自分を仮面ライダーと勘違いした一般改造人間系転生者   作:超高校級の切望

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隠し事

 少し歩きたいという未来の言葉に、ガレージにバイクを収納し2人でリディアンの寮に向かう。一人で歩きたいのだろうが、夜遅く女子一人で歩かせるほど非常識ではない。

 

 未来は新しく買ってもらったコーンスープを飲む。

 まだ少し熱い液体が喉を通り、体の中からじんわり温まる。

 

 火照ったついでにチラリとあきらを見つめると視線が合い、慌てて顔をそらす未来。

 

「……あれ?」

 

 ふと、銀色の何かが目に入る。それは人の髪の毛だった。それが地面に無造作に散らばる。要は髪の主の頭は地面に接していた。

 

 幸い生首ではないようだ。人が倒れているだけ。

 

「大変! あきらさん!」

 

 未来は慌てて人影に駆け寄った。

 

 

 

 

 

 一先ずあきらの家に少女を運ぶ。女性なので運んだ後は未来に任せた。リンゴ粥を作りながら余った生姜で生姜はちみつ湯も作ってやる。

 

「あきらさん…………」

「お、起きたか? ちょうどいいな」

 

 料理を盆に乗せ少女を寝かせていた部屋に向かう。

 

「ありがとうございます。えっと、ご飯食べれる?」

「っ! 余計なことを!」

 

 と、少女が叫ぶがきゅるる、と可愛らしい音が聞こえる。真っ赤になって俯く。

 

「大人の助けなんか借りるか………」

「俺お前に何かしたか?」

「大人は何時だって余計な事しかしない!」

「だから、俺がお前に何かしたか?」

 

 激昂する少女に声を荒らげるでもなく問いかけるあきら。少女も言葉に詰まる。

 

「子供とか大人とか、女とか男とかで組分けするのはよくないぞ。こっちを見てない相手じゃ、俺だってお前を見れない」

「………………っ」

 

 盆を近くに置く。

 

「いるか! こんなも──っ!?」

 

 ひっくり返そうとする少女だったが文字通り目の前にスプーンが突きつけられる。

 

「食い物粗末にするな、ガキが」

「あきらさん!?」

 

 未来が慌てて止めた。

 少女はペタンと腰を落とし、スプーンを奪い取ると大人しく食い始めた。

 

「…………うまい」

「よし」

「とりあえず親御さんに連絡したいが、知られたくないことしてる?」

 

 夜、一人であんな場所に倒れていたぐらいだし。と言うあきらの言葉に少女はふん、と鼻を鳴らす。

 

「親なんていねえよ」

「………………そうか」

「一人で帰れる」

 

 食べやすくある程度冷まされていた粥をかきこみ立ち上がる少女。未来は心配そうに見つめるが拒絶される気配を感じ取って話しかけられない。

 

「とりあえず未来、寮まで送る。無断外泊がバレる前に戻るぞ」

 

 特に男の家にいたなんて知られたらまずいことになるだろう。あきらは少女におにぎりを渡すと未来を連れ車庫に向かう。

 

 少女が家から出るとシャッターを閉め走り出した。

 

「響への言い訳も考えないとな」

「それが、響も帰れなくなったみたいで…………」

「なに………?」

「あきらさん?」

「いや……………」

 

 

 

 

 あきらは未来を送り届け車庫に戻る。

 戻ってきていたヴィクター・Fの記録映像を見れば、何やら翼が大怪我を負ったようだ。『絶唱』と言うらしい。

 

 自壊するほど莫大なエネルギーの発露。神や英雄ならざる身で、欠片なれど神話、伝説に刻まれた力を使おうとした代償。

 

「……………ん?」

 

 観測したエネルギー波形を観察していると腹に違和感。リビルドライバーを顕現させると青い金属板が吐き出された。

 

「…………これは」

 

 

 

 

「響が秘密の特訓?」

「はい。あきらさんは何か知らないですか?」

「俺は身体能力でゴリ押ししてるからなあ」

 

 戦い方とか教える方法を知らない。

 

「隠し事するの、苦しかったんです」

「隠し事? ああ、星の動画………」

「私やっぱり、響達に隠し事なんてしたくないし、されたくない」

 

 と、未来はあきらを見つめる。隠し事をしていること自体には気付いている。気付いているけど問い詰めない。自分から言ってほしいから。

 

「……………悪いな、未来」

 

 だが話すわけにもいかず、頭を撫でて誤魔化す。未来は頬を染めながら上目遣いで睨む。

 

「子供扱いして…………」

「子供だろ」

「私、あきらさんが思ってるほど子供じゃないですもん」

「そう言っているうちは子供だよ」

 

 

 

 

「やはり間違いないか」

 

 とある山奥の屋敷で金髪の女は資料を確認していた。

 一つは仮面ライダーラスティ。もう一つは、日本が知るはずのないとある聖遺物の資料。

 

 聖遺物にはアウフヴァッヘン波形と言う固有の波形パターンがあり、それを以て如何なる聖遺物か判断する。

 

 ラスティの持つアウフヴァッヘン波形。それと一致する聖遺物…………米国のとある研究機関が所持する正体不明の聖遺物………仮称を与えられたその遺物の名は

 

「アガートラーム………ならば、米国のスパイか? あの国にあそこまでの技術を確立できるとは思えないが………いや」

 

 ラスティが武器を作る際の周囲の物体を組み替えるあの現象。その際生じる赤い塵………あれは間違いなく『錬金術』。

 

 あの結社が手を貸したとなれば何の不思議もない。

 

「そう言えばいたな、()()()()()()()()()()()()()()宿()()器候補が…………」

 

 記録によるとあの事件の際死亡したとされていたが、その死体は()()()()()()保管されていたようだ。ある日紛失しているようだが、人と聖遺物の融合………あの結社に売ったのだろう。

 

「生きていたわけか。となるとあの男が動き出したか? それとも、間抜けにも逃げられたか………」

 

 

 

 

 

「ひっくし!」

「風邪ですが、あきらさん?」

「俺こっち来てから風邪引いたことねえよ。誰かに噂されておるんだろ」

「そんな古典的な…………」

 

 未来が呆れながら薬箱を取りに向かう。あきらは適当にテレビを見ているとニュースが流れた。

 

「防衛大臣の殺害……? 物騒な世の中になったもんだ」

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