卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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第256話 輪廻蘇生

「【サモン・フィーニクス】を……?」

 

「そうだ、ククク……【サモン・フィーニクス】は強力な攻撃スキルだが、その本質は攻撃ではないだろう」

 

 そうでしたっけ?ボクは過去に2回くらいしかこのスキルを使ったことが無いので忘れちゃいました。ちょっとスキルの説明文を見てみましょう。

 

【サモン・フィーニクス】

[アクティブ][自身][エリア][召喚][魔法]

消費MP:28 詠唱時間:1m 再詠唱時間:10m 効果時間:15s

効果:一定時間、[フィーニクス]を[召喚]する。

[フィーニクス]は[自身]を[起点]として[形成]した[エリア]内でのみ活動を行う。

詠唱:始まりの炎より生誕せし、根源たる一柱、灼熱の翼に風を受け、輪廻を廻る一羽の鳥よ、世界の狭間より森羅万象を睥睨せし神、果てなき夢幻の彼方を駆け抜け、無限の果てへと辿り着かん事を

 

[フィーニクス]は以下の能力を持つ。

【フィーニクスフレア】

[アクティブ]詠唱時間:5s 効果時間:5s

効果:[キャラクター]に[継続的]に[ダメージ]を与える。[キャラクター]の[炎属性][耐性]を[無視]する。

【支配領域】

[パッシブ]

効果:[自身]を[起点]として[エリア]を形成する。

【再生の奇跡】

[パッシブ]

効果:自身の[発動]した[エリア]にいる[味方]の[HP]を[継続的]に[回復]させる。

【再誕の奇跡】

[パッシブ]

効果:[自身]の[発動]した[エリア]を[味方]の[リスポーンポイント]とする。

【劫火の奇跡】

[パッシブ][スイッチ]

効果:[自身]の[発動]した[エリア]にいる味方の[炎属性][ELM]を[増加]させる。

 

「あー。こんな効果ありましたね。攻撃にしか使ったことが無いから、この効果が活躍した場面とか無いですけど。自爆特攻してもいくらでも生き返られる、というスキルでした」

 

 【再誕の奇跡】、一度も効果が適用される場面に遭遇したことが無いけれど、本来ならばこれがスキルの本体だ。要するに、死亡した後の復活地点がその場になるので、擬似的な蘇生と同等の効果を得られる。

 

 死亡後に蘇生待ちしているプレイヤーがいるときに使っても効果が得られるので、詠唱時間(キャストタイム)60sの全体蘇生としても使えるのだ。

 

 ちなみに現在のボクはいくつもの詠唱時間(キャストタイム)短縮スキルを重ねがけすることで、この大詠唱スキルの実詠唱時間(キャストタイム)を30秒前後にまで減らしている。そろそろ実用に耐えるくらいになってきたんじゃないかな?

 

「継続回復とリスポーンポイント指定——そしてゴブ蔵の装備効果。これだけ情報が揃えば、後は推測できるのではないか?『適応せし者』よ」

 

 継続回復……これは先の実験と重なっている。要するに、最大HPが0のキャラクターに継続回復が適用されれば死ぬ、ということだ。そしてリスポーン指定。これによって死んだ瞬間に生き返るので、ゴブ蔵はフィーニクスが存在している限り死に続けることになる。そして最後に()()()()()()

 

暗闇を流離う滅びのイヤリング

・それは闇属性に35%の補正を加える

・それは自身の死亡時に闇属性の追加ダメージを与える

・それはHPが0になった時にアンデッドとして転生させる

 

「ま……まさか!」

 

「その通りだ!我々は〈死者の軍勢〉によってこのダンジョンを攻略する!」

 

----

>邪悪すぎる……

 

>悪魔の発想

 

>ゴブ蔵くん、卍さんが嫌になったらうちに来ても良いんだよ?

 

>ゴブ蔵のゴーブ&ゴブゴブ配信ちゃんねる始めようぜ

----

 

「何言ってるんですか!ゴブ蔵はうちの子ですよ!みなさんにはあげません!ね、ゴブ蔵?」

 

「ゴブー!」

 

 ゴブ蔵も快く賛同してくれたので、ゴブ蔵増殖作戦を開始することになった。ただ、アンデッドゴブ蔵も恐らくは回復で死んでしまうんですけど、そこは良い感じに回復エリアの外に出現してもらうように調整してもらうしかありませんね。

 

 

「〈始まりの炎より生誕せし、根源たる一柱〉 〈灼熱の翼に風を受け、輪廻を廻る一羽の鳥よ〉 〈世界の狭間より森羅万象を睥睨せし神〉 〈果てなき夢幻の彼方を駆け抜け、無限の果てへと辿り着かん事を〉……【サモン・フィーニクス】つ!」

 

 ボクの長ったらしい詠唱が完了し、狭い洞窟の中に【フィーニクス】さんが召喚される。今回は敵もいないので効果時間である17秒(【時神の加護】で約2秒追加)の間はゆっくり過ごしてもらおう。ついでに職業(クラス)も獲得させておこうかな?

 

 【女神像】で【サイキック】に切り替えて【マインドハック】によってぱぱっと適当な職業(クラス)を獲得させておく。とりあえず【ビショップ】にしておいた。

 

 【フィーニクス】はどこぞのうさぎと同じように【支配領域】を持っているので、たった17秒とはいえ結界(エリア)支配者(ドミネーター)の真似事ができる。

 

 【応報の奇跡】を覚えさせたので回復能力も含めて耐久戦に強くなっただろう。自爆覚悟で特攻して反撃したらダメージなんてやらしすぎますよね。

 

 と、あまり設定に掛けられる時間がないのでゴブ蔵の方を見ていられなかったんだけど、さてさてどうなったのかな?視界には入っているのだけど、改めてそこに意識を向けると酷いことになっていた。

 

「うわぁ……骨ゴブ蔵とゾンビゴブ蔵がいっぱい……」

 

 洞窟を埋め尽くすようにアンデッドの集団が形成されており、それぞれ好き勝手に遊んでいる。

 

 どうやらフィーニクスさんが【支配領域】を意図的に狭めているらしく、ピンポイントで本体のゴブ蔵だけが死の連鎖に巻き込まれ、アンデッドゴブ蔵を大量生産している。

 

 あまりにも増えすぎてボク達の現在地点の遥か先の方にまでゾンビゴブ蔵が出現しているらしく、何やら遭遇した敵と戦闘をしているような音が聞こえてくる。現在の彼らは効果時間が経過するまでHP0なので、ゴミのように惨殺されつつ敵と戦っているらしい。

 

 とはいえ多勢に無勢、《『心眼』》で軽く壁を透視していると、無事に先の方にいるモンスターを倒せたようだ。それを感じ取った他のゴブ蔵たちもわいわいと喜んでいる。

 

「なにこれ?」

 

 と、そこでフィーニクスの効果時間が経過したので元の世界に帰っていく。またねー。詠唱時間(キャストタイム)が短縮されて召喚しやすくなったので、また呼ぶかもしれませんね。なーんて現実逃避で別のことを考える。

 

「フハハハハハハ!これよりアンデッドアーミーによるダンジョン攻略戦線を開始する!」

 

 やがて最大HP減少の効果時間が終了し、蹂躙劇が始まる。それぞれのゴブ蔵は闇属性を付与した回復魔法で自身のHPを最大まで回復させ、我先にとダンジョンを突き進んでいく。

 

 途中には強力なモンスターや、あるいは少々の即死(トラップ)があるようだけど、数の暴力の前には全てが無意味。仲間が死んでもいくらでも代わりがいる。ボク達はそんなゴブ蔵軍団の後ろをとことこと着いていくだけ。

 

「やばいですね」

 

「ククク……最大HP減少のスキルを覚えれば1人でも使えるぞ。【ナイト】でその手の(ビルド)を取得しておいたらどうだ?」

 

 まあ言われずともその(ビルド)の【ナイト】は作るけど——実はアンデッドのゴブ蔵って効果時間が無いから死ぬまで残り続けるんですよね。死んだら復活はしないのでいずれは減っていくとはいえ——このテクニックを乱用したらいずれは【フォッダー】がゴブ蔵、あるいは同テクニックを使う他のプレイヤーに飲み込まれてしまいそうで怖い。

 

 【フォッダー】終わったな、と言いたいところですが、ここはあえてこう言わせていただきましょう。

 

「【フォッダー】始まったな」

 




テクニックその107 『輪廻蘇生』『死者の軍勢』
最大HPが0になったモンスターを【フィーニクス】の継続回復(リジェネ)で回復し続け、復活と死亡を延々と連鎖させることによってアンデッドの無限生成を狙うテクニックです。今回はゴブ蔵が死亡をトリガーとしてアンデッドを作ることが出来る事からこういった使い方になりましたが、死亡をトリガーとするの装備であれば他にも応用は可能です。あまりにも酷すぎる絵面を無視すれば圧倒的なリソースを瞬間的に獲得できますね!
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