ペチュニア・ダーズリーと偉大なる子供たち 作:野菜生活
この話、正直杖選びにめっちゃ時間がかかって、書くのに約1日かかりました。
やっと書けたので、投稿します。
賛否両論別れるかと思いますが、この作品の中では3人にそれぞれこの杖がベストだと考えた上で、書いているので、どうかご容赦ください。
ハリーたちがが店内に入ると、店の中には沢山の箱が棚に整頓されて置かれていたが、奥の方に目をやると乱雑に床に積み上げられた箱の塔が目に入った。
「おやおや、お客様がいらしていたとは気付かずに、申し訳ない」
店主がこちらに近づいてくると、「少々お待ちください」と言って店の奥へと消えて行った。
「これ全部、魔法の杖なの?」
ハリーは床に積み上げられた箱を見て言った。
「ああ、左様。その通りだ」
スネイプがそう言うと、奥から店主がやって来て自己紹介を始める。
「わしは、オリバンダーと申します。ここで杖を作り、魔法使いの皆様に提供するのが私の使命です。本日は、杖をお求めですかな?」
「そうだ。この子たちの杖を買いに来た。彼らは今年、ホグワーツに入学するからな。」
スネイプはそう言うと、ハリーを前に押し出した。
「おお!そうじゃった……もしやその額の傷……あなたは、ハリー・ポッター様ではありませんか?」
「あ、はい。僕はハリー・ポッターです」
ハリーは少し緊張しながら答えた。
「やはりそうでしたか!お会いできて光栄です!ハリー・ポッター!ポッターさんにようやくお会いできた!あなたのお父さんとお母さんがここで杖を買っていったのが、つい昨日のことのようじゃ!」
オリバンダーはそう言い、ハリーの手を握りブンブンと振り回す。ハリーは強ばりながらも、オリバンダーの握手を受け入れされるがままになっていた。
「ああ、そういえば、そちらのお嬢さんと坊ちゃんもポッターさんのお知り合いですかな?」
オリバンダーが問うと、ハリーが口を開く前にアミィが説明を始める。
「ハリーとダドリーは血縁上の従兄弟で、私は2人と血は繋がっておりませんが、兄妹のように過ごしてきました。私たちは大切な家族、なんです。」
そう告げると、オリバンダーは「ほぉ」と不思議そうにアミィとダドリーを見る。ハリーは少し嫌そうな顔をしてダドリーを見つめ、ダドリーも目を吊り上げてハリーを睨み付けるが、アミィはそんな2人の心境などもちろん知らない。
「早速ですが、杖腕はどちらですかな?」
「杖腕って何?」
「ああ、これは失礼。杖腕と言うのは利き手のことです」
ハリーは少し考えてから、右手をオリバンダーに差し出す。
「うーむ……それなら……」
オリバンダーはそう言うと、しゃがみ込みハリーの杖腕を何やら測定しながら、山のような箱を漁る。
「ああ、これはどうかな?……ほら、振ってみなさい!」
オリバンダーは右側の、青いバラ(蕾の状態)が植えられたテーブルの横にある棚から、ひとつの箱を取り出した。
アミィは青い薔薇の蕾をじっと見つめる。青い薔薇は自然界に存在していない。その為、魔法界では自然界のルールすら超越できる奇跡があるのだと思い、少しだけ魔法界に対する興味を持った。
「わ、分かりました」
ハリーは言われた通り、杖を手に取り軽く振る。その様をダドリーとアミィはじっと見つめる。すると、その瞬間ガシャンガシャンと大きな音を立てて、棚の引き出しが全て引っ張り出され、床に叩きつけられた。
「ふむ……合わんようじゃな」
オリバンダーは別の杖を探しに、奥の棚ヘ向かうが、彼は1つの箱を手に取ると、顔を強ばらせ、ハリーの方をチラリと見る。ハリーと目が合うとその瞬間目を逸らし、箱を持って数秒固まる。そして、その箱を持っていそいそとハリーの前へと戻ってきた。
「これを、試してみなさい」
「はい」
ハリーは言われた通り、杖を持って軽く振る。すると黄金色の光が杖から放たれ、ハリーの髪がふわりと揺れる。
「な、なんなんだよこれ!」
「ま、眩しいわ!」
ダドリーが声を上げ手で目を覆い、アミィも目を閉じ僅かな隙間から、ハリーをじっと見る。
「これじゃな……この杖の芯材はドラゴンの心臓の琴線、セコイア28cm、驚くほど振りやすい。セコイアの杖の所有者は生まれ持った強運で、苦境や逆境や破滅を乗り越えたり覆したりする力を持つとされています……ポッターさん、きっとあなたの人生はこれからも山あり谷ありと、簡単なものではないでしょう。しかし、あなたは生まれながらの幸運を持っている。きっとこの杖が役に立つはずです」
「はい、ありがとうございます……」
ハリーは杖をオリバンダーから受け取り、ポケットにしまう。オリバンダーは満足そうな顔で何度も頷きながら、ポッターの顔を見て笑みを浮かべる。
「さて、次はお嬢さん、君の杖を選ぶとしよう」
オリバンダーはアミィに向き直りそう宣言すると、近くの棚から日本の杖を取り出した。
「芯材はユニコーンの毛に、ナシの木26cm、頑丈で壊れにくい。さあ、お試しください」
「分かりました」
アミィは言われた通り杖を受け取り、軽く振ってみる。すると、散乱していた杖の入った箱がふわりと舞い上がり、元あった場所へと戻っていく。
「ほう、これは素晴らしい……いかがですか?」
「……もうひとつの方も試してみたいんですが、よろしいですか?」
アミィは確かにこの杖が馴染むのを実感した。しかし、もうひとつの金色のリーフの形の細工がされた美しい杖が気になって仕方がなかった。
「……ほう、そうですか。では、こちらもお試しください」
オリバンダーは訝しげな顔で、渋々といった様子でアミィに杖を差し出す。
「ありがとうございます」
アミィは杖を受け取り、軽く振る。すると、眩い青い光がアミィを取り囲み、青い薔薇の鉢植えの方へと向かっていく。そして、光が青い薔薇の蕾に触れると、その花は瞬く間に開花し、次々と別の蕾も開花していき、満開の青い薔薇が咲乱れる。
「っ!」
「な、なんと!これは!」
スネイプが息を飲み、オリバンダーは突然のできごとに目を見開く。
「す、すげぇ!花が咲いたぞ!」
「い、今のってもしかして魔法?アミィ、凄いよ!……君って本当に魔法使いだったんだね!」
ダドリーはアミィを驚きの表情で凝視し、ハリーはアミィに年相応の少年らしい笑顔を見せる。
「……まさか、あの薔薇を開花させてしまうとは……物を浮かせたり、棚を倒す者はいても、花を咲かせるような繊細で優しい魔法を杖を持ってすぐに使える魔法使いはなかなかおりません。私もこんな魔法使いを見るのは、あなた様が初めてでございます」
オリバンダーがそう言うと、アミィは今自分が起こしたことに困惑し、困ったように眉を下げる。
「これが、魔法?……握った瞬間からこの杖が自分に馴染むというのは分かりました。今のが、魔法、なんですね」
アミィの言葉にオリバンダーは頷き、杖についての説明をし始めた。
「この杖はユニコーンの毛に、ギンヨウボダイジュ27cm、驚くほどよくしなる杖です。ギンヨウボダイジュは、予知能力が必須の占い師や、開心術や閉心術の達人の所有者が使うと、最高の魔法を繰り出せると言われています。あなたは、神秘系の術に優れた魔法使いとなるでしょう。ああ、将来が楽しみですな」
オリバンダーは、そう言い、杖をアミィに手渡した。アミィは杖を掲げ、様々な角度でじっくりと観察する。しかし、何かが起きるわけもなく、先程のような奇跡が起きないと分かると、すぐに杖をしまった。
「さて、最後は坊ちゃん、あなたの番ですよ」
「……あ、ああ。なるべくかっこいいやつで頼むぞ」
ダドリーがそう言うと、オリバンダーはニヤリと口角を上げて笑う。
「坊ちゃん、杖は私が選ぶのではありません。杖が自分の所有者を決めるのです。大丈夫、きっとあなたに見合う最高の品と出会えることでしょう」
オリバンダーがそう言うと、ダドリーに杖を差し出し、ダドリーは恐る恐るといった様子でその杖を受け取った。
「振ってみなさい」
ダドリーは言われるままに杖を振ると、眩い光も、そよかな風も、倒れる棚も、落ちる沢山の箱も、何もない。何も起きなかったのである。
「こ、これは、どうやら違うようでな。次の物を出さなければ……」
オリバンダーは慌てて杖をダドリーから杖を取り上げると、慌てて次の杖を取りにいく。ダドリーはその場に呆然と立ち尽くし、アミィは心配そうにダドリーを見つめる。
「だ、だ大丈夫よ!きっとダドリーに合う素敵な杖が見つかるわ!」
アミィがそう励ますが、ダドリーは何も言わず悔しそうな顔で立ち尽くすばかりだった。その様を見て、普段にダドリに散々馬鹿にされていたハリーが人生で初めてダドリーを煽った。
「ふーん、それはどうかな。本当にダドリーって魔法使いなのかい?何も起きないってこと、実は魔法使いではないんじゃない?」
「なんだと!俺にだってちゃんとホグワーツから手紙が届いたんだぞ!?」
ダドリーは怒りに身を任せて、ハリーに怒鳴る。ハリーはその迫力に一瞬怯んだが、すぐに言葉を返す。
「でも、手紙が間違って届いた可能性もあるじゃないか!……本当に魔法使いなら何か起こるはずじゃないの?」
「……っ!」
ダドリーは何も言い返せない。何故なら杖を振っても何も起きなかったからである。その事実が余計に彼に悔しさを感じさせる。
「さあ、ではこの杖をお試しください」
オリバンダーはそう言って杖を手渡す。ダドリーはすぐに杖をブンブンと振り回すが、何も起きない。その後も幾つもの杖を渡され、試していくが、魔法や奇跡、或いは物が散乱したりと言った歳なんですら起きることはなかった。
「ううむ、こんなことがあるなんて……スネイプさん、本当に彼は魔法使いなんですよね?何かの間違い、という可能性はありませんかな?」
オリバンダーが困り顔でスネイプに尋ねると、彼は眉間に皺を寄せながらも懐から手紙を取り出し、それを彼に見せ付けた。
「これが、ホグワーツ校長……アルバス・ダンブルドアが直々にサインした入学許可書です。間違いなはずがありません」
スネイプがそう念を押すと、オリバンダーは頭を抱え、悩みに悩んでしまう。ダドリーの杖選びは非常に難航しており、アミィとハリーはその状況に困惑しながらも、静かに見守り続ける。すると突然オリバンダーが何かを思いついたかのように顔を上げた。
「も、もしかしたら、あの杖ならば……」
そう言ってオリバンダーは店の奥にある大きな棚へと向かい、引き出しを漁り始める。そして数分後「これじゃ」と怯えたように言い、ひとつの古い箱を取り出した。
「……うぅむ、気がすすみませんが、この杖をお試しください」
オリバンダーは暗い顔で、おそるおそる箱から杖を取りだし、それをダドリーに差し出す。ダドリーはその杖を受け取ると、すぐさま大きく振った。すると、強い風が吹き、その風は乱雑に物を巻き上げながらも、元あった棚に品物を戻していく。
少し雑さはあるが、確かにこの杖はダドリーを選び、強く強く求めていた。ダドリーの魔力と共鳴したのである。
「こ、これは……なんということだ!……わしは売った杖は全て覚えておる。この杖に使われている不死鳥の尾羽を使って作られた杖が1つある。この世に、もう1本だけじゃ」
オリバンダーは顔を強ばらせながらも、冷静にしっかりとした口調で話し続ける。
「運命とは不思議じゃ……あなたが、ポッターさんの従兄であるあなたが、この杖を持つとは。兄弟羽の杖が、その傷をポッターさんに負わせたのに」
「なんという……」
その言葉にハリーはグッと息を飲み、スネイプは顔を顰める、憎々しげにダドリーの持つ杖を睨み付ける。スネイプの視線を感じて、ダドリーはようやく場の空気がおかしいことに気付き、少しだけ肩を竦める。
「……な、なあ。ハリーに傷をつけた奴ってのは、一体……一体誰なんだよ?!」
ダドリーが少し声を荒らげてオリバンダーに尋ねると、オリバンダーは拳を強く握り、ダドリーを真っ直ぐと見据えて口を動かす。
「そ、その名は……口に出すことは、できん。それほどに、恐ろしい奴なのじゃ。まだ、魔法界はあやつに受けた傷が癒えておらんからのう」
オリバンダーは目を伏せ、そう告げる。
「……先ほど、わしはダドリー坊ちゃんにも言いましたが、我々が杖を選ぶのではありません。杖が持ち主もなる魔法使いを選ぶのです。その理由は定かではない……だが、間違いなくあなたは……ダドリー坊ちゃんは、何か偉大なことを成し遂げるでしょう。ある意味では、名前を言ってはいけないあの人も、偉大なことをした……恐ろしい、だが、偉大なことを成し遂げた。必ずや、ダドリー坊ちゃん。あなたも偉大な魔法使いとなるでしょう」
オリバンダーは力強くそう言い、ダドリーの肩にポンと手を置いた。ダドリーは居心地が悪そうな顔で、オリバンダーの表情や声に僅かに肩を震わせる。
その場に嫌な空気が流れ、スネイプが「会計」を言い出すまで、誰も何も、一言も発することはなかった。
ハグリッドという大男は、ハリーの両親は事故ではなく、名前を言ってはいけない魔法使いに殺されたと話していた。その話から考察すれば、ハリーの両親を殺した魔法使いとダドリーを選んだ杖は兄弟杖ということになるのではないか。アミィはそう思ったが、その考えを口にすることはなぜかできなかった。
ついにアミィが自分を魔法使いであると自覚し、ダドリーが魔法使いとして覚醒しましたね。
3人の杖、いかがでしたか?
今回、ハリーは原作と比べると少し内向的になっていたり、寂しがり屋だったりしてるので、不死鳥の尾羽が使われた例のあの人との兄弟杖はやめました。
生き残ったという事実とアミィに救われたという事実から、セコイアの木を使った杖にしてみました。
アミィは、アミィの優しく穏やかな性格とアミィの持つ特性から2つの杖候補を作り、ギンヨウボダイジュの杖にしてみました。
ダドリーについては、ハリーと対称的な性格として描いているつもりなので、あえて例のあの人との兄弟杖にしてみました。
オリバンダーとスネイプは、まさかマグル生まれの魔法使い、ダドリーが例のあの人との兄弟杖に選ばれたことで、すごく驚いていそうです。
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