仮面ライダーガヴ&ひろがるスカイ!プリキュア   作:仮面大佐

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2.5シーズン
第50話 幕間 束の間の宴。新たなる旅立ち


 辛一とソウマ達は、酸田とダークプリキュアをみんなとの絆で見事に倒し、和解したことで更に絆が深まった。

 陽香を誘って、どこかに食事に行くつもりが、食べたい物が決まらず、問題が解決したことの報告も兼ねて虹ヶ丘邸で自分達で料理を作って食べることになった。

 

「よ〜し!それじゃあ、買い物行こう〜!」

『お〜!』

 

 あの後、陽香とラキヤ、涼介、スイクスとクリスに連絡を取り、食材を買う事にした。

 後に虹ヶ丘邸で落ち合うことになり、そして今現在は全員で虹ヶ丘邸のリビングに集まっていた。

 リビングに集まっていた理由は、辛一がお礼を言う為だ。

 

「改めて、みんな。本当にありがとな。おかげでやっと前を向くことが出来た」

「良かった…………」

「はい!」

「まあ…………ラキヤと涼介は興味なさそうですけどね」

 

 辛一は今回の騒動に関わったソウマ達に改めて御礼を言う。

 みんなは安心した様で笑顔を浮かべている。

 ツバサはそう言うと、チラリとラキヤと涼介の方を見る。

 ラキヤと涼介は対して興味が無い様で、無表情であった。

 すると、今回の騒動のことをましろ達から聞いていたヨヨさんも、少なからず心配していたのか、口を開く。

 

「辛一さん。今までよく頑張ったわね。これからはここに居る全員があなたの仲間であり。家族の様な物よ。あなたの復讐を止めようとは思わないけど。もし悩むことがあったら遠慮せずに話してちょうだいね?こんな私でも役に立てることがあるかもしれないからね」

 

 ヨヨさんは辛一の手を握りながら目を真っ直ぐに見て語りかける。

 ヨヨさんも辛一の過去を聞き、純粋に役に立ちたいと言ってくれている。

 それを聞いた陽香は。

 

「すっげぇ…………!説得力あるな〜…………!」

「私の自慢のお婆ちゃんだもん!」

「流石だな…………」

 

 陽香はそんな風に言うと、ましろは自慢げにそう言う。

 何十年と生きて子供と孫を育てて来た経験は伊達では無く、その言葉には確かな説得力が感じられた。

 それを聞いた辛一は。

 

「ありがとうございます、ヨヨさん…………」

 

 辛一はそんな風に呟くと、少し涙を浮かべる。

 それを見たヨヨは、辛一に話しかける。

 

「あら、どうしたのかしら?」

「すいません…………俺、母ちゃんが居なくなってからはずっと婆ちゃんと暮らしてたから。ちょっと思い出しちまって………」

「そうだったんだ…………」

 

 ヨヨがそう聞くと、辛一は正直に自分の本音を話す。

 辛一は母親がグラニュートに連れ去られてからは、祖母が亡くなるまで一緒に暮らしていたのだ。

 祖母が亡くなった後は、喧嘩に明け暮れていた。

 そして、喧嘩に明け暮れていた時に、総司に拾われて、ジャーナリストとしての道を歩み出したのだ。

 ヨヨさんのことを見て、亡くなった祖母を思い出してしまっていたのだ。

 それを聞いたヨヨは。

 

「そうだったのね………。じゃあ偶には私を本当のお婆様だと思っていいからね?」

「………ありがとう。………婆ちゃん///」

 

 ヨヨさんは優しく辛一に語りかける。

 それを聞いた辛一は、少し顔を赤くしながらヨヨさんを婆ちゃんと呼んだ。

 すると、やはり恥ずかしさはあるのか、顔を逸らした。

 そんな間もヨヨさんは笑みを絶やさずにいた。

 

「本当…………ヨヨさんって、懐が凄いよね」

「確かに……………」

「私やエルちゃん、ツバサ君も受け入れてくれましたから!」

 

 陽香とソウマがそんな風に呟くと、ソラはそんな風に言う。

 実際、スカイランドから迷い込んだソラにツバサ、エルちゃんや、あげはをこの家に住まわせたというのもあり。

 そんな辛一を他の皆は静かに見守っている中、ラキヤと涼介は最初から興味が無い様でソファーで寛いでいた。

 


 

 辛一の謝罪を終えた後、皆で料理や準備をしていく。

 

「よ〜し!クリスん、その調味料取ってくんない?」

「これですね?」

「ましろん、頑張るじゃん!」

「うん。ソウマ君に、食べさせたいなって思って…………」

「ふっ。こんなのも、悪くないな」

 

 料理が得意な陽香、クリス、あげは、ましろ、スイクスを中心に料理を作っていく。

 一方、他の人たちは。

 

「ねぇ、辛一。これはここで良いのかな?」

「おう!そこで頼むわ!」

「皆でお食事、楽しみですね!」

「うん!」

「…………手伝ってくれないんですね?」

「だるい」

「お前らに任せる」

「お前ら…………少しは手伝え!」

「まあまあ!」

 

 ソウマ、辛一、ソラ、ツバサ、エルちゃんは皿を並べたりして食事の準備をしていた。

 ソラ達がそう話す中、ツバサは未だにソファーでくつろいでいたラキヤと涼介に対して、そんなふうに言う。

 ラキヤと涼介は寛ぎながらそう言うと、辛一はそう突っ込み、ソウマは辛一を抑える。

 しばらくすると、それぞれがリクエストした料理がテーブルに運ばれて来る。

 

「久しぶりのくもパンです!」

「ヤーキターイもあります!」

「美味そう〜!」

「は〜い!ラキヤンと涼介の為に、ちゃんと石もあるから!プリンもね!」

「…………悪くないな」

 

 ソラとツバサがそう言うと、ソウマはそんな風に言う。

 メニューはくもパン、ヤーキターイを始め、ハンバーグ、肉じゃが、唐揚げ、サラダ、ポテチ、プリンなどと多種多様の物が用意されていた。

 更に陽香の配慮で、ラキヤと涼介用の石も用意してあったのだ。

 

「それでは、手を合わせて下さい!いただきま〜す!」

『いただきます!』

 

 ソウマがそんな風に音頭を取ると、皆もそう言い、食事を始める。

 各々が好きな物を食べながら、賑やかに話をしながら過ごしていた。

 

「ほう…………スカイランドは様々な種族がいるのか」

「はい!人と色んな種族が助け合って、生活をしているんです!」

「そうなんですね」

 

 クリスとスイクスは、ツバサからスカイランドのことを聞いていた。

 実際、スカイランドではプニバード族に竜族などの他種族が共存しているのだ。

 

「う〜ま!このくもパン、すっごく美味しいよ!」

「口にあって良かったよ〜。もっと食べてね」

「うん!」

「あらあら………すっかり仲良しね。もう付き合っているの?」

「ふぇぇぇ⁉︎ま、まだだよ⁉︎」

「あははは……………」

 

 ソウマはましろの作ったくもパンを食べており、ソウマがそう言うと、ましろは嬉しそうにそう言う。

 それを見たヨヨは、ソウマと仲良く話しているましろをからかい、それを聞いたましろが顔を赤くして、ソウマは苦笑を浮かべた。

 

「…………お前の弟はそんな感じなのか?」

「はい!私に憧れているのか、ヒーローになろうとしているんです」

 

 ラキヤとソラは、お互いの弟との思い出を語りあう。

 

「ねぇねぇ。あげはって、いちかちゃん達が来た時に、シンチーと一緒に過ごしてたんでしょ?どんな事してたの?」

「そうだね…………。私が仕事の合間を縫って、色々と話を聞いたりしてたかな。他には………」

「やめろって!流石に小っ恥ずかしいから!」

 

 陽香があげはに辛一とどんなことを過ごしたのかを聞いた。

 いちか達が来た時に、あげはは辛一と行動を共にしていたのは、ソウマやソラ達から聞いていたからだ。

 それを聞いたあげはは、嬉々と話していく。

 それを見て、辛一は顔を赤くして止めにかかる。

 

「本当に良い両親なんだな」

「うん!パパとママは、私に愛情を注いでくれたんだ!涼介のお父さんとお母さんも、良い人だよ!」

「……………ありがとうな」

 

 エルちゃんと涼介は、お互いの両親のことを話していた。

 エルちゃんが涼介に笑いかけたりなどと楽しい時間を過ごした。

 


 

 しばらくして、食事は終わった。

 

「美味しかった〜!」

「お粗末さま」

「それで、どうすっかな。帰るか…………」

「今日は皆で泊まったらどう?酸田やダークプリキュアとの戦いで疲れたでしょうから」

「名案です!」

「そうだな。世話になるか」

 

 ソウマがそんな風に言うと、ましろはそう答える。

 辛一がそう言うと、ヨヨはそう提案する。

 酸田やダークプリキュアとの戦いで疲労していると判断したのか。

 そうして、今日は全員で虹ヶ丘邸に泊まることになった。ソラ、ましろ、ツバサ、あげは、エルちゃんは自分の部屋で、陽香はあげはの部屋で一緒に寝る事になり、クリスは客間で寝る事になった。

 残りの男性陣は、リビングで眠ることになった。

 ソラ達がお風呂に入っている中、ソウマはラキヤと涼介に聞く。

 

「そういえば、ラキヤと涼介は今後はどこに住むの?」

「そうだな…………あいつ(酸田)の研究所に住むつもりだ」

「趣味は悪いが、いちいち寝床を探しに行かなくて済むからな」

「そうか」

 

 ソウマがそう聞くと、ラキヤと涼介はそんな風に答える。

 2人は、酸田の研究所に住む事にしたのだ。

 いちいち、新たな寝床を探しに行かずに済むという理由から。

 それを聞いたスイクスは、そんな風に反応する。

 その後、ソウマ達も風呂に入り、ゲームをやったりしながら過ごしていく。

 ゲームに関しては。

 

「また負けちゃった〜!」

「ソウマって、意外とババ抜きとか強いよな」

「そうかな?」

「ソウマ君って、結構強かな所があるよね」

 

 ババ抜きなどのトランプを使ったゲームだった。

 ちなみに、ババ抜きに関して、ソウマはかなり強く、勝っていた。

 しばらくすると。

 

「ふぅ〜…………今日は楽しかったね!」

「ああ。……………その、あげは」

「うん?」

「少し…………話があるんだけど、外でいいか?」

「うん。いいよ」

 

 あげはが体を伸ばしながらそう言うと、辛一はそんな風に切り出す。

 あげはは首を傾げつつも、了承する。

 それを見ていたソウマ達は。

 

「辛一とあげは、こんな時間にどこ行くんだろ?」

「話があると言っていましたが…………」

「何だろう?」

「よし!覗いてみよっか!」

「良いんですか?」

「いいじゃない!気になるし!」

 

 ソウマ達はそんな風に話す。

 辛一とあげはが、何の話をするのかを。

 すると、陽香はそんな風に提案する。

 ツバサは難色を示したが、エルちゃんは乗り気だった。

 結果、ソウマ達もついていく事に。

 しばらく歩いて、虹ヶ丘邸の近くにある展望台にやって来ていた。

 そこで辛一はあげはに向き直ると、あげはは口を開く。

 

「で、シンチー。話って何?」

「まずは…………今回は、色々とありがとな。あげはが居てくれたから、俺は最後まで潰れずにすんだ。もしあげはが居なかったら、俺は自分で命を絶っていたかもしれない。あの時の俺は、それくらい追い詰められてたんだ………」

 

 あげはがそう聞くと、辛一はそう礼を言いつつ、あげはにゆっくりと語っていく。

 自分の母親の死の真相を知ってから、徐々に自分の心が崩れていった。

 そんな中、あげははずっと側で辛一を支え続けてくれたからこそ、自分は最後まで踏み留まれたと。

 もしあげはが居なかったら、辛一は自分自身に押し潰され、命を絶ってもおかしくない状態だった。

 だからこそ、あげはに改めて御礼を言いたかったのだと。

 それを聞いたあげはは。

 

「うん。私も最初は同情からだったのかもしれない。でも、シンチーのことを知れば知るだけ、シンチーに生きてほしい…………支えてあげたいって思う様になってたんだ」

 

 あげははそんな風に語る。

 自分と同じ様に、突然家族との別れを余儀なくされた辛一に同情の気持ちもあったかもしれないが段々と辛一に生きてほしい。

 その為に、自分が支えてあげたいと言う気持ちを持つ様になっていったのだと。

 それを聞いた辛一は。

 

「…………そうか。俺はまだ、母ちゃんの仇を取るのを辞めるつもりは無え。酸田はどうしようも無えクズだったけど、俺に戦う力をくれたのは間違いない。そこだけは感謝してるんだ。だから、この力を正しく使うと決めた。だからこそ、あげは」

 

 辛一はそんな風に言う。

 自分の母親を攫ったグラニュートへの復讐をやめるつもりはなく、これからも人間を攫い続けるグラニュートや、ストマック社と戦い続けるのだと。

 すると、辛一はあげはに右手を差し出す。

 

「これからも、改めてよろしくな」

 

 辛一はあげはの目を見つめ、真剣な顔で話す。

 この力を酸田からもらったのは間違いだったのかもしれないが、この力を正しく使い、みんなを守るために改めてあげはに宣言したのだ。

 それを聞いたあげはは。

 

「あったり前じゃん!これからもよろしくね!」

 

 あげははそう答えながら辛一の手を握り、固く握手をした。

 その様子を見ていたソウマ達は。

 

「なんか………シンチーもあげはといい感じじゃん」

「俺達も頑張ろう。これ以上、ストマック社による悲劇を繰り返さない為にも」

「はい!」

「うん!」

「もちろんです!」

「私も!」

 

 陽香がそんな風に呟く中、ソウマはそんな決意を口にする。

 これ以上、自分、辛一、ラキヤ、涼介、スイクスの様な、ストマック社による悲劇を繰り返させないと。

 それを聞いたソラ達もそう答える。

 すると。

 

「…………ところで、そこで何してるの?」

「えっ⁉︎バレた…………?」

「当たり前だろ。そんなに騒いでたらな」

 

 そんな風に、あげははソウマ達がいる所に向かって話しかける。

 陽香がそんな風に言うと、辛一は呆れ気味にそう言う。

 声が大きく、バレてしまったのだ。

 すると、ソウマは出てくる。

 

「辛一、あげはさん。改めてよろしく!」

「おう、こっちもな」

「よろしくね!」

 

 ソウマはそんな風に言うと、辛一とあげははそんな風に答えた。

 こうして、ソウマ達は改めて結束を深めたのだった。

 


 

 その夜、あげはと辛一は握手した時の互いの手の感触を思い出していた。

 辛一の方は。

 

『あげはの手って…………細くて、しなやかなんだけど…………スベスベしてて、柔らかかったな…………。やっぱ、あげはも女なんだよな。なんか…………眠れねぇな…………』

 

 辛一はあげはの細くてしなやかでありながら、スベスベして柔らかいあげはの手の感触を思い出していた。

 それを思い出すと、改めて、あげはが女性であると意識して、眠れずにいた。

 一方、あげはは。

 

『シンチーの手…………凄いゴツゴツしてて、硬かったな…………やっぱり、シンチーも男なんだよね…………』

 

 あげはは、自分とは違うゴツゴツとして硬い辛一の手に、辛一を改めて男性であると意識していた。

 騒動が一段落し、心にある程度余裕が出来たおかげか、互いを異性として意識し始めていた。

 


 

 そんな事があった翌朝、全員で朝食を取っていた。

 すると、ツバサが口を開く。

 

「皆さん、少し話があります」

「話って?」

「何だよ、改まって」

「何かありましたか?」

 

 ツバサはそんな風に話を切り出す。

 それを聞いて、ソウマ、辛一、ソラがそう聞くと、ツバサは口を開く。

 

「今回の一件は、何とか解決出来ましたが、今後、また同じ様なことが起こらないとも限りません」

「確かに…………酸田とダークプリキュアはどうにかしたけど、まだストマック社が残ってるもんね」

「そうだな」

「それに…………黒ソラもいる訳だし…………」

「どうするの?」

 

 ツバサはそんな風に言う。

 今回の一件は、何とかなったが、また同じ事が起こる可能性があるのだと。

 それを聞いたあげは、ラキヤ、エルちゃんがそんな風に言い、陽香はツバサにそう聞く。

 すると。

 

「ですので、一度皆さんで、スカイランドとアンダーグ帝国に話を通しに行きましょう」

「えっ?」

 

 ツバサはそんな風に言う。

 今回の騒動が落ち着いたこのタイミングで、スカイランドとアンダーグ帝国に状況説明も兼ねて、仮面ライダー達も一緒に行こうという提案だった。 

 こうして、ソウマ達は、スカイランドとアンダーグ帝国に向かう事になったのだった。




今回はここまでです。
今回は、前回の話の続きです。
虹ヶ丘邸で、食事会が開かれました。
皆の結束や絆が深まりました。
そんな中、スカイランドやアンダーグ帝国に向かう事になりました。
次回は、スカイランドでの話になる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
いよいよ、来週にはTTFCにて、ルートストマックが配信されますね。
どんな話になるのか、楽しみです。
ルートストマックに関しては、ラキヤと涼介もといフレッドの話になります。
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