自分を仮面ライダーと勘違いした一般改造人間系転生者   作:超高校級の切望

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胸の内に宿る歌

「ラ、ラスティさん……」

 

 仮面ライダーを名乗った男が自分を置いて去ってしまった。響はオロオロと視線を彷徨わせる。

 

「っ!」

 

 と、高温の湯気の中から無傷の翼が現れた。己のバイクの残骸を見て悔しそうに呻く。恐らく、バイクで逃げたラスティをバイクがあれば追えたのにとでも思ったのだろう。

 

「おのれ、ノイズめ…………」

 

 壊したの翼さんだったような?

 なんて疑問に思いながらも響は大人しくしていると、直ぐに車やら大人やらがやってきた。

 

 あったかいものをもらったりお礼したりしてると、突如謎のスーツが消え元の制服姿に戻る響。突然のことに驚きコーヒーの入ったカップを落としバランスを崩してしまう。しかし後ろにいた人物に支えられた。

 

「あわわ! ありがとうござい………あ、ありがとうございます!!」

 

 その相手が翼と気付き、さらに声量を増し頭を下げる響。

 

「実は翼さんに助けてもらうの、これで2回目なんです!」

 

 関わりたくないとでもいうように立ち去ろうとしていた翼は、その言葉に立ち止まり振り返る。

 

「……2回目?」

「えへへ」

「ママー!」

 

 と、その声に振り返ると少女が母親らしい女性と抱き合っていた。何やら書類にサインさせられている。

 

「じゃあ、私もそろそろ」

 

 何やら面倒ごとの気配を察した響は立ち去ろうとするが、黒服達に囲まれていた。

 

「貴方をこのまま返すわけには行きません」

「なんでですか!?」

「特異災害対策機動部二課まで同行してもらいます」

 

 カチャン、ピーと音を立て響の腕に嵌められる手錠。

 

「え?」

 

 何時の間にやら響のすぐ隣に立つ黒服の男。他の黒服と異なりサングラスを付けていない、童顔の優しそうな男性だ。

 

 結構ゴツい手錠なのに、つけられたのにまるで気付けなかった響にできることと言えば困惑し、狼狽えるだけ。

 

「なんで〜〜〜!?」

 

 そのまま車に乗せられ、むなしい悲鳴が道路に響く。

 

 

 

「なんで、学院に?」

 

 そしてたどり着いたのはリディアン音楽院。

 教師などが在籍する中央棟に向かい、エレベーターで地下へ通りた。

 地下?

 

 すごい速さで壁下からせり上がってきた手すりに掴まらなくては立っていられない。

 

 ガラス張りのエレベーターの外に見える光景は、古代遺跡の如き壁面。幾何学的に走る鉄の管が異質感を際立たせる。

 

 

 

 

「ようこそ! 人類最後の砦、特異災害対策二課へ!」

 

 微笑みなど必要ない場所に向かうと翼に説明されドキドキしていた響は、しかしクラッカーと笑顔に出迎えられた。

 

 『熱烈大歓迎!立花響さま』と書かれた垂れ幕。え、ここに来る間に用意されたのあれ?

 

 後ろで翼が頭を押さえている。

 

 

 

 特異災害対策二課の前身は大戦時に設立された特務機関なので調査はお手のものと言いつつ響の落とした鞄の中身を調べられたりしていたが、取り敢えず自己紹介。

 

 シルクハットと花が出るステッキを持っていた赤い服の大男は風鳴弦十郎。二課の責任者らしい。

 白衣に眼鏡の美女は櫻井了子。

 

 彼等が響をここに呼んだ理由は、協力要請との事。

 その言葉に、響は己がノイズを倒したことを思い出した。

 

「教えてください。あれは、一体何なんですか?」

「貴方の質問に答えるためにも2つばかりお願いがあるの。1つ目のお願いは、今日のことは誰にも内緒」

 

 と、了子が指を立てる。機密事項ということだろう。少女の母親にも同じようなことを言っていた。

 

「そしてもう一つはあ…………取り敢えず脱いでもらいましょうか」

「へ?」

 

 『だからなんで〜!?』。響の叫びは、虚しく地下空間に響き渡った。

 

 

 

 

「ただいま〜」

「響! もう、こんな時間まで何処行っての?」

「ごめん………」

「近くでまたノイズが出たって、さっきもニュースで言ってたよ。あ!」

 

 と、帰ってきた響を見て安堵した未来は携帯を取り出しあきらに響が無事に帰ってきたことを伝える。

 ニヤリと笑う猫のスタンプが送られてきた。

 

「あきらさんも探してくれてたよ」

「心配かけちゃってたかあ」

 

 

 

 

 

「昨日は、余計な心労をおかけしました」

「友人が危険な目にあってる可能性もあったんだ。その心労は余計なんかじゃないぞ」

 

 翌日の放課後。ふらわーにやってきた未来はあきらに頭を下げあきらは気にするなと頭を撫でてやる。

 恥ずかしそうに俯き、しかし嫌ではないのか僅かに微笑みされるがままの未来。

 

「いやー、まさかヒナがふらわーの店員さんと知り合いとわね」

「世間は狭いね」

「ナイスな交友関係です」

 

 そういうのは響や未来のクラスメートである板場弓美、安藤創世、寺島詩織の3人だ。

 

「おばちゃんの息子さんなの?」

「いいや? 行く当てもなく彷徨う俺を拾ってくれただけだよ。昔は上に住んでたんだ。今は自分で家持ってるけどね」

「行く当てもなく?」

 

 首を傾げる弓美。

 

「旅に出てたんだ。その際ひったくりをぶっ飛ばして、ひったくられたのがおばちゃんだった」

「ほぇ〜、アニメみたい」

「ていうかぶっ飛ばすって、喧嘩強いの?」

「ナイスな出会いです」

 

 そう言えば、旅してた理由知らないなとあきらを見る未来。

 2年近くの付き合い。朝練で何度か出会う内に何時の間にか友達になっていた大人。独善者を自称し、困ってる人に手を差し伸べる姿が親友とよく似た人。

 

 意外と、私は彼を知らない。

 少し親しいだけでは踏み込めず、今はただ関係を壊せない。

 

 でも、知ってることもある。

 

(あきらさん、隠し事する時、こっちを見ないで頭を撫でるんだよね……………)

 

 昨日帰ってきた響の様子も何処かおかしかった。あきらに捜索をお願いしたことは響も知らなかったようだし、なら二人の秘密は同じじゃない?

 

 時期が偶然重なっただけ?

 どっちにしろ、相談してくれないんだ……………。

 

 

 

 

 

 シンフォギア。それが昨日響が纏い、2年前は風鳴翼と天羽奏、そして昨日も翼が扱っていた力の正体。

 

 聖遺物と呼ばれる世界各地の伝承に存在する現代では再現不可能な異端技術の結晶を核とする兵装。

 多くは遺跡で発見されるそれ等の殆どは経年による破損が著しく嘗ての力を失っている。

 

 欠片に残った僅かな力を解放するのが『歌の力』。響もあの時、胸の奥から歌が湧いてきた。

 

 『歌の力』で解放した聖遺物をエネルギーに還元し鎧の形に再構成した『アンチノイズプロテクター』こそがシンフォギア。

 

「だからとて、どんな歌、誰の歌にも聖遺物を起動させる力が備わっているわけではない!」

 

 翼の言葉に何故か場が静まり返る。困惑する響に、弦十郎が立ち上がり言葉を続けた。

 

「聖遺物を起動させ、シンフォギアを纏える歌を歌える僅かな人間を我々は適合者と呼んでいる。それが翼であり、君であるのだ」

「どお? 貴方の力、少しは解ってきたかしら? 質問はじゃんじゃん受け付けるわよ?」

「はい!」

「どうぞ、響ちゃん」

「全然わかりません」

 

 いきなり難しかったかと肩を竦める了子は、シンフォギアシステムの根幹となる櫻井システムを作り出したのが自分であることだけ覚えておけばいいと笑った。

 

 しかし響は聖遺物を持っていない。

 それでもシンフォギアを纏える理由は、胸に宿る破片…………天羽奏の纏うガングニールの欠片。

 

 それを聞いた翼は部屋から出ていってしまった。

 

「あれ? でも、ラスティさんは歌ってませんでした」

 

 響が思い出すのは仮面ライダーラスティと名乗った鎧の男。彼は少しも歌う様子を見せなかった。歌いながら戦うなんてけったいな光景、見たら忘れないはずだ。

 

「…………仮面ライダーは、我々も把握しきれていない。()()()()()()()()()()3()()………どちらも自称だがな」

 

 モニターに映し出されたのは昨日の仮面ライダーラスティと似ているようで違う銀の怪人。

 

「イタリアで四年前に確認された仮面ライダーシルバー。ビルを破壊し、逃亡。現地の警察に名乗りその場を立ち去った」

 

 鎧と言うよりは、虫か何かに見える。左手が異様に大きいというか、よく言って歪な鱗、悪く言えば無数の銀の杭を突き立てられたようなアンバランスな姿をしている。

 

「そして3年前、米国の聖遺物保管施設を襲撃した仮面ライダーネフィリム。同年、米国の秘匿研究聖遺物ドゥームズデイを完全破壊したそうだ」

 

 こちらも同じく銀の体。しかしこちらはラスティに近く、鎧を纏っているように見える。

 

「因みにどちらも乗り物に乗った姿は未確認だ」

「仮面ライダーなのに!?」

「この2体は不明だけど、先日の仮面ライダーラスティにはアウフヴァッヘン波形……聖遺物の反応が確認されたわ」

 

 と、了子が言う。アウフヴァッヘン波形とは聖遺物が放つエネルギー派で、これにより聖遺物を探知、特定することができるらしい。もっとも、過去に観測記録がなければ特定も出来ないが。

 

「じゃあ仮面ライダーさん達は、シンフォギアとは別の方法で聖遺物の力を使っているですか?」

「そうなるわね〜。同じようなことも出来なくはないけど」

「本当か、了子君?」

「期待してもらって悪いけど、とーっても限定的な力の解放に、相応の電力が必要。どう考えても実用的じゃないわ」

 

 その言葉に肩を落とす弦十郎。歌の力………適合者以外にも聖遺物の力が扱えるのなら、自分が戦いたかったのだろう。

 

「でも面白いことに、物質の再構築とでも言えばいいのかしら……剣を作り出す時、アウフヴァッヘン波形にこれといった変化は見られなかったよね。あれは聖遺物の力じゃないのかしら」

「あんなの、聖遺物以外で出来るんですか?」

「さあ?」

「さあって…………」

 

 了子の適当な言葉に呆れる男職員。

 

「あの、この力って誰かに話しちゃいけないんでしょうか?」

 

 響は己が手に入した埒外の力に不安を覚える。年端もいかぬ少女が、知り合いと誰かに頼りたいと思うのは良くある事だろう。

 

「……………君がシンフォギアの力を持っている事を何者かに知られた場合、君の家族や友人、周りの者に危害が及びかねない。命に関わる危険性もある」

「命に、関わる!?」

 

 脳裏に過るのは親友の少女と青年。二人が危険な目に遭うかもしれないと言われると、話せない。話せないことに俯く響。

 

 だが弦十郎達も機密より人の命を守りたい故に、誰もが欲しがるその力を隠さなければならない。ノイズに対抗できるシンフォギアとは、それだけの力なのだ。

 

 

「日本政府特異災害対策二課として、改めて協力を要請したい。立花響君、君が宿したシンフォギアの力を、対ノイズ戦のために役立ててくれないか」

「………………私の力で、誰かを助けられんですね?」

 

 響の言葉に弦十郎達は頷く。

 

「……わかりました! 私、戦います!」




現時点のヒロインからの好感度の高さ!

6位風鳴翼 なんなら嫌わてるぞ。

5位??? 6位との差が開きすぎている。告れば即恋人。

4位???と??? 同率。2人とも同じぐらい可愛がってあげよう。

3位小日向未来 響より少し下。でも、とても大切な人

2位立花響 助けてくれた人。最初は少し怖かったけど、憧れの人。

1位??? 重い想い。


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