メリークルシミマス(体調不良)を経験している作者ですが、ミズキと先生はいつも通り幸せです。読者の皆さんも幸せな波動をぜひ感じてください。
途中で先生のセリフが何やらおかしなことになってますが仕様です。
「あのう……先生……」
夜。シャーレの仕事を終わらせご飯を食べシャワーを浴びて寝る準備を済ませた私は、寝室に来ていた。
「ど、どうでしょう……?」
目の前には、可愛らしい赤い洋服に身を包んだ、透き通るような存在感のある儚げな白い少女……ミズキが、ベッドに座っていた。
「わ、わたしがプレゼント……な、なんちゃって……」
その可愛らしいサンタクロースのような赤い衣服で、そんなことをいいながら恥ずかしがるミズキ。私はそのミズキから、目が離せなかった。
12月24日。
それはクリスマスイブと言われる、聖なる日の前日。
本当のクリスマスである12月25日よりも、なぜか特別感の強い日。
きっとサンタさんがプレゼントを配ったりするのが24〜25の間の夜だったりするからだろう。
しかし、シャーレにそんなことは関係ない。
今日も今日とて仕事である。
「先生、これはどこのですか?」
「左端の書類の山だね」
「わかりました!」
手伝ってくれているのはいつも通りミズキだ。
最近はクリスマスに向けて色々なイベントがあったから、仕事が溜まりに溜まっている。
クリスマスを超えればあとは年末。
最後の大詰めまでに、今溜まっている仕事くらいは片付けなくてはいけない……!
カリカリ、カリカリと私はペンを書類に走らせる。
視界の端ではミズキが書類と空中でダンス。
何本ものペンと何十枚もの書類、そしていくつかのハンコが高速で動き書類を私の数倍の速度で片付けていく。
ちゃんと私が見なければならない書類は仕分けてくれるから、とてもありがたい……!
「先生、これの確認もお願いします!」
「うん、わかった」
また数枚書類が積まれる代わりに、私の側の書類の山が浮かび上がっていく。
もう書類仕事はミズキなしじゃ無理かもしれない……それほどの効率だった。
「お、終わった……」
「終わりましたね!」
数時間後、そこには書類の山を全て片付けてぐったりとする私と、ニコニコと元気そうなミズキがいた。
幽霊に疲れるという概念は……あるようだけど、少なくとも書類仕事程度では疲れないらしい。
羨ましいなぁ……
「それにしても、夜ご飯どうしようかな……」
私は空腹を訴える胃袋の存在に気がつき、そうぼやく。
忙しくて買いに行くのを忘れてしまったし、今はクリスマスイブの夜。
正直、もう何も残ってはいないだろう……
コンビニなら何かあるかな、そんなことを考えていると、ミズキが何やら鍋のようなものを運んできた。
「ふふふ、先生!」
「ん?ミズキ、どうしたの?」
「実はですね……夜ご飯、用意してあるんです!」
「えっ、あるの!?」
ミズキが料理ができるのは一応知っている。
あまりに忙しい時には作ってくれることもある。
クッキーだって一緒に作ったこともあるからね。
けれどそういう時には仕事から離れて作りに行くから、今日のように仕事に最後まで付き合ってくれた日なんかは弁当やおにぎり、サンドイッチなんかを買ってくるのが常だった。
「ふふふ……実はフウカさんに教えてもらったんです!」
「フウカに?」
「はい!本当は作りに来たかったそうですけど……なにか、絶対に用事ができる、とかで……」
「ああ……」
クリスマスという大きな行事であれば、美食研究会が黙っていないよな、と思う私。
今頃はトラブルに巻き込まれてるのかな……?
何にもないといいけどね……
「……それで?ミズキは何を作ったの?」
「はい!ビーフシチューです!」
そういいながらミズキが鍋をひらけば、そこにはあったかそうなシチューがあり、美味しそうな匂いがあたりに漂う。
「おお、いいね」
「えへへ、結構頑張りました!」
えっへん、と自慢げに胸を張るミズキ。そんなことをすればいつもの透けているワンピースに身体が密着し、その黒い下着がいつもよりはっきりと見えることになるのだが……
……
…………眼福ってことで。
「お疲れ様、ミズキ。ご飯にしようか」
私は労いの思いを込めてミズキの頭を撫でる。
「はい!えへへ〜♪」
かわいい……
「うん、美味しいね」
「よかったです!」
ミズキの作ってくれたビーフシチューを食べる私。
ミズキは隣でニコニコだ。ミズキもご飯を食べれればいいんだけど、食物は接種はできても味を感じないらしく無理らしい。
ミズキも色々と成長しているようで、最初に会った頃は全てに触れられず通り抜けてたのに、今は無機物や私なら触れられるようになってるからね。
いつかはポルターガイストに頼らず生き物に触れられるようになったり、ご飯が食べられるようになってほしいな。
ビーフシチューの方はというと、とても美味しい。
しっかりと各具材の味が出ていて、シチューの味もそれらを殺さず絶妙に調和しており、とても美味しい。
お肉はほろほろで、口に入れた瞬間トロける柔らかさ。
ジャガイモはゴロッと入っていてホクホク、味が染み込んでいて最高だ。
ニンジンや玉ねぎもしっかりと甘みがあり、もっと食べたくなる美味しさ。
気がつけば食は進み、お腹いっぱいになっていた。
「ふぅ……ご馳走様。美味しくてついついお腹いっぱいになるまで食べちゃった」
「えへへ、頑張った甲斐がありました!」
流石に1人で鍋は無理だったけど……
そういえばまだ結構ビーフシチュー残ってるけど、どうするんだろう?
「よいしょっと」
その答えはすぐに出た。
ミズキが鍋に触れると、跡形もなく消失する鍋とビーフシチュー。
まるで元から何もなかったかのように、消えてしまったのだ。
「え、鍋とビーフシチューどこに行ったの?」
「あ、えーっと……」
私がつい疑問を口に出してしまうと、ミズキは困ったように言葉を濁す。
「せ、説明が難しいんですけど……簡単にいうと、食べちゃいました!」
「鍋を!?」
「あ、あはは……しまった、の方が正しいかもですけど……」
その後ミズキに説明を受けた。どうやら、ミズキは物を分解して保存することができるらしい。
なので、鍋とビーフシチューを分解してどこかに保管したんだとか……それでいいの?
「と、とにかく!大丈夫なので!」
「まぁ、ミズキがそういうなら……」
本人が問題ないなら問題ないんだろうし、気にしないようにしようかな。
「……あ、こんな時間」
ミズキがパッと気がついたようにつぶやく。
そう言われて時計を見れば時間は23:00。
こんな時間に満腹まで食べたのは背徳感がすごい……
「先生、シャワー入ってきてください!」
「うん、わかったよ」
こうして私は冒頭の流れへと戻る。
……先生がシャワーへと行きました。
それを見計らい、わたしの身体を包んでいる服がパッと弾け、代わりに赤い服を身に纏いました……大人のわたし、本当にやるんですか……?
このとき私は、先日……夢の中であった出来事を思い出していました。
『ミズキ、此の儘では不味いですよ』
「……えっと?」
ビシッ!という音のしそうな勢いでわたしを指さす大人のわたし。
『クリスマスです、クリスマス』
「……それがなんですか……?確かにもうすぐクリスマスですけど……」
『クリスマス、其れは恋人たちにとって最大のイベントです。デート、告白、そして性夜。此処で動かずしては先生の恋人を名乗る事等出来ません』
「うっ……そ、そうなんですか……?」
正直何を言っているのか分かりませんが……動かなきゃダメなことだけはわかりました。
「……それで、一体何をすれば……」
『私が貴女を着替えさせますので、その状態で先生に迫りなさい』
「……はぇ?」
そんなわけで、わたしは大人のわたしによってサンタさん風の服装に変えられていました。
服はダブルボタンのミニスカートになっているワンピース。スカートには白いフリルが付いていて、可愛らしいデザインです。
リボンの装飾が腰についていて、首元には白いマフラー。腕には真っ赤なフィンガーレスグローブを身につけます。
下半身は黒タイツと白いふわふわのついた赤いブーツ。とってもおしゃれな感じがします。
そして頭には小さなサンタさんの帽子。
……ハロウィンの時のような、えっちな服装じゃなくて良かったです……
でも、ここから……その、迫らなきゃいけないなんて……うぅ……///
は、恥ずかしすぎます……///
と、というよりも……どうやって迫ればいいんでしょう……そういうのはわたし、全く知らないんですけれど……と、とりあえずベッドに座って……
ガチャリ
「あっ」
「あれっ、ミズキっ──!?」
シャワーを済ませて寝室にやってきた先生が、私を見て固まってしまいました……
え、ええと……!どうすれば……!?
「あのう……先生……ど、どうでしょう……?」
は、恥ずかしいですけど……!もうこのまま……!
「わ、わたしがプレゼント……な、なんちゃって……」
……何言ってるんですかわたし!?
い、いえそうじゃなくて!
いややっぱりそうなんですけど!けど!!
はわ、はわわ……!?
「……うん、可愛いよミズキ。すっごい可愛い」
そう言って先生は、慌てる私を落ち着かせるように、頭を撫でてくれました。
「は、はぇっ!?」
「残念ながら……ミズキがプレゼントなのは……受け取れないけど……!でも、サンタのミズキを見れるのは私だけだよね?」
「えっと、そ、そうですね……?」
「ってことは、ミズキは私だけにその姿を見せてくれてるんだ。つまり、私だけへの贈り物になってる。だから、安心していいよ」
な、なんだか先生の言ってることがよくわからないんですけど……?
でも、喜んでもらえてるみたいですし……!可愛いって言ってもらえましたし……!嬉しいです!
「えへへ……///」
「ウグゥ…………そ、そろそろ寝ようか」
「あ、はい……そうですね!」
先生がベッドに横たわり、わたしは先生の腕にすっぽりとハマるように位置どりをします。
「……そういえば、今年こそはサンタさん来てくれるでしょうか」
「うん?」
わたしはふとした疑問をつい口に出しました。
「いままでは、来てくれませんでしたから」
「……ふふ、大丈夫だよミズキ」
「?」
わたしを元気づけるように、頭を撫でながらそう言う先生。
先生はしばらくわたしの頭を撫でたあと、ゆっくり口を開きました。
「ミズキがいい子にしてたのは、たとえサンタさんに見えなくても私が見てたから。サンタさんにもきっと伝わってるはずだよ?」
「……ふふ、なら先生がわたしのサンタさん、ですね」
「かもしれないね。さ、寝ようか……電気を消して?」
「はい……ふふ、おやすみなさい、先生。メリークリスマス、です」
「うん、メリークリスマス。おやすみ、ミズキ」
その日は何故だかすぐ眠くなってしまって……気がつけば、朝でした。
朝。枕元には、一つの小さなプレゼントボックスが置いてありました。
小さな小さなプレゼント。
でも、わたしにとってそれは今でも宝物です。
ミズキが何をもらったか。
それは……本人のみぞ知ります。
先生はミズキの可愛さに悶えながら手を出すのを『大人の責任』で全力で耐えてる状態です。
はよ堕ちろ
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