自分を仮面ライダーと勘違いした一般改造人間系転生者   作:超高校級の切望

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仮面ライダーラスティ

 変身したあきらに、それでも関係なく迫るノイズ。自分達の仲間を消したあきらを恐れる機能など、ノイズにはない。

 

「せあ!!」

 

 そして、そんな()()()()()()()()()あきら。

 触れれば人を炭素に変えるはずのノイズを、炭素分解されること無く、次元をずらすノイズに攻撃を与える。

 

「邪魔だ、退けええ!!」

【■■■■■■■■■】

 

 ノイズの大群を蹴散らしながら突き進むあきら。

 目指すは響と少女のいる建物。と………

 

「…………何?」

 

 その響がいる屋上へと向かう途中、光が空へと伸びる。

 バットプレイヤーから送られてくる映像が乱れる程のエネルギー量。あきらが慌てて壁を駆け上がると、そこには…………。

 

「え、ええ!? な、なにこれ!?」

 

 身体のラインがそのまま出るようなピッチリとしたスーツに、手や足を覆うメタリックなパーツを着込んで困惑する響。

 

 

 

 

 突然自分の姿が変わった事に混乱している響。と、そんな響に少女が笑みを向けた。

 

「お姉ちゃん、かっこいい!!」

 

 キラキラとした目を向けてくる少女に手を差し出す響。絶対にその手を離さないと誓い、抱え上げる。

 ノイズは未だ大量にいるのだ。この子を守らなくては、と胸の歌を歌いながら跳ぶ。というか、飛んだ。

 

「うわわわ!?」

 

 少し跳ねるつもりが屋上から飛び出るレベルの跳躍。下に広がる光景は屋上の床ではなく、地面。

 重力に従い地面に落ちる。人間なんて簡単に潰れる高さでありながら、響は見事着地して衝撃を殺す。

 

「………………?」

 

 屋上を見る。どう見ても助かる高さではない。

 と、その屋上から降ってくるノイズの群。咄嗟に少女を抱えたまま回避するも、次々襲いかかってくる。

 何が起きてるのか分からない。何故自分は歌っているのか?

 

 それでも、進むこと以外答えなんてない!!

 

「なんだ、それ」

 

 と、襲いかかってきたノイズが吹き飛ばされた。

 上から何かが降ってきたのだ。土煙の中に見えるのは、人影。

 

 赤い鎧を纏った誰かがそこにいた。

 板場の好きなアニメによく出てくる変身ヒーローといった見た目のその誰かは、迫って来るノイズを()()()()()

 

「かっこいい…………」

 

 響の腕の中で、少女がノイズを倒すその姿に目を輝かせる。

 

「お嬢ちゃん、早く逃げな」

「あ、え……………はい……!」

 

 ノイズ溢れるこの場に置いてくなんて、そう思ったが、不思議と心配が湧いてこない。どうでもいいからとかではなく、安心感?

 

 だが、ノイズの数は多い。

 

「ひび──っ!」

「え?」

 

 壁をすり抜けオタマジャクシの様なノイズが響へと迫り…………()()()()()()()()()

 

「……何だと?」

「…………ええ?」

 

 人類では決して抗えない、故に災害とされるノイズを打倒した。鎧の人も倒してたけど、なんで自分も?

 

「お前、どうやってノイズを…………」

「え、それ貴方が言うんですか? あれ? あの、今私の名前言いかけていたような…………」

「気の所為だろ」

「でもひびって…………」

「『貧乳、あぶないぞ』と言おうとしたんだ」

「ひ、ひん!?」

 

 その言葉を慌てて胸を押さえる響。そんな事ない。クラスの中でも膨らんでる方だもん!

 

「まあ良い。ノイズに触れられて問題ないなら、そのまま逃げ…………ん?」

 

 不意に聞こえてきたエンジン音。3人揃って振り返ると、ノイズがバイクに跳ねられていく。なんで?

 

 そしてバイクは大型ノイズの足にぶつかり爆発する。だからナンデ?

 

「♪Imyuteus amenohabakiri tron♪」

 

 さらに聞こえてくるのは、歌声。響が先程胸の奥から湧いてきた歌と似ていて、しかし異なる歌。と言うか、この歌声聞き覚えが。

 

「ボケっとしない。死ぬわよ!」

 

 と、バイクのライダーはサーカスの芸人の如き軽業で響達の前に着地して呟く。

 

「貴方達はその子を守りなさい」

「翼さん?」

「風鳴翼、だと?」

 

 バイクのライダー……翼はそのままノイズの下へ駆け出す。その身を蒼白い光が包み、服が消え、かと思えば青と白のインナーに機械のパーツ。

 

 違いはあれど、響の纏っている服に似た姿だ。

 

「やっぱり、翼さんは……」

 

 飛ぶ斬撃、降り注ぐ刃、壁の如く巨大な剣。

 ノイズをあっという間に殲滅していく翼を見ながら、響が何やら呟く。

 

「じゃ、俺はこれで」

 

 謎の男はそのまま去ろうとする。その首筋に添えられる銀光は、防人の刃。

 

「お前は、何者だ………?」

 

 風鳴翼は、ノイズを倒した血のように赤い鎧を纏う謎の人物を警戒する。

 

「仮面ライダーラスティ。通りすがりの、独善者さ」

「………独善?」

 

 その言葉にピクリと反応する響。仮面ライダーラスティと名乗った男は、剣を指差し尋ねる。

 

「で、これは何の真似かな?」

「聖遺物、および異端技術の使用は認められていない」

「へえ、そんな法律初めて知った」

 

 その言葉に眉毛を寄せる翼。当然だ、表向きには存在しない規則なのだから。

 

「だとしても、ノイズと戦える力を放置出来ない。これは任意ではなく、強制。断るというのなら」

「力ずくか? いいね、やってみろ!!」

 

 上半身を倒しながら放たれる後ろ蹴りが翼の顎を狙う。翼は咄嗟に回避して距離を取り剣を構える。

 

「え? え!?」

 

 突然の戦闘に困惑する響を置き去りに、翼は駆け出し、ラスティは金属板を取り出す。

 

『ソードメタル』

『アナリシス』

 

 金属板を押し付けた街灯が赤い塵となって崩れる。

 

『リビルド!!』

 

 そして形作られるのは一本の剣。機械的で大振りな剣を振り上げ翼の剣を受け止める。

 

「ふ、二人とも、やめてください!!」

「文句はこの女にいいなひ……んにゅう」

「まだそれ引っ張るんですか!?」

「何のつもりの当擦!!」

 

 何故か翼が少しキレた。

 そのまま剣で切り合う二人。剣舞の中に入り込む余地などない。

 

「っ! いいえ、ここで捕らえます!!」

「誰かと通信してやがるな? 何を苛ついてるか知らねえが……」

 

 翼の妙な動きと言葉に、ラスティは剣に装着されていた剣が描かれた金属板を取り出し、バックルの挿入口に差し込む。

 

『アタックトランス!!』

「此奴を喰らいな!!」

 

 ラスティの周囲の物質が赤い塵へと分解され、無数の剣へと姿を変える。一つ一つが意思を持つように翼へ襲いかかり……周囲の管を切り裂いた。

 

 ブシューと音を立て湯気があふれる。

 

「っ!?」

「ウルフライド!!」

 

 その言葉と共に遠吠えを上げながら現れたのは金属の狼。熊ほどの巨大な銀狼はその姿を変形させながらバイクへと変ずる。

 

「じゃあな嬢ちゃん。お友達に心配かけるなよ」

 

 そう言うとアクセルを吹かし、工業地帯から去っていった。

 

 

 

 

 

「ふ〜、漸くまけたか」

 

 風鳴翼から逃げたと思えば、今度は車と並走できそうな速度でビルを駆け抜ける人影から逃げる羽目になったラスティことあきらは一息つく。

 

 銀のバイクは何時しかその意匠を変え、ただのバイクになっていた。

 

「さて…………」

 

 バックルを回転させ、金属板を取り出したあきらはふぅ、と一息つく。そのままバックルを外す。

 体が発光し、鎧を纏ったような姿から元の姿に戻ると頬に走るのは体を侵食するような悍ましい薄紫の文様。全身が引きちぎられるような激痛が襲う。

 

 ベルトがキュイイと音を立てるとバシャッと周囲に赤黒く鉄臭い液体が放出された。

 再びバックルを取り付けると、バックルは何処かに消え青白くなっていたあきらの顔色が戻る。

 

「2回目だけど、なれねえなぁこれ…………」

 

 約2年前、自分がこの世界に目覚めた時から共にあったベルト。その使い方も、知識もあった。変身したのは1回だけだが、副作用がキツく結局二度目の出を控えていた変身アイテム。

 

「………また無茶をするんだろうな」

 

 立花響は、ノイズと戦う力を手に入れた。何あれ、知らん。

 風鳴翼の台詞からして、政府公認の日本の裏事情だろうに何故響が?

 

 まあ、理由なんてどうでも良いか。重要なのは友人が危険に自分から飛び込むということ。

 自分から挑む者………それこそ特異災害対策機動部の様な者達を助けるのはそれはそれで彼等の侮辱にあるから、なんて言い訳をして、ノイズを倒せる力を使わなかったくせに友達がそこに飛び込むと思うと…………。

 

「まあ、独善者には丁度いいか」

 

 あきらはそう言うと、バイクにまたがり帰路に着いた。

 


 

主人公の力はシンフォギア世界で開発されたものだよ。さて、どんな力でしょうか?

 

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