!」
「そうかそうか。だが、それは果たして可能か?」窓を見つめるポクトアール
「我が皇国はここ第3文明圏では最強です!奴らなど鎧袖一触です!」
「そうか…。だが少し疑問に思わないか?何故何もなかったはずの海域に科学技術を駆使する国家ができたんだ?突然すぎやしないか?」
水兵はしばらく考えて言う。
「小官の私見ではありますが、外交部の方ではムー国が関与しているのではと言う説があるそうです。」
「それは本当か!?」
「はい、ただムー国は関与を否定はしています。」
ポクトアールは考えた。
(ムー国が代理戦争を仕掛けたとなればもしかしたら皇国は負けるかもしれないな…。そうなる前にニホンと早期講和が望ましいはず。ムー国はできれば刺激したくないぜ。)
珍しく考えた皇国人。
「わかった、もう出ていいぞ。」水兵に言う
「は、失礼します。」
1時間後
望遠鏡で周囲を警戒していた見張り員が水平線の彼方に複数の影を目視する。
「前方約10キロ!不審船を確認!皇国海軍のものではありません!」見張り員が叫ぶ
ベルが鳴り響く
「総員持ち場につけ!魔導砲はいつでも撃てるようにしておけ!このまま進んで砲撃戦を仕掛ける!」ポクトアールが各船に伝える
「風神の涙を全力で使え!やつに隙を見せるなよ!」
艦隊30隻は帆に風神の涙をいっぱいに使って急接近を試みる。
(ん?この距離であんなに大きいのか!?)
この時既に日本国海上保安庁の巡視船「いすず」と「おおよど」との距離は15キロ。2隻は並んで慎重に接近しようとする。
「で、でかくねぇか?」
「見ろ!バカデカい砲を積んでるぞ!」
2025年以降、中国が海洋進出を強める中、日本国政府は海上保安庁の巡視船の武装強化と重装備化、AI照準機能追加などが決定。既存の巡視船を改造して強化することになった。現在、50ミリ連装機関砲1基と20ミリ機関砲2基は標準装備となっている。もちろん装甲も。
『こちらは日本国海上保安庁、ここより先は日本の領海である。これより先の侵入は認めることはできない。直ちに引き返せ。』
拡声器から大音量で警告文が流れる。
「は?ニホンは何を言っている。デュロとその周辺海域は依然として我々皇国の領土ぞ!」
「引き返すのはお前らの方だろ!」
船上が騒がしくなる。
「司令、いかが致しましょう。このまま砲撃を開始してもよろしいでしょうか?」
「当たり前だ!所詮は蛮族、砲1門や2門で何ができる!」ポクトアールが言う
「各艦に連絡!左右15隻ずつで2隻を挟み込むぞ!」
「はっ!」
同海域 日本国海上保安庁 巡視船「いすず」
「艦長、掲げられている旗から見てパーパルディア皇国軍のものに違いありません。」
「あ、皇国海軍が左右に分かれて始めました!挟み撃ちにするつもりです!」
「警告を無視しました!」
艦内は緊張が走る。
「っ、敵勢力との距離は!?」
「およそ15キロです!」
「10キロ切ったら警告射撃を開始、ただし絶対に当てるなよ。これ以上死人が出たら手に負えなくなる!」
第3監査軍懲罰艦隊は左右15隻ずつに分かれて接近を開始。
「10キロ切りました!」
「警告射撃開始!」
「警告射撃、自動照準開始!」
「いすず」と「おおよど」に搭載された50ミリ連装砲が火を吹く。
ドン、ドン、ドン、ドン
重低音が響く、空薬莢が排出される。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「敵艦、連続して発砲した模様!」望遠鏡で確認していた見張り員が言う
「な!一体なんの真似だ、まだ10キロはあるぞ!?」
「威嚇でしょうか?」
すると先頭を切っていた戦列艦ロレーヌ付近に大きな水飛沫が上がる
「うおぉぉぉ!!」
倍近い高さのある水飛沫が戦列艦を覆う
「ひ、被害報告!」
「ロレーヌより魔信、至近弾なるも損傷軽微!航行を継続する!」魔導通信士が言う
艦隊は船速を上げる。
「速い砲があっても命中率は低いようだな。」望遠鏡で見た目を確認するポクトアール
「司令!敵は砲撃を停止した模様!装填中のようです!」
「しめた!今のうちに接舷して斬り込み戦の準備!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「こ、皇国海軍さらに加速!」監視員が叫ぶ
「皇国海軍の砲の射程に入るまであと4キロ!」
先日デュロ自治区に来て調査していた技研の研究者たちから、皇国軍の大砲の射程範囲はせいぜい2キロと言うのは全ての関係者に通達されていた。
「いすず」の艦長は焦っていた
(どうすりゃ、どうすればいい!?)
(先月から着任して初仕事がこれかよ!ちくしょう!)
敵船団が2つに分かれる時の正面の隙間に注目した。
(そうだ!)
「全艦、最大戦速!包囲を正面から抜けるぞ!」
『おおよど、了解した。』
「デュロ自治司令部からの返信は!?」
「政府は危機対策会議を緊急で行なっているとのこと!指示はまだありません!」通信士が言う
「はぁ!?こっちは命かかってんだぞ!呑気に会議って何だよ!?」
「し、しかし首相からの指示がなければ迂闊に動くことはできません!」副館長が言う
(今は奴らの攻撃を避けるのみか…。くそっ!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「司令、敵艦は加速したようです。我々の包囲から逃れるようです。」
「ほう、デカい体の割にかなり速いようだな。」望遠鏡を覗くポクトアール
望遠鏡をしまって言う
「ではこのまま我々は左にいる味方と交差して再包囲する!」
「はっ!」
「左舷回れ!風神の涙最大出力!」
「射程に入り次第、砲撃を開始せよ!!」
20隻と20隻は、衝突することなく綺麗に交差。次第に海上保安庁の巡視船と距離を詰めた。
「射程内に入りました!いつでも撃てます!」報告に来た水兵
「全門撃てぇぇ!!」
船の80門の半分、40門×40隻が一斉に火を吹く。1600発の炸裂弾が日本の巡視船2隻に向かって飛翔した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「敵船団、一斉に発砲!避けれません!」見張り員が叫ぶ
「しまった、距離を詰められたか!総員衝撃に備え!!」艦長が叫ぶ
「対ショック態勢!!」
ジリリリリ!
非常ベルがけたたましい音を響かせる
数秒後艦全体に衝撃が伝わる
ドゴゴゴッ
船体が揺れる
「ひ、被害報告!」
「後部ヘリ甲板に多数被弾!離着陸不能!消火活動中です!」
「おおよどから通信!機関が停止し航行不能!」
「なんだって!?」
窓から「おおよど」の姿を確認する。確かに船体の後部から大きな黒い煙を出しながらゆっくりと減速し始めていた。
「こうなったら増援を要請するしかない!直ちに自治司令部へ連絡、皇国海軍より攻撃を受けつつあり!支援を要請する!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「大内田司令!いすずより連絡です!」
「繋げろ!」
指揮室の前方中央に設置された大型の指揮テレビに、巡視船「いすず」の艦長中澤が映る。
『大内田殿!緊急です、航空支援をお願いします!』
「そうしたいところなのだが、ここに戦闘機を離着陸できる滑走路はないんだ!」
『じゃあ、本土から飛ばしてくれれば!』
「間に合わん。航空隊到着の前に、皇国海軍と再度衝突する予想だ。」
悔しい顔をしながら話す大内田
『じゃあ、海自の人達は!?おおよどが被弾したのです!航行不能で、このままでは奴らの手に…。』顔を伏せながら話す中澤
すると同じ画面に「おおよど」の艦長座間が登場。
『こちら巡視船おおよどの艦長座間だ。被弾により通信接続に手間取ってしまった。』
おおよどの方ではかなり混乱しているみたいだった。
『司令、ここは我々が殿になります。みすずはデュロ自治区に避難しろ。他に手はない…。』
『だけどそれでは!』
『時間がないだ!大内田さん、お願いします。』座間が叫ぶ
しばらく考えて言う
「いすずは全速力でデュロ自治区まで帰還せよ。おおよどに殿を許可する。以上だ。」
『ちょ、え、司令!?』
通信終了。
(やはり、航空戦力がないのが痛手となってしまったか!!)
「はぁ、くそっ!!」拳を机に叩きつける
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「通信が終わりました。」通信士が言う
「……おおよどからは?」
「電文で、いすずの帰還、健闘を祈る。です。」
「………。」
「おおよどから光信号を確認!マ、タ、サ、ケ、ヲ、ノ、モ、ウ。です!」
「ふっ、あいつは酒が好きだからな…。」
(共に地獄みたいな士官候補生生活を送って、2人でここまで出世できたと思ったらこれかよ…。)
沈黙が続く
「これより我々は全速力でデュロに向けて帰還する!反転180°!」
「了解!最大戦速、反転180°!」
これにより「いすず」はデュロに向けて撤退を開始する。無事に到着する。「おおよど」は必死の抵抗を見せるものの圧倒的な数により完全に拿捕された。この一連の騒動に、国内は反皇国が一気に加速。日本国はパーパルディア皇国に正式な非難声明を発表。近日中に正式な外交場を設けると皇国から報告を受ける。ちなみになぜ皇国が外交に応じたのか、これはレミールの働きかけがあったからだ。彼女は皇国がニホンの戦列艦を拿捕し、皇国の真の力を示すことができた絶好のチャンスと見たよう。又、陸から進軍していた皇国陸軍は、陸上自衛隊の圧倒的な火力を前に敗走。デュロ奪還は失敗したが、皇国陸軍はある程度の損害を与えることができたと判断。ニホンが平伏するだろうと、皇帝ルディアスに具申。彼はレミールを今回の全権大使に任命した。
日本国 首都東京都 首相官邸
「…私の判断により、多くの海上保安庁職員の命が犠牲になってしまったことを、国民の皆様に心より深くお詫び申し上げます…。」石間が記者会見で謝罪する
「えぇ、なお今回の事件を受けまして、私石間は、責任をとって辞任する意思ここに表明いたします。」
『石間首相、辞任の意思を表明!』 『日本国政府、皇国政府に職員引渡し要求を閣議決定』
各社、新聞社、メディアは大々的に報道。クワ・トイネ皇国との輸入品再開により、東京をはじめとする各都市では活気が戻りつつあった。街の人達はビルの電光掲示板に流れていたテロップを読む人もいた。
「皇国とかどデカい名前上げてるけど、中世レベルの国家何だろ?早く首都を落としてしまえばいいのにな。」
「やたらに刺激したくなのだろうな。噂によれば海上保安庁の職員が捕虜になってまだ生きているって話さ。」
「そうか、そうなるとなんかしたら見せしめで職員達を殺す、と言うことか。なんかやってること中東の奴らと似てねぇか?」ゲラゲラ笑う
「ここは外交官と自衛隊の人たちに任せるしかないな。」
「早く終わんねぇかな、こんな戦争。」ため息をつく
色々ごっちゃ混ぜになってるかもしれないです。sorry…
考査と言うものが近づいていますので、次に投稿できるのは12月終わりぐらいですかねー。
おすすめ登録も54と増えてきています。ありがてぇです。
作品評価、おすすめ登録、是非是非お願いします〜。
※最近、サカナクションの曲、「ミュージック」にはまってます。元気もらえるんですよ〜。聞いてみてね〜。
ロウリア王国、どうしたい?
-
クワ・トイネに侵攻→日本が報復
-
原作通り民主化
-
ナレ死
-
パ皇に援軍→日本がボコボコに
-
難癖つけて植民地化
-
その他(コメントで教えて)