エクストラスキル『並列存在』を手に入れたリンは、さっそくその活用方法を考え始めた。頭の中で響く
『並列存在により生み出せる別身体の数は最大で10体です。ただし、10体全てを同時に運用すれば魔素が枯渇し、リン様は極度の弱体化を免れません。効率的な運用としては、3〜4体程度が最適です』
「なるほどね……。でも私の場合、世界中に魔素を流し続けてるから、2〜3体が限界ってとこかな」
リンは顎に手を当てて考え込む。
「それなら1体は
そう呟いたところで、リンの中からエリオンがため息交じりに口を挟んできた。
『本体が
「いやいや、良い関係を築くには本体で行動しないと!」
『その“謎理論”は何なのだ……?』
リンの返答に呆れつつも、エリオンはリンの性格を理解していた。彼女が動き回るのは、もはや彼女自身の性質だ。そしてその無鉄砲さが、彼女の行動の原動力でもある。
リンはさっそく並列存在で2体の別身体を生み出した。彼女と瓜二つの姿を持つ別身体たちに、それぞれ役割を与える。
「1体はここ、
もう1体は『聖域創造』を発動させた状態で各地の修復に向かわせることにする。そして、本体のリンは各地の情報を
『監視体制を構築完了しました。各地の
「頼りになるね、
そう言いながら、リンは別身体を見送る。
「じゃ、外回り組の私、いってらっしゃい!」
元気よく送り出したリンだが、ふと次の行動に悩み始めた。
「さて、私は何をしようかな。帝国に行ってもいいけど、頻繁に行くのも気が引けるし……。修行でもしようかな?」
そんなことを呟いたその時。
リンが振り返ると、そこには見覚えのある姿があった。黒髪に漆黒のスーツを纏い、威圧的な雰囲気を漂わせる男——
「あ……久しぶりだね」
リンは思わず声をかけた。その言葉に、
「……進化したのだな」
「うん!
運命から解放された。その言葉を聞いて、ノワールの瞳が微かに揺れる。
(解放された……? いや、むしろさらに過酷な運命を背負っただけだろう)
そう思いながらも、それを彼女に伝えるつもりはなかった。彼女が理解していようといまいと、彼女の行動に変化はないだろうと感じていたからだ。
「そうだ!」
リンが突然手を叩き、何かを思いついたように笑みを浮かべた。
「
「……修行?」
意外な申し出に
「うん! 今特にやることないし、少しでも強くなりたくて。もしもの時は国相手に戦わなきゃいけないし……」
(国を相手取るつもりか……無鉄砲にもほどがあるな)
それでも、そんな彼女を面白いと思う気持ちが勝った。
「……いいだろう」
エリオンに頼んで異空間への道を開き、リンと
「いくよ!」
リンは
だが、
「遅い」
「まだまだだな」
「むぅ……強すぎる!」
リンは悔しそうに叫びながらも、何度も攻撃を仕掛ける。その様子に
しばらく続いた戦闘の最中、
『リン様、魔素の残量が限界に近づいています』
(え……早すぎない?いつもの眠気も来てないのに)
『現在、世界中に魔素を流し込んでいる状態に加え、ここ
「
リンが宣言すると、
異空間から戻ると、リンは
「ん? どうしたの?」
首を傾げるリンに、
「え、魔素分けてくれるの?」
「お前に消えられては困るからな」
「ありがとう、
魔素を分け終えると、
「私は行く。あまり無茶はするな、
そう言い残して姿を消す
「意外と面倒見がいいんだね、
彼女の胸には、少し申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちが同時に宿っていた。
リンが
「……よう。相変わらずここ、居心地よさそうだな」
「あ、ディーノさん。どうしたんですか?」
「いや、特に何もないけど……昼寝しにきた」
さらりと言い放つディーノに、リンは思わず苦笑いを浮かべた。
「昼寝しに……?」
「そう。なんか気が向いたんだよ。静かだし、気持ちよさそうだしな」
そう言ってディーノはその場に腰を下ろし、寝そべる準備を始める。リンは呆れつつも、彼ののんびりした態度が嫌いではなかった。
「そういえばね、さっき
リンの言葉に、ディーノは「ん?」と首を傾げながら半身を起こした。
「
「はい。その
「あの
ディーノの目が見開かれる。世界に七柱しか存在しない原初の悪魔。その一柱である
「……マジかよ。
ディーノが呆然と呟くと、リンは嬉しそうに微笑んだ。
「
そう言って
「いやいや、
「そりゃ
リンの屈託のない笑顔に、ディーノは口を開けたまましばし黙り込む。そして、やがて小さく息を吐き、肩をすくめた。
「……その2人を優しいって言えるのお前くらいだよ」
「えー、でも優しいですよ?」
リンは納得がいかない様子で首を傾げるが、ディーノは呆れた表情を浮かべたまま、再び木陰に身を預けた。
「……やっぱ、変わってんなお前」
「そうですかねぇ?」
「そうだよ。ギィと
ディーノの率直な言葉に、リンは眉をしかめる。
「だって優しいんですもん。ギィさんだって、何かと助けてくれるし、
「……魔素?」
ディーノが再び起き上がり、訝しげにリンを見た。
「修行に付き合ってくれた後で、手を握って魔素を分けてくれたんです。助かりましたよ~。ちなみにギィさんは
「……マジかよ……」
ディーノは今度こそ本気で驚いた表情を浮かべた。
「変わり者ってレベルじゃねえな……。
ディーノの呟きに、リンはニコニコと笑顔を浮かべる。
「ディーノさんも、
「おいおい、勘弁してくれよ。俺はそんな気前よくないし、寝るために来たんだっての」
ディーノは手を振って拒否すると、そのまま木陰に横たわった。リンはその姿を見て小さく笑い、再び
「……まあ、変わってる奴がいるのも面白いけどな」
「でしょ?」
「でも、ホントお前も油断すんなよ。あの2人、いつ裏切ってもおかしくない奴らだからな」
「それでも、信じてますもん」
リンの言葉に、ディーノは再び呆れたように目を閉じた。
(まあ……こいつはこういう奴なんだろうな)
そんなことを思いながら、ディーノはゆっくりと眠りにつく。
久しぶりですね
リンが新しく獲得するスキルはどれがいいですか?
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樹界移動を進化させる
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聖域創造を進化させる
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万象再生を進化させる
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深淵樹霊を進化させる
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「神智核」一択
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魔王覇気とか
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特に思いつかない