ペチュニア・ダーズリーと偉大なる子供たち   作:野菜生活

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ハリー、ダドリー、アミィはホグワーツ教授引率の元、ダイアゴン横丁へ杖と制服を購入することになった。
彼らにとっての初めての魔法界、彼らの引率をするのはまさかのあの男だった。
ペチュニアは酷く驚きながらも、引率相手がスネイプだと知るとそっと胸を撫で下ろす。


初めての魔法界

ハリーとアミィを含めるダーズリー一家は孤島から家に戻った。バーノンとペチュニアはダドリーに考え直すように言い、ハリーにはアミィを巻き込むなと説教をしたが、ハリーがアミィがいないと嫌だと言うので、ダドリーとアミィも強制的にホグワーツに通うことになってしまった。

 

 

「……ハリー、一生恨むからね」

 

 

「……あはは、ごめんねアミィ」

 

 

アミィは怒りと憎しみと恐れの入り交じった目つきでハリーを睨みつけた。ハリーは気まずそうに俯きながらも、アミィに謝罪をするが、その顔はどこか満足そうで晴れ晴れとしていた。

 

 

「はぁ、せっかく頑張ってスメルティングズに行けるってなったのになぁ」

 

 

「なら、ホグワーツに通わなければ良いじゃない。ダドリー、あなたが犠牲になる必要は無いのよ?」

 

 

アミィが優しくダドリーに告げるが、ダドリーは彼女の言葉に頷かない。

 

 

「アミィは大切な妹だ。そんなやつを異常者の集まるホグワーツに行かせるなんて、できるわけないだろ?」

 

 

ダドリーの言葉にハリーは少し傷ついた。

 

 

「そういう言い方はないんじゃない?ダドリー」

 

 

ハリーの言葉にダドリーは首を横に振る。

 

 

「だけど、それでもお前の父親は随分非常識な魔法使いだったって聞いたぜ?ダーズリー家に挨拶に来た時も、自慢話ばっかだったってママが言ってた」

 

 

ダドリーが少し申し訳なさそうな顔でそう言うと、ハリーはそれ以上言い返すことはできなかった。そんな2人にバーノンはフンと鼻を鳴らし、愚痴をこぼす。

 

 

「確かにハリーお前の親は最低最悪の屑だった。特に父親は、な。だが、昨日来たあの大男、名前はなんだっか?」

 

 

「えっと、確か……そう!ハグリッド!」

 

 

「そうだそうだ、ハグリッドだ。アイツよりは、マシだった。ハグリッドみたいな奴が大勢いるとするなら、そんな世界異常としか思えん」

 

 

ハリーも流石にハグリッドのことは少し恐ろしく感じていた為、バーノンの発言に反論はしない。ハグリッドのような人がうじゃうじゃいるとしたら、それはとても最悪だ。

 

 

「……お母様、セント・クレア女学院はどうなるの?せっかく高いお金を払ってしまったのに。ダドリーのスメルティングズ男子校だって、入学金と3年間の授業料を既に払ってしまっているのに。ヘレンたちにはなんと言えば良いの?」

 

 

アミィが残念そうにそう呟くと、ペチュニアはアミィの肩に手を当てて、優しく撫でる、

 

 

「心配しないで大丈夫よ、アミィ。ダドちゃんとアミィちゃんはそのまま本来通うはずだった学校の勉強をホグワーツでも続けてもらうわ……一応ハリーにも、通信教育を受けてもらうことにしたの。それから、セント・クレア女学院とスメルティングズの卒業資格も、魔法省が記憶を上手く操作して何とかなるそうよ。お友達とはクラスが変わるし、いつも通りで問題無いわ。はぁ、まさかセント・クレアとスメルティングズに魔法使いがいるだなんて思いもしなかったけど、ダドちゃんとアミィの未来が守られるのなら、むしろ有難いわ。2人のおかげで、アミィちゃんとダドちゃんはこれからも勉強ができるんですからね」

 

 

ペチュニアがそう言ってアミィを励ますと、アミィは少し元気になったのか、ダドリーの方を見て笑顔を向ける。

 

 

「ダドリーとこれからも一緒にいられるのは嬉しいです。正直言って、私は魔法とか魔法の学校とか、すごく怖いの。ハリーに巻き添えを食らったとはいえ、どうして良いのか分からなかった。でも、ダドリーのおかげで、少しだけ恐怖が薄まったわ」

 

 

アミィの言葉にダドリーも笑顔になる。2人のそんな様子をバーノンは少し微妙な顔で見つめていたが、気を取り直して口を開く。

 

 

「まぁとにかくだ!ホグワーツでの授業はちゃんと受けろ!こっちでの勉強は、お前たちがちゃんとやれば後は魔法省がどうにかてくれる。出席についても誤魔化しが効くから安心しなさい。ただし、こっちの学校の試験日にだけは戻ってこなければいけない。良いか?ホグワーツの勉強は落第しない程度で良いが、こっちの試験の対策だけはしっかり行なうようにな。」

 

 

バーノンの言葉に、ダドリーもアミィも嫌々ながら頷いた。魔法界の勉強だけでなく、普通の人間界の勉強も行わなければいけないなんて、いくらなんでも理不尽だ。しかし、それでも勉強ができるということは有難く贅沢なことなのだからと、アミィは決意を固め、良い点を取れるよう頑張ろうと気合を入れた。

 

 

こうして2人は仕方なくホグワーツに通うことになった。ダドリーはスメルティングズ男子校とホグワーツ魔法魔術学校へ、アミィはセント・クレア女学院とホグワーツ魔法魔術学校の両方に通うことになったのだ。といっても、こっちの学校は出席したことになる為、試験だけ受ければ良いとのことだったが。

 

 

「それにしても遅いわね?そろそろホグワーツから、入学用品を買うたために、教授の付き添いが来ると聞いているんだけど」

 

 

ペチュニアが時計を見ながらそう呟く。まだ約束の時間から10分過ぎたくらいだったが、バーノンはイライラしながら何度も時計を見る。バーノンはこれでも社長だ。時間を守らないルーズな人間には厳しく当たっているのを何度も見てきたアミィは、またバーノンの魔法嫌いが強くなったな、と心の中でため息を吐いた。

 

 

それから数秒後、家のチャイムが鳴った。

 

 

「私が出るわ。」

 

 

ペチュニアは玄関へ向かい、扉を開ける。

 

 

「はーい、どちら様で?」

 

 

「……久しぶりですな、ペチュニア」

 

 

全身黒ずくめの、髪がぺったりとした男はペチュニアに小さく会釈をする。服装からして、見るからに魔法界の住人のようだ。

 

 

「……付き添いの教授がまさか、あなただなんてね。とても驚いたわ」

 

 

「吾輩も、まさか、君の息子と保護している娘がホグワーツに通うことになるとは、全く思いもしなかった。」

 

 

「……バーノン、この人は私とリリーの幼馴染みで、リリーと共にホグワーツへ入学した古い友人よ。この前来た、ハグリッドよりはまともだから安心してちょうだい。」

 

 

ペチュニアがそう告げると、バーノンは男を睨みつけながらも、渋々といった様子で頷いた。

 

 

「バーノン・ダーズリーだ。」

 

 

「吾輩は、セブルス・スネイプ。ホグワーツ魔法魔術学校で、魔法薬学の教授をしている。今回の件で、貴殿たちダーズリー一家の皆様に、ウチのホグワーツの番人、ルビウス・ハグリッドが大変ご迷惑をおかけしてしまい、非常に申し訳ない。必要な教材は全てこちらで手配した。残りは、杖と制服の採寸だ。こればかりは、どうしても本人の同行が無ければ用意出来ないため、本日はダドリー・ダーズリー、ハリー・ポッター、アメジスト・ダイアナ・べスティアンの3人を連れ、魔法界のダイアゴン横丁にある店へ向かう必要がある。吾輩は、その引率のためにここへやって参りました。」

 

 

セブルスが自己紹介をしてから、淡々と説明し出したので、アミィは少しだけ戸惑いながらも軽く頭を下げた。ハリーとダドリーも不思議そうに互いに顔を見合わせてから会釈をする。

 

 

「分かったわ。じゃあ3人をお願いね。これだけあれば足りるかしら?足りなかったら、後でウチに請求してちょうだい。」

 

 

ペチュニアが大金をスネイプと名乗る男に手渡し、その金額を確認してからスネイプは改めて、アミィとハリー、ダドリーに向き直る。

 

 

「では、今から我々はダイアゴン横丁に行く。君たちが大人しく、静かにしていれば買い物自体は2時間程度で終わるだろう……さあ、私の腕を掴みなさい。決して、離さないように」

 

 

そう言うと、ダドリーが渋々スネイプの右腕を掴み、ハリーは左腕を掴む。アミィは年頃の少女が男性の体にしがみつくだなんてみっともないと思いつつも、ペチュニアやバーノンが何も言わない為、仕方なく申し訳程度にダドリーの体にしがみつきつつ、スネイプの左腕を軽く掴んだ。

 

 

そして次の瞬間には、視界はぐにゃりと歪み、見知らぬ場所に立っていた。

 

 

「こ、ここは?」

 

 

「ダイアゴン横丁だ。ここは魔法界の商店街で、通常非魔法使いは入ることは許されない」

 

 

ハリーたちは、初めて見る店やおかしな格好をした人々を不思議そうに眺めながら、スネイプの後を着いていく。すると、突然スネイプが口を開いた。

 

 

「ここだ。今から君たちはここで制服の採寸をする。おそらく30分ほどかかるだろうから、この紙幣を使って、好きに何着か服を買っておくと良い」

 

 

「……これ、もしかして魔法界の紙幣ですか?」

 

 

「……左様だ」

 

 

ハリーの質問に答えるスネイプだが、何故かハリーを見る彼の目には憎悪が浮かんでいるような気がした。

 

 

その後、私たち3人は入り口でスネイプと別れ、店内に入る。

 

 

「あら、いらっしゃい?もしかして、ホグワーツに通う新入生の子たちかしら?」

 

 

「は、はい」

 

 

アミィが控えめに返事をすると、マダムはニコリと人の良い笑みを浮かべ、私たちをそれぞれ椅子に座らせ、採寸をしていく。

 

 

「はーい、次は立ってね。動かないで……そう、良い子よ。すぐ終りますからね」

 

 

マダムは、慣れた手つきで私の体のサイズを測っていく。

 

 

「あら?あなた、とてもスタイルが良いわね……羨ましいわぁ。あなたなら、どんなお洋服もきっと似合わうわよ?」

 

 

採寸をしながら、マダムは私に話しかけてきた。私は少し戸惑いながらも、小さく頷く。

 

 

「あ、ありがとうございます……」

 

 

「ふふ、ホグワーツでもきっとモテモテになりそうね」

 

 

マダムの言葉にアミィは少し顔を赤く染めた。そんな様子にダドリーとハリーが笑うので、アミィは慌てて話題を変えた。

 

 

「そ、そういえば!マダム、あそこにあるワンピースって、色違いはありますか?」

 

 

アミィが指さしたのは、パステルグリーンの生地に、黒いリボンが胸元に着いた可愛らしいワンピースだった。

 

 

「あぁ、あれね。確かそこに出ているので最後だったはずよ。色違いならピンク色に赤いリボンのワンピースがあったんだけど、ついさっき売れてしまったの。」

 

「え……そうですか」

 

 

マダムの言葉に、アミィは残念そうな顔になる。そんな様子に、マダムは少し考えるそぶりをしてから口を開いた。

 

 

「もしよろしければ、あなたにプレゼントしても構わないわ。お嬢さんはとても可愛らしいし、ウチの服もきっと似合うと思うの。今ある色で良かったら、プレゼントさせて貰えないかしら?あなたが着れば、宣伝効果も出るでしょうしね」

 

 

「ほ、本当ですか?」

 

 

アミィが目を輝かせると、マダムは大きく頷いた。

 

 

「ええ、もちろんよ!少し待っていてね」

 

 

そう言うとマダムは店の奥に引っ込み、少ししてから、小さな箱を持って戻ってきた。

 

 

「はい、どうぞ」

 

 

マダムはそう言うとアミィに箱を手渡した。箱の中身を確認すると、そこには先ほど見たワンピースが入っていた。

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

「ふふ、どういたしまして。他にも洋服を買うのな、後で纏めて袋に入れてあげるから、遠慮しないで見ていってね」

 

 

アミィが満面の笑みでお礼を言うので、マダムも嬉しそうに笑った。そんな様子をダドリーとハリーは微笑ましく見つめる。

 

 

その後、採寸が終わり3人は数着の服を買ってから店を出た。

 

 

不思議なことに、魔法界の洋服とは自分に合わせてサイズが変動するものが多く、ホグワーツの制服や一部の礼服を除いて、この店の服は着ようとした瞬間に服のサイズが変わってしまう。

 

 

「魔法界の服って、不思議だな」

 

 

「……うん、私もびっくり。」

 

 

「僕も流石にこれは驚いたよ。」

 

 

魔法界の不思議な洋服について3人で話していると、目の前にスネイプが現れた。

 

 

「採寸は無事に終わったようだな」

 

 

「はい、おかげさまで」

 

 

ハリーはスネイプに礼を述べると、彼はハリーの礼をスルーし、歩き出す。

 

 

「次は、君たちにそれぞれ合う杖を買う。それが終われば家に帰れ「わあ!あれなんだ?アイスクリームか?!」……ミスター・ダーズリー、吾輩が話している時に突然大声を出すな。これがホグワーツであれば、減点していましたぞ。」

 

 

「あ、あれってペットショップ?……良いなあ、僕も動物を飼ってみたいな。」

 

 

「それ良いな!おれも何か飼ってみたい!」

 

 

「私も、ちょっと気になるかも!」

 

 

ダドリーの叫び声にハリーが余計なことを言うと、アミィまで動物飼いたいと言い出してしまう。スネイプは苛立ちを何とか抑えながらも歩き続ける。

 

 

暫く歩くと、不思議な雰囲気の大きな建物に着いた。入り口の上に大きな金色の文字で『オリバンダーの店』と書かれている。どうやら、ここが杖を売っているお店らしい。

 

 

「さあ、中に入りなさい。今からお前たちの杖を選んでもらうのだからな。」

 

 

スネイプにそう促され、ハリー、ダドリー、アミィは、緊張した面持ちで店内に足を踏み入れる。





はい、皆さん!待望のスネイプ先生の初登場です。
意外と子供たちに振り回されたり、ハリーを憎々しげに見つめたり、ダドリーに苛ついたりと不憫だったりしますが、原作よりだいぶマイルドで幸せそうだなと、少しだけ思いました。
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