自分を仮面ライダーと勘違いした一般改造人間系転生者   作:超高校級の切望

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見てろ。俺の

「此奴は行き倒れが趣味なのか?」

「そ、そんなことないんじゃ………」

 

 未来がクリスを拾ってきた。雨の中倒れていたらしい。

 フィーネとやらに用済みとして始末でもされそうになったのだろう。

 

「しかし可哀想なことになってるな」

 

 前回と違い雨で濡れた服。かわりに未来が自分の体操着を着せたのだが、小柄なクリスとは言え一部大きさに差があり歪んでいる。

 

「…………あきらさん? 何がかわいそうなんですか?」

 

 未来は笑顔を向ける。無言の圧にあきらは黙り込んだ。

 

「もう、私だって怒るんですからね」

「知ってる」

 

 未来が怒ると響もあきらも逆らえないのだ。

 

「とりあえず飯作ってくる」

「はい」

 

 

 

 

 暫くすると部屋から声が聞こえてきた。起きたらしい。

 そして何やら恥ずかしがるような声。大方自分が下着を着ていないのに気付いたのだろう。飯を食いに来るとは言え、流石に未来と響の下着はない。

 

「入っていいか?」

「駄目です!」

「男!? って、この声………」

 

 きちんとノックして確認を取る。中から慌てた声が聞こえてきた。

 

「飯は前回同様消化にいいものにするか? それともガッツリ?」

「…………前のが食いたい」

「林檎粥な………」

 

 リンゴ酢を使って時短し、ついでに切ったリンゴも入れておく。こうすることでシャキシャキの食感がいいアクセントになるのだ。

 

「お待たせ」

 

 クリスは掛け布団を腰辺りに巻き付けていた。相当腹が減っていたのかがっつく。

 

「…………これ、妙に甘いぞ。砂糖?」

「しまった。塩と間違えたか」

「んなベタな………まあ食えるけど」

「味見しなかったんですか?」

「ああ、忘れてた」

 

 最後に味を調整するために少しいれる塩と砂糖を間違えてしまったようだ。

 

「…………なんでアタシを救けたんだよ」

「この前と同じで、倒れてたから」

「んなこと聞いてんじゃねえ!! だって、アタシは………!」

「…………?」

 

 未来はよく解らず首を傾げている。彼女はあの時響の事がいっぱいいっぱいで、襲撃者の顔をよく見てなかったのだ。

 

「ま、引き渡すのが正しいんだろうな。お前がどんな目的であれ、やったことがことだ………」

「アタシは………!」

「理由があったなら、お前は大人とやらにされたことを納得すんのか?」

「っっ!」

「理由があれば納得できるのはそいつを許したいと思えるときだけで、赤の他人にそう思える奴は俺は一人しか知らねえよ」

「……………二人とも、何の話をしてるんですか?」

 

 ジトッと、蚊帳の外にされた未来が二人を睨む。

 

「踏み込むか?」

「はい。今度は、ちゃんと踏み込みます」

 

 そう言って未来はあきらの手を両手で包む。しっかり握り、逃さない。

 

「だから、話してください。ちゃんと全部、響のことも、貴方の秘密も………」

 

 上目遣いに微笑む未来。あきらはふっと見下ろす。必然2人は見つめ合った。

 

「そ、そういうのは家でやれ!」

「ここは俺の家だが?」

「そうだった!!」

 

 と、その時だった。警報が鳴り響く。

 

「タイミング……悪」

「言ってる場合ですか! 避難しないと!」

「ひ、避難? 何が………」

 

 外に飛び出し慌てる人々を見て困惑するクリス。警報の意味を知らないようだ。まあ、この街が慣れているだけで本来遭遇率の低いノイズの警報でここまでの混乱は起こらず多くがクリスのようになるのが基本。

 

 この街はノイズが現れすぎているのだ。原因の一人なのに知らないのか。

 

「ノイズが現れたんだよ」

「一先ずシェルターに…………クリス!?」

「っ!」

 

 ノイズという単語にクリスが駆け出した。戦うつもりだろうと、あきらはため息を吐いた。まだ本調子じゃないだろうに………。

 

「仕方ねえ………ヴィクター」

 

 その言葉にガレージから箱が飛び出してくる。

 

「クリスを守れ」

了解(ヤー)

「え、え? な、なんですこれ!?」

「ヴィクター・F。ロボット……どっちかと言うとゴーレムか? 兎に角ノイズと戦える機械だ」

 

 未来が困惑している間にもキャタピラを回転させあっという間に見えなくなったヴィクター・F。ノイズと戦える? 本当に?

 

「量産できれば、響も戦わなくて済むんじゃ………」

「本体の量産は金さえあれば出来るぞ。問題は燃料だがな………140万分の1の確率で犠牲が出る。俺は問題ないが………兎に角、未来はさっさと避難を………」

 

 と、一際大きな悲鳴が響く。振り返れば大型のノイズ。タコのような姿をしたノイズがその触手を振るう。あきらは舌打ちしながら触手を蹴り飛ばした。

 

「え!? あ、あきらさん、今………!」

 

 破壊には至らず。触手が弾かれたただけのタコ型ノイズは再び動く。今度の狙いは未来。あきらは未来を抱えて()()()()()()()()()

 

「きゃあああ!?」

 

 しつこく追ってくるタコ型ノイズ。あきらは忍者の如くビルの屋上から屋上へと駆け抜ける。

 

「こ、こんな時になんですが………」

「なんだ?! 舌噛むぞ!」

「ちょっと幸せです………」

 

 俗に言うお姫様抱っこをされている未来はほんのり頬を染めながら言う。あきらはこんな時に何言ってんだ、と若干呆れる。

 

「後でいくらでもしてやる………と」

 

 鳥型が体を捻り矢となって降り注ぐ。あらかた避難が終わり、人間を襲うノイズは近くの人間に狙いを絞ったらしい。

 

「………仕方ねえ」

「あきらさん?」

 

 あきらは未来を優しく降ろす。困惑する未来………突然あきらの腰にベルトが現れた。

 

「秘密を話せ、だったな。いいぜ………だから、見てろ。俺の変身」

『フラットメタル』

『アナリシス』

「変身」

 

 殺到する鳥型の群。あきらの周囲に展開した半球状のエネルギーフィールドに触れた瞬間崩れ落ちる。

 

 微生物全てを消滅させるエネルギーフィールドはノイズから未来を守る盾となり、同時にあきらの変身を妨げる全てを滅ぼす矛。

 

 故に変身は完了した。

 

「…………あきら、さん?」

「今はラスティだ………仮面ライダーのな」

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