卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
物理防御力を0にする
しかし【ナイト】にとっては致命傷となる。
ここからは
「ふふ♥ 墓穴を掘りましたね、魔王さん。人を呪わば穴二つ、です……【シェアリング】♥」
明日香さんが魔王に撫でるように触れると、【エアジャンプ】で大きく距離を取った。
効果演出もダメージ表示もない。ただ触れただけだ。だが、それを見たボクは魔法を捨て、杖を振るう。
「おらおらー! 【メイジ】様の物理攻撃ですよーっ!」
【アンプルアロー】でポーションを連射する。毒薬から爆薬まで、効果を考慮せずひたすら撃ち込む。なぜなら
同時に、後方からも岩の砲弾が連続して射出される。【カタパルト】ですね。物理と魔法の性質を合わせ持つ優秀な土属性魔法だ。純粋な物理攻撃には劣るが、今の魔王にとっては大きなダメージとなるだろう。
無数に撒き散らされた弾幕に紛れ、ゆうたさんは後衛へ下がりつつ槍を投擲していく。前線はボクと明日香さんがいれば抑えられるはずだ。アリンドさんにもひとまず下がってもらった。
そしてついに魔王のHPが――80%を切った。勝利への道筋が、ぼんやりながら見え始める。
「貴様ら、楽に死ねると思うなよ。【サモン・アンデッド】!」
魔王が杖を地面に叩きつけると、ボクたちの周囲に多数のスケルトンやゾンビが出現する。
「こいつらは我が不死軍団を指揮する最上級のアンデッド達。たった7人程度で勝て」
「はい。おつかれさまです。【フルバーニング】」
魔王の言葉が終わらぬ間に、ゾンビたちは1匹残らず塵と化す。ボクにとって数の優位は意味をなさない。持ってくるなら魔王級の戦力を持ってきなさい!
そして魔王が悠長に遊んでいる隙に、後方からめりぃさんが前線へ躍り出る。どうやら最大HPが回復したようだ。後方に退避していたことで先ほどの霧の影響も受けていない。
「【タウント】! さあかかってこいー!」
「【サミダレ】【トリプル】」
「ごめーん戻るねー」
完全に出落ちだった! 慌てて反転するめりぃさんに、魔王は容赦なく追撃を放つ。
「逃さぬぞ! <滅びの槍をその身に受けよ>……」
「おっと♥ 忘れてはいませんわよね?――《SANチェック》♥」
「――ッ!」
明日香さんの悍ましい狂気が魔王の詠唱をわずかに遅らせる。ボクはそれを合図に魔王の前に立ちふさがり、思いきり
「【メイジ】如きが盾役気取りか? 去ね! 【ダークスピア】【トリプル】!」
放たれた3本の槍がボクを派手に貫通する。だが――耐えた!
「お返しですっ!【ブレイズスロアー】!」
炎弾を撃ち返しながら、ボクは内心でほっとする。【タブレット】で魔法防御力は上げていたけれど、おそらく純白の翼さんの【バリアコマンド】込みで耐えたのだろう。まったく、本当に縁の下の力持ちですよ。
「【アクアスプリンクラー】砲撃開始!」
ボクは後方から乱れ飛ぶ水弾をかわしながら、【エアジャンプ】で離脱した。
それと同時にアリンドさんが前線に躍り出た。
現在、
おまけに魔王自身も段階を追うごとに強化されている様子だ。最初は単回攻撃だったスキルが、途中から【ダブル】によって攻撃回数を増やし、今では【トリプル】による3連撃を撃ち込んでくる始末。
かといって
――あれ? でもさっき、魔王さんの防御力が下がってませんでした?
「明日香さん!」
ボクは
「ああん♥ 痛くしないでくだ……――ッ……」
そしてそれは魔王が新たなスキルを発動させる瞬間だった。
「<我は終焉を願う世界の救い手、その意思に>……――ッ!」
魔王が沈黙した――。
「【猪突侵】!」
その瞬間、ゆうたさんがスキルで一気に魔王との距離を詰め、そのまま手に構えた槍を魔王に突き刺した。ゆうたさんが身にまとう鎧の胸部には、赤い縁の鏡が搭載されている。間違いなく未鑑定装備ではない。つまり効果を推測できる。つまり……予備の鎧だ!
その効果を察したボクは、弾丸のごとき速度でゆうたさんに接近し、【ソウルフレア】を撃ち放つ。
本日2度目、今度は超至近距離からのレーザービーム! さっきからボク、味方しか殴ってなくない?
魔王はボクたちを杖で殴打しようとするが、ゆうたさんはそれをたやすく受け流し、さらに追撃を加える。すでにゆうたさんの物理防御力は元に戻っている。そして沈黙状態の魔王に再び防御力を0にされる心配はない!
「今のうちに削り取れええ!!」
「オーケイ牧場。【車輪】【浸透】【エアーマシンガン】【発動回数:200】装填! 発射!」
すさまじい数の風の弾丸がおっさんの手から放たれ、嵐のように吹き荒ぶ。耳を裂くような風切り音が戦場を支配した。それを見たゆうたさんは、魔王を盾にするようにくるりと回り込み、さらなる追撃を加えた。そしてアリンドさんは剣を大上段に構え、静かに力を込めている。
「――はっ! 沈黙が終わりましたわ!」
明日香さんが大きな声でこちらに叫ぶ。
「ハハハハハハ!! これで終わりだ! <哀れな人形共よ、闇に揺蕩い永久に眠れ>【エンドロール】!」
「――なんだ、ビビって損しました。【フラムブレット】!」
「な、なぜだ!? なぜ【権能】が機能しない!?」
すでに対策済みのスキルを自信満々に発動し、当然のように不発に終わって狼狽する魔王。そんな隙を見逃すはずがない。
「勇者相手にここまでの隙を見せるとはな。【オールブレイカー】!」
アリンドさんが剣を勢いよく振り下ろすと、桁違いの衝撃が魔王を襲う。
勢いよく吹っ飛ばされる魔王を見据え、アリンドさんは残心の構えをとる。すごい! さすが腐っても勇者様! ぶっ壊れ!
アリンドさんは一瞬にして40%以上のHPを削り取った。やはり彼の存在こそが魔王討伐へのキーカード。
本来の魔王とのラストバトルには存在しないはずの例外的なキャラクター。そんな彼が不要であるわけがない!
しかし、
ゆっくりと立ち上がった魔王がこうつぶやく。
「ク……ククク。まさか人間がこれ程までに成長していたとは。侮っていた。褒美にこの我の奥義にて屠ってやろう」
「来るぞ! HPが10%以下になると始まる即死魔法の詠唱だ! 中断もできん!」
「この期に及んで長々と詠唱してどうするんですか? アリンドさんがもっかいさっきの技使えば勝ちでしょ」
「すまん、さっきの技は再詠唱時間《リキャストタイム》10分だ」
「なんでさっき使っちゃったんですか!??」
「おっと、先に回復しておいてからでないと危ないな。<静かなる深淵に眠りし>……」
「全力で攻撃開始ー!! 作戦通りに行きます! DPSチェックですよー!」
――こうなればやるしかない。ボクの持つ、最大最強の召喚魔法で!
【シェアリング】
[アクティブ][自身][キャラクター][発動:接触][支援][専用]
効果:次の[効果]を[選択]して[発動]する。
1.[味方][キャラクター]と[支援]を[共有]する。
2.[敵][キャラクター]と[妨害]を[共有]する。
テクニックその24 『耐性知らずの妨害共有』
強力なボスモンスターはこちらの
しかし、【サイキック】のスキルである【シェアリング】はそんな耐性すらも貫通します。
【シェアリング】の効果は
一度スキルが通ってしまえばあらゆる
ちなみにこのスキルは掲示板ではなぜか産廃扱いされています。
情報操作って凄いですね。
【エアーマシンガン】
[アクティブ][数字:x回][投射][風属性][攻撃][魔法]
消費MP:12 詠唱時間:10s 再詠唱時間:15s
効果:[数字:x]を指定する。[キャラクター]に[ダメージ]を[与える]。
卍荒罹崇卍の一口メモ
ジョークみたいな魔法の名前に相応しい低威力上級魔法です。そして同時に理論上のコストパフォーマンスは無限とも謳われる伝説級の魔法でもあります。効果を見ればわかる通り、回数を指定したらその回数だけ弾を発射します。10回でも100回でも消費MPは同じです。1分間に200発は撃てるので攻撃判定によるシナジーを最大限に活用しましょう。ただし、指定した回数分を発射し終えるまで動けなくなります。調子に乗って2000回なんて指定をすると……。
【カタパルト】
[アクティブ][12回][投射][土属性][攻撃][物理][魔法]
消費MP:6 詠唱時間:20s 再詠唱時間:30s 効果時間:4m
効果:[キャラクター]に[ダメージ]を[与える]。この[効果]は[詠唱後][12回]まで[任意]の[タイミング]で[発動][できる]。
卍荒罹崇卍の一口メモ
かなり使い勝手の良い魔法です!