卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
強制的に【邪神ポイント】を徴収され、ドクロの杖こと【魑魅魍魎の杖】がボクの【ストレージ】に放り込まれる。たとえポイントがなくても強引に押し売りしてくるようで、本来の価格に大幅な利子を付けたうえで支払わされ、ポイントの数値がマイナスに転じてしまっている。もう同じような押し売りアイテムでもない限り、何も買えませんね……。
さすがに【押し売り】しかスキルがないというわけでもないようで、いかにも呪われた装備っぽい効果まで付随している。
【ディープフォーリング】
[パッシブ][エリア][オート]
消費MP:24 再詠唱時間:30s
効果:この[スキル]は[範囲]で[妨害]が[発動]した[時]に[エリア]を[形成]して[発動]する。[効果]の[対象]を[自身]に[変更]する。
「直接的な発動ターゲットの誘導スキルですね。【アトラクト】とも似ていますが、発動タイミングを選べないのは少し厳しいといったところでしょうか。デメリットと引き換えに魔法攻撃力の上昇値が高いようです」
「お姉様いいなー。私も使ってみたいですっ!」
「いや、別にいらないから譲るのもやぶさかじゃないけど……灑智は槍をたくさん持ってるでしょ?」
しかも外せないやつ。解呪すれば一時的に外すこともできるようだけど、さすがにこれ以上装備を追加して使いこなすのは非常に難しいと思うんだけど……。
幸いにして能力の底上げにはなるので、不都合が出るまでは杖の二刀流を試してみようかな。
まだまだ物色したりないと言わんばかりに目を輝かせてアイテムを見つめている灑智と、それに付き添うとがみんを放置して、ボクは恐るべきダンジョンから抜け出した。
さて、気づけば同行者は0人。明日香さんも残念ながら店で物色を続けるようなので、久々のひとりぼっちだ。仕方ないのでゴブ蔵を召喚して賑やかしにしておこう。
「〜〜!」
そんなことを考えていると、頭の上に乗っかっていた妖精さんがぽかぽかとボクの頭を叩き、無言の抗議をし始める。
「ごめんなさい、完全に忘れてました。妖精さんもいましたね」
「ゴブッ!」
こっちこっちと手招きをするゴブ蔵のほうへ、ふわふわと飛んでいく妖精さん。妖精さんとゴブ蔵は仲がいいみたいですね。妖精さんを武器にするプランをいくつか考えていたけれど、幸か不幸か2本目の武器が見つかってしまったし……ゴブ蔵の武器にしてみようかな。
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>俺んち妖精さん家の中で放し飼いにしてるけどめっちゃ楽しいぞ
>この前必死に窓ガラス叩いて家から逃げようとしている妖精さんいたけどおまえんち?
>邪悪すぎる
>うさぎさん防衛軍の次は妖精さん防衛軍の結成か?
>卍さんは次どうすんの?
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「次ですか?うーん、主要な新規施設は、ようやくすべて見て回ったわけですし、どうしましょうかね?なにかリクエストを消化しちゃいます?」
『フォッダー不思議探検隊』にはこんな不思議を調査してほしいというお手紙が結構届いている。これまではやりたいこともあって後回しにしてたけど、そういったお題を消化していくのもいいかもしれない。
「えっと、まず1枚目。『転式学院ってなんだったんですか?』……ありましたね、そんなの。ちょっと前にネットでバズってました。【A−YS】攻略中の頃でしたっけ?まあ【フォッダー】の不思議とは関係のない話ですけどね」
プロゲーマーを育成する専門学校?みたいなところだという話だけど、結局『転式学院』出身の強豪ゲーマーを名乗っている人は見たことがない。名乗っていないだけでこれまで戦ってきたプレイヤーの中にもいるのかもしれないけど……なんだったんでしょうね、あれ。
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>ドヤ顔で学校経営宣言しといて特にプロゲーマーを輩出できてないってマジ?
>1日で強くなれるらしいぞ。おまえら人柱になれよ
>調べても彼女ができました!とか宝くじで1等当たりました!とかしか書かれてなくて胡散臭すぎる
>どうせ人体改造とかするんでしょ?怖い
>このゲーム、結局はリアルの能力が強いからな。1日で強くなるとしたらチートしかないよな
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「確かに気になる話題ですが、どうやって調べましょうかね?ネットにはまともな体験談もありませんし、実際にその学院に通った人の話を聞いてみたいところですが……」
視聴者さんの中にも転式の生徒はいらっしゃらないようで、だからこそ実態不明の学校に対する興味が湧いているらしい。だってね、ダメな学校ならそれはそれで入学者の具体的なネガキャンが投稿されててもおかしくないんですよ。
確かに検索をしてみるとネガキャンは出てくるのだけど、それは露骨なステマ活動に対する反発としか思えないものがほとんどで、いまいち信頼性に欠ける。かといって逆に入学してよかった、というような書き込みもふわっとした投稿でしかない。
「地道にインタビューして回って調査してみます?でも、視聴者さんの中にも1人もいないのに聞き込み調査で見つけられるかな?……うん、これは後回しにしましょう。続いての調査依頼です!」
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>逃げてて草
>読んだんだから責任持って調査しろハゲ
>ハゲは関係ないだろ
>コメント欄を見て傷つきました。こんな残酷なコメントを放置する卍さん最低です。チャンネル登録外します
>あーあ、卍さんが泣かしたー
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「なんでボクのせいになるんですか!?ハゲは悪くないですよ!ハゲをいじめる人のほうがよっぽどのハゲですから!さて、次のお手紙は……っと。『同じ顔で同じ名前のプレイヤーを何人も見かけます。流行ってるんですか?』……心当たりがないですね。キリトさんとかならほかにもいそうですけどね」
アバターなんてリアルアバター以外は真似しようと思えばいくらでも真似できるし、キャラネームも重複可なので仕様的にはまったく問題ない。有名人であれば、筍のように似た感じのキャラが量産されても不思議じゃないよね。
つまり同じアバターを使っているプレイヤーが増えることはまったく不思議ではない。誰を名乗っているプレイヤーが増えているのか、それが重要だ。
『卍荒罹崇卍という名前のプレイヤーが大量発生しています。もしかして複垢ですか?』
ボクでした。