ショt…幼い皇帝に憑依した。   作:サテライト

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             「命は弱さを許さない」


                       by アドルフ・ヒトラー


始まりの夜

『―ッ!!」

 

「ッ!?」

 

 

ラバックは目の前にいる“ソレ”に全身を駆け巡るほどの恐怖を感じていた。

“ソレ”は先ほどまで確実に人だったのだ文字通りに、しかし今感じられるモノは危険種のそれとなんら変わらない。そしてその気配は自身の寝返った側である皇帝に直属する特殊武装SS大隊ミレニアムの化け物たちと同じ物であったが、ミレニアムの連中よりも目の前の鎧を纏ったような人型の方がはるかに危険だと思えた。下手をすれば自身が師と仰ぐ人物以上かもしれないと思うほどである。

 

であるから“タツミであったソレ”に睨まれたとき体が凍りついてしまったのだろう。恐怖に身が縛られたのだ。

 

“ソレ”は一瞬で間合いを詰めると何処からともなく出現した長身の剣(ロングソードのような物)をラバックに突き立てんと振るったのだ……。

 

 

―犯った!

 

最初タツミであったそれは勝利を確信しただろう。

目の前の裏切り者の命を絶ち終わらせたのだと。

 

……しかしその確信は目に見えぬ壁に阻まれて裏切られ彼は後ろに跳ね飛ばされた。

 

「(ッ?…………!?)」

 

ラバックは戸惑っただろう、突如目の前に透明な何かが展開してタツミの攻撃を防いだだけでなく、吹き飛ばしてみせたのだから。

 

現世(うつしよ)の変わらぬ事などなきと思えば」

 

ラバックの耳にそんな言葉が聞こえた。それもその声は先ほどマイク越しではあったが確かに聞いた声であった。彼は背筋に嫌な汗が流れるのがわかった。それは彼にとって一番恐れたことだった。

 

「受け入れられぬ現実についには怒りを覚えたか、英雄の器だった愚者は。」

 

その声はとても呆れるように、しかしどこか寂しそうな声音を含んでいた。

ラバックはその声に主に顔を青くしながら向ける。

 

その人は宙に浮いていた。そして予想通りの人物がいた。

それは国の幼い国家元首だった。

 

「!?ヴィクタアアアアアアアア!!!!!」

 

タツミはヴィクターの存在に気が付くとそう吼え、恐ろしいまでの加速をしそののど元を掻き切らんとした。だが再びヴィクターの前に不可視の障壁が生まれ、タツミの動きを止める。ヴィクターは右手を薙ぐように振るうとそこよりいくつかの光が線となって飛び出しタツミに突き刺さる。それらはタツミの体を貫通し常人なら死に至らしめるはずであったがタツミの帝具、否タツミ自身の異常な再生能力が攻撃の傷を瞬時に癒してしまった。

 

「キサマダケワアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」

 

怒りしか感じぬ咆哮と共にタツミは突撃を再度行い肉迫する。そして右手に展開した真っ黒にそまったロングソードを片手でヴィクターに対して叩き付けんとしたが、再び見えない障壁で阻まれ動きを止められる。

 

「余は貴様をかっていたのだがな……。過大評価だったか。」

 

その時のヴィクターは興味が失せたように気落ちした暗い顔をしていた。

そして右手をタツミに向かって突き出す。するとその右手に光る粒子が集まりだし一拍置いて撃ち出されタツミに向かっていった。

 

そしてそれが着弾するとまるで重砲の直撃を受けたような爆発し、その衝撃と閃光が一瞬周りの闇を支配した。

辺りが轟音に包まれた。ラバックはヴィクターの近くにいて防壁で守られていたがそうでないマインは吹き飛ばされ、タツミをその爆発の直撃を受け身動き出来なかった。

 

「目的は達成された。退くぞ。」

 

ヴィクターはラバックに向かって短く端的に命令する。

ラバックは一瞬迷うような素振りを見せたが了解と力なく答え、静かに闇に溶けて消えて行った。

 

それを確認するとヴィクターは上空の飛行船、デウス・エクス・マキナにむかって飛翔しその艦影に消えて行った。そしてその少し後にデウス・エクス・マキナは帝都の咆哮に向かって回頭し飛び去っていった。

 

そして一時あたりは静寂に包まれる。そこにキーンという変な音が近づいて来ていた。それらは暗闇を空を飛翔しナイトレイドのアジトとその付近に着弾、激しい爆発を持って辺りを証拠隠滅を図るかのように破壊したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

帝都にて。皇帝派による奇襲てきなクーダーター発生。なんお準備も出来て居なかった大臣派の殆どが拘束あるいは殺害され、大臣派首魁オネストとエスデス将軍は帝都を脱し帝国北部に展開するエスデス軍に合流する。その際にエスデス配下の特殊警察イェーガーズはその大半が離反、クロメとウェイブを除き皇帝派に合流した。

 

 

そしてこの事態は帝国内の内乱を完全に誘発する事になった。

 

新たに帝国を作り直そうとするヴィクター・ロマノフが率いる帝国とその配下の武装親衛隊と国防軍、

 

腐敗がすすむ現体制を維持しようとするオネスト元大臣が代表を務めエスデス元将軍が率いる旧帝国北部遠征軍(エスデス軍)、

 

武力による腐敗した現体制の改革(武力革命)と民による政治を求める革命(民主化革命)を掲げる革命軍。

 

異なる思想を持つこれらの組織は互いに互いを敵として攻撃し始める。

自らが信じる物の為に。

 

 

それが惨劇と数百年にわたり続く大陸統一戦争に始まりだった。

 

 




更新遅れてすいませんでしたああああああ!
でも中身薄いすんません。
新社会人になり各暇もありませんでした。orz

相変らず亀更新となりますがこれからもよろしくお願いいたします。


九州の皆様頑張ってください!!
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