卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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第219話 ダブル杯の後に

「惜しかったですね……でも3位ですよ!おめでとうございます!」

 

「残念だけど、3位でも賞品は貰えるからね。みてみて、このお花のネックレス♥」

 

 とがみんの首元には、うさぎ用に短くアジャストされた、桜の花びらみたいなアクセサリー付きネックレスがぶら下がっている。それが賞品なんですね。

 

「効果はなんですか?」

 

「【フラワーマジシャン】。スキルのモーションを変化させられる……のかな?同じスキルが2つ付いてるみたい」

 

【フラワーマジシャン】

[アクティブ][自身][支援]

消費MP:12 詠唱時間:0s 再詠唱時間:1m

効果:[キャラクター]が次に使う[スキル]を[投射]として扱う。

 

「なかなか便利そうですね。【ソウルフレア】を遠隔で撃ち込んだりできそうです。現環境ではDEXに振らないと回避されてしまいますが……」

 

「そこは仕方ないよね。【サイキック】のスキルには【エンハンス】があるからハードルは低いし♥」

 

「今更ですが、【フォッダー】はレベルアップすると、職業(クラス)固有のステータス上昇値と、任意で振れるポイントの上昇値の2種類があります。【サイキック】や【アイテムマスター】は、プレイヤーがわざわざ振らずとも、職業(クラス)の適性としてDEXの数値が高くなりやすい傾向にあるんですよ」

 

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>急になんか解説し始めてて草

 

>メイジ/ナイトよりはメイジ/ビショップの方がINTの伸びがいいんだよな

 

>サブクラスの上昇値は半分だけどな。メイジ/ナイトならナイトがサブでナイト/メイジならメイジがサブだ

 

>フォッダーのガチ勢なら解説に嘘を混ぜる筈だぞ。おまえら信じるな!!

 

>本当のこと言ってるやつがエアプ扱いされるゲームってマジ??

 

>あかりちゃんのサイト以外もう信用できない

 

>この前あかりちゃんがデマ書いて謝罪土下座してたぞ

 

>フォッダーガチ勢なら衝動的にデマを書きたくなることくらいあるさ。しゃーない

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 この配信は動画勢の方も見ていらっしゃるので、こういう基礎知識の解説も必要なんですよ!

 

「私は賞金をたくさんもらいましたっ!これで新しい呪われたアイテムを仕入れてみます!」

 

「デメリット付きの装備は安いから、そんなにお金は必要ないんですけどね……全身を呪われた装備にするつもりですか?」

 

 とがみんがおもむろに【フラワーマジシャン】を行使すると、綺麗な桜色の花びらが1枚だけ高速で射出される。無詠唱で発動させれば、演出から効果を読まれにくくなるのは素晴らしいですね。サイズも小さいので、マニュアル回避では見落としてしまうかも。

 

「それにしてもおっさんと猫姫さんは恐ろしい相手でしたね」

 

「【誘いのレクイエム】が上手かったよねー」

 

 無差別に発動する【ミュージックハウス】と本家レクイエムでは、利便性の差が段違いですよね。使い手は少ないですが、【バード】はやはり脅威です。

 

 そういえば……ふと思い出したので、【ストレージ】を漁り、妖精さんを取り出してあげた。

 

 第1回戦の対戦相手が、妖精さんにアイテムを持たせて運搬役として使っていましたね。それからもう1つ——透明だったので決定的な瞬間を見ることは叶わなかったけれど……。

 

「みなさん、第1回戦のプレイヤーが装備していた武器を覚えてますか?」

 

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>なんか杖だったな

 

>メカメカしい見た目なのに特に目新しい機能なかったのが残念

 

>チャンネル登録外しました

 

>まーた卍さんが痴呆になったのか

 

>まるで自分が忘れたから他人に聞いてるみたいな風に言うなよ!!かわいそうだろ!

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「そうです!みなさん、慧眼ですね!あの武器は間違いなく超画期的な杖でした!」

 

「理想的なコメント欄の幻覚でも見てるのかな♥」

 

 うるさいですね。わかってますよ、いつものように、適当なコメントであふれてることくらい!

 

「あの武器から妖精さんが出てきていましたよね?たぶんなんですけど……あの杖と妖精さんはアイテムとしてつながってるんですよね」

 

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>おまえら今日の昼飯何食べた?

 

>ラーメンだよ

 

>と、見せかけてのー?

 

>とがみんなでなで

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「もういいですもん!みんな興味ないから解説しませんよ!あとは自分で考えてください!」

 

 とは言いつつ、ボクも似たようなアイデアを試してみるつもりですけどね。

 

 

 大会が終わったので久々に3人でのんびりとお散歩をすることになった。行き先は以前のアップデートで追加された【ダスター都市】というエリアだ。

 

 アップデート直後に多くのプレイヤーが訪れ、コンテンツも遊び尽くされた場所らしいのだけど、ボクは【サバイバル杯】の一件で忙しかったこともあり、今まで訪れたことがなかった。最近までボクと同一の存在だったとがみんも、ダンジョン造りにハマっていた灑智も、初めての場所らしい。

 

 そんなわけで【ダスター都市】に関する情報はあかりちゃんさんが既に網羅しているそうなのだけど、今回はお散歩配信だ。攻略情報は調べずにまったり見て回りましょう。

 

 見渡す限りでは古代文明には劣るものの、かなり発展した都市のようだ。大きな高層ビルがいくつも乱立しており、自動車のような機械が道路を往来する近代的なエリアらしい。

 

 どうしてこの街だけここまで発展しているのか。逆に言えば、他の街にはこういった技術が供給されていないのか、気になるけれど——。

 

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>普通の自動車に見えるけど魔法で走ってるよ 

 

>魔法系のスキルを動力にしているという事であって魔導原理の車とは原理が違うけどな

 

>プレイヤーでも運転できるのかな?

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「へー、そうなんですねー。科学都市じゃなくて、魔法都市ってことですか」

 

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