卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
「じゃああかりちゃんが合図しちゃいます!よーい……はじめっ!」
あかりちゃんさんの合図で戦いの火蓋が切られる。神様はかかってこいとおっしゃってるし、先手必勝の精神で攻め込んでいこう!
「【フェアリーブレス】!」
風属性の性質は
わざわざ避けることに意味などないと踏んだのだろう。神様は煌めく風を強引に受けながら、光の如き速度でボクたちの家へ接近する。それに対してゆうたさんが屋根から飛び降り、その行く手を塞ぐ。
さて、【フェアリーブレス】を受けに来てくれたことでボクのAGIが1段階上昇する。さらに【シルフストーム】を重ねて発動することで【フェアリーブレス】を起点に小規模な風の嵐が発生し、さらなる連続ダメージを与えていく。
とはいえ風属性ELMが上がっていたとしてもやはり風属性のスキルは威力が控えめな傾向にある。しかし、【タクティクスフラッグ】は溜まる。チャージされた【タクティクスフラッグ】を6つ消費して【フェアリーブレス】の
さて、立ちふさがるゆうたさんに対して神様は一瞬で肉薄し、剣を振りかぶり——そして一気に振り下ろす。一見するとなんの変哲もない通常攻撃だ。その一撃はゆうたさんの盾によってあっけなく防がれる。そこにボクが放った2射目の【フェアリーブレス】が神様に命中した。
しかし攻撃を防いだはずのゆうたさんの顔色は悪い。ゆうたさんは盾を思いっきり前に突き出して神様を弾き返しながらも、状況を冷静に分析する。
「あの剣、どうやら相手の最大HPを削り取る効果があるようだ。回復はできんな」
最大HPを削る……!一部の
おまけに現在HP/最大HP割合では別に減っていない。傍からゲージを見る分にはダメージを受けてないように見えるという、地味な付随効果まである。
全能全開で殴ってくるかと思いきや、装備もちゃんと揃えているんですね……。
効果の詳細はわからないけれど、おそらくこの性能であれば通常攻撃にのみ適用されるといったところだろう。無職であり装備スキル以外の
さて、神様が弾き飛ばされている間にゴブ蔵が【ラピットガスト】をボクに命中させる。風属性最下級のスキルであり威力はほとんどないが、これによってボクの炎属性ELMが増加した。さて、そろそろ本格的に攻めていきましょう!
家を飛び降り、«疾風迅雷»で距離を詰めつつ、スキルの射程圏内に入ったところで【アブソーブ】を発動させる。回復でもあり吸収でもあり、炎属性となったこのスキルの発動方式は『キャラクター』。つまり、ターゲットにした相手に問答無用で効果が適用される。そして同時に【オートユーザー】でポーションを補給し、その威力を底上げした。
当然〈トンネル避け〉も無効だし回避も不可能。通常の威力こそ低いものの、〈ダメージ=回復の法則・second〉によって底上げしてしまえば理論上の火力は最高峰だ。
これが命中してしまえば、プレイヤーとして達することができる程度のHPなら即死確定。申し訳ないけど全能で無双される前に倒させてもらいますよ!
「——《
まあ、仮にも神様相手にそんなうまくいくわけないんだけど。
「【アブソーブ】が、不発した……?」
ボクの視界に表示される『ターゲットが存在しません』というエラーメッセージ。【ソウルフレア】や【ブレイズスロアー】と違い、このスキルはキャラクターをターゲットにするタイプだ。だから圏内にターゲットがいなければ発動しないのは当然だ。
しかし明らかに目の前に神様がいる。もちろん最近よくある幻覚や〈装飾表現〉による認識阻害でないのは《『心眼』》で確認している。割と何度も騙されているので戦闘中は確認を怠っていないはずなのだけど……。
「どうした?我は隙だらけだぞ?全能の前に屈したか?」
そう言いながらも、神様は剣を振りかぶり、勢いよくボクに接近する。堪らず【ホームリターン】で拠点に帰還する。その剣は虚しく空を切った。
しかし、
「最大HPが減った……」
回避したはずなのにダメージを受け、剣の効果が発動する。強力なスキル効果の代償か、威力が控えめなのが救いだけど、それでもなお危ない。
「ゆうたさん!ボクは後衛に回ります!」
「わかっている」
【ホーム】に戻ったボクの代わりに再びゆうたさんが神様に殴りかかりに行く。ゴブ蔵はそんなゆうたさんに【ディフェンスアップ】を送り込む。闇属性に変換した上での
その間にボクは【メテオ】の詠唱を開始する。もちろん《『心眼』》で周囲を常に観察するのも忘れない。先程の一撃、あるいは剣の判定に関わる量子だけをこちらに発射してきた可能性がある。そういったからくりであれば距離は関係ない。『量子もつれ』を利用して距離を無視して斬りつけることすらできるはずだ。けれど、【モーションアシスト】にそれを意識させておけば前兆を捉えることだって——。
ゆうたさんが盾で思い切り神に殴りかかる。神はそれに対して剣を振り下ろすことで迎撃を図る。しかし物質干渉力差は歴然、神はあっけなく再び弾き飛ばされた。
ゆうたさんと戦っているように見せかけてボクを狙っている?ここまで行くとなんらかの装備スキルの効果を疑うけれど、そういったスキルであれば【無音詠唱】を使わない限りは発動宣言があるはずだ。装備に【無音詠唱】がついているのならわかるけど、
なんにせよまだ致命傷には至っていない。詠唱は終わった。ここからさらに攻めていく!
「【メテオ】!」
天空の彼方より輝く隕石が落下する。当たればプレイヤーなら即死。弾道の操作によって神様をピンポイントで追尾し、そして……堕ちる!
当然のように流星の一撃は直撃する。しかし、
しかし、〈トンネル避け〉ではありえないはずだ。ボクのDEX値であれば互いの【モーションアシスト】の影響力は相殺される。完全に命中とまではいかなくとも、掠るくらいのダメージはあるはずなのに。