自分を仮面ライダーと勘違いした一般改造人間系転生者   作:超高校級の切望

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話し合いたいお年頃

「私って頼りないですか?」

「急に何だ?」

 

 ふらわーにて未来が唐突に呟いた言葉にあきらは首を傾げた。

 

「響も、私に何の相談もしてくれないし…………」

 

 ジトッと睨んでくる。あきらは隠し事がある事自体は伝えている。

 

「前にも言ったが………」

「何時か話す、ですか? それとも私にも出来ることがある? 解ってますよ。でも、どっちにしても、やっぱり寂しいですし、悲しいです」

 

 事情があるのは理解している。でも、それはそれ、これはこれということだろう。

 

「難しい年ごろだなあ」

「そうです。いろいろ思う年頃なんです、気を使ってください」

「図太いな………今度響もつれて遊園地に連れて行ってやる」

「東京のがいいです」

「いいよ。あそこ千葉だけど」

 

 約束ですよ、と見つめてくる未来。秘密は知りたいが、それはそれとして3人で遊びに行く予定に少しは機嫌が治ったようだ。

 

「未来ちゃん、帰るのかい? じゃああきらちゃん、送ってやんな」

「はい。行くぞ、未来。ついでに帰りにスーパー寄っていいか?」

「はい」

 

 

 

 

 

「最近は辛いのにハマってるんですね」

「ん? ああ、まあ………」

 

 スーパーで唐辛子類ばかり買うあきらを見て未来が呟く。

 あきらは料理が得意で、自炊している。響や未来もご相伴に与るのだが、その時の料理は、当たり前だが基本的にあきらの気分。

 

 あきらは月のメニューを決めるなんてせず、だいたい1週間分思いついた料理を作る。今週は激辛だろうか?

 

「辛味は痛みだからな、苦手なら俺の分とは別に作ってやるが」

「そんな、悪いですよ。別に苦手ってわけでもないですし」

「辛口カレーとか、四川麻婆とか、最近はスパイスの組み合わせにはまってる。今度ルーを作ってやるよ」

 

 本格的だ、と思う未来であった。

 

「……………」

「あきらさん?」

 

 不意にあきらの顔が不愉快そうに歪む。突然の変化に小首を傾げる未来。なんだろうと周りを見れば、見知った人物を見つけた。

 

「あ、響〜!」

「未来? あきらさんも…………っ!」

「お前はああぁ!!」

「来ちゃ駄目だ! ここは!」

「ちぃ!」

 

 舌打ちしたあきらは未来を抱えて後ろに飛ぶ。先程までいた場所を桃色の水晶が連なった鞭のようなものが破壊する。

 

「な、なに!?」

「しまった。彼奴以外にも…………っお前等は………!」

 

 ネフシュタンの鎧の少女が未来達を見て動揺する。あきらが顔を上げると吹き飛ばされた車が向かってくる。

 

「くそ!」

 

 バックルを出現させようとするあきらはしかし直ぐ側に未来がいる事に気付き動きが止まる。変身の際、周囲を消滅させる。生物が巻き込まれない保証はあるか?

 

 その一瞬の戸惑いは致命的。迫り車を避ける手段は無い。

 

♪Balwisyall nescell gungnir tron♪

 

「おおおりゃあああ!!」

 

 その車はしかし未来達を押し潰すことなく響の拳によって吹き飛ばされた。

 シンフォギアを纏った響は知られたくない秘密を知られ、苦しそうな表情を浮かべている。

 

「響………?」

「………ごめん!」

 

 何故、どうして、広い世界の中で運命はこの場所に響と未来を導いたのか。

 

 響は市街地から距離を取るように公園の森の中へと駆け出しネフシュタンの少女も後を追う。

 

「なんで、響が…………何が起きて」

 

 響を追うべきか? しかし今未来を1人にするわけにも。と、そこで周囲の気配を感じるあきら。どうやら二課の職員が向かってきているようだ。

 

「ご無事ですか! ここは危険です、此方へ………」

「未来を任せます!」

「あきらさん!?」

 

 あきらはやってきた男に未来を任せると即座に駆け出す。その脚力に石畳はひび割れる。

 人の出せる出力を超えた膂力を持って森を忍者のように駆け抜けると響と少女に追いつく。

 

「くたばれガキがぁ!」

「ぐああ!!」

「えええ!? ちょ、あきらさん!?」

 

 そして勢いそのまま少女を蹴り飛ばした。響もびっくりしてる。

 

「駄目ですよあきらさん! 危ないです! それに、いきなり女の子を蹴るなんて!」

「俺フェミニストだから男女関係なく蹴るぞ」

「でも、まずは話し合いましょうよ!」

「力を得意気にひけらかす奴は、まずは気絶させてベッドでゆっくり話を聞けばいい」

 

 つまり気絶させる。とてもシンプル。

 

「っ! アタシを、あんな奴等と一緒にすんじゃねえ!!」

 

 と、少女がよく分からない理由で激昂する。響が庇うように前に立つ。

 

「なんか怒ってるけど俺だけのせい?」

「話し合おうって言ったら凄く怒って………」

「分かりあえるものかよ、人間が! そういうふうに出来てるものか! 気に入らねえ………気に入らねえ気に入らねえ気に入らねえ!! 解っちゃいねえことをペラペラ知ったふうに語るお前がああ!!」

 

 嫉妬と憎悪と嫌悪を込めた言葉は、彼女の人生そのものなのだろう。だが………

 

「響とお前が見た人生は別物だろうよ。だけど、自分の見たものすべてが世界の全てなんてのは思い上がりだ」

「うるせえ…………うるせえええええ!!」 

「下がって、あきらさん!」

 

 激昂し鞭を振るう少女。

 鞭の先端に球体状のエネルギーが溜まる。

 

「もってけダブルだ!!」

 

 それが2つ、振り下ろされる。

 

「響!」

 

 土煙が立ち上りあきらが叫ぶ。と、不意に己の腹を見る。何かに反応している。これは、何か強いエネルギーの波長を感じ取っている?

 

「はぁぁぁ!!」

 

 土煙の中から現れた無傷の響は両手を向け合う。その間の空間に何やら光が溜まり、弾けた。

 

「この短期間にアームドギアを形成しようってのか!? させるかよ!!」 

 

 再び振るわれる鞭を響は受け止め、引き寄せる。腰のパーツからロケットエンジンのように光が噴き出し加速する。

 

 最速に、最短で。真っすぐに少女に肉薄し、何かを形成しようとしていたエネルギーをそのまま叩きつける。

 

「うおおおおおお!!」

 

 腕のパーツがパイルバンカーの様に可動し少女の鎧が罅割れる。そのまま爆発。

 

「……………話し合い?」

 

 肉体言語ってやつか。

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