そろそろ冬の気配が見え始める11月の初め。
本日の私のお昼ご飯はゲヘナ学園にある、数少ない美食研から爆破を受けなかった弁当屋の持ち帰り弁当『ヒノム火山のすき焼き弁当*1』だ。
そしてこの料理を、値段を知らされた上で人数分奢られて絶賛白目をむいて驚いているのが陸八魔アル、前世の最推しだ。
やったぜ!!
「はぁ・・・・」
あっ、カヨコちゃんその溜め息も便利屋のワンシーンを思わせるようで最高だよ。
時は数刻前に戻る。
デッドエンド解体場
プルルルル!!プルルルル!!
その日は珍しくゲヘナ学園区域の廃車が来なくて不思議に思ってるいると、事務所の全く使われない固定電話が鳴り響く。
「はいもしもし、デッドエンド解体場の史哲サイモンですが?」
この電話がめんどくさい仕事への合図なことを少し忘れ出てしまった。
『とりあえず、要件だけ伝える』
ちなみにこの応答だが、学園によって丁寧さが変わる。ゲヘナは無賃乗車などが横行したり爆破騒ぎが日常茶飯事なせいで大体が荒れている。トリニティはとにかく丁寧だが陰湿でグチグチと重箱の隅をつつくような粗探しをしてくる。ミレニアムは機械に任せてるのかFAXからでしか送られて来なかった。
『廃車運送用の車両係がストライキ起こした』
「はいはい、道理でゲヘナ線が来ないわけだ」
『だから取りに来い、今すぐ』
「はい?」
メモに書き込んでいたペンの手が止まる。
今なんと?、取りに来いって聞こえたけど。
『取りに来い』
「いやいや、他の路線からの応援は?」
『来ると思うか?廃品回収の下級仕事をいやいややってる奴らが』
「それ言ったら私はゴミ処理場の職員だ」
「で?ストライキ起こしたヤツの代わりは見つかりそうか?」
『明後日までには』
「なら、明日に一緒に運ぶ、か・・・」
『往復になるぞ』
「ふん、そっちの貧弱機、誰が使うか。こっちから牽引機乗っていくから運行予定に入れといてくれ」
『了解』
ガチャン
向こうからの通信が切れるのを確認してから受話器を元に戻す。
さーて、急いで
あぁ、ちくしょう、アビドスの奴ら大物取りで居ないんだよなぁ。ゲヘナだから運搬中の護衛が欲しいがいいの無いかな。
(とにかく、焦らず急いで準備しなきゃ)
スマホから送られてきた今日と明日のゲヘナ区域の運行予定を見ながら工具を片手にある屋根付きの待避線へ向かっていく。ココ最近動かしてなかったから油さしとかしないと。
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案外、頑張れば何とかなるもんだな、昼前にゲヘナ列車車両基地に着くことが出来たのはある意味奇跡と言っても過言では無いだろう。
だって道中、ヘルメット団の襲撃や温泉開発部の妨害が無かったんだもの。
「あ〜、腹減ったなぁ」
グーギュルルル!!
花も恥じらう乙女がしてはいけない音が鳴るが、もうとっくの昔に女は捨ててるようなものだし。もし私が乙女になる時があるならそれはきっと全てを任せられる大人が現れるぐらいだろう。
つまり、早く来い先生。私が完全に女を捨てきる前に。
「いい飯ないかなぁ、最近肉食えてないからガッツリ行きたいんだが」
歩きスマホはご法度だが多めに見てほしい、一刻も早く美味しい食べ物を腹に収めたいのだ。
ゲヘナ学園で経営してある飲食店はパターンに分かれている。
ひとつは美味くて、量も値段にピッタリな当たり。
ふたつめは美食研によってとっくの昔に爆破されたハズレ。
つまり、このゲヘナで残るのは大体が美味い店になるという、ある意味飲食店の激戦区になっているのだ。
まぁ、それでも金儲け目的のアコギな奴らは出てくるが、レビューサイトで美食研お墨付きと書かれたのは当たりである。*2
「肉肉肉肉肉肉肉肉・・・ん?あれはッ!?」
公園を通りがかったその時、視界の端に彼女を見つけた。彼女は推しだった、最初のガチャの時に来てくれた時からの一目惚れだったのだろう。
この時の私の脳内はただ一つだけ、飯のことすらも忘れた。
(陸八魔アルちゃんだーー!!!)
こうなれば行うことはただ1つ。
「やあやあ、お嬢さん方、お困りの様だね・・」
全ッ力で関わりに行く!!
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「はぁ〜〜、今回も依頼失敗に、風紀員から逃げるための爆薬で赤字か・・」
「すいませんすいませんすいません、わ、私がへましたばっかりに・・、今からでもアイツらごと吹き飛んでお詫びを・・」
「こ〜ら、ダメだよハルカちゃん」
「で、どうするつもり社長。まとまった金が無いとまともな事務所も構えられないんだけど」
便利屋68、陸八魔アル率いる4人組のグループ。金さえ払えばどんな仕事もやるというアウトロー集団なのだが、今回の彼女らはとことんついていなかった。
高額な依頼が来たかと思えば場所がゲヘナ、依頼内容はある裏組織の対策としての護衛だったが、何の関係もない美食研、温泉開発部、さらに金に困ってただけのヘルメット団に襲撃及び爆破に巻き込まれてしまい依頼は失敗。
そしてゲヘナで暴れていると彼女らが現れる。ゲヘナ最強、風紀委員長空崎ヒナ率いる風紀委員が。
結果的に逃げることには成功したが、陽動等に使った爆弾、弾薬で大赤字を被る羽目になってしまったのだ。
「どうする、アルちゃん?また野宿する?」
「イヤよ、せっかく良さそうなところを見つけれたのに・・」
「1週間ぐらいの短期間でドカンと一発稼げたらね〜」
「バカ言わないの、そんないい話が・・」
「やあやあ、お嬢さん方、お困りの様だね・・」
「ヒッ!!」
後ろからいきなり声をかけられ、ハルカが驚き小さな悲鳴をあげる。そりゃそうだ、さっきまで感じてなかった気配が背後に現れたのだから。
声だけ聞けば活発で小生意気な少年でも行けそうな中性ボイスだが、それが雰囲気とちぐはぐさを顕著にさせる。
「驚かせて済まない、こちらも少し焦っているのでね」
「い、いえ、こちらも社員が申し訳ありまグーギュルルル!!
・・・・
「はずかしー!!腹減ってたの忘れてたー!!」
「あ、その・・」
「すまん、飯がまだで・・とりあえず飯奢るのでその時に話しましょう。早く腹にご飯入れたい」
「あっ、はい・・・」
やられた、完全に流れを持ってかれた。そうカヨコが思った時には行動は進み。最初の光景に戻ることとなる。
史哲サイモン
CV戸田〇子
「ふふん、解体するしか脳がないと思った?残念これでも役に立つ仕事をしてるつもりさ」
コメント
・まさかの大御所
・トー〇スの声で恐ろしいこと言うなwww
・アァ〜癖が歪む〜
・完全に狙ってるよなコレ・・
・トー〇スの声をした子が機関車の解体をするって、結構な尊厳破壊では?
「でっ、何が目的、ハイランダーの解体屋」
「ん?」モシャモシャモシャゴクン
「あぁ、ただ困ってるの見つけたから?」
「あなたは『焦ってる』って言っていた、何が目的」
おぉ、ちょっとの情報でここまでガン詰めしてくるとは。さすが元風紀委員等の疑惑がある女だぜ。
でも言えるわけないよなぁ、推しを目の前にして止まることが出来なかったオタクって言っても理解してくれるとは限らないし。
何かいい言い訳を・・・・
あっ、あれがあるじゃん。
「あぁ、目的はある。依頼だ便利屋68」
ハードボイルドにかっこよく押し切る!!
「詳しく聞かせてちょうだい」
よしっ!!アルちゃんが復活した。
「依頼料は基本50万、出来が良かったらさらに出す。依頼内容は護衛と解体作業の手伝い」
「ごっ?!50万!?」
「すみませんが本当に払えるのですか?」
「あぁ、払えるさ。ほれ見てみな」
ハルカちゃんがその値段に驚き、カヨコちゃんが疑いの目を向けてくる。仕方がないちょっとあれな服装してる自覚はあるし、自分がハイランダー生とわかっているのは先程の言葉で確認済み。
なら1番分かりやすい証拠を見せるだけ。そう通帳を。
「・・・・」
「どーお?、カヨコちゃん」
「ちゃんと確認しました」
「でっ、この依頼受けてくれる?」
「・・・何をすればいいのかしら?」
「言っただろう、護衛と解体作業だと。
私の所属場所が分かるお嬢さんなら分かるよな」
「ええ・・分かりました。その依頼、この便利屋68がお受けしましょう」
「助かるよ、じゃあ書類の原本は渡しとく、内容はOKか?」
「確認しました、これで大丈夫です」
「じゃ、明日の朝六時にこのメモに乗ってる駅に来て、駅員には言っておくから、分からないことがあったらこのメールに」
メモに駅の場所、指定の時間、そして自分のサインと専用の判子をつける。これで彼女達は仕事として自分が呼んだことになり切符を買うことを免除され、事務室に通すことが出来るはずだ。
「いい仕事を期待してるよ、便利屋68」
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「そういえばカヨコ、なんで彼女がハイランダーってわかったの?」
「社長、気づいてなかったの?彼女のあの服、ハイランダー生の専用の作業着だよ」
「なっ・・!!」
「しかも校章付いていたね、ちょっと変わっていたけど」
「ななっ!!」
「あれは、ハイランダー唯一の解体場のマークだよ。
『デッドエンド解体場』、通称《鉄道の墓場》とも言われる流刑地。ここに配置されることは退学と同じ意味を持つと言われてる所だね」
「ヤバそうな所ですね」
「まぁ、ここに配置された人が死体になってたって噂話を聞くくらいにヤバいところだね」
「なんですってーーー!!!」
ノルマ達成
史哲サイモン
・推しを目の前に気が動転、出来るだけかっこよくしようとした結果こうなった。
後で悶える
・弁当美味し
・鉄板などをブラックマーケットに売り払っているので金は沢山ある。
便利屋68
・依頼ゲット
・弁当美味しい
・アルちゃん大好き!!
アビドス
今回出番無し
・多額の賞金首狩り中
・暁のホルス出動中
ハイランダー鉄道・ゲヘナ区域担当
・ココ最近、キセルが増えたことと線路の修繕により2徹目を突入
・余計な仕事を増やした廃車搬送係は後で〆る。
【史哲サイモンの使用する乗り物達】
《自動車系》
・化け物トラック
・砂漠用ラリーカー
・首都高用スポーツカー
《鉄道用》
・牽引用大型車両
・ヤード内専用入れ替え機
「スポーツカーとかは趣味だな、あとこの砂漠で車無しは死ぬ」
「列車は、だだっ広いヤード内を解体用の装備を持って走れなんて言われたら殺意が湧くね。
まあ、見た目形はこっちの趣味だが、本線で運用されているのと遜色ない性能だぜ」