雨。それはどこまでも続くこの
「……俺だけ、か」
ぽつりと呟くその少年には小振りな一対の角に細長い尻尾が生えており、一目で彼を《サルカズ》だと判断出来るだろう。二振りの刀を抱え、項垂れる彼は首から提げた幾つもの金属の板に触れる。
彼は傭兵だ。サルカズの傭兵など、テラの大地では珍しくないが少年はその歳で既に小規模とはいえ部隊を率いていた。否、正確には《部隊の長を引き継いでいた》が正しいだろう。
その部隊にはとある掟があった。
彼らは己の存在を唯一示す物として、残骸などから作り出した長方形の金属片に正規軍を真似て己の名前を彫って記し、鎖を以て首から提げた。死した者を、生ける者が行き着くその果てまで連れて行く───それがこの部隊での習わしだった。
一人、また一人と減っていき、それと同じ数、
首から提げた32枚の金属片は戦場で散っていった同胞達の
「……俺は行くよ、皆」
悔やむように、惜しむように金属片を握りしめた少年は立ち上がり、果ての無い荒野を一人彷徨う決心をつけた。
少年の名は《ラセツ》。ただの《ラセツ》だ。それ以上でもそれ以下でも無い。
彼を育てた師匠から貰った名だが、生憎と出身が異なるが為にその意味を少年は知らない。
数ヶ月後。
「ったく……今月25人目だぞ。いい加減してくれ」
ラセツは招かれざる客人の相手をしていた。二振りの、やや小振りな刀を手足の一部であるかのように巧みに操り、襲撃者の攻撃をいなし、的確に斬撃を見舞っていく。
「クソが……! なぜ当たらない!?」
襲撃者はラセツと同じサルカズだ。
この数ヶ月、元々所属していた傭兵部隊のこともあってそれなりに名が広がっていたラセツには賞金が賭けられるまでになっていた。眼前の襲撃者もその賞金目当てで襲ってきたのである。
「はい、終わり」
一瞬の隙を突き、背後に回り込んだラセツは二振りの刀でその男の首を刎ねる。血を勢いよく振りまきながらサルカズの男は倒れ、地に伏した。
「いい加減休みたい……」
連日のように襲撃を受けているが為に疲労が溜まっていたラセツは再び寝床を移すべく、小さな集落を出ることを心に決めた。
行き着く場所まで連れて行く───果たしてそこがどこなのかはラセツにはわからない。明日には、否、下手すれば今日この瞬間死ぬかもしれないこの身でそれを考える程の余裕は無い。それ故、生きるのだ。
「まだ……死にたくは無い」
これは闇夜を生き、絶望に抗わんとした一人の
そして、その仲間達の物語。
プロファイル
コードネーム:ラセツ
性別:男性
戦闘経験:十四年
出身地:カズデル
誕生日:10月15日
種族:サルカズ
身長:172cm
鉱石病感染状況:メディカルチェックの結果、感染者に認定。
能力測定
物理強度:優秀
戦場機動:優秀
生理的耐性:標準
戦術立案:標準
戦闘技術:卓越
アーツ適性:優秀
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