ペチュニア・ダーズリーと偉大なる子供たち 作:野菜生活
その後、お説教が行われたが、子供たちが泣きそうになり、仕方なくペチュニアは動物を飼うことを許可する。
しかし、バーノンが帰ってくるとやはりペチュニアと同じように怒り出すのだ。
最後にアンケートがあるので、良かったら回答お願いします。
「ただいま!」
「あら、おかえりダドちゃん、アミィちゃん。随分遅かったわね?制服と杖はちゃんと買えたかしら?」
ペチュニアが笑顔で彼らを出迎えると、ダドリーは嬉しそうな顔で背に隠していた大きな鳥籠をペチュニアに見せ付ける。
「ママ見て!おれ、今日からコイツを飼うから!」
「いっ、いやああああっ!」
案の定ペチュニアは驚き、恐怖し、失神した。
「ママ!」
「お母様!」
アミィとダドリーが慌てて駆け寄り、その2人をみてハリーは少しだけ口角を上げつつ、ゆっくりとした足取りで彼らの元に向かう。
この後、ペチュニアによる勝手に動物を飼おうとしたことについての説教が始まるのだが、主に怒られたのはハリーとスネイプで、ダドリーとアミィには優しい聞き取り調査のみが行われた。
「全く、ハリー!あなたのせいで、ウチのダドちゃんとアミィちゃんがこんな問題を起こすなんて!あなたが、アミィちゃんをホグワーツに連れていこうとしてから、我が家は普通じゃなくなってしまったわ!本当にどうしてくれるのよ!」
「まあまあ、ペチュニア。落ち着きたまえ」
怒り狂うペチュニアをスネイプが宥める。しかし、彼女は怒りの矛を収める気は無いようで、その矛先は不幸なことにスネイプへと向いてしまう。
「それにセブルス!あなたが着いていながら、どうしてこんなことになったの!梟ならまだしも、あの大きな大鷲にふわふわ浮遊する謎の毛玉!あれは何?あんなものの毛が床に落ちたらどうするの!汚らわしい!」
ペチュニアのヒステリックな金切り声に、ハリーは耳を塞ぎながらこれからの生活を不安に思いながらも、魔法界での出会いや経験に胸躍らせる。
「……ペチュニア、落ち着いて話をしよう。これにはマリアナ海溝より深いわけが「うるさいわね!それもこれも、あなたのせいなのよ?セブルス!」……」
ペチュニアは潔癖症であり、なんの動物かも不明な毛が落ちることなんて耐えられない。梟ならば、まだペットとして受け入れられるが、大きな鷲を飼うだなんてとんでもない。
「あの大鷲を外に放逐しなさい!今すぐに!」
「……ペチュニア、それは「嫌だよママ!あの大鷲……ヴィルトゥスはおれの大切な相棒なんだよ!」」
「ダ、ダッドちゃん……」
ダドリーが今にも泣きそうな顔でペチュニアに懇願し、アミィが既にパフスケイン2匹を抱えて涙を流し、ポッターは遠い目をしてペチュニアを見つめている。その光景をようやくペチュニアは受け入れ、渋々動物を飼うことを許容したのだった。
「な、なんなんだコイツらは!」
この日の夜、バーノンが家に戻るとリビングにいる鳥3匹とアミィが抱くパフスケインに驚き、大きな声で怒鳴り始めるのだが、結局彼も愛する娘と息子の泣きそうな顔に、信じられないような出来事を受け入れ、許容するのだった。
ちなみに、スネイプはバーノンへの説得が終わると、何も言わずにその場から消え、姿を消してしまった。きっと、子供たちのお守りとペチュニアたちマグルに対する説明に疲れてしまったのだろう。
その日から、ホグワーツ入学日までハリーたちはペチュニアに命じられ、本来通うはずだった学校の勉強の他、ホグワーツ入学後の勉強も言い渡された。ペチュニアは意外にも教育熱心で、スネイプを呼び寄せ魔法界の簡単な常識や最低限の魔法などをハリーたち3人に教えた。
「だから何度言えばわかるんだ、ダドリー。良いか?ウィンガーディアムレビオーサだ」
「ウィンガーディアンレビウォサー」
「だから!ウィンガーディアムレビオーサだと言っているだろう!なんなんだ!その頓珍漢な詠唱は!」
ダドリーは魔法界への忌避感からか、なかなか上手く魔法を扱えない。対して、魔法使いの両親を持つハリーは数回練習するだけで簡単に魔法を成功させてしまった。
「ハリー、凄いわね!そんなに簡単に羽を浮かせてしまうなんて!」
「……あはは、たまたまだ。それに君だって、15分くらいで羽を浮かせてしまうなんて、凄いじゃないか!」
ハリーとアミィは互いに微笑み合いながら、互いの上達具合を褒め合う。
「では、吾輩はこれで失礼する。ああ、ダドリー……一応、この家には未成年の魔法を検知できないよう妨害魔法を貼っておいた。練習したいのなら好きにすると良い」
「べ、別に魔法なんて練習しなくても困らないんだから、するわけないだろ!」
「ほぉ?そうか……」
その後、スネイプが帰った後もダドリーは悔しさからか、スネイプにした発言とは逆で、必死に練習をしていた。しかし、幾度杖を振ってもダドリーの魔法は成功しなかった。バーノンはダドリーが練習を様を見て顔を青くしているが、それでも努力する息子を叱ることは彼にはできなかった。
「……なあ、ハリー。お前の魔法、もう一度見せてくれないか?」
「……え?」
午後10時を回ろうとしていた頃、突然ダドリーがバスルームから出てきたハリーに魔法を見せるよう頼んだ。傲慢でプライドの高いダドリーが、常に見下してきたハリーに頼み込むなんて、明日は雪でも降るんじゃないかとハリーは思ったが、こんな機会滅多にないと思い、応じてやることにした。
「ウィンガーディアムレビオーサ」
ダドリーの前で軽く杖を振りふわりと羽を浮かせる。
「ウィンガーディアンレビウォサー!」
ダドリーが必死に杖を振る。しかし、羽はピクリとも動かない。ハリーはダドリーの必死な姿に少し驚きながらも、ただ黙って彼の練習を見守る。
「ふわあ、もうこんな時間。私先に寝るね。おやすみ、ダドリー、ハリー、お母様」
「おやすみ、アミィちゃん」
「アミィ、おやすみ」
アミィが3人に寝る前の挨拶をすると、ペチュニアとハリーはすぐに挨拶を返す。しかし、いつも誰よりも先にアミィの言葉に返事をするダドリーが、今はアミィの声すらシャットアウトして、必死に魔法の練習をしていた。アミィはその姿に苦笑し、ダドリーに微笑んでから部屋に戻る。
「ウィンガーディアンレビウォサー!ウィンガーディアンレビ「ダドちゃん、もう寝ましょう」……ママ」
ペチュニアがそう言うと、ダドリーは辛そうな顔でペチュニアを見つめ、数秒の間の後に口を開いた。
「でもママ……おれ……」
「……良いのよ、無理しなくて。私はね、あなたが魔法なんて使えなくても良いの。ただ、大きく育ってくれればそれで良いのよ」
そう言ってペチュニアはダドリーを抱きしめる。ハリーはダドリーが魔法を使えない理由がなんとなく分かった気がした。
ダドリーは杖の使い方は悪くないが、詠唱に問題があった。そして、魔法は精神状態で左右されるとスネイプは話していた。きっと彼は今まで一度も魔法を上手く扱えなかったから、プレッシャーが掛かってしまっているのも原因のひとつだろう。
しかし、いつかきっと成功する日が来るだろうと、ハリーは思った。今まで怠けてばかりのダドリーが、こんなに必死になっている姿は初めてだ。いつか、努力がミスを結ぶ日も来るはずだ。
「……ああ、悔しいな。なぁ、ハリー。おれもお前みたいになりたいよ」
「えっ?」
「……お前みたいに、魔法を成功させてみたい……お前に負けると、イライラするからな」
そう言いつつも、ダドリーはハリーの実力を認めるように笑った。その顔には、意地悪さや嫌悪感、憎しみは感じず、ただただ悔しさだけが表れていた。
「……」
ハリーは少し考えてから、ダドリーにこう言った。
「僕は負けない、負ける気は無いよ。特にダドリー、君にはね」
そう言って、ハリーは階段下にある自分の部屋へと入って行く。ダドリーはハリーの部屋の扉が閉まる寸前まで、ハリーの姿をじっと見つめ続けた。
「あいつ、やっぱり嫌いだよ……」
ダドリーはそう呟き、ペチュニアに促されて自分の部屋へと戻った。そんなダドリーの姿を見たペチュニアは、かつてのリリーが必死に魔法を練習する様を思い出し、思い出に浸るのだった。
◇◇◇
その日の夜、アミィは不思議な夢を見ていた。
『うっ、ひっぐ……』
どこかのトイレの個室で、1人の茶髪の少女が涙を流し、口を手で覆いながら泣いていた。
『……みんな、どうして』
何か嫌なことや悲しいことがあったのだろうか。それとも、ただ情緒不安定なのか。涙を流す理由は不明だが、アミィはこの少女のことが気になって仕方がなかった。
『……今日はせっかくの、ハロウィンなのに、この学校に来て初めてのハロウィンだったのに』
この日はどうやらハロウィンらしく、ハロウィンに欠かせないお菓子や料理の名を呼んで、また瞳から雫がこぼれる。
そうやって彼女が泣いていると、突然ズシンと大きな音がした。
『……い、今の音ってなんなの?』
彼女がそう言った時、大きな怪物が個室の扉の上から彼女を覗き込んでいた。
『……い、いやあああああっ!』
片手に棍棒を持ったヘドロ色をした怪物は、少女見てニタリと笑った。棍棒が振るわれる瞬間、アミィはおぞましい光景を予想し、目をギュッと閉じる。
ガシャンと嫌な音が響いた時、アミィは目を覚ました。
「いやあああっ!やめてええ!」
辺りを見回すと、そこは自分の自室で、お気に入りのくまのぬいぐるみも、誕生日にペチュニアにプレゼントして貰ったワンピースも、バーノンから貰った画材も、ダドリーとハリーと一緒に撮って貰った写真もあった。ここは正真正銘、アミィの部屋だ。
「……ゆ、夢?」
「一体、どうしたの?アミィちゃん!」
向かいの部屋でバーノンと共に眠りについていたペチュニアが、アミィの叫び声を聞いて、彼女の部屋に駆け込んできた。
「お、お母様?」
目に大粒の涙を浮かべたアミィを見て、ペチュニアは彼女を強く抱き締め、背をさする。
「大丈夫、大丈夫よアミィちゃん。大丈夫、私がいるからね。」
アミィはペチュニアの背に腕を回し、強く強く抱き締める。そして胸に顔を埋め、涙を流す。
「……怖い、怖かった。夢をね、見たの。女の子が、変な怪物に襲われちゃう夢。その子、泣いてたの」
夢にしては妙にリアルで、あの少女の泣き顔も、叫び声も、腐った緑色の怪物も、全て全て覚えている。
「……夢?まさか、あなたもなの?」
ペチュニアが突然血相を変え、アミィの肩を少し強めに掴む。
「お母さ「アミィちゃん!夢、夢のこと覚えてる?どんな夢だったか、教えて……いいえ、絵を描いて!絵を描いてちょうだい!」……分かったわ。」
アミィはペチュニアの剣幕に押され、近くにあった色鉛筆を取り出し、スケッチブックに絵を描き始める。
「場所はどこかのトイレで……確か、女の子の髪も瞳も茶色で、肌は白い……ああ、天然パーマがチャーミングで愛らしい子だったわ」
アミィは夢で見た少女の容姿を口にし、詳細な姿を描き続ける。
「ヘドロみたいに薄汚くて、若干緑も入っていたかも……なるべく薄くて緑がかったヘドロみたいな色で……大きな棍棒を持っていて、それで……」
約15分後、簡単な絵が完成し、最後にハロウィンの日付を隅に書いて、完成したそれをペチュニアに見せる。
「こんな感じだったわ」
アミィから絵を受け取ったペチュニアは、震えながらその絵を暫く眺めていた。そして、少し経つとアミィの頭を優しく撫でる。
「……アミィちゃん、怖かったわよね。でももう大丈夫よ、あなたが眠るまで私が傍にいるわ。さあ、寝なさい。まだまだ夜が明けるには早いのだからね」
「え、ええ……」
アミィは何故ペチュニアが絵を描かせたのか気になるが、それ以上に今は眠気が勝った。恐ろしい悪夢を見て泣き疲れたからか、絵を描くのに集中力を使ったからかは分からないが、アミィの体は睡眠を、休息を求めていた。
「おやすみ、アミィちゃん」
「おやすみなさい、お母様」
ペチュニアが優しく頭を撫でる度、アミィの意識は遠のいていく。そして、数分後アミィの意識は完全に夢の世界へと沈んでしまった。
「アミィちゃん、あなただけは、あなただけは何があっても守るわ。それが私にできる、せめてもの恩返しなのだからね」
ペチュニアは最後にアミィの額にキスをし、静かにアミィの部屋を去るのだった。
ようやく、ようやくここまで来ました。
ついに次話から、賢者の石編がスタートします。
いやあ、長かった。
ここまで本当に長かったです。
次話では、ついにキングズクロス駅やホグワーツ特急の話が描かれます。
そしてなんと!ついにサファイアの義弟、アミィの叔父にあたるべスティアン小伯爵、ルーカスが登場します。
そしてそして!ウィーズリー家も登場するので、今までで一番の盛り上がりを見せることでしょう。
(※今まではそもそも人が少なかったので、盛り上がりも何も無いかもしれませんね)
これにて、ホグワーツ入学準備編は終了します。
ホグワーツ特急で、アミィたちと一緒のコンパートメントになるキャラは誰が良いですか?
-
ハーマイオニー・グレンジャー
-
ロン・ウィーズリー
-
ドラコ・マルフォイ