ペチュニア・ダーズリーと偉大なる子供たち   作:野菜生活

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アミィは完成した肖像画をチョウに見せる。
するとチョウその絵を褒め称え、喜んだ。
その翌日、アミィはその絵をマルフォイに渡す為スリザリンのテーブルへと向かう。

※ちょっと今日は疲れたので明日投稿します(2024/10/29 21:07:55)


アミィの才能

後日、完成した絵をチョウに見せると彼女はこう言った。

 

 

「これ、本当に私なの?」

 

 

「ええ、チョウのそのままの美しさを描いたつもりです。いかがです?お気に召しましたか?」

 

 

「ええ、とても素敵だわ!このまま自室に持ち帰って飾ってしまいたいくらいよ!」

 

 

アミィはその言葉に嬉しそうに微笑み、鞄の中から小さな箱を取り出した。

 

 

「こちら、モデルを務めていただいたチョウへのお礼です。大したものではありませんが、良かったら受け取って下さい」

 

 

「まあ、本当?ありがとう!早速だけど開けても良いかしら?」

 

 

「ええ、勿論です」

 

 

アミィがそう言うと、チョウはリボンを解き包みを広げて箱を開ける。

 

 

「まあ、綺麗ね!」

 

 

中には水色の綺麗な蓮の花をモチーフにした髪飾りが入っていた。このプレゼントは、アミィがペチュニアに相談して実家から送って貰ったものだ。

 

 

「レイブンクロー生であるチョウに最も似合う花をと考えたら、蓮の花が思い浮かんだんです」

 

 

「アミィ……本当にありがとう。嬉しいわ!」

 

 

チョウは頬を赤くして嬉しそうに笑った。そして箱から髪飾りを取り、髪に飾る。するとチョウの美しさがさらに引き立ったような感じがした。

 

 

「良かった……とっても似合ってますね!」

 

 

「本当?ありがとう!貴女ってセンスが良いのね」

 

 

そう言って彼女は笑う。その笑顔にアミィは眩しそうに目を細めた後、口を開いた。

 

 

「……もし良ければなんですが、良かったらこれもどうぞ」

 

 

アミィが手渡したのは、以前アミィがホグワーツに来て初めて書いた中庭の花壇の絵である。以前のものに加筆を加え、細かく修正された絵はかつてのアミィの高い画力を彷彿とさせており、駄作は自信作へと変わっていた。

 

 

「まあ、これってもしかして中庭の絵よね?凄いわね、良く描けているわね。まるで本当に絵が生きているみた……え?待って。この絵動いてない?」

 

 

チョウは絵を食い入るように見て言った。アミィは一瞬目を見開き、そして気難しそうな顔で絵をじっと見つめる。

 

 

「ほ、本当ですね……」

 

 

「……どういうこと?」

 

 

「さぁ、分からないわ……って、私の肖像画も動いてない?」

 

 

「ほ、本当だ?!ど、どうして動くの?」

 

 

アミィの描いた絵は、まるでその時の光景を映し出す映像のように動いていた。生命が吹き込まれたかのように、生き物のように息をしたのだ。

 

 

「ホグワーツの絵も動くことはあるけど、それは勿論特別な加工を施されているからよ。でも、アミィの絵は何していないわよね?」

 

「ええ、何もしていないはずよ。おかしいわね」

 

 

アミィとチョウは不思議に思い首を傾げていたが、そのままその日は解散となった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

翌日、アミィは家から持ってきた額縁に絵を入れ、大広間に向かう。朝食の時間だからか、そこには寮を問わず多くの生徒が集まっている。

 

 

「……あー、おはよう。ハリー」

 

 

アミィからスリザリン寮のテーブルに向かうことは初めてなので、少し緊張気味に彼女はハリーに挨拶をする。ハリーは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに人当たりの良さそうな笑みを浮かべて言った。

 

 

「おはよう、アミィ!もしかしてそれって……」

 

 

ハリーがアミィの持つ絵を指差し、驚いたように目を見開く。

 

 

「うん……ミスター・マルフォイが依頼したものが完成したわ。彼と少し話したいのだけど、呼んで貰えるかしら?」

 

 

アミィがハリーに頼むと、ハリーは少し間を置いてから「分かった」と告げる。そして前列の方で朝食を摂るマルフォイを呼び出した。

 

 

マルフォイはアミィを見て酷く驚いているようだが、すぐに表情を戻しアミィの元へやってくる。その時、マルフォイの近くに座っていた生徒たちが彼を引止めていたが、マルフォイは彼らを宥めてから私の元へやって来た。

 

 

「やあ、この前の天文学の授業以来だね。といっても、まともに会話をしたのはのは入学式の時以来かな」

 

 

アミィは頷いて口を開く。

 

 

 

「……そうですね。しかし、私はあなたの嫌うマグル生まれの魔法使いですから、そもそも関わること事態が珍しいことでしょう?」

 

 

アミィがそう言うと、マルフォイは「そうだな」と言い同意を示す。

 

 

「ポッターを介して君に頼んだ絵は完成したのか?」

 

 

マルフォイはアミィの近くに座るハリーを見ながら言う。アミィは頷いて、額縁に入った絵をマルフォイに手渡した。

 

 

 

彼はそれを受け取り、食い入るようにその絵を見た後、困惑した表情を浮かべてアミィに視線を戻す。そして、彼はすぐに額縁をテーブルに置き、その上に手を置いたままアミィを見つめ口を開く。

 

 

「君、本当に魔法族の血を引いていないんだよね?御両親が魔法使いでないのなら、祖父母は?叔父や叔母は?本当に、魔法族ではないんだろうね?」

 

 

マルフォイが確認するようにアミィに聞く。アミィは父親も母親も知らない。母親が少なくともホグワーツに通っていないことは分かる。何故なら、ペチュニアと同じ学校に通っていたからだ。しかし、父については全く知らない。もしかしたら魔法使いかもしれないが、父親が誰かすら分からないのだから、判断の仕様がない。

 

 

「……母は私を産んでから数ヵ月後に屋敷に押し入った強盗に殺されたそうです。物心が着く頃にはハリーの叔母でダドリーの母の家で育てられており、私には記憶がありません。父は、誰かすら分かりません。教えて貰っていませんし、少なくとも育ての母と父は知らないようです。

 

 

アミィが淡々とそう告げると、マルフォイは顔を歪ませ、拳を震わせながら真剣な表情で彼女を見つめる。

 

 

「……そう、だったのか。悲しいことを思い出させてしまい申し訳なかった。……では、君の母方の方で魔法使いはいないのかい?」

 

 

「謝る必要はありません。私は実母も実父もどうでも良いんです。お母様とお父様とダドリーとハリーがいる。それに最近、叔父がいることも知りましたし、それだけで十分幸せなのです。……母方の親戚については存じ上げません。母はベスティアン家の養女なので、血の繋がった親族は誰もいないんです」

 

 

アミィは淡々と、しかし少し嬉しそうにそう話す。マルフォイはそんなアミィを見て、何か考えるように顎に手を当てた。

 

 

「そうか……なら君は本当に、マグル生まれなんだね?」

 

 

「ええ、そうです。もしかしたら、父が魔法使いの可能性はありますが、少なくとも母は違います。母は普通の、貴方方でいうマグルの学校を卒業していますから」

 

 

アミィが頷くと、マルフォイは少し考え込んだ後口を開いた。

 

 

「……しかし、それにしても魔法画家としての才能がある。マグル育ちで、魔法について無頓着な君が、なんの知識もない状態で、魔法画を描けるとは到底思えない」

 

 

「……魔法画家、魔法画とは一体なんなのですか?」

 

 

アミィが尋ねるとマルフォイはアミィの絵を見せながらこう言った。

 

 

「……ベスティアン、君の絵はこの中でまるで映像が流れるかのように動いているだろう?」

 

 

「そう、ですね……」

 

 

「魔法画とは、魔力を込めて、その時の場面を映像のように残すことができる、特殊な加工を施した絵のことだ。この絵を描くには、類稀な絵の才能と他者の記憶に干渉できるような強い精神を持つことが絶対条件だ。そして、絵を動かす為には特別な工程を経て、繊細な加工を施さなければいけない。それらを全て行える者だけが、映像のような動いたり音の鳴ったりする絵を描くことができるとされている」

 

 

アミィが絵をじっと見つめていると、マルフォイが続けて話す。

 

 

「ベスティアンの描いたその絵は、加工を施されていないにも関わらず、まるで本当にその時の記憶を切り取ったかのように動いているだろう?それは君が無意識に魔法を使ったからだ。そして、この作品が完成したのは、加工すらいらないほどの精神力や、他者の記憶に干渉できるような何かを持っているということの証明にもなる」

 

 

アミィはマルフォイの話を聞いて、混乱していた。アミィは魔法を持っていると知ったのもつい最近で、スネイプに入学前魔法の指導をして貰ったが、その時も何とか及第点に到達しただけだ。スネイプもアミィを物覚えの悪い子供だと言っており、才能の欠片すらないのだ。そんな自分に魔法に関する才能があるわけないと、マルフォイの言葉を全く信じられない。

 

 

「……わ、私にはそんな才能あるわけがありません。それに、そんなことが出来るなんて聞いたことすらないのですよ?」

 

 

「そう。その通りだ。普通はできない。しかし、君は無意識下でそれをやってのけたのだ。……君には、魔法画家としての才能があるんだよ」

 

 

アミィは困ったように、視線をさ迷わせた後口を開いた。

 

 

「私は……魔法画家?の才能なんてありません。スネイプ先生も、私に才能はないと仰っていました。もし私が魔法画を描いてしまったのであれば、それはおそらく魔力の暴走とやらに該当するのではないでしょうか」

 

 

「……そうか、あくまで君は自分自身の才能を認めない気だな。だがまあ、才能があることは確かだ。その才能を活かすべきだと、僕は思うけどね」

 

 

マルフォイは「報酬は後程、マルフォイ家から贈られるが、少し時間を要するだろう」と言い、元いた席に戻っていった。その姿を見てアミィもレイブンクロー寮のテーブルへと向かう。

 

 

アミィはこの日、一向に晴れない心のモヤモヤを鬱陶しく思いながら1日を過ごすことになるのだった。

 

 

◇◇◇

 

 

10月31日、ついにハロウィンの日がやってきた。アミィたちは夜に行われるハロウィンパーティーに胸を馳せ、嬉しそうに1日を過ごす。そして夜になり、ディナーの時間がやってきた。

 

 

「今日のディナーはどんな料理が並んでいるのかしら?」

 

 

「そうね。とっても楽しみだわ」

 

 

「ああ、もうお腹がペコペコよ!さあ、早く行きましょう!」

 

 

生徒たちは楽しそうに話しながら食事の会場である大広間へと入っていく。アミィもハーマイオニーとパドマ共に広間に入る。

 

 

するとそこには、いつもの不味そうなイギリス料理の姿は消え、コルカノンにデビルドエッグにパンプキンパイと沢山のハロウィンの伝統料理が並んでいた。それだけでなく、子羊のステーキにサーモンのクーリビヤック、秋野菜のサラダにと様々な料理が並んでおり、どれもこれも美味しそうな匂いがしている。

 

 

 

「まあ、とっても美味しそうね!早く食べましょう!」

 

 

「ええ、そうね!こんな豪華な料理が食べられるなんて最高だわ!」

 

 

パドマとハーマイオニーは嬉しそうにそう言うと早速席につき、料理を皿によそっていく。アミィも2人に促されるまま席につき、食事を摂ることにした。

 

 

しかし、アミィはどこか上の空である。なかなか料理に手が伸びないようだ。そんな様子の彼女に気付き、ハーマイオニーが声をかけた。

 

 

「どうしたの?食べないの?」

 

 

「え?……あ、いや……その……」

 

 

アミィは何故か、食事を摂る気になれなかった。あんなの楽しみにしていたハロウィンパーティーだというのに、何故か食欲が薄れてしまったのだ。

 

 

「……そういえばアミィ、魔法薬学のレポートはどうしたの?持っていないみたいだけど」

 

 

「え?」

 

 

アミィはハーマイオニーに言われ、ハッとする。そして恐る恐る持ち物を確認する。しかし、そこにはレポート用紙だけが無かった。

 

 

「嘘……ない、ないわ!」

 

 

「え?!もしかして忘れたの?あんなに頑張っていたのに?!」

 

 

ハーマイオニーが驚いたような声をあげる。パドマも信じられないという目で彼女を見た。アミィは顔を青くしながら2人に謝る。

 

 

「……ごめんなさい!多分魔法薬学の教室に置いてきてしまったんだと思うわ。私、すぐに取りに行ってくる」

 

 

アミィはそう叫ぶと慌てて大広間を出て、走って魔法薬学の教室へと向かった。魔法薬学の教室に着くと、急いで今日座った席へ向かい、テーブルの下の荷物置きを覗く。するとそこには、レポート用紙が置かれていた。

 

 

「あったわ!……もう、どうしてこんな日に限ってレポートを忘れてしまったのかしら」

 

 

アミィはそう言い、レポート用紙を持って魔法薬学の教室を出る。その時、アミィの背後でドスンと大きな音が聞こえた。アミィは訝しげな顔で振り向く。すると、そこには───

 

 

「……え、え?」

 

 

「グアアアアッ」

 

 

片手に棍棒を持った、ヘドロ色をした怪物が立っていた。





皆さんお待ちかね、マルフォイとハリーの登場です。

アミィは生まれ持った絵の才能を発揮し、マルフォイにその才能を認められますが、アミィ自身は納得がいきません。
アミィはスネイプに言われた「物覚えが悪い」という評価を忘れずにいるため、それが魔法界での自分の位置だと思い込んでいます。
なので、素直にマルフォイの言葉を受け入れられないのです。

そして最後になんと、トロールと遭遇します。
原作ではハーマイオニーがグリフィンドールに組み分けられたことで、トロールと遭遇し襲われてしまいましたが、今回の世界線ではアミィとダドリーというイレギュラーにより、原作は大きく変わっています。
さて、絶体絶命のアミィ、一体どうなってしまうのでしょうか?!
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