卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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6章 Almighty 果てなき道の最低条件
第201話 消化試合


「おはこんにちばんはー!きゅーてくちゃんねるにようこそー!……大丈夫ですかね?【女神】様、もうやられちゃってたりしないですよね?」

 

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>今のところ突破報告はないな

 

>隠れて倒した人はいそうだけど

 

>倒したとかいうか、倒しちゃいけないというか

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 な、なるほど。よかった。一応、まだクエスト突破はされてないみたいですね?

 

 少なくとも、公にされている範囲では。アクタニアやらメンテナンスやらで先送りになっていた【女神】戦。せっかく突破の目が見えたんだから、一番乗りで攻略しておきたい。前回の攻略メンバーを集めて、全速力で突破しましょう!

 

 

「というわけで集まってもらいました。この前のメンバーです」

 

「あかりちゃんです!今回こそは削りきらないようにしなくちゃね!」

 

 スキルによる支援(バフ)をかけ、食事による支援(バフ)もかけて準備を整えておく。ボクが食べる料理は炎上効果付きのラーメンだ。実質的な継続回復(リジェネ)として使えるから、ボクにとっては便利な一品だ。

 

「あれ?めりぃさん、今日はラーメンじゃないんですか?」

 

 ふと目についたのはめりぃさんの食べている料理だ。いつもなら付与(バフ)効果を狙っての料理ですらラーメンを食べている彼女だが、今日はラーメンではない。ずるずると麺をすすっていることに変わりはないのだけど、どうやら今回はうどんらしい。

 

「そうそう、いつものラーメン屋さんがね。うどん始めたんだよー。だから試作品を食べてほしいんだってさー」

 

 そう言って【ストレージ】からうどんを出し、ボクに譲ってくれるめりぃさん。

 

 どうやらVITの大幅な支援(バフ)に加えて、HPとMPを同時に回復できるようだ。支援(バフ)ではなく回復目当てに食べているめりぃさん的にはマストアイテムですね。常連である彼女の要望に応えたんでしょうか。

 

「おお!太い麺が好きなんですよ、ボク。……でも、このうどんはバナナくらい太いですね」

 

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>強い

 

>戦闘中に食べることを考慮してなさそう

 

>モーションアシスト様が最適な戦闘中の食べ方を提供してくれるぞ

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 せっかくいただいたので、ずるずる……というよりは、もにゅもにゅと麺を食べていく。うん、歯ごたえがあってとっても美味しいです。

 

「はい、純白の翼さん。あーん」

 

「え?あーし?そこはあかりんとかじゃ……もぐもぐ」

 

 有無を言わせず口の中にうどんをぶち込んであげると、恍惚とした表情で美味しそうに啜っていく純白の翼さん。

 

「あっこれ好きかも。ちょっち今から買いに行ってきていい?」

 

「だめだよー。これからたたかいがあるんだからー。ゲームはいちにち3じかん!」に余裕なんてないんだよ?」

 

 そう言いながら、」さんは走るジェスチャーで急かし始める。ゲームは1日1時間、なんて古来より伝わる教えもありましたが、」さんのおうちはそれよりは緩いご様子だ。

 

 というわけで、」さんのご要望にお応えして早々に食事を終わらせて【女神】に突撃することになった。一度は勝った相手。しかも今回はすべてを削らなくてもいいとのこと、楽勝ですよ!

 

 【グレイブウッド】のポータルを逆側から潜り、例によって【女神】の空間へ。前回は神様が入って早々に吹っ飛ばされたけれど、今回は不意打ちをしてこなかったらしい。安全にエリアの中に突入することができた。

 

「やっときたわね。待ってたわよ。あんたらを今度こそぼっこぼこにしてあげるんだから!」

 

 今度は家などの仕掛け要素は一見すると見当たらない。まあすり抜けられちゃうから、無駄だと判断したんでしょう。

 

 と言っても(トラップ)がないとは限らないので、久しぶりに【パスファインダー】の能力で見透かしてみると……。山のように設置されていますね。地面にも空中にも、隙間なく。

 

 条件を満たした時点で効果が適用される【トラップハンター】は、〈トンネル避け〉でもすり抜けられない。

 

 踏んだらアウト、とかそういった条件であれば踏まないように避ければ無視できるけど——前回あれだけ見せた〈トンネル避け〉を、考慮していないはずがないですね。

 

「よし、では至高の神である我が先陣を切らせてもらう!」

 

 意気揚々と«疾風迅雷»を発動して突き進んでいく神様。一瞬にして一直線にありとあらゆる(トラップ)を踏み抜いて、爆発、雷、氷、その他の妨害(デバフ)をまとめて浴びて蒸発した。

 

「うん、いい感じに(トラップ)が解除されたね。さすが神!あかりちゃんが褒めてつかわす!」

 

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>まーた神が死んだか

 

>わざとやってない?

 

>復活狙いかな

 

>役に立ってるからセーフ

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「はっ、一直線に一部分だけ解除したところで意味がないじゃない。私は悠々自適にスキルを撃ち込ませて——ッ!?」

 

 その瞬間、【女神】はなぜか勢いよく左前方へ前のめりによろけ、たたらを踏む。【女神】の前方には神様が通った真正面以外に隙間なく(トラップ)が仕込まれている。当然のように踏み抜いて激しい雷をその身に受け、20%ものHPを減少させた。

 

「えぇ……」

 

 【女神】様ですら20%削られる(トラップ)とか、過剰火力にも程があるでしょ……どんだけ用意周到に準備してるんですか?

 

 と言っても今回の問題はそこにはない。突然前に押し出されたかのようによろけた【女神】についてだ。

 

 さすがに【モーションアシスト】が存在する世界で不意になんかよろけました、なんて都合のいい話があるわけがない。と、なると……神様が何かを仕込んだのだろうか。

 

「【ソウルリペア】!」

 

 

 純白の翼さんが【先取りの奇跡】によって蘇生という結果だけを先取りし、即座にあかりちゃんさんが【シャラップ】で詠唱を中断させて踏み倒す。

 

「そこの自称・神!なにをしたの?死んだ後に攻撃をするなんてずるいじゃない!」

 

「ふっ、《神なる行動(ディバインアクション)》を知らぬ者が神を名乗るか?不遜であるぞ!」

 

 堂々と聞いたこともない独自用語を持ち出す神様に突っ込みたいところもあるけれど、恐らくは〈魂の言葉(ソウルワード)〉……!

 

 最近は改造行為(チート)やらAIやら異能力やら、外部の能力に頼る人が多くて埋もれていたけど、ここで出てきましたか……!

 

 確かに神様くらいの生粋の『ロールプレイヤー』であれば確固たる意志を持ったワードの1つや2つ持っていてもおかしくはない。

 

 と言っても一見すると異次元の能力に見える〈魂の言葉(ソウルワード)〉にも建前上の理屈というものがあるはずだ。どうやって死んだ後に動けるのか?あるいは妨害を無視して動けるのか?気になるところだけど……。

 

「はっ、多少小細工を弄したところで、私の(トラップ)陣地は攻略できないわ!それとも片っ端から踏み抜いていくつもり?」

 

「ちなみに【女神】の後ろには(トラップ)がありませんよ」

 

「じゃあいえをおいてくるねー」

 

 そう言いつつ【女神】の後ろに転移して【ホームリターン】の起点を設置してくれる」さん。これで(トラップ)は無意味になりましたね。

 




魂の言葉(ソウルワード)その9 『《神なる行動(ディバインアクション)》』
詳細不明。まるで神の御業にも等しいなんらかの事象を引き起こす。そう言った類の〈魂の言葉(ソウルワード)〉だと思うんですけど……。
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