卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!   作:hikoyuki

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第261話 占い師の秘奥

「さあ、もう17秒の無敵時間が続きますよ!どうしますか?」

 

「ゴブー!」

 

 ボクの【サモン・フィーニクス】が効果時間を終えたと同時に、再び【サモン・フィーニクス】を召喚するゴブ蔵。まだまだやりたい放題の時間は続く!

 

「我は識っておるぞ!【サモン・フィーニクス】の再詠唱時間(リキャストタイム)は10分!【時神の加護】を考慮した上でも3発目はあるまい!」

 

 17秒あれば十分だ。ゆうたさんは大砲を仕舞い込み、人間サイズの大剣を両手で構えながら神様に接近する。距離を詰めるゆうたさんは視線によって撃ち抜かれ、さらに瞬時に生成された小粒の石を嵐のように浴びせられ……しかし、HPは全損しない。

 

「【アブソリュート】!」

 

 【モーションアシスト】を無効化する【ナイト】の持つ、切り札とも呼べる一撃が神様の顔面にヒットする。ダメージはない。

 

 続けて【ニノタチイラズ】による2発目の【アブソリュート】が神様を襲うが、これも無効。

 

「効かぬとわかってるだろう!」

 

 続けて【タクティクスフラッグ】を起動しての3発目の【アブソリュート】——そこでダメージが入った。

 

 神様はたった今、〈魂の言葉(ソウルワード)〉を手動で発動させることに失敗した。【アブソリュート】によって【モーションアシスト】が無効化される以上、《神なる行動(ディバインアクション)》は最適解ではなく、神様自身のマニュアル操作となる。

 

 そのことを理解した神様はなんとか反撃の隙を伺っているようだけど、この連続攻撃にまるで対応できていない。ダメージはほとんど入っていないけれど、【モーションアシスト】が遮断されたことにより、全能の領域は大幅に制限されているんだ。

 

 そこでゴブ蔵のスキル詠唱が完了する。

 

「【ネガティブゲイズ(ゴブブブゴブブ)】!」

 

 【ネガティブゲイズ】。視界に収めた相手の特定ステータス1つを下降させる【メイジ】スキル。これによって神様の炎属性ELMがさらに減少する。

 

 その気になれば《神なる行動(ディバインアクション)》によって視界というターゲットから外れることもできるかもしれない。しかし今はマニュアル操作で〈魂の言葉(ソウルワード)〉を起動しなければならない。

「〈派手に弾けろ〉【イグニッション】——」

 

「いくら炎属性ELMが低下しても攻撃が無効で——」

 

 そう言おうとしてはっと気づいたかのように息を呑む神様。けれどもう遅い!

 

 【モーションアシスト】による全能を封殺された神様にこの『回復』から逃れる術はない!

 

「——【ファストリカバー】!」

 

 ボクの杖から放たれた回復の光が神様を浄化していく。炎属性の回復魔法である【ファストリカバー】が致命的な炎属性ELMの低下により裏返り、相手へのダメージへと転化する。

 

 結果的に致命打になっていようとも、このスキルのカテゴリは『回復』だ。【邪神】の【加護】が微笑むことはない。

 

 

「うわあああああ!!今の【帝神】でカスタマイズしてなかったら落とせてましたよ!!」

 

 しかし——それでもとどめを刺すには至らない。ボク自身の炎属性ELMが低下していることもあり、【ファストリカバー】が再詠唱時間(リキャストタイム)のために出力を犠牲にしてしまったのもあって、相手のゲージをわずかに残してしまった。

 

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>はい負け

 

>全能は最強だったか

 

>言うほど全能使ってたか?

 

>割と舐めプされてたな

 

>出たー肝心な時にプレミ奴ーwwwwwww

 

>風属性スキルでウイッチハットの効果発動でもいけたよね??

 

>ゆうたさんからの提供装備を無為にしたってマジ??

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「フハハハハ!なかなかに健闘したが、神を倒すには至らなかったようだな!」

 

「くそっ!負けました!もう今みたいな理想の流れを作ることなんてできませんよ!」

 

「荒罹崇、茶番はいいからとどめを刺せ」

 

「あっごめん、戦闘前に【タクティクスフラッグ】溜めてたんでしたね。もう1回【ファストリカバー】」

 

「ぐぁあああああああ!!!!!!」

 

 今度こそ間違いなくHPを全損させた。この戦い、ボク達の勝利です!

 

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>詐欺師かな?

 

>これ絶対どこかの占い師の教え受け継いでるだろ

 

>ご覧ください、これが占い師になって得た詐術テクニックです

 

>別に時間稼ぐ必要もなかったし完全に無意味な詐術で草

 

>いや、あわよくば演技でリキャストタイムの経過狙ってそうだったぞ

 

>勘違いで無駄な負け筋発生してんぞおい

 

>あかりちゃんチャンネル登録しました

 

>プレミをする度にあかりちゃんのチャンネル登録数が増えるってマジ??

----

 

「待って待って!ボク悪くないです!ほんとに忘れてただけなんですってば!」

 

 勝てたから良かったじゃないですか!ね!という感じに話を逸らそうとしてみたけど、初めから全開で全能を使われたらやっぱりなんだかんだ破綻してたよね、という絶対的正論に何も言い返せない。

 

「いやいや、相手が本気ならこっちも全能をですねー!」

 

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>マジかよゲーム内スキル雑魚じゃん

 

>そもそも3対1で戦っているという事実

 

>なお、相手もゲームスキルで無敵になっていた模様

 

>都合の悪い時だけ縛り解禁ってマジ??

 

>卍さんがタイマンで神様に勝ってるところみたいなー

 

>しかも全能縛りでな

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「そ、そそそそこまで言われたら仕方ないですね!もう1回神様に試合を申し込んできますよ。まあボクは天才ぷろげーまーですから楽勝ですけどね楽勝」

 

「……終わったな」

 

「なにか言いました?ゆうたさん」

 

「なんでもない。しかし今からもう1戦やっても勝ち筋はないだろう。また今度にした方がいいのではないか?」

 

 リスポーン地点からいつの間にか戻ってきていた神様に、ゆうたさんは話しかける。

 

「フハハハハ!その通りだな!しかし——神である我を倒すとはなかなかやる奴らよ。再びの挑戦を受けてやってもいいぞ。今度は本気で行かせてもらうがな」

 

「も、もー、そんなにボクと戦いたいんですかー?仕方ないですねー。こっちこそ叩き潰してあげますよ。覚悟してくださいね?」

 

 と、表面上は良い感じに言い繕って焦りを誤魔化すけど、ぶっちゃけ勝ち目あります?いやいや、縛りなしならまだわかりますよ?うん。でも相手は全部の攻撃を無効化してくるんですけど?しかも今回は【サモン・フィーニクス】の連投で誤魔化していたし、相手の火力を抑え込む手段がないんですけど?

 

「ゴブ蔵はボクの召喚モンスターですし、セーフですよね?」

 

「2人掛かりで来るのか?」

 

「いやでもボクの持ってる装備の効果ですよ?装備を縛れっていうんですか?完全論破!」

 

「そ、そうだな。世界を統べる神である我が認めよう」

 

----

>必死すぎて駄目だった

 

>ゴブ蔵の人権が否定されている……

 

>これはAI反乱案件

 

>でもゴブ蔵めっちゃ嬉しそう

 

>マジでゴブ蔵も配信してほしい。絶対ウケるぞ

 

>なんか和むよな

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