シャーレの夜に出る幽霊ちゃんとの生活   作:めろんムーン

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 メインストーリーの読み込みが甘いので、しっかり話を練れるようになるまでの繋ぎです


生徒さん達です!いち!

 

 

 

 アリスとリオの一件から数日。私はシャーレでミズキと話していた。

 

「……ごめん、ミズキ……まさかこんなに人が来るなんて……」

 

「いえ……幽霊は物珍しいでしょうし……わたしもたくさんの生徒さん達と会えて楽しかったです……」

 

「……疲れてるならちゃんと疲れたって言わないと……というか、幽霊にも疲れるとかあるんだね……」

 

「こう、精神的に……」

 

 私はぐったりし、ミズキも少し疲れている。

 

 原因は、連日ミズキに会えないかと夜中にやってくる大勢の生徒たち。見にきてくれるのも、夜中に来るのも別に問題はないのだが……みんな、なかなか元気いっぱいで私たちは体力を多く使ってしまっていたのだった。

 

 

 

 

 

 数日ほど前、私がシャーレにミズキがいると公表してからのこと。

 

「うへ〜、本当に幽霊なんているのかな〜?」

「ん、幽霊を見にきた」

「本当に幽霊さんはいるんでしょうか〜♧」

 

 最初の日にやってきたのは、ホシノとシロコ、そしてノノミだった。

 ホシノはなぜか少し剣呑な雰囲気を纏い、シロコとノノミは単純に興味本位でワクワクとした雰囲気を漂わせていた。

 

「いらっしゃい、ホシノ、シロコ、ノノミ。ミズキ、生徒たちが来たよ」

 

「は、はい!」

 

 ふわりと浮かんで天井近くから降りてきたミズキ。

 

「前に話した、アビドス高校の廃校対策委員会の子達だよ」

 

「ん、いるの?」

「うーん、見えないですね……」

 

「……」

 

 ホシノ、シロコ、ノノミが私の視線の先にいるミズキの方ををじっと見つめるが、何も見えていないようだ。

 

「対策委員会の皆さんですね!でも、わたしのことは見えてないみたいです……」

 

 すこししょんぼりとするミズキ。

 

「うーん、やっぱりみんなには見えないか……どうしよう」

 

「なにか物を被せたりしたら形が出たりとかはしないんですか?」

「ん、覆面……」

 

 ノノミがそう提案し、シロコがバッグの中から覆面水着団の覆面を取り出したが……

 

「どう?ミズキ」

 

「ごめんなさい、そういうのは見た目を変えるのに含まれるみたいで……」

 

「ダメかぁ……うーん」

 

 

 

 そこまでのやり取りをじっと見ていたホシノが、やっと口を開いた。

 

「うへ、先生の話ならモノを操ったりはできるんだよね?ペンと紙があれば会話はできると思うな〜……本当に幽霊ちゃんがいればだけど」

 

 全く信じていない様子のホシノ。

 

「そうですね!先生が筆談していた時に使っていたスケッチブックがあったはずです!」

 

 ホシノの言い方がトゲトゲしかったので思い注意しようかと思ったが、ミズキ本人は気にしていないようなのでその言葉をぐっと飲み込んだ。

 

 

 

「ありました!」

 

 ふよふよとスケッチブックとペンを浮かせてこちらに引き寄せるミズキ。

 

「ん!本当に物が浮いてる!」

 

「わぁ〜!本当に幽霊さんがいたんですね!」

 

「……!うへー、本当にいたんだ……」

 

 そこで、初めて幽霊が居ることに確信を持った様子の3人。

 

「し、信じてくれてなかったの!?一体何と思われてたの!?」

 

「ん、先生の妄想か幻覚」

 

「冗談の1種かな〜と思ってました⭐︎」

 

「……おじさん、初めてそういうの見たなー。最初っから信じてなかったからさ」

 

「ひ、ひどい!」

 

 け、結構傷ついたよ……!?

 

『これで大丈夫ですか?』

 

「ん、大丈夫」

「大丈夫です!」

「うん、大丈夫だよ〜」

 

『よかったです!これでみなさんと話せます!』

 

 

 

「……ねえ幽霊ちゃん。居るかいないかは半信半疑だったからまだ良かったけど、おじさん一つだけ確認しなきゃいけないことがあるんだよね」

 

 今までののほほんとした雰囲気を消し、剣呑な気配を前回にしてスッと目を細めてスケッチボードをもつミズキの方を見据えるホシノ。

 

 言われた側のミズキは驚いたのかビクリと肩を振るわせ、恐る恐る聞き返した。

 

『か、確認しなきゃいけないこと……?』

 

「……?」

「ホシノ先輩……?」

「ホシノ……?」

 

 シロコとノノミも急に雰囲気の変わったホシノに戸惑いを隠せず、私もホシノが何をしたいのか分からず様子を伺うことしかできない。

 

「幽霊って、いい幽霊もいれば当然悪い幽霊もいるよね……?幽霊ちゃん……いや、ミズキちゃんだったかな。君は、悪霊のほうかな?」

 

「……!」

「ホシノ先輩……!」

 

「ホシノ、それは……」

 

「先生は少し喋らないでほしいな〜?今は、私と幽霊ちゃんが話してるからさ」

 

「……っ」

 

 真面目な雰囲気のホシノに気圧されて、黙ってしまった私。

 

「悪霊だった場合、私は先生を守るためにミズキちゃんをなんとかして消さなきゃいけない。本音で答えてね」

 

 スッと懐から出したのは、パックに入った細かい白い粉。パックの表面には『塩』と書かれていた。

 

「!?」

 

 ミズキがとんでもなく驚いて、ペンを取り落としそうになるのが見えた。

 しかしすぐさま気を取り直して、必死にスケッチブックにペンを走らせていく。

 

『疑う気持ちはわかります。ですが、わたしは先生のことを害したりはしません』

 

「……本当に?」

 

『むしろ、先生が健康になるようお仕事を手伝って早めに寝かせたりしています!』

 

 フンス!という擬音が聞こえてきそうなほど胸を張り、ホシノにスケッチブックを突きつけるミズキ。

 

 それを読んだホシノは、少し考えた後に塩と書かれたパックをしまい直した。

 

「うへ、ごめんね。おじさんどうしてもそこだけ確認しておきたくてさ〜、虐めたみたいだったよね」

 

『いえ、もしわたしもホシノさんの立場なら確認したかも知れないですし……当然のことです!』

 

 なんとか一件落着したようだ。

 

「ん、ホシノ先輩、そういうことやるなら私たちにも教えて欲しかった」

 

「そうですよ、ホシノ先輩!急にびっくりしたじゃないですか!」

 

「うへ、ごめんごめん、今度からはちゃんと伝えるよ〜」

 

 シロコとノノミがホシノに詰め寄り、ホシノがへにゃっと笑う。

 

「ホシノ、私も一言欲しかったな」

 

「ごめんね、先生。でも、先生はもし悪霊でも絶対悪霊だって言わないだろうし?」

 

「それは……」

 

 ひ、否定できない……

 

「まぁ、先生が私たちに紹介する時点でいい子なことは予想してたんだけどね〜。警戒するに越したことはないよ。少し話してみて、悪い子じゃない感覚もしたし……まぁ確認って感じだったかな」

 

『あ、あはは……お塩はちょっと怖いので、やめてもらえると……』

 

「うん、もう持ってこないよ〜」

 

『よ、よかったです!』

 

 ホシノの返答に胸を撫で下ろすミズキ。

 

『ところで、みなさんに聞きたいんですけど』

 

「ん……どうしたの?」

「どうしました?」

「うへ?」

「なにかな、ミズキ」

 

 

 

『ホシノさんの後ろにいる、緑と水色の混ざったような髪色をした胸の大きい生徒さんは誰ですか?』

 

 

 

「……えっ?」

 

 信じられないという顔でポツリと反応したのは、ホシノだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミズキが説明してくれた話をまとめると、浅水緑色の髪をした胸の大きい生徒が、ホシノの後ろに憑いているのだという。

 

「ん、ホシノ先輩……その人はだれ?」

 

「ホシノ先輩、その人って……」

 

「……もしかして、ユメ先輩?」

 

『頷いてます!』

 

「……ユメ先輩の幽霊が、私に憑いてたの……?」

 

『私が代わりにお話して、伝えましょうか?』

 

 そうして始まったのは、ユメ先輩なる人とホシノのコミュニケーション。私とシロコ、ノノミはホシノたちの邪魔にならないよう少し離れた。

 

「ノノミ、ユメ先輩って誰?」

 

「ユメ先輩というのは、ホシノ先輩が1年生の頃のアビドスの生徒会長だった人です……色々あって故人になってしまったと聞いていたのですが……」

 

「……ホシノに憑いていた、と……」

 

 向こうでは、ホシノがミズキと、おそらくいるのであろうユメに話しているようだった。

 

 

 

「……ホシノ先輩は、ユメ先輩を失ったことで追い詰められていたようでした。1人で背負い込む性格になったのも、多分そのせい……」

 

「……」

「……」

 

「ですが、そのユメ先輩がホシノ先輩と一緒にいてくれるとわかったなら……もう、1人で背負い込むなんてこともないはずです!」

 

「ん、ちゃんとみんなに頼るよう後で話さなきゃ」

 

「ですね!」

 

 ……私も、ホシノと面談でもした方がいいかも知れない。でも、それは今じゃないかな。

 

 

 

 数十分後。

 

「────うん、もう大丈夫」

 

 ホシノがそう言って私たちを呼び戻した。

 

「ユメ先輩ともっと話していたいけど、仲介してもらってるミズキちゃんにも悪いし……なにより、もう遅いからね」

 

 ミズキが出てくるのは日が沈んでから、日が上るまで。つまり、最初から夜だったのだ。

 

 そこからさらにホシノ達を呼んで話していたことで、時刻は22時を過ぎてしまっていた。

 

「……ねえ、ミズキちゃん。また今度、ユメ先輩と話に来ていいかな」

 

『もちろんです!ユメさんからも今お願いされましたし!』

 

 

 

「……うん、よかった」

 

 にこりと微笑んだホシノ。その目尻から、一筋の液体がこぼれ落ちる。

 

「ん……」

「あ……」

「ホシノ……」

『ホシノさん!?』

 

 そう言われて気がついたのか、誤魔化すようにホシノはわざとらしいあくびをした。

 

「ふぁ〜〜あ。最近寝不足だから眠いよ〜……もう遅いし、シロコちゃん、ノノミちゃん、帰ろう?」

 

「……ん、わかった」

「そうですね!では、先生!ミズキちゃん!また!」

 

「うん、またね、みんな」

『またお会いしましょう!』

 

 その後、セリカやアヤネも別の日にやってきて交流し、アビドスの面々との面識がミズキにも生まれたのだった。

 

 

 

 

 

「まさかわたしの他にも幽霊さんがいるなんて思ってもいませんでした……」

 

「だね。またホシノとユメには協力してあげてね?」

 

「はい、大丈夫です!ユメさんは明るい方で、とっても面白い人なので!」

 

「あはは、私も見てみたかったな」

 

「明るいといえば、ゲーム開発部の人たちも面白い人たちでした」

 

「そうだね、あの子達は特に元気いっぱいだったから……」

 

 そうして、私とミズキは一波乱あったゲーム開発部との出会いを思い出すのだった。

 

 

 




 気がついたらホシノのストーリーみたいになってました。
 これが、キヴォトス最高の神秘……!!(戦慄)

「こーひょーかー!かんそー!くださーい!です!」
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