卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
うさぎさんや猫さんのふわもこを堪能しつつ次に何をするか考える。他にも魔族の街のコンテンツがないか探してみようかと思ったのですが、どうやらこのマップは思った以上に広大なようなのだ。
街自体は言うほど広くはないのだが、フィールドマップを含めるとかなりの大きさだ。腰を据えて探索していく必要がありそうですね。
しかしめりぃさん達はまだまだ草原エリアでモンスターと戯れていたいらしいので、ここで【パーティ】は解散ということになった。
それならボクは開拓イベントに向けて準備を始めようかな。今後の方針を視聴者さんに説明し始めたところで、ボクのところにメッセージが届いた。なんだろう。灑智からみたいですね。
『私の作ったダンジョン探索はどうなったんですかっ!!?』
「あっ」
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>マジかよ卍さん、妹の製作物をスルーしてマップ探索する気満々だったらしいぞ!
>最低すぎる。チャンネル登録100回外しました。
>チャンネル登録を外すために複垢100個登録してるとかマジ??
>灑智ちゃんに謝れ
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「ご、ごめんなさい」
開いてみると、お怒りのメッセージでした……。完全に忘れていた。そういえば灑智って結構前にダンジョンが完成したことを嬉しそうに報告していましたっけ。
「予定変更です!妹の作ったダンジョンをすぐに攻略しに行かねば!とがみんも連れて行きますよ!」
灑智が作ったダンジョンは【ギルド】システムを利用して作られている。つまり【ギルドハウス】にあるということだ。ということで【ギルドリターン】を使って即座に帰還……したいところだけど、このエリアはマップIDが違うはずだ。このまま使用してしまうと同座標のまったく違うエリアに飛ばされてしまう。
危ない危ない。真っ暗闇の空間に瞬間移動してしまうところでしたね。改めて徒歩でポータルを潜って【グレイブウッド】を脱出し、そこから【ギルドリターン】で【ギルド】に帰還する。
【ギルド】の入り口ではすでに灑智が待っていた。そして隣にはロップイヤーのきゅーとなうさぎ、とがみんもいる。
「お姉様に最初に挑んでいただきたかったのに、もう他の人が潜っちゃってるんですよっ!ぷんすかっ」
「怒ってる灑智もかわいいね。さすがわたしの妹♥」
「お姉ちゃんですっ!」
うちの灑智のきゅーとさは世界一ですからね。当然のことです。
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>この中ではとがみんが一番かわいい
>ただのうさぎ定期
>うさぎよりかわいい生物はこの世に存在しないからな
>でもそのうさぎが経験値を持ってたら?
>躊躇なく殺す
>知ってた
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「それでは灑智のダンジョンに挑みましょうか!ちなみにどこにあるんですか?」
「他のエリアに行けるポータルのところに一緒に入り口を置いてありますよっ」
灑智に案内されて【ギルド】の内部を進み、ポータルが設置されているエリアまでやって来る。なるほど。確かに見覚えのない謎の黒い魔法陣が設置されていますね。
「この魔法陣を踏むとダンジョンに行けますっ。頑張ってください!」
「あれ?灑智は来ないんですか?」
「製作者が行ったら簡単にクリアできちゃいますよっ。でもお姉様ととがみんなら大丈夫ですっ!頑張ってください!」
どうやらとがみんとボクの2人で急遽ダンジョンに挑むことになったらしい。【ギルド】の機能で作れるダンジョンの仕組みはまったく把握していないのだけど、難易度的にはどうなんだろう。2人で潜れるのだろうか?
コメントで灑智のダンジョンに挑んだことがある人がいるか聞いてみたところ、『大丈夫だよ^^』『難易度低いよ本当だよ』『2人でいけるよ!!!11』『妹が信じる姉を信じろ』『卍さん終わったな』などとダンジョンの難易度がそう高くないということをみなさんが教えてくれた。ありがたいことに内部のネタバレもしないように配慮してくださっているようです。民度の高い視聴者さんがいてボクは幸せ者ですね。
「よーし、絶対に初見突破しますよ、とがみん!」
「おー♥」
威勢よく魔法陣に踏み込むボク達。一体どんな場所なのかな?そう思った次の瞬間、周囲の景色が切り替わり、一瞬にしてダンジョンの中に飛ばされる。
どうやらそこは薄暗い小部屋のようだ。床や壁が灰色のタイルに覆われた人工的な空間。ぱっと見た限り、この部屋はきれいな正方形だ。真正面と後ろに人間がなんとか通れる程度の狭い通路が続いている。
「……どっちにいきます?」
「正面かな?まあ、こんな序盤の2択で致命傷にはならないと思うけどね」
まあオーソドックスな迷宮ならどちらを選んでも途中で合流があったりして大差がなかったりしますからね。逆にすぐに行き止まりに達するようなら戻ればいいだけの話。こんなヒントもないところで無意味に思考していては日が暮れますよね。
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>あっ……
>終わったな
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「またまたそんな意味深なこと言っちゃってー。騙されませんからね?」
「わたし達は嘘を嘘と見抜ける能力を持ってるからね♥今回は本当みたいだけど……」
「なにか言いました?」
「言ってないよ」
というわけで真正面の道を選択したボク達は、念のため
幸い【パスファインダー】で探知できるような
「今、何か音がしましたね?」
「荒罹崇、見てなかったの?スイッチ踏んでるよ」
「えっ」
「【パスファインダー】はシステム的に
「いや、見てたなら教えてくださいよ!」
「まさかあそこまで堂々と踏みに行くとは思わなくて、ごめんね?」
確かに足を離した拍子に押してしまったスイッチを確認してみる。わざわざ真っ赤に染められた巨大な押しボタンだ。ご丁寧にも『押すな!』などと記されており、確かにこんなものをわざわざ踏んでしまうとはとがみんも思わなかっただろう。
いやいや、いくらボクがぼーっとしてたからといって、さすがにこんなスイッチを踏みます?
そんな疑問は浮かんだものの、押してしまったものは仕方ない。時間は戻らないのだ。にしてもここまで無駄話をしている間に
——いや、なにか起きている。ボタンを押してしまったその瞬間から、まるで誰かに見られているかのような不思議な感覚がボクの身体を駆け抜けている。
見られている感覚とは言ったけど、正直説明ができない。これが実際に何かに見られていることによる感覚なのか、あるいは何かのスキルや攻撃のようなものが発動しているのか。けれど、見られている。言い直すならば、見
なんだろう?モンスターであれば【パスファインダー】の効果で探知することができるはずだけど、さすがに遠くから覗いているのであれば無理だろう。
「……なんだか不気味だね」
「……そうですね」
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>わかる
>結局トラップの効果は何だったの?
>わからん
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灑智なら〈魔導〉を得意としているから、そういう関連の
「——