仮面ライダーガヴ&ひろがるスカイ!プリキュア   作:仮面大佐

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第32話 明かされる思い

 黒闇とウラッカが、ニエルブと話をしている中、シン達は虹ヶ丘邸で回復魔法で傷の手当てをしていていた。

 

「ありがとうございます。回復魔法を使ってくれて」

「いや、あいつらを止めないといけないからな」

「でも…………ソウマ君とはソラちゃんは…………」

 

 ツバサがシンにお礼を言う中、シンはそう言う。

 すると、ましろは不安げにそう言う。

 ソラは部屋に閉じ籠り、ソウマで庭で空を見上げていたのだ。

 

「…………2人の事は任せて」

「大丈夫なの?」

「ああ」

「…………お願い」

 

 カケルはそんな風に言う。

 それを聞いたあげは達はそう言うと、カケルに2人の事を任せる。

 

「それじゃあ、俺たちは作戦会議だな」

「ですね。策も何も無しに向かうのはダメですからね」

 

 シンがそう言うと、ツバサも同意する。

 そこから、作戦会議を行なっていく。

 そんな中、ソウマは。

 

「………………」

 

 無言で空を見つめていた。

 ゴチゾウ達がソウマを心配しているのか、ソウマに寄り添っていた。

 そんな中、ソウマは。

 

お姉さん(シータ)を殺した癖に?

『っ⁉︎』

『今更そんなことを気にすんの〜?君も身勝手だね〜!』

 

 ソウマはウラッカに言われたことを思い出していた。

 すると、ソウマは俯く。

 

『俺が弱かったから…………母さんがまた…………!』

 

 ソウマは自分を責めていた。

 弱かったが故に、母のみちるをウラッカに悪用されてしまったのだと。

 そんな風に考えていると。

 

「ソウマ」

「カケル……………」

 

 そこに、カケルがやってくる。

 カケルが来た事に気づくと。

 

「……………ごめん。母さんがマルガムにされたのに、何も出来なくて…………迷惑をかけて……………」

「いいって。無理もないから。皆、心配してるけど、迷惑だなんて、誰も思ってないさ」

 

 ソウマは謝罪する。

 みちるがマルガムにされた際、何もできず、迷惑をかけたことを気にしていた。

 それに対して、カケルはそんな風に答える。

 すると。

 

「……………でも、俺はまた、母さんを助けられなかった……………。母さんを助けたいけど、母さんとは戦えない…………。やっぱり、俺じゃあ何も出来ない…………!」

 

 ソウマはそんな風に言う。

 その言葉には、みちるを助けられない己の無力感が募っていた。

 ソウマが泣いていると、カケルはソウマの隣に座り、口を開く。

 

「……………俺も、取り返しのつかない事をした事がある」

「え……………?」

「俺たちが戦っていた、冥黒王っていう奴らの一人のギギストがケミーだけでマルガムにして苦しめていたんだ……俺はいつも通り助けようとしたけど………ケミーの命も奪ってしまったんだ………そして、ホッパー1とユキも………」

 

 カケルはそんな風に語っていく。

 かつて、冥黒王の1人であるギギストによって、ケミーそのものをマルガムに変貌させられ、そのケミーの命を奪ってしまった事。

 そして、ホッパー1とユキ…………フブユキオンナもマルガムにされてしまい、手にかけてしまった事を語る。

 

「…………そうなんだ」

「ああ。でも、最後は助ける事が出来た。ソウマ。最後まで諦めないで、一緒に助けよう」

 

 ソウマがそう言うと、カケルはそんな風に話しかける。

 すると。

 

「…………俺は、カケルみたいに強くない!俺は弱いんだ…………‼︎」

 

 ソウマはそんな風に叫ぶ。

 カケルへの劣等感が湧いて、そんな風に叫ぶ。

 そんな風に叫ぶと、カケルはソウマの肩を掴む。

 

「いや、ソウマは弱くない!君のお陰で救えた人達は沢山いるんだろ!化け物だって言われても、誰かを助ける為に戦ってきたんだろ!誰かの幸せを守る為に、グラニュートに立ち向かったんだろ!」

「っ!」

 

 カケルはソウマの肩を掴みながら、そんな風に叫ぶ。

 それを聞いたソウマは思い出す。

 何故、自分が戦って来たのかを。

 母が暮らしていたこの世界で沢山の人と出会って、人間から貰ったお菓子でゴチゾウが生まれて、その力で変身して皆を守ってきた。

 母が生きたこの世界を人間を守る為に今まで戦ってきたのだと。

 

「だから、最後まで諦めるな!俺達と一緒に助けよう!」

「……………カケル…………」

 

 ソウマはそんな風にカケルに話しかけられる。

 カケルはそう伝えると、その場から離れて、ソラの元へ向かう。

 ソウマは、カケルを見送った。

 その頃、ソラはというと。

 

「……………」

 

『弱い貴方がましろさんを助けられなかった所為で……!弱かったから!貴方はアンダーグエナジーに頼るしかなかった!その所為で私が生まれて、皆が苦しんでいる!ソラ・ハレワタール!………全ては弱い貴方が悪いんですよ!!

 

 ソラは黒ソラに言われた事を思い出していた。

 それを思い出すと。

 

「…………黒ソラとは、1人で決着をつけます」

 

 ソラはそう呟く。

 たった1人で、黒ソラと決着をつけようとしていたのだ。

 黒ソラを生み出してしまった事から。

 一人で決着をつける為に窓からこっそり出ようとする。

 すると。

 

“コンコン”

 

「うわっ⁉︎」

 

 ドアのノックが聞こえて、驚き転びそうになるが、踏み止まる。

 

「は、はい!」

「入るぞ」

 

 ソラがそう反応すると、カケルが中に入ってくる。

 

「か、カケルさん!どうしたんですか?」

「…………ソラ。1人で黒ソラと決着をつけようとしてるんだろ?」

「えっ⁉︎そ、そんなわけ…………⁉︎」

 

 入ってきたカケルに対して、ソラは要件を聞こうとする。

 すると、カケルに一人で行こうとしたことに気づかれ、誤魔化そうとする。

 だが、カケルの視線を見て、嘘をつけないと判断したのか。

 

「……………はい。黒ソラが生まれたのは、私の弱さのせいなんです」

 

 ソラは、誤魔化すのをやめて、白状する。

 そこから、ソラは語っていく。

 かつて、アンダーグ帝国との最終決戦。

 全ての黒幕であるダークヘッドを追ったのだが、アンダーグエナジーの影響で上手く動けず、ましろを人質に取られ、アンダーグエナジーを取り込む選択をしてしまった。

 その時は、ましろによって元に戻る事が出来たが、結果として、黒ソラの誕生する起因となってしまったのだと。

 

「…………そうだったんだな」

「……………もっと私が強かったら、あんなことにはならなかったんです。黒ソラが闇菓子の虜になったのも、ストマック社の仲間になったのも、全部私の所為だから、私が終わらせます。責任を取らないといけないんです」

 

 カケルはそう言うと、ソラはそう語る。

 黒ソラを生み出してしまった責任感から、1人で抱え込もうとしていた。

 すると。

 

「……………ましろ達には何も言わないのか?」

「私の我儘で、迷惑をかけたくないんです」

「それは迷惑じゃないと思うよ。黙って行ったら心配するだろ?」

「それでも!ましろさんやカケルさん達に何かあったら…………!」

 

 カケルがそう聞くと、ソラはそう答える。

 それに対して、カケルがそう言うと、ソラはそんな風に言う。

 すると。

 

「俺達もソラに何かあったら困るよ」

「え…………?」

「俺もウラッカ達のせいで、大勢の命を奪われて、犠牲になったから気持ちはわかるよ………。でも、最後にはアイツと決着をつけた……だけどそれは俺一人の力じゃない」

「え……?」

「エレナ達やケミーの皆や、家族や友達......一緒に戦ってくれる仲間と支えてくれた人達がいたから、ウラッカに勝つ事ができた」

「………っ!」

「ソラ…………君にも頼りになる仲間と、支えてくれる仲間や、笑い合える友達が沢山いるだろ?」

 

 カケルはそんな風に言う。

 ソラがそう呟くと、カケルはそう語っていく。

 ウラッカによって、様々な犠牲者が出てしまったのだ。

 そして、仮面ライダーエルドに変身したウラッカは、ガッチャード・アルティマスチームホッパーに変身したカケルによって倒された。

 それは、カケル1人で成し遂げたのではなく、仲間の思いやケミー達の力もあって、ウラッカを倒す事が出来たのだと語る。

 カケルがそう聞くと、ソラは思い出した。

 ソラはこの世界に来て、ましろ、あげは、つばさ、エルちゃん、ヨヨ、ソウマ、辛一、スイクス、クリス、陽香、沢山の人達と出会い、時に共に戦い、共に笑い、共に過ごした事を。

 

「…………俺たちやましろ達がいるって事、忘れるなよ」

 

 カケルはそう呟くと、部屋から立ち去る。

 すると。

 

「あっ…………私たちのゴチゾウ…………」

 

 プリキュアゴチゾウ達がやって来て、ソラからミラージュペンを取ると、机に置いてあったヒーロー手帳に向かう。

 ヒーロー手帳を開き、何かを描いてソラに見せる。

 そこには、ソラ、ましろ、つばさ、あげは、える、ソウマ、辛一、スイクス、クリス、陽香の絵が描かれていた。

 そして。

 

『ソラは1人じゃないよ』

 

 プリキュアのゴチゾウはそんな風に書いていた。

 それを見たソラは。

 

「…………ありがとうございます!そうでした。私は1人じゃない!」

 

 ソラの顔に笑顔が戻り、ゴチゾウ達にお礼を伝える。

 そんな中、ソラシド市のある場所では。

 

「…………報酬だ」

「ありがとうございます!」

 

 エージェントは、ヒトプレスを渡したラーゲ9に報酬の闇菓子を渡す。

 ラーゲ9がそう言い、エージェントが去ると。

 

「ふぅ〜…………順調だな」

 

 エージェントから闇菓子を貰ったラーゲ9は、そんな風に呟く。

 すると。

 

「…………やあ、調子はどうだい?ラーゲ9」

「ニエルブ様」

 

 ラーゲ9の元に、ニエルブがやってくる。

 ラーゲ9がそんな風に言うと。

 

「頑張ってるみたいだね。君には、ある仕事を頼みたくてね」

「仕事?」

「ああ。ウラッカ」

 

 ニエルブはラーゲ9にそう話しかける。

 ラーゲ9が首を傾げると、ウラッカが現れる。

 

「君には、これを使ってもらうよ!」

「はぁ…………?」

 

 ウラッカはそう言うと、ラーゲ9にある物を渡す。

 それは……………。

 その頃、カケル達は。

 

「カケル!ソラちゃんとソウマ君は?」

「2人なら大丈夫だ」

「良かった……………」

「それにしても、あいつら、ソウマの母ちゃんをマルガムって奴にしやがって…………!絶対に許さねえ…………!」

 

 カケルが皆の元に戻ると、カケルはそう伝える。

 ましろがほっとする中、辛一はソウマの母親をマルガムにさせたことに苛立っていた。

 そんな中、カケルは拳を握り締めていた。

 

「カケル?」

「大丈夫ゴン?」

「えっ?だ、大丈夫だって」

 

 カケルが拳を握り締めていると、ニジゴンとエレナが心配して声を掛ける。

 カケルははっとして、慌ててそう言う。

 すると。

 

「全然大丈夫じゃないでしょ?」

「えっ?」

「どういう事?」

「そりゃあ、カケルにとっての一番の親友であるホッパー1とスチームライナーがマルガムにされたんだから」

「焦るのも、無理はないと思いますが…………」

 

 ユキはカケルに対して、そう指摘する。

 それを聞いて、ツバサとエルちゃんが首を傾げる中、マリアとトールはそう言う。

 カケルは、ホッパー1とスチームライナーがマルガムにされたから、焦っているのだと。

 すると。

 

「それだけじゃないでしょ」

「えっ?」

「ちょっ…………⁉︎」

 

 キビルはそう言う。

 一同が驚き、エレナとミコが止めようとする。

 すると。

 

「カケル……私達に何か隠していることあるでしょ」

「………っ!」

「図星ね」

「ちょっと、何もここで言わなくても…………!」

 

 キビルはそんな風に聞く。

 カケルが図星の態度を取る中、ミコはそんな風に言って止めようとする。

 それに対して、キビルは無視して口を開く。

 

「あの時のカケル……いつもと様子がおかしかったわよ」

「確かに、様子はおかしかったが…………」

「先ほども言った通り、ホッパー1とスチームライナーがマルガムになってたからではござらんか?」

「そうだろ。ホッパー1とスチームライナーは、カケルにとって、一番の親友のケミーなんだから」

 

 キビルはそんな風に言うと、オーグ、ユリウス、シンはそう言う。

 それを聞いたキビルは。

 

「勿論、それもあるけど……………他にも何かあったんじゃない?」

「…………」

「話してみなさい……最後まで聞いてあげるわ」

「だから………今聞かなくても………」

「今しかないでしょ……」

 

 キビルはカケルに話をするように促す。

 カケルが黙っていると、エレナはそう言うが、キビルはそう言う。

 すると。

 

「ごめんなさい、カケルさん………この世界に来る前からカケルさんの様子がおかしかった事に気づいていましたが………」

「何があったのか聞こうとしようとしたけど、今はそっとしておこうってみんなで決めていたけど……」

「そんな顔されたら、無視できないわよ。アンタ達だって、放っては置けないでしょ」

「それは……………」

 

 クロム、ユキ、キビルはそんな風に言う。

 カケルの様子がおかしい事には気づいていたが、そっとしておく事にしていたのだ。

 指摘されたエレナとミコは気まずくなるが、二人の気持ちも同じであったのか、口を開く。

 

「一体、何があったの?」

「聞かせて」

 

 エレナ達はカケルに何があったのか聞かせて欲しいとお願いする。

 

「…………私たちは、席を外しましょうか」

「そうだね」

「いや、皆も聞いてくれ。話すよ」

 

 あげはとましろがそう言うと、シン達はエレナ達に任せて、自分達は席を外そうとする。

 すると、カケルはそう言う。

 その頃、ソウマとソラは。

 

「ソラちゃん…………」

「ソウマさん…………絶対に、助けましょう」

「うん」

 

 カケル達の元に戻ろうとする中、廊下で鉢合わせる。

 ソウマとソラは覚悟を決めたのか、カケル達の所へ向かう途中、二人は廊下で出会う。

 お互いを心配するが、どちらも覚悟を決めた表情を浮かべる。

 二人はカケル達がいるリビングへ向かうとカケルの声が聞こえる。

 

「実はな……ホッパー101のマルガムになった人…………俺の母さんなんだよ」

『ええっ⁉︎』

「えっ…………⁉︎」

「カケルさんのお母さん…………⁉︎」

 

 カケルがそう言うと、一同は驚愕した声を出す。

 それを聞いたソラとソウマは立ち止まり、扉越しに話を聞く。

 カケルの話は続いていく。

 

「ここに来る前…………新地球で昼寝をしていた時にエックスレックスに頭を齧られて、前世の頃の夢を見たんだ」

「えっ…………⁉︎」

「どういう事?」

「待てよ…………話に追いつけね…………」

 

 カケルはそう言うと、ましろ達は困惑したようにそう言う。

 あまりにも突拍子が無いからだ。

 だが、エレナ達は納得していた。

 

「なるほどな…………」

「そういう事か」

「分かったんですか⁉︎」

「ええ。エックスレックスは食べた人の記憶を閲覧することができるの」

「それで…………前世の頃の夢を見たのね」

 

 イアンとオーグがそう言うと、ツバサはそう反応する。

 ツバサの問いに対して、エレナとクリアはそう言う。

 エックスレックスには、食べた人の記憶を見る事が出来る能力があるのだ。

 

「……………母さんは、とても優しい人だった」

 

 カケルは母親の事を思い出して、とても優しい人だったと伝える。

 そこから、カケルは語っていく。

 

『ねえ、翔。大きくなったら何になりたいの?』

『僕は…………仮面ライダーに変身して、皆んなを救えるヒーローになる!』

『そっか…………!応援するわね!』

『うん!』

 

 一ノ瀬翔が、自分が将来仮面ライダーに変身して皆を救えるヒーローになるって言ったら、応援してくれた。

 そして、ある誕生日。

 

「……………ある日の誕生日、俺の誕生日ケーキを予約したんだけど…………」

 

 カケルは、誕生日の事を思い出して語る。

 前世の小さい頃にカケルの誕生日ケーキを予約したが…………。

 

『えっ⁉︎ケーキが来ないの⁉︎』

『そうみたい…………』

『そんな…………』

 

 小さい翔はそう聞くと、翔のお母さんはそう答える。

 ケーキ屋で火事が起こってしまい、従業員達が死亡して、お店もダメになってしまい、誕生日ケーキを食べられなくなってしまったのだ。

 楽しみだったケーキがなくなって、当時のカケルは落ち込んでいた。

 

『…………待っててね!ケーキを作るから!』

 

 そんな彼を見た母は、材料を買ってきてケーキを作る事に。

 だが。

 

『痛っ⁉︎』

 

 ケーキを初めて作るのか、指を切ってしまったり、中々上手くいかなかった。

 暫くすると、完成したケーキを持って来て机に置く。

 

『お待たせ。ケーキ、出来たわよ』

 

 母がそう言うと、翔はケーキを見る。

 完成したケーキは型崩れしていたり、果物の大きさもバラバラで少しだけ焦げ目がついており、お世辞にも美味しそうとは言えなかった。

 翔が無言でケーキを見ていると。

 

『ごめんね…………別の店でケーキを買ってくるから』

『ううん。これを食べるから』

 

 母は謝って、別の店でケーキを買ってくると言う。

 すると、翔はそのケーキを食べた。

 

『無理しなくて良いわよ…………』

 

 母はそう言って、翔を止めようとする。

 すると。

 

『…………美味しいよ。優しい味するんだ』

『翔…………!』

 

 翔はそんな風に言う。

 お世辞など無しに、そう感じたのだ。

 それを聞いた母はあまりの嬉しさに涙を流してしまい、翔は母に近寄る。

 

『大丈夫?』

『大丈夫よ。ありがとう…………あと、誕生日おめでとう!』

『一緒に食べよう!』

 

 カケルは怪我がした所が痛むのかオロオロしていた。

 すると、母は翔を抱きしめて、お礼とお祝いの言葉を伝える。

 そこから、2人は一緒にケーキを食べた。

 

「……………とまあ、こんな事があったんだ」

 

 カケルはそう言って、話を締めくくる。

 それを聞いた一同は。

 

「お母さん…………カケル君の為に、頑張ってケーキを作ったんだ…………!」

「良い話じゃ無い…………!」

「ええ…………本当にいいお母様です」

「うん…………!」

 

 全員が感動しており、アリス、マリア、リン、シシリー、ましろ、ツバサに至っては涙を流していた。

 一方、それを聞いていたソウマとソラは。

 

(…………俺、気づかなかった。友達とお母さんを苦しめられて、1番辛いのはカケルの筈なのに…………それでも戦おうとしていた。なのに…………俺は……………)

(カケルさんも…………苦しんでいたんですね。なのに…………私は1人で…………)

 

 ソラとソウマは自分を責めていた。

 友達とお母さんを苦しめられて一番辛いのはカケルなのに、戦おうとしているのに、ソウマだけ戦おうとしなかったり、ソラだけ無謀な事をしようとして迷惑を掛けようとした…………そんな自分達を。

 そんな中、あげはは口を開く。

 

「だったら、皆で絶対にカケルのお母さんを助けよう!」

「うん!助けたら、今のカケルさんの話をするのはどうかな?」

「いいわね!せっかく再会したんだから!」

「そうだな。親子水入らずの話をするのもありじゃ無いか」

「ああ!」

 

 あげはがそう言うと、

 ましろは助けたら、そんな風に話をすることを提案する。

 それを聞いた他の人たちがそう言うと。

 

「…………いいよ。話をしなくても」

「何でだよ?せっかく、お前の母ちゃんと再会出来たんだぞ⁉︎」

「話せないよ……母さんとは」

「何で?」

 

 カケルは遠慮気味にそう言う。

 それを聞いた辛一がそう言うと、カケルはそう言う。

 エルちゃんが理由を聞くと、カケルは口を開く。

 

「だって俺はもう………一ノ瀬翔じゃないから」

「あっ…………」

「今の俺はカケル・パラケルス………顔も声も生まれも、何もかも変わっているんだよ………今の俺が言っても気づいてくれないよ」

 

 カケルはそう語ると、クリアはそう呟く。

 そう、今のカケルは、一ノ瀬翔ではなく、カケル=パラケルス。

 その為、気づいてもらえないと語る。

 

「でも…………事情を話せば、絶対に伝わるよ!」

「いいんだよ。それにさ………もし本当の事を言っても、簡単には信じてくれないでしょ?あなた誰ですかって………家族に他人扱いされるのって…………辛いんだよ」

 

 ましろはそんな風に叫ぶが、カケルはそう語る。

 実の家族に他人扱いされるのは、きついのだと。

 それを聞いた一同は何も言えなくなる。

 実際に想像した人も居た。

 実の家族から、他人扱いされた事を。

 すると、カケルは口を開く。

 

「いいんだよ!姿だけでも見れたんだから!それだけで……満足なんだよ……」

 

 カケルはそんな風に言う。

 言葉ではそう言っているが、表情ではかなり無理をしている事が分かった。

 実際、カケルの目からは、涙がこぼれようとしていたのだ。

 エレナ達が口を開こうとすると。

 

「それは違います!」

「それは違うよ!」

 

 すると、ソウマとソラはそう叫んで、リビングに入ってくる。

 

「ソウマ君!ソラちゃん!」

「大丈夫なんですか?」

「ごめん、心配かけて…………」

「盗み聞きしてすいません…………」

 

 ましろとツバサがそう話しかけると、ソウマとソラは、心配かけたことと盗み聞きしていたことを謝罪する。

 そこから、カケルに話しかける。

 

「でも…………カケル。本当は…………お母さんと話したいんだよね?」

「いや……………そんなんじゃ…………」

「会って話そうよ!折角会えたんだよ!二度と会えなくなるかもしれないんだよ!」

 

 ソウマはカケルにそう話しかける。

 カケルが否定しようとすると、ソウマはそう叫ぶ。

 かつて、ストマック家の面々によって、母親であるみちるを奪われた事が影響していた。

 すると。

 

「…………私も一緒に戦って助けます!だから…………お母さんに伝えましょうよ!」

「そうだゴン!我慢しなくて良いゴン!」

 

 ソラがそんな風に言うと、ニジゴンもそう叫ぶ。

 そして、ゴチゾウ達とケミー達も、カケルを説得する。

 

「皆……………」

「カケル………本当はどうしたいの?」

「俺は………」

 

 カケルがそう呟く中、エレナはカケルにそう話しかける。

 それを聞いたカケルの脳内に、ある光景が映る。

 それは、母親と過ごした日々とホッパー1とスチームライナーとの思い出だった。

 それを思い出すと、カケルの目から涙が溢れる。

 

「話し……た……い!母さんといっぱい……!話したい……!ありがとうって………!言いたい……!伝えたいこと全部………言いたい!」

「カケル…………」

「やっと素直になったか」

「カケルさん…………!」

「ホッパー1も!スチームライナーも!母さんも!皆助けたい!だから、皆!俺と一緒に戦ってくれる?」

 

 カケルは涙を流しながら、そう叫ぶ。

 それは、カケルの想いがこもっていた。

 それを見たソウマ、オーグ、ソラがそう言うと、カケルはそう聞く。

 

「当たり前だろ?」

「うん。絶対に助けよう」

「うん」

「もちろん!」

 

 カケルがそう聞くと、一同は了承する。

 それを見ていたオーグは。

 

「……………クリア。もしかして、カケルもお前と同じく…………」

「殿下。その話は置いておきましょう。言いたい事は分かるけど」

「…………そうだな。今は奴らを止めるのが先だな」

 

 それを聞いていたオーグは、クリアにそう聞くと、クリアはそう答える。

 オーグは、意識を切り替える。

 すると、辛一が口を開く。

 

「…………とにかく、今日はもう遅いから、休もうぜ」

「そうね。ウラッカ達も、すぐに動くわけじゃ無いみたいだし」

「賛成だ。体を休めよう」

 

 辛一がそう言うと、あげはとスイクスもそう同意する。

 こうして、ソウマ達とカケル達は休息を取る事に。

 ただ、虹ヶ丘邸では手狭なので、カケル達はホテルに泊まる事になった。

 カケル達がホテルに向かおうとすると。

 

「…………ソウマ」

「うん?」

「……………ありがとうな。お前のおかげで、覚悟を決める事が出来たよ」

「ううん。こっちこそ、ありがとう」

「…………絶対に、取り返すぞ」

「ああ!」

 

 カケルはソウマにそう話しかける。

 2人はそう話して、それぞれで休む事に。

 その翌日。

 

「おはよう」

「おはようございます!」

「おはよう!」

 

 カケル達は、虹ヶ丘邸にすぐに戻った。

 すると。

 

「お前ら!」

「辛一、どうしたの?」

「どうしたもこうしたもねぇ!テレビを見ろ!」

 

 そこに、辛一が駆け寄ってくる。

 ソウマがそう聞くと、辛一はそう叫ぶ。

 虹ヶ丘邸のリビングに向かい、テレビをつけると。

 

『信じられません!信じられない事が起こっています!突如、深夜にタワーの周囲のビルが砕けて、タワーに集まると、この様な黒い塔を形成しています!』

 

 アナウンサーのそんな叫び声が聞こえてきた。

 監視カメラと思われる映像には、タワーが巨大な黒い塔に変わっていく映像が映り、深夜のスカイツリーの周囲のビルが粉々になるとスカイツリーに集まると形状が変わり、巨大な黒い塔に変わるというのは、大騒ぎになっていた。

 

「えっ⁉︎何が起こってるの⁉︎」

「建物が崩れて…………タワーに取り込まれてます…………⁉︎」

「恐らく、錬金術によって、建物を再錬成したんだろうな」

「こんな事をするのは…………!」

「スマホーン!」

 

コーリング!コーリング!

 

 ましろとソラが驚愕の表情を浮かべながらそう言うと、イアンはそう言う。

 それを聞いたカケルがそう言うと、突如、スマホーンがそう叫び、着信音が鳴り響く。

 

「誰から?」

「普通に考えると……………」

 

 ソウマがそう聞くと、シンはそう呟き、カケルに頷く。

 カケルが応答すると、ビデオ通話が起動して、ウラッカが映る。

 

『やっほ〜!皆、元気にしてるかな?』

「やはり貴様か!」

「でも…………どうして連絡出来たんですか?ウラッカとは敵対していたんですよね?」

「恐らく、スマホーンのレプリケミーで連絡してきたんでしょうね」

 

 ウラッカがそう言うと、オーグはそう叫ぶ。

 ツバサがそう聞くと、クリアはそう答える。

 ウラッカは、レプリスマホーンを使って連絡してきたのだ。

 

「これをしたのはお前達か?」

『ピンポ〜ン!大正解!このタワーは、僕たちが貰ったよ!』

 

 シンがそう聞くと、ウラッカはそう答える。

 犯人はウラッカと黒闇であり、錬金術を使って、黒い塔に変えたのだ。

 

『ほら、黒闇君も居るよ!』

 

 ウラッカはそう言うと、レプリスマホーンを持って、黒闇を映す。

 すると、黒闇は食事をしていたが、その量はあまりにも多すぎた。

 

「何あれ…………凄い量だね…………」

「朝から食べすぎですよ!野菜も食べて下さい!」

「いや、そういう問題じゃないだろ!」

 

 あげはが唖然となりながらそう言うと、ソラはそう叫ぶ。

 ソラの少しズレた発言には、シンはそう突っ込む。

 しかし、黒闇は野菜もしっかり食べていた。

 

「野菜も食べてるでござるな……」

「相変わらず、すごい食欲だな」

『僕たちは、この塔の最上階にいるから!待っているよ〜!』

 

 ユリウスがそう言うと、オーグは、黒闇の食欲にそんな風に呟く。

 すると、ウラッカはそう言うと、連絡を切る。

 

「……………皆、まず、朝ごはんを食べよう」

「そうだな。腹が減っては戦はできぬって言うからな」

「そうですね!しっかり備えましょう!」

「ああ」

「ったく…………まあいいか」

 

 それを見て、ソウマ達はそう言う。

 腹拵えをして、ウラッカ達との決着に備える事にした。

 ウラッカ達との決戦は、近づいていた。

 そんな中、湊翔は。

 

「…………まさか、ホッパー101とギガントライナーがマルガムにされるなんてな。しかも、カケルとソウマのお母さんを素体にするとは…………」

 

 ソウマ達とカケル達の様子を見ていたのか、そんな風に呟く。

 その表情は、苛立ちがこもっていた。

 

「本当なら、あいつらをぶん殴りに行きたいけど…………カケル達をソウマ達の世界に送り込んだのでも、かなりグレーゾーンだからな………どうしたもんか…………」

 

 湊翔はそう呟いた。

 実際、湊翔はカケル達とも、ソウマ達とも違う世界の存在である為、これ以上の干渉は厳しいのだ。

 すると。

 

「……………なら、俺が行こう」

「お前は……………⁉︎」

 

 誰かが、湊翔に対して、そんな風に声をかける。

 それを見た湊翔は、驚愕の表情を浮かべる。

 果たして、湊翔の前に現れた人物は…………。




今回はここまでです。
今回は、ソウマ達の方の話です。
ウラッカの悪意によって、心を折られてしまったソウマとソラ。
そんな2人を、カケルは自分の経験をもとに慰める。
そして、ある事実が発覚する。
マルガムにされた2人のうち、1人はカケルの前世でのお母さんだった。
その為、カケルは冷静さを欠いていた。
ソウマとソラの言葉もあり、カケルは決意を固める。
そして、ウラッカ達との決戦が近づく中、桐ヶ谷湊翔/仮面ライダーギーツの前に、謎の人物が現れる。
果たして、その人物とは。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ショウマは、優さんには、真実を話すのはやめたみたいですね。
まあ、到底受け入れられる物ではないですからね。
ボッカ・ジャルダックは強いですね。
ラスボスはどうなるのか。
ランゴ兄さんも居ますしね。
次回は、映画のエピソードに繋がる話みたいですね。
カリエスも登場するみたいですし。
そして、映画限定フォームとして、お菓子の家のゴチゾウを使ったヘクセンハイムというフォームが判明しましたね。
どんな経緯でヘクセンハイムが登場するのか。
タオリンの願いとは…………。
お菓子の家の侵略者で、ひろプリをどう動かすのかは考えていきます。
今年のプリキュアの映画にも、ひろプリが登場するみたいですね。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告から受け付けています。
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