ペチュニア・ダーズリーと偉大なる子供たち   作:野菜生活

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クリスマス休暇に帰る、帰らないという内容でダドリーとハリーが喧嘩をしていると、アミィが割って入り仲裁する。
しかし喧嘩はヒートアップしていき、2人の中は拗れてしまう。
アミィはダドリーに話を聞くと、とある理由でハリーを連れ帰らなければいけないと言われ、彼に協力し説得を試みるがなかなか上手くいかない。
そんな時、アミィは一人の男と出会う。


クリスマス休暇

もうすぐクリスマス休暇がやってくる、という11月の半ばになった。生徒たちは休暇の予定やクリスマスプレゼントについての話題で盛り上がり、恋人がいる生徒は恋人とのデートやプレゼントについての話題を口にし、皆が皆浮かれていた。

 

 

かくいうアミィも、クリスマス休暇を待ち遠しく思い、早く来ないかと毎朝思いながら起床していた。愛する母ペチュニアと父バーノン、そして最近知り合った叔父に会えるのを心待ちにしていた。しかし、アミィはクリスマス休暇を心待ちにしながらも、ある悩みを抱えていた。

 

 

「早くクリスマス休暇にならないかしら」

 

 

「そうだな!家に帰ればママとパパに会えるし、最高に美味い料理が食える!」

 

 

アミィの言葉にダドリーは何度も頷き、クリスマスディナーの料理を想像してはうっとりとした表情を浮かべ、幸せそうな顔をする。

 

 

とある日の休み時間、久しぶりにダドリーと会ったら、彼は何故かハリーと言い合いをしており、そこにアミィが仲裁に入った。そして分かったことは、彼らはクリスマス休暇の過ごし方について口論になってしまったらしい。

 

 

「ハリー、お前も帰るんだよ。ママとパパから、お前を連れ戻せって毎日のように手紙が来るんだぞ?だからお前は帰らなきゃいけないんだ」

 

 

「嫌だね。あの家に僕が居て良かったなんて思ったこと、数回しかないよ。あんな家より、ホグワーツで過ごした方が絶対楽しいよ」

 

 

ダドリーは顔を真っ赤に染めて怒りで声を震わせ、ハリーは冷めた目でダドリーに反論した。

 

 

 

アミィは、これはまずいと思った。両名とも頑固者だ。一度言い合ったら止まらないし、片方が折れることはまずない。このままでは殴り合いの喧嘩になり、体格の良いダドリーは絶対にハリーを満身創痍にしてしまうと考え、アミィは慌てて2人の間に割って入った。

 

 

「落ち着いて、2人とも。そもそもね、ダドリー。ホグワーツから家に帰るかどうかは保護者の判断ではなく、子供たちの判断に委ねられているの。だから、ハリーが帰りたくないと言えばそれを止めることは誰にもできないわ。勿論、私はハリーとダドリーと一緒に家に帰りたいと思っているけれどね」

 

 

ダドリーはアミィを味方だと勘違いしたのか、ニヤリと嫌な笑顔を浮かべた。逆にハリーは眉間に皺を寄せる。ダドリーの勘違いを訂正する余裕もなく、アミィは言葉を続けた。

 

 

「ハリーが居なくなったら、お父様とお母様はすごく心配するわ。それがどんな理由であろうと、ハリー。あなたはダーズリー家の人間なのよ。それに私も寂しくなってしまうわ」

 

 

「アミィ…………」

 

 

ハリーが今にも泣きそうな顔をした。アミィはハリーに笑って欲しくて、優しい笑顔を向けた。ハリーはその笑顔につられて微笑んだ。

 

 

「でもごめん、僕ホグワーツで過ごしたいんだ。僕も君と離れるのは嫌だよ。だから、一緒にホグワーツに残ろうよ!アミィ」

 

 

「はぁ?!何言ってるんだよ!」

 

 

ダドリーが突然大声を出した。アミィは驚いて目を丸くさせる。ダドリーはハリーを強く睨みつけ、更に言葉を続けた。

 

 

「またアミィを巻き込むのかよ?!そもそも、お前が1人でホグワーツに行くと言っていれば、今頃アミィとおれはホグワーツなんて通わず、魔法なんてない普通の人生を歩めたんだぞ?これ以上アミィを、妹を巻き込むな!」

 

 

「ダドリー!そんな言い方はないわ。ハリーが悪いわけじゃないのに、まるでハリーが悪いみたいに言わないで。確かにあの時は永遠に恨むと思ったけれど、ハリーのおかげで私は今自分に宿る不思議な力と向き合う事ができているの。だから、そんなことを言わないでダドリー。私たち、家族でしょう?」

 

 

アミィは、ダドリーが自分を大切に思ってくれていることをずっと実感してきた。家族として、妹として、大切で特別な存在として、アミィは彼に愛されてきた。だからその分以上にアミィも彼を愛し、尊敬し、自分だけのヒーローだと思ってきた。

 

 

「でも、ハリーはホグワーツに来てからいけ好かないマルフォイと仲良くしてるんだぜ?オマケにアミィにマルフォイの為の絵まで描かせてさ」

 

 

ダドリーがそう言うと、ハリーはその言葉を否定した。

 

 

「違う!確かにアミィにマルフォイの依頼で絵を描いて貰ったのは事実さ。でも、僕はマルフォイと友達なんかじゃない!僕は、他者を差別し、弱い者いじめをする奴は好きじゃない」

 

 

「でも、お前はスリザリンに選ばれた。闇の魔法使いを多く輩出し、お前のママとパパを殺した魔法使いの配下はほとんどがスリザリンなんだぞ?そんな寮に選ばれたお前の言葉なんて信じられるかよ!」

 

 

ダドリーは納得がいかないのか、更にハリーを問い詰める。ハリーはそんなダドリーに怒りを覚えたのか、強い口調で言い返す。

 

 

「だから何?僕はスリザリンに選ばれたけど、だからってマルフォイみたいに差別しないよ。それにね、言っておくけど僕はグリフィンドール生が皆良い奴だなんて思ってないからね」

 

 

「はぁ?!お前何言ってるんだよ?確かにダンブルドアや、あの大男が所属した寮だけあって、ヤバい奴もいるが、グリフィンドールは勇気ある騎士道精神の持ち主が選ばれる崇高な寮なんだぞ?」

 

 

「だけどダドリー。君は騎士道なんて持っていないよね?むしろ今までの君は弱いものいじめをしてきていたし、性質的にはスリザリンに近いんじゃない?そんな君がグリフィンドールに選ばれている時点で、僕はグリフィンドールの組み分けはおかしいと思うな」

 

 

ハリーはそう言い切ると、ダドリーから目を逸らさずに真っ向から彼を見つめた。そんなハリーにたじろぎながらも、ダドリーは「違う!」と反論した。

 

 

「それならお前こそスリザリンに相応しいだろ!だってお前は、アミィをこんな珍妙な世界に巻き込んだんだからな!それも遠回しな言い方でな!卑怯で狡猾なスリザリン、お前こそ相応しいぜ!」

 

 

アミィはそんな彼らを見て、2人の間に割って入り、ダドリーの手を握る。そして彼の目を見つめ、優しく諭すように話す。

 

 

「落ち着いて、ダドリー」

 

 

アミィは知っているのだ。

 

 

この優しい兄が本当は誰よりも勇敢な心を持っていることを。彼は確かに過去に弱い者いじめをし、理不尽な暴力を振るっていたが、話せば暴力を辞めるだけの理性は持っていることを。語気を荒らげることはあるが、その中には確かに他者に対する優しさを含んでいることを。

 

 

そして何より、ダドリーはアミィにとって最高のヒーローだ。アミィは人見知りで、不器用な少女だった。そんな彼女にとって、ダドリーはいつも前に立って道を指し示してくれる存在だ。道に迷わないように、障害物に当たらないように、アミィが泣きそうになれば飛んできて手を差し伸べてくれる、世界で一番かっこいい兄なのだ。

 

 

「ダドリーはかっこいいわ。迷子の時も必ず見つけてくれるし、私が泣いていたらいつも私を助けようとしてくれるし、孤島に逃げた時、ミスター・ハグリッドに連れ去られそうになった時もあなたは私を守ろうとしてくれた。あなたはずっとずっと私のヒーローで、最高の兄なのよ。そんなあなたは、確かにグリフィンドールに相応しい人だわ」

 

 

それはずっと、アミィが心の中で思っていたことだった。アミィが感謝の言葉を述べると、ダドリーは照れたようで顔を赤くした。

 

 

「でもね、ハリーの言う通りダドリーにはもしかしたらスリザリンの素質もあるんじゃないかと思っているわ。何故なら……私も組み分け帽子さんにスリザリンに組み分けるべきか迷われたのだからね」

 

 

アミィが困ったように笑いそう告げると、ハリーとダドリーは顔を見合せて驚く。

 

 

「人の性格は善悪を含む様々な要素から作られているわ。だから、良いところもあれば悪いところもある。ダドリーにも良い所があれば悪いところもあるし、ハリーだって私だって同じ。でも結局最後は、本人が最も多く持つ本当に必要な学びを得られる寮に組み分けられる、私はそう思っているの。だからきっとダドリーにとって必要なのはグリフィンドールの騎士道なのかもしれないし、ハリーに必要なのはスリザリンで得られるまことの友や狡猾さなのかもしれない。きっと私に必要なものは、膨大な知識だったのよ。だから私はレイブンクローに組み分けられたんじゃないかしら」

 

 

アミィはホグワーツに来て色んな生徒と関わった。グリフィンドールのネビル、スリザリンのマルフォイ、ノット、同僚生徒のパドマとテリー、ハッフルパフのハンナ。皆確かに選ばれた寮とは全く違う要素を持つ人であるが、彼らと関わったからこそ、人には様々な面があるのだと知ることができた。

 

 

「だから、ハリーの言うように組み分けが間違っていると思うこともあるでしょう。だけど、人は多くの様々な多種多様の要素を持っていると考えれば、矛盾も気にならなくなると思うの。完璧な人なんていないんだから」

 

 

アミィがそう言い切ると、ハリーは悔しそうな顔でダドリーを見つめる。そして彼はこう言った。

 

 

「だけど、それでも僕はダドリーを認めない。僕にとって、彼は寝込んだ日に見る最悪な悪夢の詰め合わせみたいなヤツなんだからさ。勇気や優しさを持っているなんて言われても、到底理解できないね。じゃあアミィ、またね。ちなみに、僕は絶対にクリスマス休暇は家に帰らないから。

 

 

ハリーはそう言いアミィ、その場を去って行く。アミィはハリーの背を悲しげに見つめ、小さくため息をついた。

 

 

「行っちゃったわね……」

 

 

「……言いたいことだけ言いやがって、また逃げるのかよ?」

 

 

ダドリーは不貞腐れながらそう言って、アミィは少し困ったような顔をしながら「仕方ないわ」と呟く。

 

 

「アミィ、お前は帰るだろ?クリスマス休暇」

 

 

「もちろんよ!お母様とお父様に早く会いたいわ!」

 

 

「そうだな、楽しみだよな……今年はさ、パパがハリーにもプレゼントを用意するって言ってたんだ。理由は分からないけど、使い古した靴下やお古の洋服じゃなくて、ちゃんとした普通のプレゼント。だからアイツを連れ戻すよう言われたんだ」

 

 

ダドリーがそう言うと、アミィは驚き目に涙を浮べる。家族を何よりも愛する彼女にとって、いがみ合うハリーとダーズリー家がずっと気がかりだった。しかし、あのハリーを心底毛嫌いしているバーノンがハリーにプレゼントを用意したというのだから、我が家が変わる日も来るかもしれない、とまだ知らぬ未来を想像し口角が上がる。

 

 

「そうだったのね。お父様がハリーにもプレゼントを用意しているなんて……ダドリー、あなたはハリーと仲直りしたい?」

 

 

アミィはダドリーに尋ねる。ダドリーは少し考え込んだ後、口を開いた。

 

 

「……分かんない。おれはハリーはいつまでたっても気に食わない。だけど、一応血の繋がった従弟だしな、こんな世界に1人残してくのは……ママが心配するとは思う」

 

 

アミィはダドリーの話を聞いてから、ハリーを説得してみると告げ、その場を離れる。それからすぐにマルフォイと言い合いをしているハリーを見つけ、彼を説得してみたが、ハリーは首を縦に振ることはなく、逆にアミィにクリスマス残るように説得をしてきた。

 

 

ハリーとアミィはクリスマス休暇の前日まで、何度も何度も互いに説得し合ったが、結局ハリーが首を横に振ることもアミィがハリーの提案を受け入れることもなかった。

 

 

「……人生って上手くいかないわね」

 

 

ホグワーツの目の前にある大きな湖のほとりで、アミィは絵を描きながらそう呟いた。レイブンクローの上級生に教えて貰った魔法のおかげで寒さを感じることなく絵に集中する事ができるので、彼女は必死に手と頭を動かし絵を描き続ける。しかしその集中力も2時間を過ぎれば途切れてしまう。

 

 

「……どうして、ハリーは一緒に帰ってくれないのかしら」

 

 

 

アミィはずっとハリーのことを考えてしまうからと、最近は本を読んだり友達と話したり、授業の質問にしに行ったり、絵を描いたりと彼のことを考えない時間を増やすようにしていた。何故なら、これ以上ハリーの嫌がることはしたくないし、アミィ自身も彼にこれ以上自分の家族と会うという楽しみを否定されたくないからだ。

 

 

しかし、集中が途切れるとすぐにハリーのことを考えてしまう。ハリーも大切な家族、アミィにとっては弟の様な存在なのだから、一緒に帰るべきなのだ、と自分本位の身勝手な感情が湧き上がってくる。アミィは同年代の少年少女と比べれば落ち着いているが、実際は11歳になったばかりの普通の女の子。感情の制御方法なんて知らないのだ。

 

 

「はぁ、私って本当にダメね。感情の制御だって大人になるためには必要なのに」

 

 

「ミ、ミス・ベスティアン?」

 

 

聞き覚えのある声が、すぐ近くで聞こえる。彼女は自分の名を呼んだ人物がいる方向を見る。そこには頭にターバンを巻いたクィレルがいた。相変わらずニンニクの匂いはしているが、私が倒れてからはかなりマシになった。その為、多少近付かれても気絶するようなことはない。

 

 

「クィレル先生、こんにちは」

 

 

「こ、こんにちは。ミ、ミス・ベスティアン、浮かない顔をして、い、一体ど、どう、したんですか?」

 

 

クィレルは吃りながら、私にそう尋ねる。私は彼の問いに苦笑し、近くで遊んでいたパフスケイン2匹を手のひらに乗せ、コロコロと転がすように撫でながら話し始める。

 

 

「私には弟のように愛してきた大切な存在がいるんですが、最近は会う度に互いの意見がすれ違ってしまって。喧嘩や口論ではありませんが、このままの状態が続けば関係は悪化するかもしれませんし、何より私が大切にすることを否定されるのも、相手に何かを強要するのも私は好きではないので、どうしようかと途方に暮れていたところなんです。私はクリスマス休暇は離れてしまった家族と会う大切な時間だと思っていましたが、彼は家族と少しいざこざがあるみたいで、帰りたくないそうなんです。その気持ちを尊重してあげたいと思うと同時に、家族も彼に歩み寄ろうとしているのではと思える証拠も出てきてしまって、私もどうして良いのか分からなくて……」

 

 

アミィが苦笑しながらそう話すと、クィレルは「そ、そうなんですね」と相槌を打つ。

 

 

「クィレル先生は、クリスマス休暇はどう過ごされるんですか?」

 

 

アミィがそう尋ねると、クィレルは吃りながらも答えた。

 

 

「……わ、私はホグワーツの教員なので……今回の休みは、し、仕事です。私は昨年までホグワーツでマグル学を教えていたので、休暇中には、様々な国や地域の文化に触れるために旅に出ていたこともありますね。しかし、実はルーマニアでき、吸血鬼、に遭遇してからはそれもやめてしまいまして……」

 

 

「吸血鬼、ですか?」

 

 

クィレルの口から出てきたワードにアミィは驚く。この世界では魔法界だけではなく、マグルの世界にも『吸血鬼』や『狼人間』、『フランケンシュタインの怪物』などの言い伝えはあるが、実際に存在するとは夢にも思わなかった。

 

 

「そ、そうです!ルーマニアで遭遇した吸血鬼ですが……その者は、わ、私の血を求めてきたんです!私は必死に抵抗しましたが……あ、あれは本当に恐ろしい存在です!私はなんとか生き延びましたが、今でも奴の夢を見るんです……」

 

 

クィレルはそう話すと顔を青褪める。アミィも彼の話に驚きを隠せず、言葉を失った。

 

 

「……そ、そんな恐ろしい存在がこの世に存在するなんて」

 

 

「し、しかし、それでも私はまた旅をしたいと思っています。旅先で得られるものは何も、き、恐怖ばかりでは、あ、ありません、から」

 

 

クィレルはそう言うと、アミィに再び問いかける。

 

 

「ミ、ミス・ベスティアン……あなたはとても優しいひ、人です。だからそうやって悩んでいる。しかし、それでもあなたはま、まだ子供です。だから、間違えたって良いんですよ。正直な気持ちを打ち明けてみてはど、どう、でしょうか?」

 

 

「……そうかもしれませんね」

 

 

アミィはクィレルの話を聞いて少し気が晴れた。悩んでばかりの私でも、間違えても大丈夫なのだと言われてしまえば、何だか馬鹿らしく思えるのだから不思議だ。

 

 

「ありがとうございます、先生」

 

 

アミィがそうお礼を言うと同時に、後者の方が騒がしくなる。どうやらディナーの時刻になったようだ。

 

 

「では、私はこれで失礼しますね。また、お会いしましょう」

 

 

「そ、そうですね。今日はお話を聞いてくださって、本当にありがとうございました」

 

 

2人はそこで別れ、アミィはパフスケインを制服のポケットに入れ、大広間へと向かった。大広間へ足を踏み入れようとした時、アミィは見慣れた顔を見つけ足を止める。

 

 

「ハリー、私ね、あなたと話したいことがあるの。今までしてきた休暇についての話、ではあるけど私はもうあなたに何かを強要したりはしないわ。だから少し時間を貰えないかしら?」

 

 

「分かった、いいよ」

 

 

この日、アミィはハリーと腹を割って話し、最後には以前のように互いを尊重し合う関係へと戻っていた。それからクリスマス休暇になり家に戻ると、ハリーの姿がないことにバーノンとペチュニアは怒り出すが、ハリーの想いをアミィが上手く伝えることで、彼らは怒りを多少抑える。

 

 

そしてダドリーの相棒、ヴィルトゥスに手紙と大きな箱2つを持たせホグワーツにプレゼントを送った。アミィも自分の相棒、シルヴァにハリーへのクリスマスプレゼントを手紙を同封して送った。後に知ったことだが、やはりアミィの叔父であるクリストファーもダドリーの大鷲にプレゼントをホグワーツへ送って貰ったようで、今年のクリスマスはある意味ハリーにとって忘れられない日となるのだった。

 

 

「えっと、これはアミィからのプレゼントだよね?それでこっちはアミィの叔父さん?からかな。これはマルフォイからか。アイツも律儀な奴だなぁ……あれ、この大きな箱と灰色の袋はなんだろう?誰からかな?

 

 

ハリーはアミィ、そして彼女の叔父、マルフォイからのプレゼントを端に避けて、大きな箱と灰色の袋を目の前に置く。そしてまず大きな箱のリボンを解いた。そこには驚きのものがあった。

 

 

「うわあ、暖かそうなコートだ。それにこれは時計と財布?随分上等そうなものだなあ。あ、新品の革靴まで入ってる。一体誰からのものだろう?」

 

 

そんなことを思いながら中身を全て出すと、底には手紙が入っており送り主はバーノンだった。送り主を見た瞬間ハリーは顔を顰めたが、休暇前にダドリーが執拗にハリーを連れ帰ると言っていたことを思い出す。

 

 

 

「……もしかして、僕を連れ戻そうとしたのはこれを渡す為、だったのかな?」

 

 

そう思いながら手紙を書くと、相変わらず嫌味で人を不快にさせる内容が書かれていた。成績のこと、亡くなった両親のこと、学校のこと、イカれた魔法界についてのこと、どれもこれも憎らしいほどの嫌味だった。しかし、最後にペチュニアが心配しているから次のイースター休暇は必ず帰ってこいと命令口調で締められ、文はそこで終わる。

 

 

「……イースター休暇くらい、帰ってみようかな」

 

 

たまにはあの偏屈で潔癖で非科学的なことが大嫌いな家族に会うのも良いかもしれない、とハリーは思う。そして次の箱を開けると中には透明マントが入っており、かつて自分の父親が持っていた物だと知り、ハリーは嬉しそうに笑う。

 

 

彼はこの日、本当の意味で家族からのプレゼントを貰ったのだった。

 

 

「……クリスマスカードくらい、送ってみようかな」

 

 

ハリーはそう思い、ホグワーツに来て初めてダーズリー家に手紙を書いた。





まさか、アミィの相談役がクィレルになるなんて。
まあ、彼はマグル学の教授をしていましたし、マグル界育ちの魔法使いであるアミィたちのことが気になるのも変ではありませんね。

そしてなぜバーノンはクリスマスプレゼントをハリーに贈ったのか。
その真意とは一体何なのでしょうか。

これもイレギュラーであるアミィのおかげなのか、それとも別の企みがあるのか。
原作からどんどん逸脱するハリーに運命力が働いた結果、彼は頑なにホグワーツに残ったのか、それとも彼の意思によるものなのか……真相は不明ですが、果たしてこれからどうなっていくのやら……
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