自分を仮面ライダーと勘違いした一般改造人間系転生者   作:超高校級の切望

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ネフシュタンの少女

 丘の上、東屋でホットココアを飲む未来。

 あきらはホットコーヒー。

 

「ごちそうさまです」

「ごちそうじゃあねえよ」

 

 微糖とは名ばかりの結構甘いコーヒーを口の中に流し込み、空を見上げる。

 町中より星が良く見える。

 

「………3人で、見たかったのになあ」

「まあ仕方ねえさ。事情を説明して休みを貰わなかった響が悪い」

 

 あの弦十郎とか言う男、本心では少女達が闘うことに納得していないようだった。だからこそ、大人が使える力を求めていたようだ。

 

 そんな彼が若人から青春を取り上げるとは思えない。楽しんでこいと送り出しただろう。まあ、翼との溝は広がるだろうが。

 

「ままならねえなあ」

「………響」

「まあ、空は何処も繋がってる。地下とか、めっちゃ離れた場所とかにいなけりゃふと空を見上げた時この光景が見れるだろ」

 

 ノイズ退治なら、まあ外だろうし。

 

「クシ」

「夜風はまだ冷えるか?」

 

 と、あきらは未来に上着を着せてやる。

 

「来たな…………」

「ぁ………」

 

 夜空を走る幾筋もの白い光。降り注ぐ流星群。未来はカメラに収めていく。

 

「響も喜ぶだろう」

「…………私が撮ったこと、言わないでもらえますか? 約束すっぽかしたから、少し意地悪するんです」

「…………未来が響に隠し事? それは、つまり……未来が、響に隠し事をするってことか!?」

「なんで2回言ったんですか?」

「できるのか? ストレスで血を吐かない?」

「あきらさんは私をどう思ってるの」

 

 繊細動物。と口に出しかけやめるあきら。繊細だが芯が強い、なら…………。

 

「未来は…………未来だな」

「なんですか、それ」

 

 

 

 

 

 少し時間を遡り、ノイズの対処に追われた響はノイズへ当たり散らしていた。

 反応の強いブドウ型ノイズがブドウの果実のような一部を放ち爆発させ、その衝撃で駅の一部が崩れ響の体が瓦礫に埋もれるも力任せに瓦礫を吹き飛ばす。

 

「…………見たかった。流れ星、見たかった!!」

 

 親友に誘われ、恩人が送って、3人で見るはずだった流れ星。

 

「2人と一緒に、流れ星見たかった!!」

 

 胸の奥に宿る怒りのまま叫び、苛立ち混じりに振るった拳が壁を砕く。

 

「あんた達が………」

 

 普段の響からは信じられない冷たく、それでいて熱い怒りを含んだ呟きと共に怪しい燐光の灯る瞳が走り去るブドウ型ノイズを見据える。

 

「誰かの約束を侵し」

 

 先ほどは爆弾となった果実は、今度はノイズへと変化した。兵隊を増産する能力もあるらしい。

 

「嘘のない言葉を、争いのない世界を、何でもない日常を………剥奪するというのなら!!」

 

 腕の一振りがノイズを引き裂き、蹴りが切り裂き、両手で掴み引き裂く。

 人型ノイズの上に飛び乗りカブトムシのような角を掴むとブチブチと首を引っこ抜いた。

 

「ガアアアアア!!」

 

 憤怒、悲観、焦燥…………そんな思いを胸の中で焚べ、燃え上がるは破壊衝動。喜悦に頬を歪め牙を剥き出しの笑みを浮かべながらノイズを踏み潰す。

 

 そんな響へ殺到する果実。ノイズにならず、爆発。

 先ほどよりは威力が低く、ダメージはない。ハッと正気に戻った響は「待ちなさい!」とブドウ型を追う。

 

 ブドウ型は天井を爆発させ地上へ逃げていく。素早い動きに響がくっと顔を歪めていると、大穴から覗く空に一筋の光が見えた。

 

「…………流れ星?」

 

 否、それは剣。

 蒼白い斬撃がノイズを切り裂いた。地上に出た響が見上げれば、剣を振り抜いた翼が空から降ってきていた。

 

「…………私だって、守りたいものがあるんです!!」

 

 遊び半分と言われた時の事を思い出し、あの時言えなかった言葉を叫ぶ響。翼は、それでも響を見ない。

 

「だから……!」

「だからぁ? んでどうすんだよ」

 

 小馬鹿にするように響いた声は、翼のものでも、当然響のものでもない。唐突に現れた第三者の声。

 振り返った翼達にその存在を知らしめるように雲が晴れ、月光がその姿を映し出す。

 

 白のタイツに白銀のプレート。型から伸びたパーツに生えた桃色の水晶のような棘。顔は仮面で覗えないが、銀色の長髪が風に揺れる。

 

「…………ネフシュタンの、鎧!?」

 

 それは奏を喪うこととなった、あの2年前起動実験の折に暴走し、そのまま紛失した筈の完全聖遺物。起動状態となれば、何者も破壊し得ぬ無限再生の鎧。

 

「へぇ〜、てことはあんたこの鎧の出自を知ってんだ?」

「2年前、私の不始末で奪われたものを忘れるものか。何より、私の不手際で奪われた命を忘れるものか!!」

 

 奏を失った事件の原因と奏が残したガングニールのシンフォギア。時を経て揃って現れる巡り合わせ。

 しかし今は、その残酷の心地よさに感謝しながら剣を構える。

 

 そんな翼に飛びついて止めようとする響。

 

「やめてください翼さん! 相手は人です! 同じ人間です!!」

「「戰場で何を馬鹿なことを!!」」

 

 そんな人としては真っ当かもしれないが、この場では相応しくない。それが分かる二人の叱責が揃う。

 

「……どうやら、貴方とは気が合いそうね」

「だったら仲良くじゃれ合うかい!?」

 

 互いに獰猛な笑みを浮かべ、ネフシュタンの少女が肩から下がる水晶の鎖を鞭のように振るう。

 翼が咄嗟に響を突き飛ばし、自身は逆に跳ぶ。

 

 大地を叩く鞭。爆弾でも爆発したかのような破壊が地面を抉る。

 

 すかさず翼は【蒼ノ一閃】を放つがネフシュタンの少女の鞭によって弾かれる。

 ならばと接近戦に持ち込むが躱され、受けられ、蹴りが翼の腹へとめり込む。

 

(これが、完全聖遺物のポテンシャル!?)

「ネフシュタンの力だなんて思わないでくれよなあ。私のてっぺんはまだまだこんなこんなもんじゃないぜ!!」

 

 明らかに長さが変わる水晶の鞭が翼に向かい振り下ろされる。装甲車さえ寸断するであろう鞭は、シンフォギアを纏う装者と言えどもまともに当たっていい威力ではない。

 

「翼さん!」

「お呼びでないんだよ。此奴等と遊んでな」

 

 少女が何処からか取り出したY字の金属板が付いた装置が光る。放たれた光は4つ。現れたのは、トーテムポールのようなノイズ。

 

「ノイズが、操られている!?」

 

 頭頂部についた嘴のような器官を持った丸い頭が響を見据え、粘液を飛ばし拘束する。

 

「そんな、嘘!?」

 

 シンフォギアにより強化された身体能力でも逃れられない拘束。と、翼が再び少女に接近した。

 

「その子にかまけて、私を忘れたか!」

「お高く止まるな!」

 

 翼の攻撃を受けため、再び吹き飛ばす。先回りして頭を踏みつけた。

 

「のぼせ上がるな人気者。誰も彼もが構ってくれると思ってんじゃねえ! この場の主役と勘違いしてるなら教えてやる。狙いはハナから、こいつを掻っ攫うことだ」

 

 そう言って少女が指差したのは響。えっ、と息を呑む響。

 

「鎧も仲間も、あんたには過ぎてるじゃないか」

「繰り返すものかと、私は誓った!!」

 

 剣を天に掲げる翼。千の落涙と鳴り降り注ぐ剣に少女は舌打ちして回避する。

 

 再び交戦。拘束された響は、その光景を眺めるしか出来ない。

 

「そうだ、アームドギア! 私にもアームドギアがあれば、奏さんの代わりに……それさえあれば、私も………出ろ、出てきてアームドギア…!!」

 

 必死に願うも、シンフォギアは応えない。どうして、どうすれば良いか解らない!!

 

『ピポ』

「…………え?」

 

 と、不意に聞こえてきた電子音に振り返ると、ロボットがいた。

 双眼鏡のような頭をして、キャタピラの足を持ったロボットがジッと響を見てる。何これ?

 

『ピピー!』

 

 ズダダダ! と肩が火を吹き、ノイズが蜂の巣になる。

 ノイズに、攻撃を当てた?

 

『ピピ。戦闘、殲滅、大虐殺!!』

「ええー!?」

 

 ガチャガチャ音を立て変形し、体の各所から物理法則を無視してミサイルの発射台が飛び出してくる。

 

「!?」

「何だあのトンチキロボ!?」

 

 変形音に気付き振り返った翼と少女が目を開く中、ミサイルが発射された。

 狙いは少女。鞭を振るい、或は後方に飛び直撃を避けようとするがミサイルは次々装填され少女に迫り、とうとう大爆発を引き起こした。

 

「……………ええ」

『メッセージヲ、再生シマス…………「今日行けないから此奴貸す」………メッセージヲ終了シマス』

「え? え? もしかして、ラスティさんの…………えぇ〜?」

 

 


 

 

仮面ライダーラスティのサポートロボ一覧

 

バットプレイヤー

普段は音楽プレイヤーの形をしたコウモリ型ロボット。撮影、録音機能持ち。

 

ウルフライド

バイク。普段は普通のバイクに擬態していて、狼型に変形する。

 

ヴィクター・F

普段はガレージの片隅では箱に擬態している。殲滅モードとバトルモードがある。

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