卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる! 作:hikoyuki
その言葉だけを告げて、私は引っ込むことにした。道筋なんてもう示せない。できることはただ1つ。ゲームの世界を抜け出して、"作者"を説得することだけ。そのためには私達が〈
もしもそれができる存在がいるとしたら――。
そしてユーキさんは強制的に再現を中断し、身体の主導権はボクに戻った。
「もしもそれができる存在がいるとしたら――ねぇ。ボクではないことは確かですが」
ユーキさんの言葉はボクにとっても衝撃的だったけど、先程までボクはユーキさんだった。だからこそ情報を正確に理解し、落ち着いた心で事実として受け止めている。
「この世界はゲーム……ゆうたさんも言っていましたね。〈魔導〉はまるでスキルのようだ、と」
世界はそう或るからこそ、そうなっているものばかりだ。世の中の科学者が高らかに『世界の法則を解明した』と宣言したとする。しかし、かの有名なレスバトラー、ソクラテスのように問答法を繰り返せば、必ず1つの結論にたどり着くだろう。
『そうなっているからそうなっている』
あるいは、たどり着いた先にも隠された法則や理論があって、いずれ解明されるときが来るのかもしれない。けれど、その法則もまた、最終的に答えは1つに収束する。
そして、その理由をさらに突き詰めるなら『神様がそう作ったから』と言ったところだろう。
神様、創造主、"作者"。呼び方はいろいろあるけど、意味するところは同じだ。
【フォッダー】の全てのルールをユーキさんが定義したように、
リアルもまた、神様――このゲームの"作者"が全てを定義した。
この世界の始まりがゲームだろうが世界だろうが、何も変わらない。
「この世界が……ゲーム……?どういうことなのです……!?」
「私たちは『水槽の脳』ってこと!?ふざけてる!」
ユーキさんの言葉に動揺を隠せない2人。荒唐無稽な話ではあるけれど、全てを識るAIであるユーキさんの言葉を嘘とも断じ切れないのでしょう。
「でも、むしろやりやすいくらいですよね?」
ぽつりと言葉を漏らすボク。それに対してハルカさんは恐る恐る尋ねる。
「な、なにがよ?」
至って簡単な理屈だ。ボクと志を同じくする同士なら、わざわざ問い返す必要すらない。
「ボク達はゲーマーですよ?この世界がゲームだとしたら、世界自体がボクの土俵じゃないですか。ですよね?みなさん」
ボクの言葉に対する反応は真っ二つに分かれた。
「馬鹿じゃないの!?私たちが生きる世界が全部偽物だってのに――」
「さすが卍さん!言われてみればそうなのです!」
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>ぼくニートだけどこの世界がゲームだって聞いたら急に楽勝な気がしてきました
>ぼく社会人だけど社長なのでプロゲーマー名乗っていいですか
>VRステーション開発するくらい人生やりこまないとプロゲーマーを名乗る資格はない
>ついに裏ボス、作者討伐戦が解禁!
>作者が裏ボスとかクソゲーにも程があるだろ
>小学生が作ったフリゲかな?
>企業製でも普通にあるんだよなあ
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「ふっふっふ、ハルカさんとやら。この中で常識人はあなただけのようですね?そんなんでは〈
ボクが非常識ポジションなのは重々承知だが、あえて無意味にマウントを取ってみる。
「……そうね。だからこそ、世界の危機に対する対抗策として【フォッダー】が用いられているのかもしれないわね」
なかなかにふざけた理屈で話している自覚はあったけど、ハルカさんはそれを理性的に受け止めた。
「結局相手が神でも作者でも、やることは同じなのです!……つまり……ユーキさんの話はなんのヒントにもなってないのです?」
「大層なことを言っていた割にはそうなりますね。それにしても、この世界がゲームってどういうことなんでしょう?ハルカさんも言っていた『水槽の脳』って奴なんですかね?」
「『水槽の脳』、なんなのです?」
「……簡単に言えば私たちは、VRゲームをプレイしてるんじゃないかという仮説ね。今見ている光景や人とのやり取りが、仮に外部から脳に直接信号を送られているだけだったとしたら……私達はそれを証明することも否定することもできない。『5分前仮説』と同じような思考実験かしら」
「証明できないからこその思考実験だったというのに、ユーキさんはそれを証明してしまったんですね……」
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>水槽の脳どころかシミュレーションゲームのAI説あるからな
>世の中では人類とAIとの対立煽りが発生しているというのに両方AIってマジ?
>AIとAIの対立煽りなんだよなあ
>作者とかいうシムワールドを眺めて飽きたら隕石落として遊ぶクズ
>最低すぎる。作者のチャンネル登録外します
>卍さんのチャンネル登録外したい欲を越える作者のチャンネル
>どこに作者のチャンネルあるんだよ!!
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「まあいいでしょう。よくわかりませんが、ユーキさんは"作者"のところにいて、ボク達はその場所を目指すだけ!ついでにとがみんも回収して『みっしょんこんぷりーと』です!」
ちなみに視聴者の方々はゲームなら余裕で世界救える!なんて大層なことを言っていた割にはコメントを書き込むのに夢中で、ぜんぜん世界を救う手が動いてるとは思えません。最低ですね。
「……とにかく、ゲーマーだからこその自信があるのはよくわかったわ。で、どうするの?自信があるなら当然いい案があるんでしょうね?」
「あると思いますか?」