いつもモチベーションに繋がっています!
お待たせして申し訳ありません!もう少し話を膨らませたかったのですが……布石を打つのに止まっちゃいました……
今回は少し短め。
所確幸とRABBIT小隊の戦闘は、呆気なく終わった。
考えてみれば当然だ。所属校が廃校になり今でこそ公園でキャンプをして暮らしているが、RABBIT小隊はSRT。しっかりと訓練を受けていた、特殊部隊。それに比べて所確幸は武器こそ質の良いものが取り揃えてあるものの、訓練を受けておらずその他の装備も貧相で、勝っている要素といえば人数くらい。だが、そのアドバンテージもすぐ覆った。
「ぐあぁっ!?」
「で、でたらめな強さだ……逃げろ!」
実力差があると見るや否や、さっさと逃げ出す所確幸のメンバーたち。
「み、みなさん!どこに行くのですか?まだ敵は……」
「そもそも何もしたくないのに、戦闘なんかできるわけないだろ!?」
「もう帰る、こんな生活懲り懲りだ!」
デカルトが引き留めようとするものの、指示に従うのが不服だったものたちやそもそもこの生活に不満を感じていたものたちが怒り、さっさと逃げていってしまった。
「ま、待ちなさい!!」
その間にも、RABBIT小隊は攻撃の手を緩めず、調度品も何もかも、アジトを破壊していった。
「……す、すごいですね……こんなにあっさり……というか、あのロボットのおじさん……信頼全くされてませんでしたね……」
「あ、あはは……」
やっぱりデカルトにだけミズキ辛辣じゃない???
そんなこんなで戦闘が終わったので、ミズキの作ったバリケードから出る。
「ミズキ、ありがとう」
「どういたしまして、です!」
さて、RABBIT小隊の子達の所へ近づいてみれば……何やら、デカルトが騒いでいた。どうやら、所確幸が集めていた物資をミヤコたちが回収しようとしているみたいだ。
「これは全部私のものだ!私の所有物に手を出すな!」
そんなセリフを堂々というデカルト。
「『無所有』の話は一体どこに……」
「この人、なんなんですか……?さっきから少しも一貫性がないんですけど……変な人ですね」
私が思わずツッコミ、ミズキがついに素直に変な人、とか言い出してしまった……
デカルトはそれを無視してさらに怒鳴ろうとするが、それをサキの言葉が遮る。
「でもこの缶詰とか、ほとんど賞味期限切れかけだぞ?お前の部下はもういなくなっちゃったし……食べきれなくないか?」
「うっ」
続いて、畳み掛けるようにミヤコも口を開いた。
「最初に威嚇射撃をしてきたのはそちらです。その分の損失として、全部ではないにせよ頂けないでしょうか」
「くうっ……」
サキとミヤコの言葉に、苦しそうに言おうとしていた言葉を濁すが、そのうち怒りが沸々と湧いてきたのか肩をいからせて、眉を吊り上げた。
「穀潰し!社会の膿!そんなに欲しいならどうして真っ当に働かない!?」
「うわっ」
……素直にミズキがドン引きしてる。私も思ったけどさ……デカルトに見えてないからこその、隠さない反応なんだろうけど。
「そんなに強ければ、廃棄弁当なんか当てにしなくても生活できるだろう!傭兵にでも何にでもなれるじゃないか!」
「私たちは傭兵ではなく、SRTですから」
デカルトの怒りに、冷静に答えるミヤコ。だがそれは、さらにデカルトに油を注ぐことになった。
「知るか!とにかく真っ当な所属があるなら、弁当くらい譲ったらどうなんだ!!生存をかけて戦ってるところに、最先端の武器やら正義の理屈やらを持ち込んで……あなたたちの言っていることは全て詭弁だ!」
え、えぇ……?
「詭弁だらけなのはお前の方だろ!?『無所有』だの『求道者』だの言ってくるくせに、行動は欲望に忠実だし……求道者なら求道者らしく、もやし弁当でも食ってろ!」
うん、そうなんだよね……デカルトの言っていることとやっていることはかなり矛盾している。
「あの、先生……早く帰りませんか?」
「ちょ、ちょっとだけ待ってミズキ……ちょっとだけ……」
ああ、ミズキの目が胡乱に……ジト目を通り越してる……フウカみたいになってるよ……
「みんな、その辺で……今回は私も悪いし、必要なシートとかは私が買うから、ここにある物は持っていかないであげて」
「……もう一度言いますが、先生の助けは不要です。先生が何を言おうと、私たちが考えを変えることはありません」
「疲れた……もう食欲すらほぼ無い。帰ってもやし弁当でも食べて寝よう……」
「わ、私も……」
「……では」
そうしてRABBIT小隊の子達は、私の言葉を否定してさっさと帰投していった……
「やはり『所有』は人の目を見えなくし、心を凶悪に……」
かこーん!
「あいたっ!?」
何か喋っていたデカルトの頭に、空き缶が命中する。ミズキがポルターガイストで投げつけたみたいだ……そして、その数は一つではなく、たくさんの空き缶が連続でデカルトを襲っていた。
「あの、ミズキさん?」
「あんな変な人、同じ空間にいたくありません!さっさと帰りましょう!あんな人のせいで先生と一緒にいる時間が減ったかと思うと、損した気分です!」
ミズキにぐいぐいと背中を押され、廃墟の出口へと向かわされる。
「あ、あはは……じゃ、じゃあデカルト……頑張ってね」
「いた、イタタタ!?な、なぜ空き缶がこんなに飛んでくるんですかー!?先生、助けてください!先生、先生!?先生ーーーー!?!?」
こうして私たちは、この奇妙な事件を乗り越えたのだった。
先生が攫われて一悶着あった事件から数日後。わたしは一人でシャーレでお留守番をしていました。
あれから先生はRABBIT小隊の子達とは無事に仲良くなれたそうで、一安心。RABBIT小隊自体の仲も、最初は不和が多かったらしかったですが、みんなが協力できるチームへと成長したそうです。
そして、今わたしはテレビを見ていました。
『私は今、カイザーグループとの癒着問題が噂になっているヴァルキューレ警察学校、その本館の前に来ています!』
テレビで流れているのは、クロノス報道部によるニュース。
『とある匿名希望の方からの情報によりますと……どうやら公安局の生徒たちがカイザーグループから金品を受け取り、そのために権力を行使したのだとか!』
これ、大人のわたしが怒りそうですね……大人のわたし、元連邦生徒会長だって言ってましたし……いやでも、大人のわたしなら笑って流しそうな気も……?
『市民を保護し正義を守るべきヴァルキューレが私企業と手を取っていたというのは、かなり衝撃的な情報です!』
『それに加えて先日、どうやら謎の集団がヴァルキューレ警察学校に侵入。施設の一部を破壊したとの情報も入ってきています』
あ、これは知ってます。先生がRABBIT小隊の子達と力を合わせて、不正資料を取ってきたと言っていたやつですね。
『ヴァルキューレの権威が揺らぐ事件が、立て続けに発生しています!』
このリポーターさん、あんなにニコニコしちゃって、何が楽しいんでしょう?スクープになるならそれは嬉しいでしょうけど……自業自得とはいえ人の不幸で笑っていると考えると、複雑です。
『果たして真相はどうなのでしょうか!?』
『これらの件についてかいめいするため、私たちは……!』
リポーターさんがそう騒いでいると、建物の中から金髪のケモミミ生徒さんが出てきました。
公安局長、と呼ばれた金髪のケモミミ生徒さんが詰め寄られているのを尻目に、わたしはふよふよと浮きながら大変だなぁと考えます。正直、他人事ですし……
はやく先生帰ってこないでしょうか……暇です……
……そういえば、ここでもカイザーって単語を聞きましたね……先生、いっつもカイザーと敵対してませんか?そのうち直接襲撃されたりしません??大丈夫???
さらっと「一緒にいる時間が〜」とか言っちゃうミズキちゃん。
卑しさは少なめですね、卑しさは。
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