「アリスのせいで、、、モモイが怪我を、、、」
誰もいない部屋でアリスは一人呟いた。
リオ会長によってエリドゥに連れて来られたアリスは誰もいない密室に閉じ込められていた。
「アリスが、、、魔王?、、、」
アリスが目標にしていたのは勇者だったが、やっているのは勇者とは真逆の魔王。
アリスの中での勇者とは色々な人を幸せにする存在、ソレの真逆
つまりは、人を不幸せにする存在。
魔王はゲームで言う所のラスボス。
アリスはそんな存在だとリオ会長に言われてしまい驚きを隠せない。
アリスはただゲーム開発部の皆んなと遊んでいたかっただけなのにこんな事になるなんて想像もして無かった。
「あ、あの時アリスは何を?」
「ヴェリタスの皆んなが持って来たロボットに触れて、、、その後に意識が飛んで、、、気がつくと恐ろしい事になってて、、、」
アリスは何がどうなっているのか分からなかった。
意識を取り戻すとヴェリタスの部室が破壊され、モモイが意識不明の重体になっていたのだ。
状況的に考えてアリスがやった事は明白だった。
明白だったが、アリスは自分がやったという事を信じなかった。いや、信じたくなかった。
そう簡単に受け入れる事は出来ない
アリスはリオ会長よりも自分が怖かった。、、、
一方でゲーム開発部とC &Cは、、、
「はぁ、、、困りましたね、、、」と
アカネは大きなため息を吐いて言った。
「ねぇ、、、コレって結構ヤバいんじゃないの、、、」
いつも明るい感じで親しみやすいマキが暗い顔で言った。
マキが、こんな感じになるのはとても珍しい。
友達の危機だ。こんな雰囲気になるのも仕方ない。
「はい。 非常事態です。」
コタマは、いつも通り冷静沈着に言った。
こういう時には、一人くらい物事を冷静に考えれる人が必要である。
「じゃあ、アリスちゃんはリオ会長に何処かに連れて行かれたって事だよね?」
アスナの質問にゲーム開発部のミドリとユズが無言で頷く。
ミドリもユズもアリスが連れ去られたショックで、泣いていたのであんまり話す事が出来ない。
「チッ、 アタシにもっと力があれば、、、」
ネルは地団駄を踏みながら言った。
アリスとはゲームをする仲なので(ネルがアリスに一方的にゲームをやらせている節はあるが、、、)
アリスを連れ去ったリオ会長に怒りを覚えていた。
「先生、、、私達はどうすれば、、、」
ハレは具体的な解決方法を知りたいので、自分よりも人生経験の豊富な先生に助けを求めた。
「、、、、、、、、」
先生は、ここ最近学園都市キヴォトスに来たばかりの人だ。
連邦生徒会長が、失踪する前に作ったキヴォトスでの政治に唯一関与できる部活。 連邦調査部シャーレの顧問をしている人物。
先生は連邦生徒会長に呼ばれてキヴォトスに来たのだが、肝心の連邦生徒会長は失踪。
その失踪によって発生してしまった数々のトラブル。
先生は、そのトラブルを解決するために色々な学園を訪問しているのだ。
キヴォトスにいる生徒達には大きな特徴がある。銃を持ち歩いている事と、弾丸が当たっても平気な事、そして頭上にはヘイローという天使の頭についている輪っかの用な物がある事だ。
このヘイローと言うのは、脳が活動している時に出てくる物。寝ている時や、脳が活動を停止した時は消える。
ヘイローのお陰で弾丸が当たっても平気なくらい体が丈夫なのだ。
先生はキヴォトスの外から来たのでこんな物は無い。なので弾丸が当たったら死ぬ可能性は高い。
先程も言ったように先生はキヴォトスに来てあんまり時間が経ってない。
なのでこういう場合はどうするのが的確なのか考えているが、、良い案が出てこないので悩んでいる。
アリスはリオ会長によってエリドゥに連れ行かれた。リオ会長の狙いはアリスのヘイローを破壊する事。
即ちアリスを殺す事だ。
そもそも何故リオ会長がアリスを殺そうとするのか。それはアリスに問題があったからである。
アリスはキヴォトスの人ではなくゲーム開発部のモモイ、ミドリが立ち入り禁止区域から持って来た人型ロボットなのである。
人型ロボットと言えども感情はあるし、見た目では人との違いも全く無い。
最初の喋り方はロボットその物だったがゲーム開発部から色々な事を教わり少しずつ人と同じ用な喋り方になった。
だがゲーム開発部が作ったゲームの影響を受けており、なんでもゲームに例えたり将来の目標を勇者にしたりするなどちょっと変わっている子だ。
それだけなら問題は無いのだが事件は起きた。
数日前、、、
ヴェリタスと言う部活の生徒-小塗マキにゲーム開発部が呼ばれヴェリタスの部室に入った。もちろんアリスもいた。
内容は不思議なロボットを見つけたためシャーレの先生とゲーム開発部のモモイ達にロボットの正体を探ってもらいたいという物だった。
そのロボットは、奇妙な形をしていた。
外見は深海魚のように見える。
そのロボットは部室に合計五台置いてあった。
ヴェリタスの生徒-ハレ、コタマも一応このロボットについて調べていたがそもそもどうやって電源を入れるのかさえも分からない。
なので分解して内部を調べる事にした。
先生はロボットを動かそうとしたがそのロボットは想像以上に重く全く動かす事が出来なかったので力持ちのアリスに動かすようにお願いした。
アリスは「アリスにおまかせ!」と自信満々に言ってロボットを持ち上げようとして触った
その時だった。
アリスが触ったロボットが突如起動したのだ。アリス以外にもロボットを触った人はたくさんいたが起動した事は一度も無かった。
アリスとロボットの目が合った。
するとアリスは突然目を閉じてその場で立ち止まった。
皆んな心配してアリスに声をかけたが応答は無かった。ほんの数秒その場で立ち止まって目を閉じていたアリスだが、ようやく目を開けた。
アリスが目を開けた途端残り4対のロボットも起動し、アリスの周りに集まった。
モモイ達は驚いていたが更に驚くことが起きた。
アリスの目の色が青から赤に変わったのだ。
嫌な予感がした。その予感は的中した。
「、、、コーダネーム 【AL-1S】 起動、、、」
アリスがいきなりこんな事を言い出した。
更に続けて、
「プロトコル、、、ATRAHASISを実行します」
と言った。
次の瞬間アリスは背中に背負っていた光の剣-スーパーノヴァー(エンジニア部が作ったレールガン)を構え、ビームを解き放った。
一瞬、音が無くなり目の前が真っ白になった。
部室が粉々になり部室にいたアリス以外の人は全員、外に吹き飛ばされた。
部室が一階にあったので高所から落ちて怪我をする心配は無かった。
先生は皆んなが無事どうか確認するために声を張り上げて全員の名前を呼んだ。
ほとんどの人が返事をしたが、一人だけ返事をしなかった。
モモイだ。
モモイはアリスの近くにいたのでビームをまともに喰らった可能性が高い。
先生は急いでモモイを探した。
探していると、瓦礫の下敷きになっているモモイを見つけた。
近くにいたミドリを呼んで一緒にモモイを瓦礫の下から引っ張り出した。
モモイは頭を怪我し、出血していた。
安全な場所に運ぼうとしていたがアリスに邪魔されてしまった。
モモイをおんぶしていたミドリはアリスに蹴飛ばされた。
アリスはミドリを蹴り飛ばした勢いで宙に舞い、空中でビームをチャージし先生に向けて発射しようとしていた。
だが何者かによってアリスは撃ち落とされ気絶した。
弾が飛んできた方向を見るとそこにはC&Cの部長、ネルがいた。
他のC&Cのメンバーは五体のロボットを破壊していた。
アリスは元に戻っていたので一旦問題は解決した、、、、
という事があったのだ。
この事件でリオ会長はアリスを危険だと感じ、殺そうとしている。
「、、、、、、、、、、、、」
しばらく無言が続いた。
皆んな諦めムードになっていた。
「おーい」
後ろから元気のある声が飛んできた。
その声の主は以外な人物だった。