体が重い。
目の前が真っ暗だ。
意識が遠くなっていく。
私、死んじゃうのかな、、、、
「あれ、、、ここは?」
私は気がつくと見たことも無い部屋にいた。
椅子と机があり、机の上には紅茶が置いてある。
私がキョトンとしていると、
「この空間に他の人が来るとは、、、今まで無かったのだが、、、」
後ろから声がしたので振り返ると、そこには狐の耳?
が生えている女性がいた。
服的に生徒だろうか?
「えーと、、、どちら様?」
私がそう質問すると
「名乗る程の者では無いよ、、私は、、」
と落ち着いた口調でその人は言った。
「それよりも、、君は向こうの世界で何かあったのか?」
と聞いて来た。
「向こうの世界って、どういうこと?」
その人は此処が現実世界ではないかの様な口振りで言ったので、私は疑問を隠せない。
じゃあ、一体此処は何処なのか?
「私も詳しくは分からないのだが、、、此処ではどうやら時が止まっているみたいでね。」
その人は時計を指差しながらそう言った。
時計の針が動いていないので、本当のようだ。
「そうだな、、強いて言うならば、、、此処は精神世界だ。」
「精神世界、、、」
私はゲームでしか聞いたことがない。
本当にそんな場所があるとは、、、思ってもいなかった。
「で、向こうで何かあったのか?」
改めて質問された。
「私の友達が、人が変わったように暴れ出して、、、それで、、」
「気絶してしまったと、、」
紅茶の茶葉を選びながらその人は言った。
「それで、君はどうしたいんだ?」
私は真剣な顔で見つめられた。
答えは一つだ。
「私は友達を助けたい」
「そうか、、、もし友達を助けれないと分かっていたら?」
そのような質問をされ一瞬戸惑ったが答えは変わらない。
「それでも諦めるよりかは、最後まで抗った方が良いもん。 ゲームの主人公だってそうだもん。」
私は諦めるなんて事は出来ない。
「ゲームのストーリーにはハッピーエンドとバットエンドがある。バットエンドが決まってると分かっていても君は抗うのか?」
そんな質問をされた。
私は少し考えて、
「ゲームは決まったストーリーで進むけど人生に決まったストーリーなんて物はないじゃん。」
私はゲームを作ってるから分かる。
ゲームは作る前にストーリーを考える。
その後、ストーリーに基づいてゲームを作る。
だからゲームは最初からストーリーが決まっている。
けど人生は違う。
決まったストーリーなんてない。
私が何をするかで変わる。
「君は強いんだな。」
悲しそうな顔でその人は言った。
「そうかなぁ、いやそれほどでもないと思うけどなぁ。」
私は何処がどう強いのか分からなかった。
皆んなこんなもんじゃないのかな?
などと考えていると、
「おっと、、、時間のようだ。」
その人は針が動いてない時計を指差しながら言った。
「時間って?」
私が不思議そうに聞くと、
「向こうの世界に帰る時間だよ。」
少し笑ってその人は言った。
そう言われた直後、私の体は透明になっていった。
「帰ってしまう前に名前を聞いておこう。」
「私? 私の名前は才羽モモイだよ。」
私もこの人の名前を知りたいので、
「最初は名前を教えてくれなかったけど私が名乗ったからあなたの名前も聞いていいよね。また会うかもしれないから。」
「分かった、、、私の名前は、ん?」
才羽モモイは消えていた。
「現実世界に帰ったか。」
「才羽モモイ、、、彼女なら、運命を変えられるかもしれないな。」
「はぁ、、、はぁ、、、夢?」
私はベットから飛び起きた。
どうやら此処は病院の様だ。
気絶した後、病院に搬送されたらしい。
もう体も重くない。
そのような事を考えていると、看護師さんが来た。
(医者)
「目覚めたんですね。 先生を呼んできますね。」
看護師さんはそう言うと部屋から出ていった。
その後、先生から話を聞いた。
先生曰く完全に回復するのに一週間ほどかかる見込みだったようだ。
退院して良いと言われたので、身支度を済ませてミレニアムサイエンススクールに急いだ。
後ろから声がしたので振り返るとそこには、
「じゃじゃーん、才羽モモイ参上!!」
モモイがいた。
「えーーーっ」
皆んな驚いた。
それもそのはず、医師からは回復に一週間ほどかかると言われたからだ。
まだ一週間どころか数日も経ってないのにピンピンしている。
「お、お姉ちゃん、、、!」
才羽ミドリがモモイに抱き着いて泣き出してしまった。
モモイは少し子供っぽい所があるのでいつもミドリより歳下に見えてしまう。
だがモモイはミドリには無い精神力をを持っている。
そのため、お姉ちゃんであるモモイが居ないといつも弱気になっている。
「ちょ、ミドリが甘えん坊になってるんだけど!」
モモイはビックリしつつも楽しそうに言っている。
そんなモモイだが皆んなの表情を見るや否や顔色が変わった。
楽しそうにする状況ではない事に気付いたモモイは、
「な、何かあったの?」と
不安そうな顔で皆んなに問いかけた。
「アリスちゃんが、、、、、」
事細かにモモイに状況を伝えた。
すると、
「バッカじゃないの!!!」
モモイのとてつもなく大きな声が響いた。
続けて、
「正直、難しい事はよく分からない。 けど一つだけ確かなことはあるよ。 それはアリスは魔王じゃなくて私達の大切な友達ってこと。」
「このままアリスとお別れするなんてそんなのハッピーエンドじゃなーい。 だから私はアリスを助けにいくよ。皆んなそうじゃないの!?」
モモイは自分の思いを全て言葉に表した。
「お姉ちゃん、、」
泣いていたミドリは起き上がり無言で頷いた。
他の皆んなも頷き、意見が合致した。
「それじゃあ、作戦会議だー!!!」